ben-yui さん プロフィール

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ben-yuiさん: 弁護士由井照彦のブログ
ハンドル名ben-yui さん
ブログタイトル弁護士由井照彦のブログ
ブログURLhttp://www.ben-yui.com
サイト紹介文弁護士由井照彦による、社会で事件を使った法律の解説と、リーガルリサーチについての考察。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供54回 / 365日(平均1.0回/週) - 参加 2016/02/15 00:24

ben-yui さんのブログ記事

  • 違法と不当−行政に絡まる2つの視点?
  • 記事のように、これらの問題を「違法なのか?」という視点でとらえる見解が散見されます。このような見解は、おそらくは安倍政権擁護という目的又は政治的意図はともかくとして、行政府(総理大臣は行政のトップ)の行為の評価の観点からは中々興味深い内容を含んでいます。これを「政治的に」ではなく、あくまで「法的に」考えると次のようになると思います。行政府が何かをするにあたって、最も典型的で権力的な行為は「行政処分 [続きを読む]
  • 文書管理の大事さ−決裁文書の書き換えはなぜ罪深いのか?
  • 以前にも少し書きましたが、今回安倍首相や麻生財務大臣に問われている「政治責任」という言葉は曖昧で確たる内容を持っていないコトバです。そこで今回は、安倍首相・麻生大臣の政治責任の基礎の1つである決裁文書書き換えの罪深さについて少しだけ説明したいと思います。基本となる法律は、私は情報公開法だと思います。同法はその目的として、情報公開法1条「この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する [続きを読む]
  • 文書偽造は何を偽るの?−書換え問題を考えてみる
  • 私は弁護士になる前にとある民間企業に勤めていたのですが、すべての決裁が終わった決裁文書を事後的に修正して入れ替えるなど、かなりマジな違法行為であることは従業員全員が当然の前提としていたように思われます。しかし、そもそも今回の書換えというのはどのような犯罪になり得るのか?については悩ましいものが有ります。「文書偽造」という犯罪は、例えば有印公文書偽造・変造罪として、刑法154条1項「行使の目的で、公 [続きを読む]
  • 職務質問は任意?−行政警察活動の悩ましさ
  • 記事を見る限り、容疑者は職務質問を受け、急いでいたので嫌だったから断った、任意だから断れるはず、というような供述をしているものと思われます。それがなぜナイフを持ち出すということにつながるのかはよくわかりませんが、それはともかく、「職務質問は任意」というのは正しくはありますが、そう単純ではないことを説明したいと思います。職務質問については、警察官職務執行法に定めがありますが、まず警職法の目的を見てみ [続きを読む]
  • 育休は国益に適う?−休暇制度の多面性
  • 記事の青山アナをめぐって、「民間では考えられない」「6年も育休でその期間の社会保険負担等は育児支援として疑問」等の議論があるようです。この議論の前提にある「育休」とはそもそもなんのための制度か?を確認することはこの問題を越えて我が国の労働制度や国の発展を考える上でとても有益です。育休というのは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(育児介護休業法)に定められている [続きを読む]
  • 死刑の「基準」と「罪を憎んで人を憎まず」の関係?−永山基準について
  • 死刑は我が国で最も重い刑罰であり、しかも人の人生そのもの終わらせる、生命を奪う刑罰です。したがって、決して軽々に科すべき刑罰ではありません。近時、大きな事件があるとすぐに「死刑にしてしまえ」のような言葉をネットに書く人がいますが、死刑という刑罰の重み、厳粛さ、その背景にある生命の大事さ、尊厳をわかっていない非常に軽薄な言説と言えます。裁判においても、犯罪がいかに重大であっても、死刑に処すか否かは厳 [続きを読む]
  • 最高裁は国会任せ?−合憲判決と国会の関係
  • 前回NHKとの契約強制について投稿したところ、「NHKも結局民法と同様の原理で番組を作っているのでは?」というご指摘をいただきました。この点については、一般の方が抱く「合憲判決」「違憲判決」のイメージが実際のそれとは異なっているのかもしれないと思いますので、今回の判決文を使いながら説明したいと思います。今回の判決ではNHKとの契約強制について定める放送法64条1項が憲法に適合するか否か=合憲か違憲かが判断 [続きを読む]
  • 「見ないから払わない」は正しいか?−表現の自由と放送
  • 記事にある「見ていないのに支払うのはおかしい」という感覚は非常に説得力があり、今回の最高裁判決に反感を持つ人が多いのも当然といえば当然だろうと思います。ただ、「見たくないから払いたくないvs.法律が合憲だから払うのが当然」というような単純な論争は不毛で無益です。実のある議論をするために、まず一見非常識に見える最高裁判決の理屈を少し知ることは有益だと思います。今回問題となった放送法の規定は、放送法64 [続きを読む]
  • 味のある最高裁とその限界?−300日問題の解決のヒント−その2
  • 裁判は嫡出推定及び否認制度の合憲性を認めた一方で現行制度での不都合、特に300日問題の解決を立法府に求めたようであり、これはこれで味のある判決だと思います。さて、前回説明した嫡出否認制度の例外を認めた昭和44年の最高裁判決の味わい深さを考えるために、大事なポイントをあげると①子が遺伝子上の父に起こした訴訟=戸籍上の父は当事者になっていない②子が遺伝子上の父に求めたのは認知=父子関係の形成③訴訟の結 [続きを読む]
  • 父が決まればいい?−300日問題の解決のヒント−その1
  • 前々回、我が国では子を育てる責任を負うのは親であるという前提の元、我が国の民法は子の福祉及び国家の視点からの要請から、①父を「自動的に決める」②子を育てる責任を容易には免れさせないことを定めており、具体的には①父子関係と婚姻を結びつけて婚姻中又は婚姻解消後300日以内に産まれた子の父は母の戸籍上の配偶者とされ②嫡出否認の主張は非常に限定された場合にのみ認めるという嫡出推定制度、嫡出否認制度を設けて [続きを読む]
  • 親は「決めなければならない」−300日問題の背景−その2
  • 前回、①親を定める=育てる責任を負う者を決めることが子の福祉にも国家の要請にも適うこと②同じ目的で親と決まった者がそれを否定する=嫡出否認は非常に限定された場合にのみ認められることを説明しました。今回はその先の展開を説明します。まず、300日問題を含む問題がどれほどあったとしても、現行の嫡出推定制度を単純に廃止することは不可能である、ということはしっかり確認する必要があります。単純に嫡出推定制度を [続きを読む]
  • 親子って何?−300日問題の背景−その1
  • 親子って何?−300日問題の背景−その1記事のとおり、いわゆる300日問題について、その背景又は原因とされる嫡出推定制度の合憲性について正面から争われた裁判の判決が29日に出されるようです。そこで、300日問題について何回かに分けて説明しようと思います。300日問題そのものを説明する前に、今回はまず300日問題の背景又は原因とされる嫡出推定制度の存在理由を説明しようと思います。嫡出推定とは、民法7 [続きを読む]
  • 給与所得控除は多いのか少ないのか?−法と歴史は「使える」ツール
  • 本ブログで様々な問題を落ち着いて考えるために現行法の規定やそれについてのオーソドックスな説明をツールとして使うことをお勧めしています。コレに加えて、問題となる規定や制度についての議論の「歴史」も冷静な思考の非常に有益なツールです。それを説明するのに記事の配偶者控除の問題はうってつけです。記事にあるように来年の税制改正の目玉の1つが配偶者控除の引き下げになるようであり、その理由は「我が国の配偶者控除 [続きを読む]
  • ウィルスの保管は犯罪?−ウィルスも主観が大事
  • 記事のようにコンピューターウィルスを保管しているだけで罪になるのか?研究目的等仕事で保管していても罪になるのか?という問いは実は10/12に説明した「主観は周辺の客観的事情から判断する」ことと深くかかわります。まず、法律はともかく条文から出発しますので、記事にある「不正指令電磁的記録保管罪」の条文を確認すると、刑法168条の2第1項「正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、 [続きを読む]
  • 故意と過失の境界線?−危険運転致死罪の特殊性
  • 10/11〜10/15まで4回投稿した事件の続報で容疑者が危険運転致死罪で起訴されたとのことです。前回投稿では「故意」の悪質性に着目した説明でしたので、故意と過失の境界線ははっきりしている、というイメージを持たれたかもしれません。しかし、今回の事件のように「ものすごく悪質な過失」というものも勿論存在するわけで、それに対処する定めも刑法には置かれています。今回検察が起訴に踏み切った危険運転致死罪はその典型です [続きを読む]
  • 大事なのは「きまり」?−「何を決めていたか?」を明確に
  • 記事のように茶色の地毛を黒く染めるよう強要するのは、黒以外の髪色という特定の身体的特徴を蔑んでいるとの見方は十分あり得ますので、本件で人権や人格的利益が論じられることは当たり前といえば当たり前です。しかし、「人権」「価値観」の議論は妥協が難しい上に、我が国では感情的になりがちです。ですので、それらが問題になる事件であればあるほど、人権等の議論以前の問題をきちんと整理しておかなければ冷静で有益な議論 [続きを読む]
  • 刑は有限?−刑の「重さ」を考える
  • ここ3回の投稿で高速道で自動車を停止させた死亡事故を題材に刑法の思考を説明しましたが、これに対し、事件の悪質性や被害者の残された子を考えると「死刑か無期懲役くらいじゃないと納得出来ない」という意見をいただきました。一般の方の感覚としては当然の気持ちです。そして、今回の容疑者を無期懲役や死刑にしてはいけないと説く刑法ないしその運用に携わる法律家の感覚が一般と「ズレている」と一般の方から思われるのも十 [続きを読む]
  • どれくらい塀の中に?−言い渡される刑の幅
  • 一昨日、昨日の投稿で刑法がより悪質な犯罪を抑止しようとしていること、故意の判断プロセス等を説明したところ、「被害車両を停止させた容疑者と後ろから追突したトラック運転手が同じ罪名なのは納得がいかない」というもっともなご指摘がありました。そこで、同じ罪名でも被告人が置かれることになる状況は天と地ほど違うことを説明しようと思います。一昨日に書いたとおり、過失運転致死罪の法定刑は自動車運転処罰法5条「…七 [続きを読む]
  • 心の中をどう覗く?−故意は周りから
  • 昨日の記事について、「一般人は殺人で起訴できるかも知れない」と思っているという鋭いご指摘を受けました。そこで、刑法が強い社会的非難が向けられ、重罰を科すべきと規律する「故意」についての判断過程を少し説明しようと思います。昨日説明したとおり、殺人の故意とは「殺そうと思って行動する」ということです。「思って」と書いたことからわかるとおり、「故意」とは結局のところ人の心の中の問題です。心の中を直接覗くこ [続きを読む]
  • 「殺す」と「死なせてしまう」の差−法律は実は甘くない
  • 記事のような悪質な過失致死事件が報道されると「人を死なせたのに過失致死程度だなんて」「殺したも同じだ」というような人が一定数います。そして我が国の刑法(特別法を含みます)やその運用に携わる裁判官・検察官・弁護士を「甘い」と評価する人もそれなりにいます。しかし、少なくとも我が国の刑法は実は甘くありません。犯罪という社会現象を冷徹に規律しています。刑法の機能は前にも少し書いたとおり、①因果応報(目には [続きを読む]
  • 内部留保に課税する?−収得税と財産税で議論を整理
  • 希望の党が公約として消費増税を凍結し、代替財源として企業の内部留保への課税を検討していることについて「内部留保=悪だというのは共産党と同じリベラルで左な発想だ!」vs.「消費増税凍結のためには仕方ない」等という恐ろしく粗雑で中身がわかりにくい応酬がはじまっています。内部留保への課税というのは財産税の一種であると考えられますので、この問題を考えるにあたって、現在既にある財産税の仕組みなどを知っておくと [続きを読む]
  • 内部留保に課税する?−収得税と財産税で議論を整理
  • 希望の党が公約として消費増税を凍結し、代替財源として企業の内部留保への課税を検討していることについて「内部留保=悪だというのは共産党と同じリベラルで左な発想だ!」vs.「消費増税凍結のためには仕方ない」等という恐ろしく粗雑で中身がわかりにくい応酬がはじまっています。内部留保への課税というのは財産税の一種であると考えられますので、この問題を考えるにあたって、現在既にある財産税の仕組みなどを知っておくと [続きを読む]
  • 保守やリベラルって何のこと?−憲法の規定から整理すると
  • 総選挙公示を控えて政党再編が喧しく、「穏健な保守」「リベラル」等という思想用語のようなものが飛び交っています。しかし、そもそも「保守とは何か?」「リベラルとは何か?」について明確に語られることが少なく、議論が非常にわかりにくくなっています。実際のところ、希望の党が言う「保守」といわゆる保守思想との間には相違点が多く、また立憲民主党や共産党が言う「リベラル」といわゆるリベラリズムの間にもかなりの相違 [続きを読む]