にゃんこマン さん プロフィール

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にゃんこマンさん: 理想郷
ハンドル名にゃんこマン さん
ブログタイトル理想郷
ブログURLhttp://dyt-185.hateblo.jp/
サイト紹介文小説を書いてます。 小説を書いているつもりです。 日記かもしれません。大学生です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供18回 / 365日(平均0.3回/週) - 参加 2016/01/21 00:12

にゃんこマン さんのブログ記事

  • パラレルコンバータ
  • 完全に日は落ちたが、まだ比較的車の通りは多い。僕は在学証明書を実家に送るためにコンビニで百二十円切手を買い、投函しなければならなかった。ツタの這う郵便ポストの前に立つ。肩に任せたビニール傘は強風で向こうに引っ張られそうだった。ひどい土砂降りで地面が光っていた。セロハン袋の中から切手を取り出そうとするが、静電気でひっついてめくりにくい。濡れた肩が冷たかった。僕は車のハイビームからまだらに照らされなが [続きを読む]
  • パラレルコンバータ
  • 完全に日は落ちたが、まだ比較的車の通りは多い。僕は在学証明書を実家に送るためにコンビニで百二十円切手を買い、投函しなければならなかった。ツタの這う郵便ポストの前に立つ。肩に任せたビニール傘は強風で向こうに引っ張られそうだった。ひどい土砂降りで地面が光っていた。セロハン袋の中から切手を取り出そうとするが、静電気でひっついてめくりにくい。濡れた肩が冷たかった。僕は車のハイビームからまだらに照らされなが [続きを読む]
  • 道行
  • 横目に見た白い息は風に流されてしまった。私は両手に嵌めた防水仕様のナイロングローブをさすりながら玄関のアルミスコップを拾った。くたびれたモッズコートのフードを被り、使い捨てマスクをビニールから取り出す。上を見上げると、雲の隙間から光の筋が差し込んではいたが、太陽そのものは見えなかった。鈍色のくもり空のもとで少し鼻をすすりながらザラメ雪を掻き進んでいる。私は車の前の邪魔な雪をどかさなければならなかっ [続きを読む]
  • パラレルコンバータ
  • カビだらけの浴槽にべっとり浸かりながら昼間のことを繰り返し思い出していた。今日僕は初めて、まだ夜にならない日中のミハルを見つけた。彼女は僕のことに気がつくと、隣のおそらく友達……ではなく仕事仲間であろう女にめくばせし、かけよってきた。暇を持てあましてぼんやり人波を眺めているのが分かったからそうするのだろう。多分、彼女の方が先に僕を目にしたのだ。じゃなきゃこんな事するはずがない。案外ミハルはめざとい [続きを読む]
  • パラレルコンバート(揺さぶり2)
  • カビだらけの浴槽にべっとり浸かりながら昼間のことを繰り返し思い出していた。今日僕は初めて、まだ夜にならない日中のミハルを見つけた。彼女は僕のことに気がつくと、隣のおそらく友達……ではなく仕事仲間であろう女にめくばせし、かけよってきた。暇を持てあましてぼんやり人波を眺めているのが分かったからそうするのだろう。多分、彼女の方が先に僕を目にしたのだ。じゃなきゃこんな事するはずがない。案外ミハルはめざとい [続きを読む]
  • 揺られる女
  • 「何かここに絵でも描いといてよ」濃いピンクの画用紙に書いたちゃちな料金表の空きスペースを指さし、黒のサインペンを手渡した。横目で覗き見ると、ミハルは年の割には少し幼い、ちょうど女子小学生が描くようなアンバランスなうさぎやハートをためらいながら描いていた。それを見て僕は肝を冷やすような思いがした。目の前に居るミハルはやはり生身のおんななのだ。そのおんなにも未だ自分のことをよく知らないで、親の手の中に [続きを読む]
  • 道行
  • 郵便受けにダイレクトメールとチラシ以外の何かが入ってるのはいつぶりだろうか。裏返してみると、細い字で由記子と書かれている。便箋のオモテはにじんでいて、薄紫がしみ出ている。私は錆びた郵便受けの蓋を力なく押した。ため息のようにして吐いた息はボワボワと風に流される。私は両手にはめた防水仕様のナイロングローブをさすりながら、玄関のアルミ製スコップを拾った。くたびれたモッズコートのフードを被り、使い捨てマス [続きを読む]
  • 鮮やかな飛沫
  • 郵便受けにダイレクトメールとチラシ以外の何かが入ってるのはいつぶりだろうか。裏返してみると、細い字で由記子と書かれている。便箋のオモテはにじんでいて、薄紫がしみ出ている。私は錆びた郵便受けの蓋を力なく押した。ため息のようにして吐いた息はボワボワと風に流される。私は両手にはめた防水仕様のナイロングローブをさすりながら、玄関のアルミ製スコップを拾った。くたびれたモッズコートのフードを被り、使い捨てマス [続きを読む]
  • 優しいひと
  • 身の程を知っている。ご存知である。僕は嫌というほど思い知っていた。いかに自分がデクノボウであるかということについてである。僕は甲斐性がない。僕は不甲斐ない。今でも後悔してやまないことが一つある。小雨、というより本降りになりそうなアヤシイ雲行きの日に、女の子に傘を貸してもらったのだ。それは自ら申し出てくれたのだった。彼女から貸してくれたということは、少なくとも悪意は抱いていないということをほのめかし [続きを読む]
  • 桂浜
  • 桂浜は綺麗でした。地元の浜やビーチとは比べ物にならないほどのもので、今まで自分はそれらに満足していたけれど、こんなにも透きとおった青い海というものを見てしまうとやはりがっかりせずにはいられないというか、あんな濁り水で喜んでいたんだという悲しいやら、それでいて目の前の景色には感動せざるを得ないような微妙な心持ちでいました。昨日高知城にも行きましたが、そこと同じように海岸の入り口にはやはりアイスクリン [続きを読む]
  • 無題
  • 汗の香りがプンプンとのぼり立つような完熟体を目前にして、ぼくはぎょろついた視線を余すところなく泳がした。ねめつけるような視線がいたく扇情的でぼくは全身の性感帯をねぶられているような気分になった。そんな目をしていても怯えて、ぼくが一発殴ってしまえば倒れてしまうくせに、妙に強気な態度を取ってみたりして、そんな女のいじらしいさまに感動した。とりあえず敷布に膝立ちさせて薄手のプリントTシャツを脱がせた。そ [続きを読む]
  • ほだし生縛り/あいの似姿
  • 一ほだし生縛り青みがかった空気が満杯に注がれたようなひえた台所に棒立ちしていた。起きぬけでよどんだ頭は部屋着のジャージに残る体温だけを感じていた。このままさみしさが敷き詰められているような空しい空間に取り込まれていても仕方なかった。喉が渇いたので水を飲む。水垢のこびりついたシンクにダバダバと流れ落ちる流水が妙に不安を誘った。冷たい水を一気に飲み干す。電灯も付けないでいるので、薄墨色に濁った夕日がカ [続きを読む]
  • あいの似姿(仮)
  • 起きぬけでよどんだ頭は、部屋着に残る体温だけを感じている。冬場の台所は冷たい。このまま淋しさが敷き詰められているような空しい空間に取り込まれていても仕方なかった。喉が渇いたので水を飲む。水垢のこびりついたシンクにダバダバと流れ落ちる流水が妙に不安を誘う。冷たい水を一気に飲み干した。電灯も付けないでいるので、薄墨色に濁った夕日がカーテンを開けるとよく見えた。しばらく眺めているとポツポツと佇む街灯しか [続きを読む]
  • あいの似姿2
  • 「ただいまー!」私が玄関の鍵を開けると、美香は誰もいない部屋に向かって挨拶した。パチと明かりを点ける。「あんたん家じゃないでしょー」ぼやき気味に呟くと美香は靴を揃えてリビングへと入っていく。「でもほぼほぼ私の家だよ、もうね」これだけ入り浸っていれば、まあ……というより彼女よりも滞在期間が短い家族が居ることが問題かもしれない。私の夫は今日も忙しいものね、結構なことだけど。エライ大荷物ね、ぶら下げたバ [続きを読む]
  • あいの似姿
  • 「ねえ!どう、コート買ったの。似合う?」美香が嬉しそうにぐるぐると一回転してみせた。その瞬間、私には全て分かってしまった。彼女は、白のダッフルコートをまとった彼女は自分の可愛さを知ってしまっているのだ。自らの容姿の魅力を理解していて、それをふんだんに利用しているのだ。自信があるの、自分に。ソレを自信満々に自慢げに着ても、だれからも白い目で見られないという自負が。中学生の頃、陸上部に所属していた私に [続きを読む]
  • あいの似姿
  • 「ねえ!どう、コート買ったの。似合う?」美香が嬉しそうにぐるぐると一回転してみせた。その瞬間、私は全て分かってしまった。彼女は白のダッフルコートをまとった彼女は自分の可愛さを知ってしまっているのだ。自らの容姿の魅力を理解していて、それをふんだんに利用しているのだ。中学生の頃、陸上部に所属していた私には身に付けるものについて先輩たちからルールが課せられていた。そのルールはどうしようもなくどうでもいい [続きを読む]
  • すとれっさー
  • いつも隣の部屋の男がうるさい。以前となりに住んでいた男は彼女を頻繁に連れ込んでいて、それはそれで心底憎らしかったがそれとはまた違う。きっと俺と同じ大学だろう男は平日も休日も友達らしき男どもを夕方に呼んでは大声で笑い散らしている。まるで頻繁に部屋へ招く友達がいない俺のことを見下しているみたいだ。俺への嫌がらせだ。きっとサークルの友達かなんかだろう。俺は入っていない。夕方は身の丈に合わない英訳をしなき [続きを読む]
  • うまくいかない
  • 斉藤はヨウコと名付けたメスの猫を飼っている。今年のゴールデンウィークに引き取り手を探していた親戚からさずかった猫だった。やや忙しいバイト生活に明け暮れる斉藤にとっては行き場のない寂しさを紛らす唯一の救いである。ヨウコという人間の女のようなその名前の由来は、去年の夏の終わりから春にかけて半年ほど付き合って別れた元カノの名前からとったものだ。だからといってその猫をそのヒトの代わりにしているのかといえば [続きを読む]
  • 夢の猥雑
  • 6/4固まる感覚の無くなった手を必死になって揉みしだいた。現実味を帯びた生々しい夢から覚めきれないでいる。指先をきゅっと小さく折り曲げた。肉薄するリアリティに怯えながら、それでも何とか自分を鼓舞しようと、いつものようなルーチンワークをよどみなくこなしていった。?5/21溺れる気がつくととろみのある液体の海に沈んでいた。その液はほのかに熱を帯びていんだか体の中まこのまま皮膚や臓器が溶け出して消えてしまうの [続きを読む]
  • 箸にも棒にもかからない
  • 「私は役に立たない人間だということを常々思うんです。そんなことを思っては悲しくなるのですが、決して悲観的になってる訳でもなく紛れもない事実なんですよ。仮に悲観的になっているからそう思うのであれば、本当は違うというプライドが根底にあるんじゃないかと、勝手に思ってるんですけど……。私だって、こんなくだらない事をウジウジと悩み続けるのはごめんなんですけど、そうでもしていないとまた私は根拠のない自信を抱い [続きを読む]
  • シバリが刺さって抜けないの
  • 花とそのツタが描かれた、赤絵の角皿から味付け海苔が二枚はみ出ている。値段もそこそこなお膳の上にある汁椀の蓋を、こぼれないように開けると中身は何てことない豆腐とわかめの味噌汁だった。上蓋の裏には点々と水滴が付いている。垂れないように、そっとフチに置くとコツと音がした。ここまできても、まだ実感が湧かなかった。家の冷蔵庫には冷えたあんパンが詰まっている。 [続きを読む]
  • 右折して探さないで
  • 窮屈なパンプスを乱暴に脱ぎ捨てた。ドアノブを握る掌は湿っぽくて、生温い金属にじゅわりと染み入るようだった。勢いよく扉を開いた。密閉された部屋から漏れでた臭いに、私は思わず顔を背けた。今度のプレゼントは空気清浄機にでもしようかな。いつも通り、彼女はあの日のままだった。反抗の目を私に向ける彼女を、キツくキツく抱きしめた。大好きだった。私の心の拠り所、ここはあなたの安全基地なんだよ。彼女の熟れた唇を啄む [続きを読む]
  • 日曜日
  • 「拾うぞ……」父は、ゲッソリとした顔でゴム手袋を手渡した。いや、部屋を片付けたって今回のゴタゴタが元通りになるわけじゃないんだけど。無表情で粘着ローラーを転がしている父の背中は、お前も拾えと言わんばかりに威圧感を漂わせていた。まったく意味が分からない。とりあえず新聞紙を折り、簡易ボックスを作った。僕は記憶力の良い方じゃないけれど、折り紙なんかの折り方は以外と覚えてるもんだな。僕は訳の分からないまま [続きを読む]
  • せき止められない
  • 私が居たのは、ワンルームの狭いアパートだった。そうだった。小さなテーブルの上の昨晩の食べくさしをながめた。頭の中はまだ夢の続きを引きずっている。まだはっきりと目が覚めなかった。枕元の時計は三時を指していた。私は十時間も眠っていた。空腹を満たすためだけに、布団を剥いで起き上がる。生臭い万年床からゆっくりと這いでて、冷めたカップ麺を少しだけすすった。私は朝から意味もなく泣いている。もう手の施しようがな [続きを読む]
  • 年を食う
  • 私が居たのは、ワンルームの狭いアパートだった。そうだった。小さなテーブルの上の昨晩の食べくさしをながめた。頭の中はまだ夢の続きを引きずっている。まだはっきりと目が覚めなかった。空腹を満たすためだけに、布団を剥いで起き上がる。生臭い万年床からゆっくりと這いでて、冷めたカップ麺を少しだけすすった。私は朝から意味もなく泣いている。もう手の施しようがなかった。鼻をかもうと、窓際に置いた日に焼けたティッシュ [続きを読む]