薔薇の花束を贈るよりも 君の好きなキンセンカを庭に植えたかった。 君の手を引いて イルミネーションを見つめるよりも ソファで居眠りする君に そっと毛布をかけてあげたかった。 凝ったデートプランなんて破り捨てて 生まれ故郷の町で 一緒に迷子になりたかった。 使い古された「愛し...
薔薇の花束を贈るよりも 君の好きなキンセンカを庭に植えたかった。 君の手を引いて イルミネーションを見つめるよりも ソファで居眠りする君に そっと毛布をかけてあげたかった。 凝ったデートプランなんて破り捨てて 生まれ故郷の町で 一緒に迷子になりたかった。 使い古された「愛し...
人より気の多い飽きっぽい私を君は諦めて 他人の温もりが残ったままの私の左手をそっと離した 後悔している君の横側を見て 次の信号で別れようと広がる歩幅 ここから先は言葉ではどうにもならないね 傷ついた君に胸を痛めたフリをして手を振った 君のいない穴は誰かが埋めてくれるよ ピッ...
心の貧しい 街の夜に 女の無垢は 破られて 白い吐息の 昇華する 空は重く 近くある ゴミに埋もれた 社畜男の 二つの穴に 馭者の足 コンクリートを 牽いていく 空は狭く 澱むだけ 朝露さえも 輝けぬ 灰色の路地からにらむ ドブネズミ ネオン看板の コードをかじり 空はわず...
まあるい月の出る晩に 借金取りがやってくる そいつの頭は林檎みてえに真っ赤っか ピストルで撃ち抜いてやれ 撃ち抜いてやろう なあに近くじゃ屋台帰りの おやじがうるさく鳴いている ちょいと林檎に穴をあけても 誰にもわかりゃしないだろう もしも野次馬が覗いてきたなら 念仏よりあ...
空を飲み込んだ大きな黒い綿の花が 私を包んで冷たくする 昨日買ったクレヨン 飛行機雲 私の心を線引きしていく 曖昧で 散々で どこへ転がっても井戸の奥底 しゃがみ込んで泣いている 私を見つけ出して かくれんぼ 笑顔の裏に かくれんぼ 強がりの裏に かくれんぼ 分厚い壁の向こ...
誰も気づかなくていい 鈍い光が照らすその絵になんて 誰も知らなくていい その真っ白な絵の題名なんて 誰も答えなくていい そのなにもない絵に込められた意味なんて 誰も考えなくていい 全てを失ったその絵が描かれた理由なんて 誰も覚えてなくていい それがどんな絵だったかなんて さ...
「幸福を他人に預けてはいけないよ。」 君に何度も言った。 君の大好きな人が君の幸福と一緒に死んだら、嗚咽しか残らないのを知ってるだろう? 君はその時、 誰かにとっての悪魔になるんだ。 君の笑顔はかわいい、大好きだよ。 だから自分を誇って。 悪魔になんてならないで。 君は君の...
君が今日死ぬかもしれない、 そんな不幸な考えが僕を生かしていた。 君は一度だって僕の幸せも不幸も願ったことはないだろうけど、 僕は君の幸せだけを願っているよ。 毎日美味しいご飯を食べて9時間眠る。 病気になんてならなくて、 僕ではない誰かの隣で笑う。 それだけのことを大切に...
世界中に溢れている敵意が 誰の元にも届かないで 太平洋の真ん中で 魚のエサにでもなっていればいいのに 誰もが笑っている世界で 深海魚だけが 暗闇の中で寂しさをつついている 光を知らないから ときどき頬をかすめるものに 愛しさや温もりを感じる そんな優しいいきもの 太陽が昇ら...
私は海辺の町には住んでいない 波形も、波打ち際の音も、思い出せない 海辺町を横目に通過する、故郷への電車 ガタガタゴトン、ガシャンガチャン この揺れが波形で、この音が波の音だと思っている 無機質な海 この海が誰かの命の上にあること、 私達は考えたりしない 車輪のサビが血液で...
君が嫌いです 君が宣言する悪意の数だけ 憎しみと冷笑が世界に広がって 君の知らないところで 愛情は死んでいる 後味の悪い人生だって 全部君のせいなんだ
お久しぶりです。 先日、とある友人から4年ぶりにLINEの通知が届きました。 「そろそろ忘れちゃうかと思って」って 。 みなさんは、4年も連絡のない友達を「友達」と呼べますか?それとももう縁が切れてしまった「知人」だと思いますか? 私ははっきりと「友達」と言えますよ。 私は...
時計の音がやけに気になる午後7時 鍋の油が飛んできたので舌打ちをした 足を動かすのも嫌になった 頭痛がするので太ももをつねった チャイムの音が怖かった 孤独に耐えかね目をつぶった 笑うのが少し下手になった 胸が痛むので腕をかじった 手首の肉は甘かった
前回の近況報告から随分と経ってしまいました。 え?「次回の投稿は早いだろう」って言ったじゃないかって? はて……そんなこと言いましたかね(;;゚; ;゚;) …………ええ、完全に忘れていました ダラダラ過ごしていたので感性もすっかり死んで、詩を書くこと自体忘れてました。 最...
泣けよ少年 駅の構内 カラカラの喉から グワーッと響いて 遠くへ行く君の父へ 鳴けよ少女 駅のホーム その身体をバラバラにして キリキリと揺れる 遠くへ行く君自身の音
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