坂東蚕 さん プロフィール

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坂東蚕さん: ロマン燈籠
ハンドル名坂東蚕 さん
ブログタイトルロマン燈籠
ブログURLhttp://peitipas.blog.fc2.com/
サイト紹介文年下の幼馴染みに男の恋人?どんどん知らない男になっていく近くて遠い幼馴染みの短編を連載中
自由文ほのぼの日常系/幼馴染み/初恋再会もの/リーマン系/幕末・新撰組刀剣アクションBLも連載中。短編長編完結済あり。健気な受×俺様攻め多めです。

参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供281回 / 365日(平均5.4回/週) - 参加 2016/04/19 17:42

坂東蚕 さんのブログ記事

  • 一緒にいようよ 52
  • 解いたネクタイを片手で引き抜き、床に放った不遜な男。続いてワイシャツのボタンが上から外され、見せつけるように顕わにされる隆起した肩。厚い胸。剛志がそうして身動ぐたびに、六つに割れた腹筋が咲の前で淫靡に妖しく蠢いた。「あっ、う……、でも。あの……」咲は声にならない声を出した。見慣れたはずの身体なのに、今日に限って落ち着かないほどいやらしい。鼓動がますます高鳴って、視線をうろうろさせていると、     [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 51
  • キスの合間に語尾を甘く擦れさせ、剛志は咲のTシャツをまくり上げ、薄い胸を這い回る。 口接を深くしながらも、汗で湿った掌で胸の尖りを探りあて、時折きつく摘まれる。「んっ……!」咲は思わず目を開けて、ビクリと肩を波打たせた。せわしなく身体をたどる手も、これはセックスの序章なんだと咲に無言で知らしめる。「ちょ、……ちょっと、剛志」咲は仰け反り、キスを解いて身動いだ。途端に座敷の畳に引き倒され、視界がぐる [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 50
  • 「剛志……」か細い声で呼びながら、おずおず背中に手を回す。いつもの剛志はTシャツか綿シャツだが、今日はスーツのジャケットだ。何だか咲はくすぐったくなり、泣き出したいのに微笑した。子供の頃から咲、咲と、雛鳥のようにピーピー鳴いてついて来ていた弟分が、大人の男になっていた。ワイシャツを纏った広い胸に抱かれて、咲はそっと目を閉じた。剛志の腕にも一層力が込められて、背が弓なりに反りかえる。「剛、……志」胸 [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 49
  • 「大体ちょっと目え離したら、すぐ別の男連れ込む奴を置いて行けるか? 五年間も」「……剛志」「そりゃあ教え子なんだし、アンジーのことは可愛いよ。だけど、その可愛いは、この可愛いとは全然意味が違うだろ」苦笑いした剛志の声音に微かに甘い響きが混じる。剛志の右手が頬に触れ、微動だにしない咲をあやすように上下した。「まあ、日本校の話が出たのを黙ってたのは謝るよ。……だけど、あんまりあっさり咲に『行け』って言 [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 48
  • 「本当は最初にイギリス赴任の話は断ってたから、咲に話すつもりは全然なかった。だけど、アンジーにあんな風に言われた後で、俺がこの話を白紙にしたら、きっと自分のせいでこうなったって、絶対咲が悩むしさ。だったら俺が赴任するんじゃなくて、今回みたいにイギリスから生徒に来てもらって、短期留学みたいな形で俺が日本で教えたいって、アンジーの親父さんに相談したんだ」        すると、すぐにアンジーの父親に日 [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 47
  • 剛志はリモコンでテレビを消して淡々と答える。まるで、ある程度予測がついていたかのような口振りだった。「アンジーの親父さんからイギリスで講師をしてくれないかって言われてたけど。俺は日本の技術を学ぶなら、生徒に日本に来てもらう方が実践的だって話してみたんだ。校長も、ニックからも日本の技術の高さをいろいろ聞いてたらしくてさ。俺は今回みたいにホームステイの延長みたいな、短期留学的な感じで考えて欲しいって言 [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 46
  • だが、その一方で剛志にまんまと騙された気がしないでもない。イギリス赴任が決まったものだと思い込み、あんなに動揺していた自分を、素知らぬ顔で見ていたのかと思ったら、猛烈に腹が立ってくる。「あーっ、クソ! 失敗した……っ!」朝食の後で工房に入り、金床で鉄を打っていたのだが、力が入りすぎたのか、パキンといびつに折れてしまう。咲は悪態ついて傍らに捨て、そのまま槌も片付けた。鍛冶仕事の出来不出来は、鍛冶師の [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 45
  • 「そっか……。でも、本当にありがとう。いろいろ配慮してくれて……」何が何だかわからなかったが、これから外出するというニックをこれ以上引き止めているのも憚られた。咲は、ともかく剛志と話しをしてから、改めて校長に返事をさせてもらうとニックに答える。「わかりました。では、校長にもそのように伝えます」咲の家の玄関を出て、軒先でニックが不意に振り向いた。「良かったですね。咲」肩越しに涼やかに微笑むと、ホーム [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 44
  • 「どうやら剛志が先日校長にした話というのは、剛志がイギリスに行くのではなく、日本に分校を創設し、そこで講師をさせてくれという要望だったようですね」「えっ……?」ニックは肩を小さく竦め、びっくりしたと言わんばかりに両手を広げる。けれども咲は呆れかえって口を開け、二の句が継げずに黙り込んだ。剛志、イギリス、日本、分校という単語が、それぞれバラバラに頭の中で踊っていた。「やは、り咲と離れるつもりは全くな [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 43
  • 咲はニックを土間に招き入れたが、ニックは今ひとつ歯切れが悪く、顔色も冴えない。「じゃあ、それとは別に何かあった?」「昨日の咲さんの提案を、早速校長に通してみました。私としてはぜひ実現させたい話ですので、鍛冶職人の必要性をできるだけ強調したんですが……」「……やっぱり反応悪かった?」言いにくそうに語尾を濁したニックの言葉尻を奪うように、咲は不吉な予感を口にした。やはりネームバリューも何もない田舎の鍛 [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 42
  • 翌朝ベッドで目が覚めた後も、咲は夢の続きを見ているような気がしていた。浴室での鮮烈な射精は心も身体も蕩けさせ、甘美な陶酔を咲に残した。あいつはもう別の誰かのものなのに。頭が日常モードになるにつれ、侘しさが胸に沁み出してきて、思わず深い息がもれる。「……何時だろ」気怠く寝返りを打ち、ベッドのサイドテーブルにあるはずの携帯を探った時だった。玄関の呼び鈴が控えめに鳴り、反射的に飛び起きる。携帯で時間を確 [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 41(R18)
  • その夜のうちにニックから、無事かどうかを訊ねるメールが咲に届いた。あのあと、とりあえず剛志の家に戻ったものの、剛志が帰ってくるまでは、ずっと心配だったという。    『私が外で待っていては剛志の誤解を招くと思い、帰らせてもらいました。剛志も先ほど戻ってきましたが、咲は大丈夫でしたか?』 と、思慮深い言葉で気遣われ、咲はすぐに返信した。ニックの方こそ剛志にまた絡まれていないかどうか案じるメールを送っ [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 40
  • 「……なに」と、剛志を睨み上げ、抗議しかけた時だった。力任せに腕を引かれ、玄関脇の土壁に身体を叩きつけられる。「痛……っ」苦痛で顔を歪めた瞬間、呻いた声ごと唇で深く口を塞がれ、咲は、ひゅっと息を呑む。見開いた目に映るのは剛志の顔だけになっていた。でも、それもあまりに距離が近すぎて、見えているのに何も見えない。見られない。わかっているのは押しつけられた壁の冷たさ。肩に食い込む獰猛な指。 剛志の厚い胸 [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 39
  • 「大体女の一人暮らしじゃないんだし。俺がニックを家に呼んで、何か問題あるのかよ」咲が問い質しながら詰め寄ると、剛志が顎をぐっと引いた。そもそも、そんな下世話な場面を想像するのは、剛志に男の恋人がいるからだ。そうでなければ考えつかないはずだと思うと、胸が張り裂けそうになる。  なのに、どうして自分が責められなければならないのかと、咲は眦を吊りあげる。 「お前もつまんねえこと言ってないで、さっさと帰れ [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 38
  • 「なに、剛志。ちょっと……っ、お前!」咲は、ニックの胸ぐらを掴み上げる剛志の背中に飛びついた。剛志が当惑しているニックに一方的に激昂し、怒鳴り散らしているようにしか咲には見えなかった。「やめろって!」鋼のように硬い背中を何とか引きはがそうと咲もあがき、剛志の暴挙を責めたてた。すると、剛志は肩越しに咲を睨みつけ、ニックを乱暴に突き放す。「ニック!」大柄のニックが転倒し、地面が擦れる音がした。開けたま [続きを読む]
  • エブリスタ秋の陣でも連載します。
  • エブリスタさんの『天下分け目のBL合戦・秋の陣』でも、手塚エマの筆名で、【初対面で100%】という未発表新作の連載を始めました。『元ヤン庭師が、エリート眼鏡のコンサルタントに完全イメチェンを迫られる!?』コメディタッチのお仕事もの。陰険眼鏡のスーツ攻めに調教される受は、野良犬です。キャラ文庫賞のセンシティブ部門に投稿しています。また、【冷たい枕と優しいキス】という改稿作も、クロスノベル賞の契約結婚部 [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 37
  • 「咲……」咲の言葉にニックは柔らかく微笑んだ。  剛志が好きだと口に出した瞬間に、堰を切って彼への想いが溢れてきて、血潮のように体中を逆巻いた。こんなに好きだったのかと驚くほど、自分の言葉に自分の気持ちを知らされたような気がしていた。「恋人がいるのに追いかけてって、どうすんだって自分でも思ってる。だけど、剛志の近くにいたい気持ちは絶対に譲れない。消せないんだよ」            いつも自分を [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 36
  • ニックの曇りのない目でまっすぐに目の奥を射抜かれる。鍛冶職人養成コースの設立を本当に要請するかどうかではなく、ニックには、本当に渡英する意思があるのかどうかを問われている。咲は途端に心も頭も揺さぶられたようになり、やはり顔を背けてしまう。鍛冶職人の養成コースが設立されれば、渡英しても職が得られる。生活ができる。そんな自分のエゴだけで、こんな途方もない提案をしている自覚があるからだ。しかも、そうまで [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 35
  • 「え……っ?」感情をあまり表に出さないニックが、咲の言葉に驚きの表情を初めて見せる。それだけで何を言っているんだと、拒絶された気さえした。咲は、みぞおちがぎゅっと萎縮するのを感じていた。 二人きりの座敷には気まずい空気が横たわり、正座した腿の上で、咲は拳を握り込んだ。「……それは、もしその提案が実現したら、咲も剛志と一緒にイギリスに来てくれるという意味、なんですね?」やがて、ニックが張りつめた沈黙 [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 34
  • 「今晩は。まだお仕事の途中でしたか?」ニックは工房のアルミ戸を開けるなり、ヤスリやフイゴが散乱する咲の周囲を見回した。「あっ……、いや、ごめん! 大丈夫だから入って、ニック。ちょっと夢中になっちゃってて」咲は飛び上がるように驚いた。気づいた時にはニックとの約束の時間になっていた。クワの刃を打ち直していた槌を置き、慌てて火床の始末をする。「ニックはビールよりお茶の方がいいんだよね? 確かアルコールは [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 33
  •  そんな二人を目のあたりにして、咲は谷底に一人突き落とされたかのように、内心憔悴しきっていた。それでも二人が気になって、今日は逃げ帰ることもできずにいる。    炭火を起した囲炉裏を生徒と一緒に囲んで座り、表面上はにこやかに日本式バーベキューで、もてなした。剛志も火箸で炭の位置を調整すると、こうして囲炉裏の煙でいぶすことで、茅を害虫から守るのだと生徒達に説明する。 「イギリスにもある? こういうの [続きを読む]
  • 【一緒にようよ】明日の朝から更新します。
  • 8月9月と、エブリスタBL合戦への投稿にかかりきりになってしまい、こちらでの連載は休止させて頂いていました。明日の朝から、【一緒にいようよ】の、連載を再開します。また、続きを読みにきて頂けると嬉しいです。エブリスタに投稿した【東京ラプソディ】は改稿でしたが、【君の匂いがする時は】は、忘れもしない8月1日に1行目から書き出した新作です。プロットだけは7月中に作っていたんですが、「文字数上限15万字な [続きを読む]
  • エブリスタBL合戦投稿作ランクインしました。
  • エブリスタ『天下分け目のBL合戦夏の陣』参加&連載中の【君の匂いがする時は】【東京ラプソディ】二作とも、BL小説ジャンル急上昇作品ランキング、注目作品ランキングそれぞれにランクインさせて頂きました。応援して下さっている皆様に心から御礼を申し上げます。【東京ラプソディ】は起承転結の転の序盤。【君の匂いがする時は】は転に入ったところ、といった感じです。本日、『東京ラプソディ』が注目作品にランクインし、 [続きを読む]
  • 更新お休みさせて下さい。
  • いつも拙作をお読み頂き、ありがとうございます。『一緒にいようよ』は、旧サイトで掲載済みの短編ですので、たぶんそんなに読まれないだろうなと、思っていました。ですので、思いがけなくたくさんの方にご訪問頂き、本当に嬉しく思っていました。楽しみにしていて下さる方がいらっしゃる限り更新をと、頑張ってきましたが、エブリスタで連載中の二作品。両方合わせて、あと十万万字ほど書かなければ完結しません。単行本一冊分の [続きを読む]
  • 一緒にいようよ 32
  • 「で、今日の昼飯のメニューは何?」咲は険しい顔の剛志から目を逸らし、隣のニックに寄り添った。いつのまにかニックは咲にとって、安心と落ち着きを授けてくれる『大樹』のようになっていた。「剛志が日本のバーベキューにしようと言っていました。欧米のバーベキューではローストビーフが定番ですが、日本は魚なんですね」ニックは五徳に乗せた焼き網に筍やベーコンなどを並べたが、台所では剛志と一緒に生徒達が鱒の串打ちに挑 [続きを読む]