山本敏夫 さん プロフィール

  •  
山本敏夫さん: ショートショートな人間模様
ハンドル名山本敏夫 さん
ブログタイトルショートショートな人間模様
ブログURLhttp://60minstory.blogspot.com/
サイト紹介文笑いとブラックジョーク満載の60秒で読み切れる超短編です。ラスト一行に秘められた奇想天外な結末とは?
自由文人の数だけドラマがある。日常のちょっとした出来事の中に意味深な人生を垣間見てハッとする瞬間を、わずか300字に綴っています。待ち合わせや暇つぶしに読んでいただければと思います!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供8回 / 365日(平均0.2回/週) - 参加 2016/03/21 11:48

山本敏夫 さんのブログ記事

  • 第108話「階段」
  •  Y氏は子供の頃から、人生の階段をトントン拍子に駆け上ってきた。  小学校から成績は常にトップクラス。そして一流大学に進学すると、そのまま一流企業へ就職。おまけに、都内にマイホームを建て、ガレージには高級外車。その上、妻はとびきりの美人である。正に、人も羨むエリート人生とはこの事だ。しかし…、数年前にY氏は人生で最大の挫折を味わった。その時、Y氏は人生の更なる階段を上る覚悟を決めた。そして、いよい [続きを読む]
  • 第107話「未来日記」
  •  高校に進学したY子は、両親から一冊の日記帳をプレゼントされた。 真新しい白紙のページを開くと、Y子はある名案を思い付く。「普通の日記を書くだけじゃつまらない。だったら楽しい明日を想像して、それを日記にしよう」 そこでY子は、この日記を”未来日記”と名付けた。 そして最初のページに日記を書くと、次の日から不思議な事が起こり始めたのだ。「何て事かしら?日記に書いた事が、本当に現実になるなんて」 Y子 [続きを読む]
  • 第106話「健忘症」
  • ーあれは何だったかな...ーY氏は、ここのところ物忘れがひどい。その日、Y氏は昼過ぎから買い物に出掛けたが、いざデパートに着いてみると何を買いに来たのかさえ忘れてしまう始末だった。仕方なく何も買わないまま、Y氏は手ぶらでトボトボと家路をたどる羽目になった。そして自宅マンションに到着し、鍵を閉めていた事さえも忘れて玄関のドアを開けようとした。すると...、なぜかドアがスッと開いてしまったのだ。ーあれっ、鍵 [続きを読む]
  • 第105話「ビッグな男」
  • ”アメリカンドリーム”Y氏も、この言葉に魅了された日本人の一人であった。そしてY氏は行動を起こした。「俺はアメリカに行って、ビッグな男になって帰って来る!」Y氏は友人達にそう言い残し、期待に胸を膨らませて日本を飛び立ったのだ。それから3年後、Y氏は久しぶりに日本へと戻ってきた。もちろん、ビッグな男になって...「お前、随分とビッグな男になったじゃないか」Y氏と再会した友人は、開口一番にそう言った。「そ [続きを読む]
  • 第104話「男のメンツ」
  • 「こんな時間に独り歩きは危険だよ」駅の改札を抜け、Y氏は女を気遣った。「心配しないで。もう、ここでいいわ」「いや、そうはいかない。俺が家まで送るよ」Y氏の心は穏やかではない。既に時刻は夜の11時を過ぎている上に、この辺りは特に物騒な地域でもある。「大丈夫よ。家は直ぐそこだから」「でも...」Y氏は男のメンツを保つべく、女に付き添って歩く。すると前から強面の男が近付いてきた。「おう、なかなかイイ女を連れ [続きを読む]
  • 第103話「身の上話」
  • Y氏の携帯に女から電話が入った。「ねえ、私ともう一度だけ会ってくれないかしら」Y氏は先日、女と別れたばかりである。二股をかけられたY氏の方が女に愛想を尽かしたのだ。「お前とやり直す気はないが、会うだけならいいだろう」どうやら女はY氏に未練があるらしい。Y氏は女の要求を呑んだ。そして数日後...「やっぱり、私にはあなたが必要だわ。だから、もう一度やり直して欲しいの。実は私...」女が涙ながらに辛い身の上話 [続きを読む]
  • 第102話「郵便物」
  • 郵便局の窓口に、二通の封筒を手にした客がやって来た。「これ、各駅でお願いします」客はそう言って、一つの封筒を局員に差し出した。「各駅ですか。各駅...、普通便という事でしょうか?」局員は戸惑いながら客の意向を確認する。「そういう事です。出発進行!」客はそう言って、車掌の真似をしてみせた。「かしこまりました」次に客は二つ目の封筒を取り出し、そして局員にこう言った。「こちらは、特急でお願いします」「特急. [続きを読む]
  • 第101話「消したい記憶」
  • ―あんな記憶は、真っ白に消し去ってしまいたい―Y氏を苦しめる悪夢の様な記憶。三年前、Y氏の自宅が全焼した。焼け跡からは、見るも無残に変わり果てた妻と子供が発見された。その光景はY氏の脳裏に深く刻み込まれ、未だに消える事はない。以来、Y氏は深い悲しみの縁から抜け出せないでいるのだ。そんなある日、Y氏は何時もの様に暗い表情ををして公園のベンチに腰掛けていた。目の前では見知らぬ女と子供が楽しそうに戯れて [続きを読む]
  • 第100話「スルメ男」
  • ―俺は結婚できるだろうか―Y氏は物思いに耽りながら、好物のスルメを酒の肴にビールをグイッと飲み干した。Y氏は今年で四十歳になる。真面目で誠実、見た目も悪くないのだが未だに独身なのだ。結婚するには十分に値する男なのだが...Y氏は友人から、こう告げられた事がある。「お前は奥深くて掴み所の無い人間だから、理解するには骨が折れる。それが結婚相手の見付からない理由さ。早い話が、お前はスルメ男だよ」そんな話を [続きを読む]
  • 第99話「腹痛」
  • 日の出スーパーはとにかく安い!その上、24時間営業だから有り難い。そんな事でY氏は日の出スーパーの常連客だ。ただ、一つだけ問題があった。日の出スーパーの食材でY氏は時々腹痛を起こすのだ。それは弁当や総菜などの値下げ商品でよく起こる。古くなって痛んだ食材も、濃い味付けで誤魔化せば何とか商品にはなる。そこへ値下げとくれば、つい手が伸びてしまう。―安い分だけ物が悪いのだから仕方がない―Y氏は腹痛を起こす度 [続きを読む]
  • 第98話「俳優生命」
  • 二世俳優のY氏は父を亡くした。すると父のコネによる恩恵を失い、忽ち仕事が激減した。親の七光りとはそういうものだ。そんな時、父の親友でもあった映画監督がY氏に声を掛けた。「俳優生命を賭けて、俺の映画に出てみないか」Y氏は監督の助け船に乗った。その後、撮影は順調に進んでラストシーンを迎えた。刑事役のY氏が、ロシアンルーレットで命を懸ける場面である。「生死の確立は二分の一だ。さあ、引金を引け」マフィア役 [続きを読む]
  • 第97話「完全犯罪」
  • 数年前、Y氏は隣人と些細なトラブルを起こした。以来、Y氏は隣人への憎しみを募らせ、遂に決心した。―隣人を消そう―こうしてY氏は完全犯罪を目論み、ある計画を推し進めた。そして一年が過ぎた。―これで準備は整った―季節は夏、時刻は夜半を過ぎた。隣人は既に寝静まっており、開け放たれたベランダの窓を覆うレースのカーテンが夜風に揺られていた。すると、そこへ一匹の蚊が舞い込んで来た。蚊は空中を漂うと、やがてカー [続きを読む]
  • 第96話「籠の中」
  • ―こうなったら、強盗するしかない―アキラは金に困り果て、隣に住む一人暮らしの老婆に目星を付けた。「おばあちゃん、少し話があるのですが」「あら、アキラ君。どうぞ中へ」老婆が快くアキラを迎え入れる。すると、アキラは用意していた紐を老婆の首に巻き付けた。「アキラ君、何をするの。アキラ君、アキラ君...」部屋に吊るされた籠の中の鳥が騒ぎを聞いてパタパタと暴れ出す。やがて老婆は息絶えた。そして、アキラは何一つ [続きを読む]
  • 第95話「透視力」
  • ドクターKは遂に透視薬を完成させた。「先生、素晴らしい発明です」「確かに。では、さっそく効果を試してみよう」ドクターKの見守る中で、助手は透視薬の一錠を服用した。「先生、驚きです。先生の服が透けて見えます」「では、もう一錠」助手はドクターKに言われるままに、二錠目を服用した。「先生、今度は壁の向こうまで透けて見えます」「なるほど。ではもう一錠」こうして助手は透視薬を服用する毎に、どんどんと透視力を [続きを読む]
  • 第94話「盗撮」
  • ある日、Y氏の盗撮行為が発覚した。「申し訳ありません。二度とこの様な事は...」Y氏は深く反省して何とか事なきを得た。だが数日もすると、再び盗撮の虫が騒ぎ始める。―何か上手い盗撮の方法はないか―Y氏は妙案を思い付き、あるドクターに相談を持ち掛けた。「分かりました。手を尽くしてみましょう」ドクターはY氏の相談を受け入れた。その後、Y氏は性懲りも無く盗撮を繰り返した。しかも発覚の心配は無い。「いかがです [続きを読む]
  • 第93話「歯痛」
  • ある金曜日の夜中に、Y氏の虫歯が突然うずき始めた。家にあった痛み止めの薬を飲んで直ぐに治まったが、数時間で薬が切れると再び痛み出す。そして又薬を飲むという応急処置を繰り返している内に、やがて薬が効かなくなってしまった。―困ったものだ。土日は歯科医が休みだし...―やがて痛みは激痛へと変わっていく。そこでY氏は薬を大量に服用し、更に歯痛に効くツボを刺激して何とか痛みを紛らわした。しかし遂に...、日曜日の [続きを読む]
  • 第92話「親切な女性」
  • 夏の炎天下、道端でうずくまっていたY氏に、偶然居合わせた年若い女性が声を掛けた。「大丈夫ですか。熱中症かもしれません」女性はY氏に付き添い、適切な処置を施した。そして、三十分もするとY氏は回復した。「本当に助かりました。せめてお礼だけでも...」「気にしないで下さい。私は通りすがりの看護師ですから」女性はそう言って立ち去った。それから数年後、Y氏はとある歓楽街を歩いていた。「少し遊んで行きませんか? [続きを読む]
  • 第91話「余命」
  • 「お母さん、今日はいい天気ね」K子が優しく声を掛ける。小春日和の下で、K子は車椅子を押しながら桜の並木通りを歩いていた。母は余命半年の宣告を受けている。まだ四十八歳の若さだ。母はK子を出産して直ぐに離婚し、女手一つでK子を育てた。そしてK子は一流企業に就職を果たした。だが、ようやく母の肩の荷が下りた矢先に...。ーずっと母のそばにいようー母の余命宣告を聞き、K子は仕事を辞めて母の看病に専念した。それ [続きを読む]
  • 第90話「声」
  • その夜、Y氏と後輩は一台の車に乗って廃病院に到着した。二人は今日からこの場所で、見張り役の警備を任されたのだ。「先に君が入り口で見張りをしてくれないか。一時間経ったら交代しよう」Y氏はそう言って車に残り、後輩は入り口に向かった。静寂の中で夜が深まって行く...。やがて一時間が経ち、Y氏は車を降りて入り口へと向かった。「交代の時間だ。何か異常はないか」「はい、今のところは」「先輩、それにしても気味が悪 [続きを読む]
  • 第89話「女神」
  • 警備員のY氏は、今日が某ビルディングでの最後の勤務だ。Y氏には唯一の心残りがあった。Y氏と顔を合わせる度に、何時も感じの良い挨拶をするオフィスレディがいる。せめて最後に一言をと思っているのだが...。いつもの通りY氏がフロアーを巡回していると、偶然にも一人でエレベーターを待つ例のオフィスレディがいた。女神の粋な計らいであろう。「私、今日が最後なのです」Y氏が初めて声を掛けた。「えっ、せめて連絡先だけ [続きを読む]
  • 第88話「代弁」
  • Y氏の先輩に谷木という男がいる。谷木の楽しみは酒と博打、そして同僚の悪口を吹聴する事だ。全く、しがないオヤジの悲しき末路と言えよう。「谷木のオヤジ、早く定年退職しないかな」同僚たちは口々に言った。そんなある日、天の制裁が下る。谷木が咽頭癌で余命宣告を受け、自宅療養を始めたのだ。Y氏は内心で喜びつつ、社交辞令で谷木の見舞に訪れた。「早く元気になってくれればと...」Y氏が声を掛ける。声の出ない谷木はア [続きを読む]
  • 第87話「革靴」
  • ある出勤前の朝、Y氏が玄関先で革靴を履くと、足先に違和感を覚えた。昨日の雨で、履き古した靴の底から雨水が染み込んでいたのだ。乾かしている時間は無い。ーそうだーY氏が思い出して押し入れを開けると、埃を被った靴箱があった。もう何年も昔に、Y氏の就職祝いに母が買ってくれた革靴である。随分と履き古したが、今日だけの代用なら事足りる。蓋を開けて靴を取り出してみると、指先に革の弛んだ感触が伝わり、表面には見覚 [続きを読む]
  • 第86話「360度」
  • ”この教材で、あなたの人生が360度変わります”そんな広告を目にしたY氏は、さっそく妻に相談した。「俺は成功して人生を変えたい」「あなたが、そこまで言うのなら」妻が給料の3か月分を工面し、Y氏は教材を購入した。ーこれで俺の人生が360度変わるーY氏は熱心に教材に取り組んだ。しかし、人生は何も変わらなかった。そんなある日、宿題で頭を抱える息子にY氏が声を掛けた。「何か分からないのか」「パパ、この問題が解け [続きを読む]
  • 第85話「ある殉職」
  • その朝、ヒロシの携帯が鳴った。「母さんだよ、元気かい」「元気だよ。もう仕事に行かなきゃ」珍しい母からの電話。短い会話の後、ヒロシはマンション建設の現場に向かった。新人警備員のヒロシは、クレーンの積み荷の下で安全管理を行っている。その日は風が強い。ヒロシが見上げると、吊り荷がひどく風を受けていた。ー危ない、落ちてくるーそう思った瞬間、バランスを崩した吊り荷の鉄骨がヒロシの頭上へと降り注いだ。ヒロシの [続きを読む]
  • 第84話「ポメラニアン」
  • ー騒がしいポメラニアンだー新居に移転したばかりのY氏は、向かいの飼い犬に悩まされていた。飼い主が留守の時には寂しがって何時間も吠え続け、来客がある度に激しく吠え立てる。小型犬特有の、その甲高い吠え声を聞くと不快極まりない。耐え兼ねたY氏が苦情を入れると、飼い主は対策を考えておくと答えたが一向に改善は見られなかった。その上、Y氏が苦情を入れる度に向かいとの関係が悪くなって行くばかり...。ーもう、耐え [続きを読む]