また新しい年が来て あの時から更に遠ざかる 君は覚えているかな あの短いひと時のことを
幼い頃の記憶を頼りに 白と黒の鍵盤に指を滑らす
「いい加減その思い手放したらどうかな」 何も知らない君はそう言うけど
もういいや 僕いいや
キーボードを叩いていた指を止め ふと大きく息を吐く
今でもふと思い出すんだ 君の下卑た笑い
新しい世界はいつも 好きだけど嫌い
家族の手術は無事に終わったの?と さらりと流された情報を思い出してメールを送る
オレンジ色の小さな果実は 幸福とお日様の象徴のよう
ひたひたと夜がやってきて 静けさで辺りを包む 家族が寝静まった家の中 そっとテレビの音量を下げる
一緒の時間を過ごしたのは はるか彼方で一瞬で なのにふとした拍子に思い出すよ
喜びに輝く人の顔を見ると 叩き潰したくなるのが人の本能 そう思えるようなこと 何度もあったよ
僕らの中にはいつも欲望が ぐるぐるぐるぐる渦巻いている
あの頃の僕はずっと泣いてた 伝わらぬ思いにずっと泣いてた
言の葉を紡いで 僕は世界を操る
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