紫木蓮 さん プロフィール

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紫木蓮さん: 月に秋草
ハンドル名紫木蓮 さん
ブログタイトル月に秋草
ブログURLhttp://moonautumn.blog.fc2.com/
サイト紹介文花より男子の二次小説。類が大好きです。類や総優CPの幸せ、ほんわかするお話を書いてます♪
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供202回 / 365日(平均3.9回/週) - 参加 2016/07/03 15:31

紫木蓮 さんのブログ記事

  • precious 96
  • 家元は気まずそうに頭を掻いている総二郎を前に腕を組み言葉を探していた。となりに座る家元夫人がやきもきしながら家元が発する言葉を待っているのをひしひしと感じ、ため息がこぼれそうになる。家元夫人はサラが優紀のもとに無断で上がり込んだ件を機に総二郎とサラの仲を調べさせた。二週間も経たぬうちに調査結果が届けられ、それを見た家元夫人は驚きと怒りのあまり手に持ったティーカップが震え、新調したばかりの小紋にシミ [続きを読む]
  • Hold my hand(改) 18
  • 類が行ってしまうとなのはの表情は少し淋し気に見えた。「行っちゃいましたね」つくしのほうを振り向いたときには切なさの欠片も見当たらず、可愛い笑顔になっていた。「うん、そうだね・・・なのはちゃん、ネクタイ結ぶの上手だね」「そうですか?類さんがネクタイ結ぶの見て覚えました」「毎朝、なのはちゃんが結んでるの?」「えっ?・・・そんなことないですよ・・・類さん、自分で結べるから」なのはは言葉を少し探しながら話 [続きを読む]
  • precious 95
  • 家元夫人はサラの背が見えなくなるまで見送ると離れに取って返した。家元夫人が出かけるために準備をしていると家政婦長が困惑した様子で、離れに見知らぬ女性が訪れ優紀と話していると伝えに来た。また不審者かと思ったが優紀が知り合いだと紅茶を淹れもてなしているというので、それはひと安心だった。けれどあの優紀が勝手に客を呼ぶとは思えず、家政婦長もそこが気にかかりひどく困惑しているのだろう。家元夫人も捨て置けるわ [続きを読む]
  • precious 94
  • かすかな足音は少し早足で近づいて来て、問いかけの声もなく引き戸が開けられた。「優紀ちゃん、急なお客様がいらしてるって・・・・・サラちゃん?」戸を開けたのは家元夫人、総二郎の母で慌てていたけれど、それよりも思いがけないサラの存在に驚きを隠せないようだった。サラはサラでてっきり総二郎が帰宅したのかと思いちょっとばかり慌てていたので、現れたのが家元夫人でほっとした。「おばさま、ごめんなさい。勝手に奥まで [続きを読む]
  • precious 93
  • 「ひどい!・・・ひどいよ・・・・」立ち上がったサラはワナワナと震えていた。ひどい裏切り・・・優紀は総二郎とサラが両想いだったことを知っていたのに、ふたりの別れをきっかけにのうのうと関係を持ったのだ。サラは怒りをどうにか押さえ込み、もう一度ソファーに腰を下ろした。ここでいきり立ち飛び出してはいけない、そんなことをしたらここに来た意味がなくなってしまう。優紀から『つけ込んだ』と聞いたときから、その想い [続きを読む]
  • precious 92
  • 「いつまでも謝らないで!」びくりと身を竦めた優紀は濡れた両手を胸の前でぎゅっと握った。その幼い仕草に余計に苛立ちを感じてしまう。「・・・・・ごめんな・・・・・・さい・・」優紀はそれ以外の言葉が見つからないのか、またごめんないと繰り返した。「ジローとつきあってるなんて知らなかった・・・好きだったのは過去だって、いまは全然って・・・あたしに言ったのに・・・」高校のとき、サラは優紀に総二郎のことが好きか [続きを読む]
  • precious 91
  • サラは離れの引き戸に手をかけた。奥のほうから女性の話し声が聞こえ、サラは声のするほうに向かう。ーーーどなたかいらっしゃったようですねと、奥の部屋から中年の女性の声がすると廊下と部屋を隔てていた障子が内側から開けられた。「どちらさま?!一体こちらで何をなさっているんですか!」見知らぬ使用人が慌てふためき声を荒げるが、サラは首を伸ばし奥の部屋を覗いた。あの日見た長い髪がちらりと視界を霞め、緊張のせいか [続きを読む]
  • Hold my hand(改) 17
  • つくしは時差のせいか、まだ、陽が上りきる前に目を覚ました。狭いアパートの薄っぺらな布団とは違う上等なふかふかのベッドに慣れないせいかもしれない。それとも、昨晩の飲んだカクテルのせいかもと思っていたけれど、「ちがう」と小さな声が漏れてしまい、誰に聞かれるでもないのに口を隠した。ふかふかのベッドで寝返りをうち、落ち着かない気持ちを隠すように柔らかで軽い羽毛布団を頭から被った。つくしには類はいつもとかわ [続きを読む]
  • precious 90
  • アルコールの酩酊が一瞬のうちに冷めてしまった。「ま、まさか・・・はは・・ジローがって・・・か、考えられないし・・・はは・・」サラは渇いた笑いを洩らしながら、こころの底に押し込めた苦い記憶を甦らせていた。身を隠し覗き見た記憶。総二郎は見たこともない優しいあたたかな目をして、女の肩を抱き寄せ語りかけていたことを思い出した。総二郎が指輪をしていたことは知っていた。結婚・・・その相手に夢中?「ほんとだよ。 [続きを読む]
  • precious 89
  • あきらはしばらくひとりでグラスを傾け、総二郎がホテルを出るまでの時間を稼ぎつつ考えを巡らした。さて、あの横恋慕する幼馴染みちゃんをどうしようか幼馴染みちゃんは恋をすると周りが見えなくなるタイプなのか総二郎の気持ちなど二の次に、ひとり身勝手に想いばかりを募らせているのはあの煩わしい視線からも明らかだった。とうの総二郎にとっては幼馴染みで過去に関係を持っただけの相手でしかなく、幼馴染みちゃんからすれば [続きを読む]
  • precious 88
  • 総二郎はタクシーを使い邸に戻った。あきらのおかげで思ったより早く帰宅することができたが、倫はもちろん優紀ももう寝ている時間だった。総二郎は優紀を気遣いシャワーは邸で済ましていこうと考え、二階の自室への階段を上がるところで家政婦長が姿を見せた。「総二郎様、今おかえりですか?もう、離れにはお戻りになりましたか?」「いや、まだだけど。シャワーを浴びてから戻ろうと思って」家政婦長が眉をわずかにひそめた。「 [続きを読む]
  • precious 87
  • 優紀は倫がぐっすりと眠っているのを確認してベッドから抜け出た。倫を寝かしつけているうちに自分も三十分ほど眠ってしまったらしい。ベッドの両端にクッションを置き倫が寝返りをうっても落ちないようにして、襖を少し開けておく。優紀の寝室と廊下を挟んで向かいにあるリビングに行くと使用人のひとりが片付けをしていた。「優紀様、もう起きられたんですか?もう少しお休みになったほうが・・・」離れには出産前から付き添って [続きを読む]
  • precious 86
  • 総二郎が席を離れてしまい、サラはその後ろ姿にちらちらと視線を送らずにいられなかった。「今日は優紀ちゃんは来ないの?」サラは優紀のことなど本当はどうでも良かったが、共通の知人の話題は都合がいい。「あっ、はい・・・ちょっと用事があるみたいで・・・」「そうなんだ、残念。優紀ちゃんは、大学に入ってもみんなと会ったりしてるの?」「ええ、優紀さんは私たちの仲間ですから会いますよ」つくしの代わりに櫻子という華や [続きを読む]
  • precious 85
  • 侵入者があってから警備の手配はもちろんだが、なにより優紀が心配で傍にいてやりたくて総二郎は仕事を抑えていた。けれども、どうにも仕事が立て込み始め、稽古にも顔を出すようになってすぐに稽古に来ていたサラと顔をあわせた。総二郎はサラとの約束などすっかり忘れていたが、サラのほうは待ちかねていたようで有無を言わせずに出かけることになってしまった。サラと飲みに行って来ると直接優紀に告げるつもりだった。けれど総 [続きを読む]
  • precious 84
  • これはあのひとの声、あれはあのひとの声・・・どれも聞き覚えのある使用人の声だと思っても、優紀は真っ暗な押し入れの中で息を殺し倫を抱き締めていた。でも、もし違ったら・・・優紀は息をひそめ、しっかりと眠っている倫をもう一度抱きしめた。倫だけは絶対に守らなきゃいけない、優紀は唇を噛み締めた。「優紀!」いまにも途切れそうになる意識のなか、優紀が絶対に聞き違えることのない声にはっと顔を上げた。信じるそのひと [続きを読む]
  • precious 83
  • 「あの・・・どなたかいらっしゃるの?」柔らかな女性らしい声。黒いシルエットが立ち尽くしたまま首を傾げると、長い髪がふわりと揺れた。サラの立っている場所は部屋の奥深く差し込む夕陽も届かず、女からはかすかなひとの気配にしか感じられないようだった。「あの・・・・・・・どなた?」先ほどより警戒するように、怯えたように問い、後ずさった。それはあまりに弱々しく幼い反応で、いつも自信満々の総二郎には釣り合わぬ、 [続きを読む]
  • in the closet 番外 2
  • 総二郎は移動中の車の中で慶太郎から渡された仕事の資料に目を通していた。ポケットのスマホが着信を告げ、ディスプレイも見ずにタップした途端、遠慮のない大声にむっとした。『西門さん、どういうことよ?!!』「牧野、自分から電話かけてきて怒鳴るなよ」まったく、こいつは相変わらずだなと小さくため息をついた。あの親友の婚約者なのは理解できるが、とても嫁の親友とはいまだに信じられない。『怒鳴りたくもなるわよ!!優 [続きを読む]
  • precious 82
  • 「なんだサラか」久しく顔を見ることもなかったのに、先日に引き続き見かけるなんて珍しいなと総二郎は思った。「ねえ、ジロー、飲みにいこうよ!前連れて行ってくれたところ、すごく良かったから連れて行って欲しい」「前?・・・ああ、いつの話しだよ」一年も前のことをまるで最近のことのように言うサラに総二郎は苦笑した。「オレはちょっと・・・」優紀をひとりにしておくつもりはないし、いくらサラでも女とふたりで出かける [続きを読む]
  • precious 81
  • 足早に廊下を行きながら、格好悪すぎると総二郎は眉間に皺を寄せた。『あっためて』などと優紀に言われ煽られ浮かれ舞い上がり、『キスだけ』『キスしてもいいか?』なんて中学生のガキだって聞かないことをつい言ってしまった。触れるだけの口づけのつもりが優紀の甘い香りと柔らかな唇の感触に刺激され、本気でというよりも、がっつき気味に優紀の唇を貪ってしまった。焼き切れそうになる理性を宥めることができたのは、わずかば [続きを読む]
  • precious 80
  • 優紀は赤くなっているだろう頬を両手で包み隠すと、総二郎はくすりと面白そうに笑った。「行って来るよ」優紀の頭をもう一度撫でた。「行ってらっしゃいませ」優紀が小さな声でそう応えるのが精一杯でも、総二郎は嬉しそうに手を振りドアの向こうに消えた。総二郎の姿が消え、優紀は悲しいような寂しいような気持ちで、けれど唇に残る温かさと感触に胸のドキドキが止まらない。優紀は高鳴る胸をぎゅっと抑えた。はずかしい・・・優 [続きを読む]
  • precious 79
  • 「・・・あっためてください」優紀の震える唇から溢れたそれに総二郎が目を見張った。優紀は総二郎の様子に一瞬、首を傾げたがみるみる間に頬を朱に染めた。「あ・・・・・そ、そういうことじゃなくて・・・ち、ちがっ・・・あ、あの、あの、その・・っ・・・」初心な妻は真っ赤になって総二郎の腕のなかで小さく身を縮こまらせた。「分かってる、優紀。冷えると身体に障る」総二郎は置いてあったブランケットを引き寄せ優紀を包み [続きを読む]
  • Hold my hand(改) 16
  • 「牧野もおいで」と類に呼ばれる。あきらと総二郎もグラスを持ち、となりの部屋を移るのにつくしも付いていく。なのははピアノの前に座り、すーっと小さく息を吸いこむと小さな手が鍵盤に置かれた。そして、ゆるやかなピアノの音色が流れ出す。つくしにはなんという曲かわからなかったが、ピアノってこんな音だった?と感じられる。かろやかな風のようだったり、雨がふるようにせつない響きだったり、なのはは楽しく遊んでいるよう [続きを読む]
  • precious 78
  • 「優紀」「あ・・・西門さん」窓辺に座っている優紀がふんわりと微笑みを浮かべ振り向いた。総二郎の姿を追う瞳に優しい光りが宿る。けれど優紀の顔色は青ざめたように白く、気怠げに椅子に身を預けているのは微熱が一週間ばかり引いていないせいだろう。「ベッドに入っていなくていいのか?」「はい、もう熱もほとんどないんです。ずっとベッドにいるのもつかれてしまって・・・あの、倫は大丈夫ですか?お義母様もお仕事があるの [続きを読む]
  • precious 77
  • 優紀は小一時間ほど眠ると顔色も良くなった。「ずっと・・・ずっといてくれたんですか?」優紀は寝起きの少しぼんやりとした表情でベッドに横になったまま総二郎に尋ねた。「ああ、かわいい奥さんの寝顔をじっくりと見ることが出来たよ。それに、これじゃどこにもいけないだろ?」優紀の小さな手が総二郎の手をしっかりと握り眠っていた。「あ・・・・・やっ、やだ、ご、ごめんなさい」優紀は絡めた指を解こうとしたが総二郎がそれ [続きを読む]
  • precious 76
  • 松岡の家では三人の訪問を待ちかねていた。総二郎が遅れたことを詫びると「仕事となら仕方がない」と義父が助け舟を出してくれた。真面目で優しいこの義父に殴られたことを一生忘れてはいけないと、総二郎はこころしていた。大切な娘を妊娠させたうえ家出させるまでに追い込んだ男を許してくれたのだ、義父母には感謝してもしきれない。優紀が義母を手伝いキッチンに立つ姿は新鮮だったが、疲れてはしまわないかと気を揉んでいた。 [続きを読む]