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ショートショートな人間模様 http://60minstory.blogspot.com/

笑いとブラックジョーク満載の60秒で読み切れる超短編です。ラスト一行に秘められた奇想天外な結末とは?

人の数だけドラマがある。日常のちょっとした出来事の中に意味深な人生を垣間見てハッとする瞬間を、わずか300字に綴っています。待ち合わせや暇つぶしに読んでいただければと思います!

山本敏夫
フォロー
住所
城東区
出身
相生市
ブログ村参加

2016/03/21

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  • 第117話「来訪者」

    Y氏の住む地域は、セールスや勧誘の来訪者がやたらと多い。 “ピーンポーン” その日も、Y氏の自宅のインターホンが鳴った。 ―もう、今日はこれで5回目だ― Y氏は居留守を使おうとしたものの、インターホンはなかなか鳴り止まない。 ―いい加減...

  • 第116話「魅力的な男」

    Y子が元カレと別れたのは3年前。 「もう、出会いなんてないのかな … 」 このままいくと、40歳までには必ず結婚したいというY子の願望は叶いそうにない。 そんなある日、Y子がとある喫茶店に立ち寄っていると … ―何だか、向かいの席にいる男の視線が...

  • 第115話「ピアノ騒音」

    最近、Y氏の向かいの家からピアノを弾く音が聞こえるようになってきた。 初めのうちは、ごくたまにしか聞こえてこなかったので、さほど気になる訳でもなかった。 ところが … ある時期から、土・日になると必ず聞こえるようになってきた。 し...

  • 第114話「眠りの後」

    Y子の美貌は、この界隈ではかなりの噂である。 「私って、そんなに綺麗かしら?」 そんな独り言をつぶやきながら、Y子はいつも鼻高々だ。 その夜、Y子は行きつけのバーカウンターに座った。 「いつもの、ちょうだい」 お世辞にも美人とは言え...

  • 第113話「とびきりの笑顔」

    Y子の笑顔は、とびきりに素晴らしいと評判である。 特に、その口元から覗く真っ白な美しい歯は、見るからに健康的な印象を与える。 まさに、女の笑顔は歯が命と言わんばかりだ。 その日も、Y子は周囲にとびきりの笑顔を振りまいていた。 そう、あ...

  • 第112話「沖縄旅行」

    Y氏は生まれてこの方、北海道の地から一度も外へ出た事がない。 そんなY氏はつい先日、古い知人からこんな誘いを受けた。 「実は一週間後に、友人5人で沖縄へ旅行の予定になっていたのだが、その内の一人が急に行けなくなってしまって … 」 知人は困り果てた様...

  • 第111話「受刑者の罪」

    「よし、今日からここがお前の部屋だ」 その日、Y氏は看守に連れられて雑居房に送り込まれた。 やがて一週間もすると、Y氏はすっかり他の因人達と打ち解けた。 「それにしても、Yさんの話は面白いな」 「ほんと、腹の皮がよじれそうだよ」 Y氏は...

  • 第110話「宅配便」

    K子は元交際相手からのストーカー被害を受け、心身共に疲労していた。 警察に相談しても、まともに取り合ってはくれない。 そんな中で、男のストーカー行為は更にエスカレートしていく … ―このままじゃ、何をされるか分からない― 身...

  • 第109話「極上かりんとう」

    ある日、スーパーで買い物中のY氏は、偶然にも昔の知人と再会した。 「どうも、お久しぶりです。これ、食べた事ありますか?」 知人は、かりんとうのお菓子を手にしている。 「いえ、ありませんが」 「これ、味が極上ですよ … 」 知人は、それだ...

  • 第108話「階段」

    Y氏は子供の頃から、人生の階段をトントン拍子に駆け上ってきた。 小学校から成績は常にトップクラス。 そして一流大学に進学すると、そのまま一流企業へ就職。 おまけに、都内にマイホームを建て、ガレージには高級外車。 その上、妻はとびきりの美人...

  • 第107話「未来日記」

    高校に進学したY子は、両親から一冊の日記帳をプレゼントされた。 真新しい白紙のページを開くと、Y子はある名案を思い付く。 「普通の日記を書くだけじゃつまらない。だったら楽しい明日を想像して、それを日 記にしよう」 そこでY子は、この日記を”未...

  • 第106話「健忘症」

    ーあれは何だったかな...ー Y氏は、ここのところ物忘れがひどい。 その日、Y氏は昼過ぎから買い物に出掛けたが、いざデパートに着いてみると何を買 いに来たのかさえ忘れてしまう始末だった。 仕方なく何も買わないまま、Y氏は手ぶらでトボトボと家路をたどる羽目になった。...

  • 第105話「ビッグな男」

    ”アメリカンドリーム” Y氏も、この言葉に魅了された日本人の一人であった。 そしてY氏は行動を起こした。 「俺はアメリカに行って、ビッグな男になって帰って来る!」 Y氏は友人達にそう言い残し、期待に胸を膨らませて日本を飛び立ったのだ。 それから3...

  • 第104話「男のメンツ」

    「こんな時間に独り歩きは危険だよ」 駅の改札を抜け、Y氏は女を気遣った。 「心配しないで。もう、ここでいいわ」 「いや、そうはいかない。俺が家まで送るよ」 Y氏の心は穏やかではない。既に時刻は夜の11時を過ぎている上に、この辺りは特に 物騒な地域でもある。 ...

  • 第103話「身の上話」

    Y氏の携帯に女から連絡が入った。 「ねえ、私ともう一度だけ会ってくれないかしら」 Y氏は先日、女と別れたばかりである。二股をかけられたY氏の方が女に愛想を尽かしたの だ。 「お前とやり直す気はないが、会うだけならいいだろう」 どうやら女はY氏に未練があるらしい...

  • 第102話「郵便物」

    郵便局の窓口に、二通の封筒を手にした客がやって来た。 「これ、各駅でお願いします」 客はそう言って、一つの封筒を局員に差し出した。 「各駅ですか。各駅...、普通便という事でしょうか?」 局員は戸惑いながら客の意向を確認する。 「そういう事です。出発進行!」 ...

  • 第101話「消したい記憶」

    ―あんな記憶は、真っ白に消し去ってしまいたい― Y氏を苦しめる悪夢の様な記憶。 三年前、Y氏の自宅が全焼した。焼け跡からは、見るも無残に変わり果てた妻と子供が発見 された。その光景はY氏の脳裏に深く刻み込まれ、未だに消える事はない。 以来、Y氏は深い悲しみの縁から...

  • 第100話「スルメ男」

    ―俺は結婚できるだろうか― Y氏は物思いに耽りながら、好物のスルメを酒の肴にビールをグイッと飲み干した。 Y氏は今年で四十歳になる。真面目で誠実、見た目も悪くないのだが未だに独身なのだ。結 婚するには十分に値する男なのだが... Y氏は友人から、こう告げられた事が...

  • 第99話「腹痛」

    日の出スーパーはとにかく安い!その上、24時間営業だから有り難い。そんな事でY氏は日 の出スーパーの常連客だ。 ただ、一つだけ問題があった。日の出スーパーの食材でY氏は時々腹痛を起こすのだ。 それは弁当や総菜などの値下げ商品でよく起こる。古くなって痛んだ食材も、濃い味...

  • 第98話「俳優生命」

    二世俳優のY氏は父を亡くした。すると父のコネによる恩恵を失い、忽ち仕事が激減した。親 の七光りとはそういうものだ。 そんな時、父の親友でもあった映画監督がY氏に声を掛けた。 「俳優生命を賭けて、俺の映画に出てみないか」 Y氏は監督の助け船に乗った。 その後、撮...

  • 第97話「完全犯罪」

    数年前、Y氏は隣人と些細なトラブルを起こした。以来、Y氏は隣人への憎しみを募らせ、遂 に決心した。 ―隣人を消そう― こうしてY氏は完全犯罪を目論み、ある計画を推し進めた。 そして一年が過ぎた。 ―これで準備は整った― 季節は夏、時刻は夜半を過ぎた。隣人は...

  • 第96話「籠の中」

    ―こうなったら、強盗するしかない― アキラは金に困り果て、隣に住む一人暮らしの老婆に目星を付けた。 「おばあちゃん、少し話があるのですが」 「あら、アキラ君。どうぞ中へ」 老婆が快くアキラを迎え入れる。すると、アキラは用意していた紐を老婆の首に巻き付けた。 「...

  • 第95話「透視力」

    ドクターKは遂に透視薬を完成させた。 「先生、素晴らしい発明です」 「確かに。では、さっそく効果を試してみよう」 ドクターKの見守る中で、助手は透視薬の一錠を服用した。 「先生、驚きです。先生の服が透けて見えます」 「では、もう一錠」 助手はドクターKに言...

  • 第94話「盗撮」

    ある日、Y氏の盗撮行為が発覚した。 「申し訳ありません。二度とこの様な事は...」 Y氏は深く反省して何とか事なきを得た。 だが数日もすると、再び盗撮の虫が騒ぎ始める。 ―何か上手い盗撮の方法はないか― Y氏は妙案を思い付き、あるドクターに相談を持ち掛けた。 ...

  • 第93話「歯痛」

    ある金曜日の夜中に、Y氏の虫歯が突然うずき始めた。 家にあった痛み止めの薬を飲んで直ぐに治まったが、数時間で薬が切れると再び痛み出す。 そして又薬を飲むという応急処置を繰り返している内に、やがて薬が効かなくなってしまった。 ―困ったものだ。土日は歯科医が休みだし......

  • 第92話「親切な女性」

    夏の炎天下、道端でうずくまっていたY氏に、偶然居合わせた年若い女性が声を掛けた。 「大丈夫ですか。熱中症かもしれません」 女性はY氏に付き添い、適切な処置を施した。そして、三十分もするとY氏は回復した。 「本当に助かりました。せめてお礼だけでも...」 「気にしな...

  • 第91話「余命」

    「お母さん、今日はいい天気ね」 K子が優しく声を掛ける。小春日和の下で、K子は車椅子を押しながら桜の並木通りを歩いて いた。 母は余命半年の宣告を受けている。まだ四十八歳の若さだ。母はK子を出産して直ぐに離婚 し、女手一つでK子を育てた。そしてK子は一流企業に就職...

  • 第90話「声」

    その夜、Y氏と後輩は一台の車に乗って廃病院に到着した。二人は今日からこの場所で、見 張り役の警備を任されたのだ。 「先に君が入り口で見張りをしてくれないか。一時間経ったら交代しよう」 Y氏はそう言って車に残り、後輩は入り口に向かった。静寂の中で夜が深まって行く...。...

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