いつきさらさ さん プロフィール

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いつきさらささん: わたしをさがしていますか
ハンドル名いつきさらさ さん
ブログタイトルわたしをさがしていますか
ブログURLhttps://sagasiteimasuka-poet.theblog.me/
サイト紹介文いつかの日常から非日常まで|最新作『わたしをさがしていますか』発売中(pocket.jp)
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供366回 / 365日(平均7.0回/週) - 参加 2016/01/18 23:40

いつきさらさ さんのブログ記事

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  • ときどき生まれたばかりの朝焼けをもぐもぐ食べてしまいたくなるのですなんだかとても懐かしくて愛おしい匂いですときどき生まれたばかりの朝焼けをびりびり引き裂いてみたくなるのですなんだかとても楽しそうで震えるほどの絶望に酔いしれるのです [続きを読む]
  • 蜜柑とだれかの信じたかみさま-5
  • お前だけが特別だ面白いやつだついて来なさいだれかの信じたかみさまはするんと皮をむき実を貪り皮を小さくちぎってのみこみましたずっとずっと昔からそうしていたのでだれかの信じたかみさまの褥には心だけになった蜜柑たちがつぶれたり消えかかったりしながらあぶくのように行ったりきたりすっかり地上の夕焼け色を作りだしておりましたあなたがいま大切なだれかと見つめている夕方過ぎの西の空一体全体なんの色なのでしょ [続きを読む]
  • 妬むことすら
  • 小さな青い星にとりこまれどこへでも行けそうでどこにも飛べなくてあたしは何も知らないままで泣くことだけが真実だと思ってた小さな青い星にとりこまれ誰にでもやさしくできそうで誰からも見捨てられてあたしは何も知らないままで笑うことだけが現実だと思ってた小さな青い星にとりこまれ何にでもなれそうで何にもなれなくてあたしは何も知らないままで妬むことすら美しいと思ってた [続きを読む]
  • 指先
  • 心の入口って知ってる目かなどうしてそう思うの考える前に否応なく飛び込んでくるまてよ耳かなどうしてそう思うの目はつぶればいいけれど耳は閉じることができないいや口かなどうしてそう思うの考えていることと裏腹な言葉が飛び出してしまうから逆もまたありかなとそうだねだけど本当は指先なんだよそう言ってきみは僕の左腕にぎゅっとしがみついた [続きを読む]
  • 蜜柑とだれかの信じたかみさま-4
  • だれかの信じたかみさまは心だけになった蜜柑を連れてどんどん歩いておりましたするんと皮を剥かれ実を喰いつくされ剥かれた皮も飲み込まれたので蜜柑はただただついていくのでした日照りの中も大雨の中もだれかの信じたかみさまは決して歩を緩めないするんと皮を剥かれ実を喰いつくされ剥かれた皮も飲み込まれたので蜜柑はただただついていくのでした [続きを読む]
  • 夢を見なくなっても
  • 気がつけば前が見えないほどの荷物を抱えていたきみの正体が猫でも人でも空が落ち始めたことさえたいしたことではなかったのにきみの名付けたコーヒーを飲み猫そっくりの店主に宇宙語の辞書を見せてもらいかちんかちんの店で時々“おしまいのミルク”を買うそして後悔だか悲しいのかよくわからない手紙をスケッチブックにしたためきみと同じ模様をした小さな生き物と暮らしている気がつけば前が見えないほどの思いを抱えてい [続きを読む]
  • 花咲くように心あふれて種蒔くように夢を見た刈りとるように熱はもつれて熟れた月に触れる爪 [続きを読む]
  • 蜜柑とだれかの信じたかみさま-3
  • 心だけになった蜜柑は考えていました内側も外側もなくなったけれど内側のまた内側は食べられなかっただれかの信じたかみさまは内側のまた内側もその向こう側まで簡単に喰い散らかすのだと林檎たちは噂してたっけいずれ自分もそうなるのだろうかそれとも林檎は体に刺さった芯のことを話していたのだろうかだれかの信じたかみさまのあとをふわふわとついて行きながらそれはそれでかまわないそんな気持ちもどこかに生まれており [続きを読む]
  • 店主
  • かちんかちんの店に珍しく鍵がかかっています空がひとかけ落っこちそうだと雲予報士がラジオで言っていたので安全のため店主が鍵をかけたのですそして空が大丈夫そうだとわかると窓を大きく開けて森の香りと夕焼けの香りから作ったお香を店の中でもくもくもく!と焚きましたさて“人よけ”も済んだし念入りに掃除でもしようかねえ店主は窪みからえっちらおっちら運んできた雲の中にぐい!冷凍庫を押し込むとほこりで目が痛く [続きを読む]
  • 蜜柑とだれかの信じたかみさま-2
  • 滴り続けるものだから貪り続けることをやめだれかの信じたかみさまはするんと剥いた蜜柑の皮で指先と口元をやわやわ拭いました心だけになっても存在しているなんて面白い蜜柑だこうしてやろう甘く熟れた実を貪ったあと滴る果汁をやわやわ拭ったその皮も小さくちぎってのみこみましただれかの信じたかみさまはそれでようやく満足して“一緒に来なさい”蜜柑に優しく言いました [続きを読む]
  • 蜜柑とだれかの信じたかみさま-1
  • おまえ心さえあればそれで足りるだろうおまえ心さえ美しければそれでじゅうぶんだろうおまえ心に闇を宿し光を宿し乱反射させて存在すると言うのならだれかの信じたかみさまは手を伸ばし蜜柑の皮をするんと剥きましたほーら肉体は消えて心だけが残っている満足そうに微笑むと実を貪ったのです [続きを読む]
  • 退屈の風船をめいっぱいふくらませ無表情に立っている産湯を使ったつかまりだちしたランドセルに隠れる体初めてくれた赤い花すべてふりはらって無表情にそこにいる乱反射する命をもてあましながらスーツケースと一緒に [続きを読む]
  • 天の大鍋
  • 孤独な心臓たちがぐつぐつ震える樹上の空はそれはもう焼け落ちそうに美しくわれ先に口づけしたいと焦がれるほどでした孤独な心臓たちがふつふつ震える樹上の空はそれはもう身悶えするように艶やかでわれ先に触れたいと夢見るほどでした孤独な心臓たちがふつふつ震える樹上の空はそれはもういずれは行き着く場所なのですがわれ先に愛も涙も注ぎこもうと焦るほどでした [続きを読む]
  • 見守りカメラ
  • あたしこれキライ心臓がどきん!いつ動くのかびくびく誰もいないのにお水とごはんが出てくるなんてガマンできないあたしこれキライあなたのキレイな声がこんなにガサガサになっちゃうんだものここにいないのに「僕だよ」なんて言わないでいつものように甘えさせて [続きを読む]
  • umbilical cord
  • 雫の形だった少しぐらいアンバランスでも気にも留めなかったけれどつながってたんだ涙の形だった少しぐらいあなたの時が早すぎても気にも留めなかったけれどつながってたんだ深く儚い強さで [続きを読む]
  • しあわせな羊さん
  • しあわせな羊さんくるくる回る寝言の意味など知らないくせにしあわせな牛さんくるくる回る運命の意味など知らないくせにしあわせなお嬢さんくるくる回る愛の意味など知らないくせにしあわせなお星さまくるくる回る空も落ちよと言わんばかりに [続きを読む]
  • おもちゃみたいな星に生まれて
  • おもちゃみたいな星に生まれてゼンマイじかけの命を歩くのだからせめて錆びつかないようにしないとねわたあめみたいな星に生まれてタイトロープの命を進むのだからせめて足元を見失わないようにしないとねバーミリオンな景色も見飽きて不確かな今日に抱かれるだからせめてやさしい夢ぐらい見ないとね [続きを読む]
  • 土曜日の猫
  • 土曜日の猫が笑う日曜なんて土曜の明日ってだけでちやほやされるのよって土曜日の猫が歌う日曜なんて月曜の昨日ってだけで愛されてるのよって土曜日の猫が踊る日曜なんてあたしは知らないくるくるくる毛糸玉追っかけて迷い込んだ日曜なんてあたしは知らない [続きを読む]
  • 寒がりな女の子
  • 寒がりな女の子恋のうたもふかふかの毛布もあたしをあっためてくれないの寒がりな女の子ママのハグも熱々のスープもあたしをあっためてくれないの寒がりな女の子きみの左腕と鼓動しかあたしをあっためてくれないの [続きを読む]
  • 始まり続けることは終わり続けること
  • かちんかちんの店には冷凍庫のそばに時々頑丈そうな傘が置いてある忘れものなのか気まぐれなのかもう雨の心配をしなくてよくなったというのに冷凍庫のそばに時々頑丈そうな傘が置いてある空が落ち始めて今日で一年そこにいた人たちが本当はどこへ行ったのかよくしたものでやっぱり何ひとつ伝わってはこない始まり続けることは終わり続けることそして循環し続けることだから必要以上に悲しんだり悔やんだりしなくてもいいんじ [続きを読む]
  • 通せんぼ
  • “ここにあなたの居場所はない”たくさん席は空いているのにたくさん床が見えているのに通せんぼされた気がして悲しくなった“ここはあなたの居場所じゃない”たくさん椅子があるのにたくさん笑顔が見えているのに何もかもが遠い気がして淋しくなった“ここにあなたはいなくていい”たくさんの視線とたくさんの囁き声ぜんぶが突き刺さってくるようで怖くなった [続きを読む]
  • 満員の満席
  • この星はとうの昔に満員の満席もうぎゅうぎゅうで心をふわふわさせることもできなくなったこの星はとうの昔に満員の満席もうぎゅうぎゅうで風をつかまえることもできなくなったこの星はとうの昔に満員の満席もうぎゅうぎゅうで息をすることも忘れがちになったこの星はとうの昔に満員の満席もうぎゅうぎゅうで明日に遠回りすることも禁じられている [続きを読む]
  • 旅猫の噂
  • 昔々小さな青い星に人のように話し人のように二本足で歩く猫そっくりの生き物が暮らしていました猫そっくりの生き物は森のうんとうんと深いところや洞窟のうんとうんと奥のところや海にうんとうんと近い崖みたいなところようするに“果て”とか“隅っこ”と称される人にとってはよくわからないそんな場所を好んで静かに静かに暮らしていましたある日小さな青い星に諍いごとが起こりました小さな星の上でのことなので諍いごと [続きを読む]