ペーパーナイフで開封した封筒の中からは、ボールペン書きに依る確りした書体の7枚の手紙が出てきた。 拝啓 刑庭にチラホラと紅梅が咲いているのを眺めつつ、ペンを執っております。 大西賢治と言う氏名に心当たりも無く、さぞや不信の念を抱かれた事と推察いたします。 賀川 信之...
寒明けも間近いと言う声が聞こえて来そうな如月の有る日、私が何時ものように個人事務所の郵便受けの中身を手でまさぐって見ると、仕事に関する経済関係の郵便物に混じって、差出人の名前に思い当たる節の無い封書が一通届いていた。 まだ手放せないコートのポケットから一束の鍵を取り出し...
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