いつきさらさ さん プロフィール

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いつきさらささん: トーザ・カロット岬の詩人屋さん
ハンドル名いつきさらさ さん
ブログタイトルトーザ・カロット岬の詩人屋さん
ブログURLhttps://sagasiteimasuka-poet.theblog.me/
サイト紹介文ささやかな詩人の日常を童話のように綴ります|著書『トーザ・カロット岬の毛糸屋さん』ほか
自由文https://www.amazon.co.jp/-/e/B07G1BDK43
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供367回 / 365日(平均7.0回/週) - 参加 2016/01/18 23:40

いつきさらさ さんのブログ記事

  • 毛糸屋さんと星の涙
  • ロボット掃除機が見えるか見えないかぐらいの毛糸屑を集めていますトーザ・カロット岬にはいつもいつもびゅうびゅうと風が吹いていてそれでなくてもレジの下とか棚の隅っことかお客さまが試し編みをした残りだとか案外と毛糸屑が散らばっているものなのです用心深くまた選り分けて“たからばこ”と書いた綺麗な箱に入れておくのがこのところ毛糸屋さんのマイブーム時々お店を手伝ってくれる雲予報士のあの子をびっくりさせよ [続きを読む]
  • 毛糸屋さんと詩人屋さん#2〜トーザ・カロットの人々
  • 小さな小さなワークショップ今回もあっという間におしまいの時刻になりました猫の子どもらも人の子どもらもまたね!と帰って行ったので詩人屋さんも店主もゆっくりお茶を飲んでいます始まったばかりの時は終わりが見えなくて終わりが見える頃には始まったことすら忘れているのよね恋なんて特にそうだったわ“そんなものです”詩人屋さんに短くそう答えると猫そっくりの店主はほんの少ししっぽをふくらませましたついさきほど [続きを読む]
  • はちみつ色の毛玉がひとつ
  • まあるい陽だまりの中はちみつ色の毛玉がひとつ耳の後ろを撫でられながらだんだん傾いていきますひんやり縁側の上はちみつ色の毛玉がひとつおててもあんよも投げ出してゴロゴロ喉を鳴らしますさらさら秋風の中はちみつ色の毛玉がひとつ器用に体を折り曲げて無心でおめかししています [続きを読む]
  • 丁寧な手紙
  • ほしくもないのにやめられないほしくもないのにとめられないきみがよこしたとても丁寧な手紙にぼくは心を吸いとられそうで慌てて折りたたむ気持ちが通い合っていると思い込んでいた頃もあったけれど決して短い時間ではなかったけれどほしくもないのにやめられないほしくもないのにとめられない懐かしい君の文字は少し乱れてそれでもとても丁寧だったぼくの健康を気遣うあたりさわりのない手紙だと思っていた最後に黒々と書か [続きを読む]
  • 毛糸屋さんと詩人屋さん#1〜トーザ・カロットの人々
  • ふくよかな言葉を探すのにちょっとくたびれてきて詩人屋さんは四つ足になってみょーん!と伸びをしましたそのまま頭からしっぽまでぷるぷるぷる!とふるととても昔のそのまた昔のまだ人たちに忌み嫌われていた頃の光景がふわわ心に浮かんできましたいまもどこかにそんな星はあるでしょうですから星を渡っていた頃の武勇伝のひとつやふたつは詩人屋さんだって体の奥に眠らせているのです雲予報士のあの子が聞いたら心配して叱 [続きを読む]
  • うねり
  • 哀しみを体から追い出してしまいたいのに歓びはこんなにもかすかな香りでそれでも言葉だけでよかったのに言葉以上のものを欲しがってしまう歓びを体にしみこませていたいのに哀しみは全てを洗い流すふてぶてしさでそれでもふれるだけでよかったのにぬくもり以上のものを欲しがってしまう [続きを読む]
  • 空っぽになって
  • 足りなくても届かなくても自分をやめたいほど絶望しても恥ずかしいことじゃない隠さなくていい自分を嫌いでも自分をやめたいほど傷ついてもとりあえず受け入れてとりあえず抱え込んで泣くだけ泣いて空っぽになってまた歩いていけばいい [続きを読む]
  • ぬいぐるみ
  • ぬいぐるみの猫が詩人屋さんを見つめています岬の毛糸屋さんを訪ねたとき猫そっくりの店主がプレゼントしてくれたのですピンク色で目も鼻も口もないけれどいつも窓辺でやさしく詩人屋さんを見まもっていますふくよかな言葉が見当たらない日空が乱暴に降りしきる日悲しい映画を観た日いつも窓辺であたたかく詩人屋さんを見つめています [続きを読む]
  • 満タン
  • 知識をどんどん詰め込んで感情なんかで揺れ動くことのないようにみっちりみっちりぎっしりぎっしり栄養バランス良いレシピ癒しの音楽アートに絵画秘境の宿で温泉三昧あとからあとからよいしょよいしょとうとう身動きとれなくなりました [続きを読む]
  • 詩人屋さんといっしょ#2〜トーザ・カロットの人々
  • あの星には空がなくてそれどころかすでに猫もいなくて道案内をしてもらえなかったのは残念だったただただ真っ赤でただただ吹き荒れていた空がすっかり降り終わったから猫だって人だってどうしていいかわからなかっただろうねえその日はたまたま星だけではなくて時を渡ってしまったらしいと気づいたのはトーザ・カロットに帰ってきてからのこと人が行くのはもう難しいかもしれないねいまもそこに星があればここから見えたとし [続きを読む]
  • 猫のふりしてここにいる
  • 口の中で消えたキャンディ地面に消えた雨の粒心に消えた君の声そんなものを拾い集めて僕はまだここにいるものわかりのいい猫のふりして==========[みなさまへ]いつき さらさです。いつもありがとうございます。このたび、トーザ・カロット岬の毛糸屋さんが本になりました。猫そっくりの店主とトーザ・カロットの住民との交流を描いた、読みやすい童話詩集です。Amazonのほか一般書店で取り寄せることもできますので、よろし [続きを読む]
  • 時の伸縮
  • ざわざわと魂を喰みごろごろと風唸るおろおろと空のもとじわじわと涙する呼べども応えなく心揺れ北の地を思う時の伸縮に翻弄されただ無事を祈る [続きを読む]
  • 冷ややかな目線
  • 靴底に吹き溜まる言葉はまるで青い日々のようだったひりひりした言葉を語るのは指先でなくともよかったさよならを告げるのは心ではなく冷ややかな目線の秋だと決めつけてまだ立ち止っている [続きを読む]
  • Le Matin
  • 一度きりの朝とくべつな日一度きりの空なんでもない日一度きりの風が吹くありきたりの朝一度きりの命大切な朝 [続きを読む]
  • 思い出
  • 幼い日にもらったぬくもりを思い出せますか時計がちっとも進まなかった心細さを思い出せますか初めて叱られた日を思い出せますか愛されていたことを覚えていましたか [続きを読む]
  • 後輩
  • あなたを黙らせたい生意気なまなじりも強気な唇もあなたを黙らせたいひたすらの歩みも迷いをふりきる強さもあなたを心から消したいあなたを黙らせたい忘れてしまいたい [続きを読む]
  • 命を
  • どんなに背伸びしたところであたしたちは隣の星にすら手が届かないそのことを悲しいとか苦しいと考えるよりそんなことを羨ましいとか妬ましいとか感じるよりほかのことで命を満たしたほうがきっと笑い顔も泣き顔も輝く詩人屋さんはそう言うと自慢の鍵しっぽをぷるん!とふりました [続きを読む]
  • あの子にあげた
  • 灰色クレヨンあの子にあげた猫の目くるくる描くための青色クレヨンあの子にあげた空がくるくる降る日の夢を桃色クレヨンあの子にあげたふわふわお花の香りがしてる黒色クレヨンあの子にあげた僕のほんとの姿を描いて [続きを読む]
  • 空白
  • あと10パーセント満たされないどうしてもうまらない動くには十分すぎるほどで使うのになんの支障もなくて悲しむことも悔しがることもないというのに古くなったスマートフォンみたいに心がマイナスに傾き始めてるあと10パーセント満たされないどうしてもうまらないそれでもいいよって君はいうけれど確かに全きものに届くはずもないのだけど動くには十分すぎるほどで使うのになんの支障もなくて不安なこともときめきすぎること [続きを読む]
  • 子ども時代#3〜トーザ・カロットの人々
  • 三つ目のおじいちゃんの教え方は一風変わったものでした決して“ひとつ”“ふたつ”という数え方をしてはいけないよどんなに雲が散らばってどんなにたやすくつかまえられそうな日も瞬きする間に笑って消えてしまうのだからうさぎが雲の中で風を磨いているのは知っているねたまに猫の姿になって地上に遊びにくるものもいるらしいうさぎの言葉を空に置いてね [続きを読む]
  • 灰色の連想ゲーム
  • 灰色の連想ゲームとひねくれた夢に明け暮れ“信じるものは救われるなんて”かみさまにきこえないよう体の奥に綴っては消した名残のヒグラシと熱帯夜に焦れて“傷つけばやさしくなれるなんて”きみにきこえないよう心の奥に刻んでは隠した [続きを読む]
  • アイスキャンデーが勝手に地面に落下する
  • アイスキャンデーが勝手に地面に落下するあるいは今より広範囲で雨とか雪とかじゃなく空ごと降ってくる望んではいなかった望もうとも思わなかった僕にとってはどちらもほんの普段ごと丈夫な傘を持ち歩いても防げないことは世の中に多いけれどそれもまた命の中に組み込まれたものアイスキャンデーは永遠ではなく空だってそのままではなく望んではいなかった望もうとも思わなかった僕にとってはどちらもほんの些細なこと [続きを読む]
  • あな
  • ふたりが互いをよく知らずにいた頃僕たちの世界は平和で思い切りよく木槌でもって“夢”だの“約束”だのを傷つくのも厭わず壁に打ちつけていたふたりがわかりあえた頃僕たちの世界はすっかり傷ついて“夢”だの“約束”だのを思い切りよく木槌でもって打ちつけた寸分違わずそのあなから全てがひび割れていた [続きを読む]