積 緋露雪 さん プロフィール

  •  
積 緋露雪さん: 黙考のしじま
ハンドル名積 緋露雪 さん
ブログタイトル黙考のしじま
ブログURLhttps://ninetailsgoldfox.org
サイト紹介文哲学的な、中でも存在論的な内容の詩のやうなものを書いてゐます。
自由文物書きです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供77回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2016/06/13 06:42

積 緋露雪 さんのブログ記事

  • 媚びるもの
  • 媚びるもの重重しき犬の骸を泣きながら抱き抱へたときのやうにそいつはおれの間隙を縫ふことを得意としてゐて、何とも厄介な代物に違ひないが、そいつの媚び方が大嫌ひなおれは、そいつの気配を感じた刹那、有無も言はずに一撃をぶっ放す。さうして飛び散った肉片の一つ一つに唾を吐きかけては悦に入るのだが、その媚びるものは死臭が何時まで経っても消えぬやうに肉片と化したとはいへ、さらに老獪におれに媚び諂ふのだ。それが [続きを読む]
  • 流麗なる悲哀
  • 流麗なる悲哀流れるやうに何の澱みもなく華麗にピアノを弾くビル・エヴァンスの演奏は流麗なるが故にその悲哀は底知れぬのだ。深き闇をぢっと凝視してしまったのか、その華麗にして優美なその演奏は立ち止まる事を恐れるやうに何時までも音と音との間に発生する空隙を埋めるやうにしてビル・エヴァンスは流麗にピアノを弾く。果たせる哉、ビル・エヴァンスが見たであらう闇の深淵はいづれも死臭が漂ふものばかりで、実際、ビル・ [続きを読む]
  • 去来現(こらいげん)
  • 去来現(こらいげん)過去、未来、現在を意味する去来現といふ言葉が好きだ。これは仏教用語ではあるが、単刀直入に去来現と言ひ切るその潔さに感服したのかも知れぬ。おれの時間に対する考へ方は至極単純で、現存在のみ現在に取り残され置いてきぼりを喰らひ、外界は、過去と未来が自在に反転する奇妙な時間が流れ、内界もまた、過去と未来が自在に綯ひ交ぜになる時間が流れ、寿命は自然界で極普通に発生するカルマン渦が、世界に [続きを読む]
  • ぼんやりと頭痛を抱へて
  • ぼんやりと頭痛を抱へてぼんやりと頭痛を抱へてその痺れるやうな痛みに酔ひ痴れて、極極私的な春の宴を催すのです。そんな春の宴には頭痛が最も相応しいと思ふのですが、それと言ふのも春そのものが頭痛の種でしかなく、気が滅入る季節こそが春なのです。薄ぼんやりと頭痛を抱へながら催す宴は、更に気が滅入らせると思はれるかもしれませんが、決してそんなことはなく、春にこそ頭痛は宴の首座として相応しいのです。それでなく [続きを読む]
  • 恐怖の春が巡る
  • 恐怖の春が巡る草木が一斉に芽吹き出す驚異の季節たる春がまた巡ってくる。かう生命の力強さをこれ見よがしに見せつけられる春がおれは嫌ひだ。冬の寒さに、唯、忍の字で辛うじて生を繋ぐ冬にこそ生の醍醐味があり、その生が一斉に芽吹く春は恐怖ですらある。何処を見回しても生命が途轍もない力を見せつける春は、余りに目の毒であり、おれはそれらが直視出来ぬのだ。それは多分、おれのがらんどうの胸奥の殺風景な様が、一際際 [続きを読む]
  • 太棹の三味線、鳴り響く
  • 太棹の三味線、鳴り響くべべんべんべんべんべべんべんべんべん 長い時間がありまして、何もかもがセピア色へと影絵の如く褪色してゐたのでありました。それでも太棹の三味線が腹を震はすやうに鳴り響き、太夫が義太夫を独特の見事な節回しで歌ひ出すと、セピア色に褪色してゐた景色がみるみる色を取り戻し、時間が発色眩しく動き出しては生き生きとするのでした。 べべんべんべんべんべべんべんべんべん 長い時間がありまして其 [続きを読む]
  • 弾劾せざるを得ぬ吾に対して
  • 弾劾せざるを得ぬ吾に対してそれは哀れみだったのか。吾を弾劾せざるを得ぬおれは、吾に対する哀れみを抱いて、吾を徹底的に、そして執拗に弾劾出来ると言ふのか。それは偽りの茶番劇でしかないのではないのかと言ふ疑念を抱きつつも、おれはこの吾と言ふ不気味に嗤ふ異形のものを弾劾せざるを得ぬこのおれの性分はどうしようもない。それに対する愛憎が錯綜するこの異形のものに対してこのおれは憎悪しかないやうに装ひながら弾 [続きを読む]
  • 自我の黎明
  • 自我の黎明一度撲殺した自我ではあったが、撲殺時にばらばらに飛び散った自我の破片が粘菌の如く再びくっつき自我が再生されたのであった。しかし、その自我は過去のことは全て忘却してゐて、今が自我の黎明なのだ。黎明期の自我は世界に対して物凄く素直で、吾ながらそれには驚きを隠せなかったのであるが、黎明期にある自我はその物事を吸収する力が物凄く、時間にして一秒で吾が人生を全て把捉したのだ。と同時に世界の有様も [続きを読む]
  • 鎮魂の儀
  • 鎮魂の儀彼の世の罵詈雑言の喧噪の中、そいつがぽつりと呟いた。――僕の死に際して泣いてくれたものは皆無だった。それが事の全てを物語ってゐてたのかもしれぬ。そいつの呟きでこれまで此の世に対して口汚く罵ってゐた有象無象が、此の世を罵ることを已めて一斉に己に対して罵り始めたのである。さう、彼の世の全ての何一つのものも己の死に際して泣いてくれたものは皆無だったのだ。それは己に徳がなかっただけなのか、そもそ [続きを読む]
  • 兆し
  • 兆し朝日が昇る中、西の空を見ると白色化した月が茫洋と沈み行く。唯、それだけだけのことなのにとてももの悲しいのだ。冷え込んだ真冬の朝のありふれた日常なのに、ぼんやりともの悲しいのだ。これは何かの兆しなのかと思はなくもないが、どうせ碌なものぢゃない。 日常は残酷だ。一つ踏み外すと、即、死の淵へと日常は追ひ込む。何を大仰なと思ってゐる輩は知らぬが仏で、幸せものだ。日常からどうしようもなく食み出たものは [続きを読む]
  • 異端
  • 異端時代を切り拓くのは何時も異端者である。こんなことは今更言はずとも誰もが解ってゐることと思ふが、それでも敢へてさう叫ばずば、日常は常に反復の繰り返しであり、其処には日常に波風を立てる差異は見られぬ日常が続くだけなのだ。とはいへ、異端であることは常にどうしようもない不安に苛まれるが、それに堪へ得るもののみが異端者であり、それに堪へ得ぬものは端から異端者ではなく、それらは自らを仔羊と称し、今も尚、 [続きを読む]
  • ものの有様 四
  • ものの有様 四そのやうに時時刻刻と最新の情報で上書きされる仮想現実と現実世界の相関関係は、断然、仮想現実が現実世界に対して優位を保持してゐて、世界は既に仮想現実に一見すると従属してゐるやうに見えるのである。厖大な情報を時時刻刻と丸呑みする仮想現実は、個人が世界を情報へと翻訳したものを丸呑みするばかりでなく、不特定多数が世界を情報として翻訳したその厖大な情報を丸呑みし、共有することで利便性は飛躍的 [続きを読む]
  • ものの有様 三
  • ものの有様 三四次元を二次元に縮退させることで、現実の拡張を成し遂げた仮想現実は、その縮退にこそ現実の拡張にその秘訣が隠されてあるに違ひなく、といふのも、縮退によって二次元の平面世界が即座に四次元の仮想立体世界へとその有様を変化させることはお手のもので、その魔術の如き次元の操作はTouchpanelといふ平面上でやってのけてしまふことで、誰もがいとも簡単に仮想現実にのめり込んでしまふのである。それがどうい [続きを読む]
  • ものの有様 二
  • ものの有様 二 そんな私を囲繞する時空間にあっぷあっぷで何故か溺れてゐるやうな感覚に何時も襲はれてゐる錯覚に置かれてゐる私は、私を囲繞する時空間を或ひは呪ってゐるのかも知れぬ。その時空間ときたら真綿で首を絞めるやうに私をきりきりと締め付ける。そんな時空間に存在するものは、端的に言って私には恐怖でしかないのだ。私を囲繞する時空間と共にそれら森羅万象は――へっへっへっ。と私を嗤ひながら重たい重たい重た [続きを読む]
  • 神消ゆ
  • 神消ゆ薄ら寒い冬空の黒雲を見上げながらこれまで透明だった神は何時しか内部崩壊を始めてゐたせいで、その腐り行く醜態を晒してゐた。それは神にとっては恥辱ではあっても、それは神が永眠するためには必要不可欠のことで、その神の含羞が結晶の壊れた雪となって舞ってゐた。神はその腐った悪臭漂ふ息を吐くと、ひゅううっと、寒風が吹き荒び、その寒風に混じった瘴気に当てられた私は、鼻を曲げるやうな悪臭に堪へきれず、ちん [続きを読む]
  • 憂鬱
  • 憂鬱憂鬱な日日は紺碧な空から零れ落ちさうな苦苦しき神の涙を飲み干す如くにのっぴきならぬ苦悩に打ちひしがれて打ちのめされるのであったが、とはいへ、神の頬にびんたを食らはせようと藻掻き苦しむ喜劇的な存在でもある私は、アフリカの大地にその特異な姿を表はすパオパブの木の如く根と枝が逆様のやうな様相を呈しなければ、最早全く誤魔化しきれぬ己の心情に溺れることで私の内部は逆立ちをし、このどうしようもない憂鬱な [続きを読む]
  • ひたひた、ひたひたと
  • ひたひた、ひたひたとひたひた、ひたひたと近付くものがゐる。それは恐怖と言ふよりも何かわくわくさせるものであった。ひたひた、ひたひたと近付くものは、此の世のものではなく、彼の世のものに違ひないと思ふとおれは嬉しくて仕方がないのだ。何故かと言ふと、幽霊程わくわくさせる非在の存在、それは非在の特異点にある類ひ希なる存在で、特異点の居心地を拝聴するにまたとない機会であるからおれは嬉しくて仕方がないのだ。 [続きを読む]
  • ものの有様 四
  • ものの有様 四そのやうに時時刻刻と最新の情報で上書きされる仮想現実と現実世界の相関関係は、断然、仮想現実が現実世界に対して優位を保持してゐて、世界は既に仮想現実に一見すると従属してゐるやうに見えるのである。厖大な情報を時時刻刻と丸呑みする仮想現実は、個人が世界を情報へと翻訳したものを丸呑みするばかりでなく、不特定多数が世界を情報として翻訳したその厖大な情報を丸呑みし、共有することで利便性は飛躍的 [続きを読む]
  • ものの有様 三
  • ものの有様 三四次元を二次元に縮退させることで、現実の拡張を成し遂げた仮想現実は、その縮退にこそ現実の拡張にその秘訣が隠されてあるに違ひなく、といふのも、縮退によって二次元の平面世界が即座に四次元の仮想立体世界へとその有様を変化させることはお手のもので、その魔術の如き次元の操作はTouchpanelといふ平面上でやってのけてしまふことで、誰もがいとも簡単に仮想現実にのめり込んでしまふのである。それがどうい [続きを読む]
  • ものの有様 二
  • ものの有様 二 そんな私を囲繞する時空間にあっぷあっぷで何故か溺れてゐるやうな感覚に何時も襲はれてゐる錯覚に置かれてゐる私は、私を囲繞する時空間を或ひは呪ってゐるのかも知れぬ。その時空間ときたら真綿で首を絞めるやうに私をきりきりと締め付ける。そんな時空間に存在するものは、端的に言って私には恐怖でしかないのだ。私を囲繞する時空間と共にそれら森羅万象は――へっへっへっ。と私を嗤ひながら重たい重たい重た [続きを読む]
  • 流麗なる悲哀
  • .ads_top_disp{} .ads_top_corner_disp{ float:left; margin:0px 10px 10px 0px; } .ads_first_p_disp{} .ads_bottom_disp{} 流麗なる悲哀流れるやうに何の澱みもなく華麗にピアノを弾くビル・エヴァンスの演奏は流麗なるが故にその悲哀は底知れぬのだ。深き闇をぢっと凝視してしまったのか、その華麗にして優美なその演奏は立ち止まる事を恐れるやうに何時までも音と音との間に発生する空隙を埋めるやうにしてビル・エヴ [続きを読む]
  • 去来現(こらいげん)
  • .ads_top_disp{} .ads_top_corner_disp{ float:left; margin:0px 10px 10px 0px; } .ads_first_p_disp{} .ads_bottom_disp{} 去来現(こらいげん)過去、未来、現在を意味する去来現といふ言葉が好きだ。これは仏教用語ではあるが、単刀直入に去来現と言ひ切るその潔さに感服したのかも知れぬ。おれの時間に対する考へ方は至極単純で、現存在のみ現在に取り残され置いてきぼりを喰らひ、外界は、過去と未来が自在に反転する [続きを読む]
  • 薄ぼんやりと頭痛を抱へて
  • .ads_top_disp{} .ads_top_corner_disp{ float:left; margin:0px 10px 10px 0px; } .ads_first_p_disp{} .ads_bottom_disp{} 薄ぼんやりと頭痛を抱へて薄ぼんやりと頭痛を抱へてその痺れるやうな痛みに酔ひ痴れて、極極私的な春の宴を催すのです。そんな春の宴には頭痛が最も相応しいと思ふのですが、それと言ふのも春そのものが頭痛の種でしかなく、気が滅入る季節こそが春なのです。薄ぼんやりと頭痛を抱へながら催す宴 [続きを読む]
  • 恐怖の春が巡る
  • .ads_top_disp{} .ads_top_corner_disp{ float:left; margin:0px 10px 10px 0px; } .ads_first_p_disp{} .ads_bottom_disp{} 恐怖の春が巡る草木が一斉に芽吹き出す驚異の季節たる春がまた巡ってくる。かう生命の力強さをこれ見よがしに見せつけられる春がおれは嫌ひだ。冬の寒さに、唯、忍の字で辛うじて生を繋ぐ冬にこそ生の醍醐味があり、その生が一斉に芽吹く春は恐怖ですらある。何処を見回しても生命が途轍もない力 [続きを読む]
  • ものの有様 四
  • .ads_top_disp{} .ads_top_corner_disp{ float:left; margin:0px 10px 10px 0px; } .ads_first_p_disp{} .ads_bottom_disp{} ものの有様 四そのやうに時時刻刻と最新の情報で上書きされる仮想現実と現実世界の相関関係は、断然、仮想現実が現実世界に対して優位を保持してゐて、世界は既に仮想現実に一見すると従属してゐるやうに見えるのである。厖大な情報を時時刻刻と丸呑みする仮想現実は、個人が世界を情報へと翻訳 [続きを読む]