タカピン さん プロフィール

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タカピンさん: 文芸誌の旅
ハンドル名タカピン さん
ブログタイトル文芸誌の旅
ブログURLhttp://blog.livedoor.jp/tokyo_ueno/
サイト紹介文5つの文芸誌を中心に、創作や評論のレビューをしていきたいと思っています。
自由文文芸誌の楽しみは、突然の出会いがあること。
読んだことのない作家の作品、
新しい人の作品
自分の中に既存の知識に邪魔にされずに読める至福の媒体。
あとは購入したり、借りたりした書籍のレビュー書きたい。
よくばって映画や雑誌の記事、展覧会・美術展の紹介などもの書きたい!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供28回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2016/02/08 11:37

タカピン さんのブログ記事

  • 山岡ミヤ『光点』「すばる」2017年12月号
  • 主人公、実以子は自分を話し言葉でうまく表現できない。そして最初から母親は娘を憎んでいる。はっきりしない性格の娘に向けられたストレートな感情が憎しみとなってぶつけられている。またカムトという人物が出て来る。実以子になんとなく近づいてくるこの男性もまた謎のなのであるがその謎の度合いは、実以子から見ての謎の男である。実以子の人物像がはっきりしない上にこのカムトも妹に対して異常な執着心あり、またこの男も変 [続きを読む]
  • 春見朔子『君はコラージュ』「すばる」2017年10月号
  • 主人公芙美の終始不機嫌で、その原因を一切自分に求めない。というのも主人公はキレイではない。性格も悪いことも自覚している。一方八方美人姉はとても容姿もキレイで何人も彼氏を作っている。おまけに妹にも仲良く接してくる。ところがずっと姉のSNSを覗いて姉の行動を軽蔑し続ける主人公。姉の軽い人生観がなんとなく許せないし、それに騙される男にも軽蔑の眼差しをむけ自分の劣等感の穴埋めをする。容姿に自信がないが同じく [続きを読む]
  • 壇蜜『はんぶんのユウジと』「文學界」2017年9月号
  • ステレオタイプに周りに勝手に自分のことが解釈されていく。「次女」「姉との比較」「26歳独身」その他いろいろ。でも決め事は殆どが姉がしてくれて自分から何かを決めることもない。そんなイオリはなんとなく、親の勧めでなんとなく見合いしあっけなく結婚した。しかし旦那のユウジもあっけなく結婚3ヶ月で死んだ。突然死でイオリには何の落ち度もなかった。だからイオリはユウジに何か特別な感情を付加させる間もなかった。葬 [続きを読む]
  • 川上未映子『ウィステリアと三人の女たち』「新潮」2017年8月号
  • 主人公と冷え切った夫の関係もありつつ、さらに自分がいつまでたっても身ごもらないから、不妊治療という、自分とは関係ないと思っていた、この事を意識し始めた。いろいろ調べてみた。そして慎重に言葉を選んで夫に相談してみたが、夫は全く理解してくれない。むしろ夫はたとえ子供ができなかったとしても、それはそれでいいという。このとき自分自身の意思と言うものがどこにあるのかよくわからなくなっているのかもしれなかった [続きを読む]
  • 水原涼『クイーンズ・ロード・フィールド』「群像」2017年8月号
  • 仲の良い友だちと、腹を割って全てを打ち明けれれるはずの間柄の友だちでも、秘密ができる。でも、じつはそれが、友だちと関係を維持していくためについてしまった嘘だから、それがバレてしまうと、友情自体が解消してしまう危機感を覚える。だから嘘をつき続けてしまう。本当は一番嘘を言いたくない友だちなのに。グレイグ、モリー、アシュリー、ロベルトはアシュリとロベルトが喧嘩をして、グレイグとモリーが仲裁に入って、だけ [続きを読む]
  • 保坂和志『花揺れ土呟く』「文學界」2017年8月号
  • このブログの一番の目的は小説との新しい出会いを求めること。特に読んだことのない作家の作品をなるべく前提意識無しで読み、作家の過去に縛られること無くいま目の前にある作品の中に入りたいのである。これは1つの理想論であるが、自分の作品から受けた感情の出所をはっきりとしたいことと経験上から小説を楽しむという点ではそうしておいたほうが純粋に楽しめると思うからだ。心が強人ならば、作家の過去の作品や、作品以外で [続きを読む]
  • 鴻池留衣『ナイス・エイジ』「新潮」2017年7月号
  • 2009年インターネットの掲示板に予言者が現れた。その予言者を検証するスレッドのオフ会のからスタートする物語する。度々現れては消える予言者、2112氏。2112年から来たというこの2112氏の祖母に当たるとされている絵里はスレに参加しながら、2112氏を自宅に住まわせ、その秘密を暴こうとし、スレにあげる。そのことが災いし、予言の虚実に振り回されるのはスレ住民。やがて現実社会へも波紋し、自体の収集を [続きを読む]
  • 小山内恵美子『図書室のオオトカゲ』「すばる」2017年月号
  • 鈴木洋子は8つめの転職先で、市立図書館の職員になった。ところが図書館の中でオオトカゲを見かけるようになりはじめた。しかしこのオオトカゲの姿は、自分だけしか見えないようだった。そのオオトカゲがある日、図書館利用カードを作成に来た若い女性を食べてしまう。この出来事ですら、誰も気づいていない。やがてオオトカゲはどんどん人を食べていく。どれだけ食べられて誰も気づかない。それどころか食べられた人に関する人々 [続きを読む]
  • 乗代雄介『未熟な同感者』「群像」2017年7月
  • 変わった構成に最初は戸惑った。 通常の小説部分と、少しだけ活字が太くしてある部分に書かれた文学評論の二重構成になっているからだ。この文学評論の部分にちて作中では「右のように肥大した文字列の話者は特定されるべきではない」と書いてあるので、最初はは意図がわからず、全体の位置づけを明確にできないでいた。だから戸惑った。 一方、通常の活字で書かれている部分は、阿佐美という大学生が主人公として進む小説で、この [続きを読む]
  • 鈴木善徳『天使の断面』「文學界」2017年6月号
  • 高塔は女装している牧師。高塔が担っている教会に併設する一軒家に引き取った良裕が住んでいる。良裕の母は良裕を働かせそのお金を巻き上げるような人そうした環境から引き剥がすために良裕を預かり書籍の配送センターで働いてもらいその一部を母の口座に振り込んでいた。ある日良裕が母を訪ねると母から隣人の岡田さんが認知症らしいから良裕が息子を演じて金を引き出そうとした。しかし失敗した挙句殺してしまった。警察に捕まっ [続きを読む]
  • 飯田未和『on Monday morning』「mon」vol.10
  • 掲載された同人小説誌「mon」の記念すべき10冊目。同人の皆さんと、ゲストの方も交えて全員で30枚程度の枠で共演したということです。塾でアルバイトしている村瀬くんという男子大学生が同じ塾で働いている一年先輩の中本さんという女子先輩を飲みに誘う。ただし村瀬くんは酒に弱く酔いつぶれて終電を無くし中本さんの家に泊まることになった。しかしこの時、2人のあいだには特に何もなく翌朝を向かえる。村瀬くんと中本さん [続きを読む]
  • 堀江俊幸『2月のつぎに7月が』(第1回)「群像」2017年5月号
  • 文芸誌には連載小説もたくさんありますが、扱いが難しかったから、避けていまました。 でもそれではあまりにももったいない。でも連載が終わってからまとめて扱うのも熱意が続かない。だから今回から発表のたびに書きます。かつては公設の市場内3つもあった食堂は数も減り、今市場の中ではこの「いちば食堂」だけになった。市場で働く人や出入りの業者の人たちが利用する、喫茶店と定食屋の機能が混在する食堂に、毎日決まった時間 [続きを読む]
  • 綿矢りさ『意識のリボン』「すばる」2017年5月号
  • もしかして啓示?そんな大げさじゃないか。でもただの臨死体験じゃない。「ひかり」は宇宙を作った存在だし、どこまでも完全に愛してくれる存在だし、きっと個人的な啓示なのかな個人的体験だから仕方ないけど言葉で伝えるのが難しいしやっぱり文字化するのが似つかわしくないこうした出来事をそれが日常のすぐ脇にあるような書き方でああ地球の存在を確かな質量でまるで感じ取れる。だからこうした文学も大好きなんです。 [続きを読む]
  • 又吉直樹『劇場』「新潮」2017年4月号
  • 固定観念的な演劇論の持ち主の演出家兼脚本家の永田が主役。そしてその永田を取り巻くのは、中学時代からの友人でずっと一緒に演劇をやっている野原、野原と作った劇団『おろか』のメンバー戸田、辻、青山。そしてと付き合うことになった沙希。この登場人物達が愛おしいくらいにしっかりとした個性(個性のないものも含めて)がはっきりしている。突然ブチ切れたり、予想外のセリフを吐いたり、饒舌な掛け合いが続いたり、大喧嘩し [続きを読む]
  • 又吉直樹『劇場』「新潮」2017年4月号
  • 固定観念的な演劇論の持ち主の演出家兼脚本家の永田が主役。そしてその永田を取り巻くのは、中学時代からの友人でずっと一緒に演劇をやっている野原、野原と作った劇団『おろか』のメンバー戸田、辻、青山。そしてと付き合うことになった沙希。この登場人物達が愛おしいくらいにしっかりとした個性(個性のないものも含めて)がはっきりしている。突然ブチ切れたり、予想外のセリフを吐いたり、饒舌な掛け合いが続いたり、大喧嘩し [続きを読む]
  • 木村紅美『夢を泳ぐ少年』「すばる」2017年3月号
  • 河童を拾った山村詩織にとっては「子育て体験をありがとう」その河童との間に子どもを作って溝口鏡子にとっては「出産体験をありがとう」という小説。ふたりとも43歳だけど、詩織はバツイチ、鏡子は恋愛体験がない。ある時、バツイチの詩織に河童があらわれ拾ってしまって蓮と名付け自宅に持ち帰り育てる。詩織はマッサージ屋で勤めてる。年が同じで鏡子という人がいる。おとなしくて、飲み会は来るけど端っこ黙っている人孤独が [続きを読む]
  • 水原涼『蹴爪(ボラン)』「群像」2017年2月号
  • 主人公ベニグノにとっては 与えられた環境は厳しすぎる。 父は落ちぶれる 兄に殴られる 母から仕事をやらさられる しかしそこを離れて行くていくすべを持たない 子どもという弱い存在にしかすぎない。 でもまさにベニグノには叩き潰されても 這い上がる生命力がある。 潰されても潰されても その理不尽にたして反抗するのではなく 不器用に順応する生命力 しなやかで柔軟性のある生命力 でもその生命力はいつかは [続きを読む]
  • 【芥川賞候補】加藤秀行『キャピタル』「文學界」2016年12月号
  • この小説を擁護するとしたらどのように擁護したらいいだろうか?プロフェッショナルとして登場してくるのにプロフェッショナルではない登場人物たちそれは意図的なものなのか作者の努力が足りないのか判別がつかない。映像芸術と違って文学にはそういうことがある。 主人公「須賀裕樹」のモノローグ風あるは紀行文風の人生の旅の途中の出来事的なものすらなってない。どう擁護したらいいのか?どう擁護したらいいのか? [続きを読む]
  • 青山七恵『帰郷』「群像」2017年2月号
  • 曽祖父の時代は土地の名士でその立派な屋敷だったのにいまや家屋の解体のために無秩序なほどにゴミやら何やらがちらかっていて母も父も忙しくしているところにひさしぶりの実家を訪れた娘。6年前に結婚問題で親と揉めて家出を宣言をしてからとくに和解めいた決着があったわけでもないがいまは東京の仕事が嫌になりやめてあわよくば実家で楽をしようとするも都合良いことのなかなか言えず解体の日は近づいてくる。ある時から祖母の [続きを読む]
  • 松浦理英子『最愛の子ども』「文學界」2017年2月号
  • 「最愛の子供」ではかわった手法が用いられている。地の文の書き手、あるいは地の文に展開される心情の発信主は「わたしたち」と曖昧のまま全編貫かれている。それが物語の中へ入って行く際に若干のわずらわしさを感じざるを得なかった。小説で推移していくメインキャストの今里真汐、舞原日夏、薬井空穂の三人。彼女達の行動や心理状態は普通の友情ではくくれなく、まるで〈ファミリー〉この作品の中では「わ [続きを読む]
  • 下村敦史『算段』「小説幻冬」2017年1月号
  • これはよく扉を見なかった私が悪かったのだ。でももし事前に確認していてたらたぶん読まなかった小説そのことを知る前の感想−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 京都の五百九十年程続く和菓子屋が舞台。祖母、母、娘がまるで初めて会ったかのような自己紹介を兼ねるにしては強引なセリフ群例祖母が孫に言う「京子も高校生になったんやし、これからは店を手伝わなあかん」京都に詳しくない人への京都の説明例「毎年一人 [続きを読む]
  • 舞城王太郎『秘密は花になる』「新潮」2017年2月号
  • 誰だって基本的に自分から価値判断の出発があるそれが世の中とかずれていいるという自覚が生まれるようになってもそれは自分の環境の悪さ、育ってきた境遇とにかく自分以外の外的要因で自分がおかしくなったことに正当化を与える。とはいえ・・・ 主人公母・えり子。 その娘・瑠美子。その夫の譲。 【作品の流れ】 ある日娘・瑠美子に「大人のパンツはいてる [続きを読む]
  • 【芥川賞候補】宮内悠介『カブールの園』「文學界」2016年10月号
  • いろんなものがいっぱい詰まっている。娘と母の和解の物語りのまわりにはいろいろな光が交差している。どの方向から見てもとても輝いている。その光は屈折しそうだけど。それでも未来に向かっている。子供の時に肥満で豚と言われカラテ・キッドを真似たいじめでそれがトラウマとなり今でも治療を続けている。しかもVR技術で当時の状況を再現しそのことを再体験することで克服しようとすることができるらしい。こうした治療が実験段 [続きを読む]