ワニ さん プロフィール

  •  
ワニさん: 師匠シリーズまとめ
ハンドル名ワニ さん
ブログタイトル師匠シリーズまとめ
ブログURLhttp://shishoseries.seesaa.net/
サイト紹介文伝説のネット心霊怪談『師匠シリーズ』のまとめブログです。
自由文伝説のネット心霊怪談『師匠シリーズ』のまとめブログです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供15回 / 365日(平均0.3回/週) - 参加 2016/08/19 16:09

ワニ さんのブログ記事

  • 243『秋の日々』全8話 / 第8話『冬が来る前に』
  • pixiv2018年7月7日 21:458 冬が来る前に「なんの用なの。1人で来るなんて、珍しいわね」「まあ、ちょっと」 僕は、喫茶店の窓際の席で看護婦の野村さんと向かい合っていた。彼女は大学病院で看護婦長をしていて、師匠とは古くからの知人だった。その縁で僕も何度か会ったことがあった。もちろん、1人で会うのははじめてだ。「あんまり時間はとれないわよ」 野村さんは窓の外をチラリと見た。イチョウの木の向こうに、大学病 [続きを読む]
  • 242『秋の日々』全8話 / 第7話『星型要塞都市』
  • pixiv2018年6月30日 21:327 星型要塞都市 角南家での老人との会合から2日が経っていた。 その日、僕はバイトで小川調査事務所にやってきた。特に調査の依頼は入っていない。ただの資料整理だ。情報が命の興信所は、最近の様々な事件を常に整理している。タカヤ総合リサーチなどは、その辺がかなりシステマティックに整備されている。わが小川調査事務所も、スズメの涙の賃金で働く物好きなバイトが増えたおかげで、所長の古巣 [続きを読む]
  • 241『秋の日々』全8話 / 第6話『老人』
  • pixiv2018年6月23日 20:476 老人 目の前に、深い皺の刻まれた老人がいる。彫りの深い顔は、まるで往年の映画俳優のようだ。ただ映画を撮るには、少し痩せすぎているように見えた。 年季の入った黒檀の机のうえに、和服のそでからのびた細い腕が置かれている。その腕が、大きな灰皿を引き寄せて、もう片方の腕がタバコの灰を落とす。 老人は値踏みするように、さっきから一言も発せずに僕と、その隣に座る師匠を見つめている。 [続きを読む]
  • 240『秋の日々』全8話 / 第5話『地下』
  • pixiv2018年6月16日 15:105 地下 巨人を見た次の日、僕らはJRに乗って、となりの町へやってきた。 うちの大学の日本史研究室の元教授で、退官した今では、郷土史家という肩書きでのんびりと好きな研究を続けている、宮内氏を訪ねてきたのだ。「だいだらぼっち?」 宮内氏は面白そうに、黒縁の眼鏡をずり上げた。「ええ。このあたりで、だいだらぼっちの伝承があるのか知りたくて。先生ならご存知かと」 僕らは書斎で向かい [続きを読む]
  • 239『秋の日々』全8話 / 第4話『アポカリプティック・サウンド』
  • pixiv2018年6月9日 19:384 アポカリプティック・サウンド その音を聞いたのは、大学祭の大騒ぎのすぐあとだった。 福武さんという、師匠の知り合いが描いた不気味な絵をめぐって、人の群にもみくちゃになり、散々な目にあってから僕らは師匠の家で落ち合った。 師匠はその絵を、サークル棟のそばにある焼却炉で燃やしたという。ばけものの絵だというそれを。「あれが、くじら座のくじらだとは知りませんでした」 福武さんの [続きを読む]
  • 238『秋の日々』全8話 / 第3話『狂心の渠』
  • pixiv2018年6月2日 21:363 狂心の渠 劇団くじら座の公演を見た2日後だった。 よく晴れた日で、見上げれば秋らしい高い空が広がっていた。僕は、久しぶりに洗濯をして干してくればよかったと思いながら、自転車をこいでいた。後輪の上には師匠が立ち乗りをしている。両手は僕の肩だ。「えっ、行ったんですか」 昨日、劇団くじら座の座長に会うべく、師匠は稽古場に乗り込んだらしい。けれど、聞いていたとおり、座長は来てお [続きを読む]
  • 237『秋の日々』全8話 / 第2話『くじら座』
  • pixiv2018年5月26日 22:372 くじら座 師匠に、劇団を見に行こうと誘われた。 弓使いが部屋を訪ねてきて、一晩を一緒に過ごしたことを師匠に言い出せず、もんもんとしていたころだったので、正直気まずかったが、ついていくことにした。 手にしたパンフレットを見ながら歩く師匠のあとに続いて、僕はためいきをついていた。僕がある意味師匠を裏切っている現状を、まだ自分のなかで整理できていなかったからだ。 師匠は完全に [続きを読む]
  • 236『秋の日々』全8話 / 第1話『窮鳥懐に』
  • pixiv2018年5月19日 23:13『秋の日々』1 窮鳥懐に 師匠から聞いた話だ。 大学2回生の秋だった。 去年にも増して、身の回りに様々な事件が起きた夏がようやく過ぎ去り、肌寒さを感じるようになったころ。キャンパスの妖精という変なあだ名で呼ばれていた師匠と出会ってから、これまでに体験してきた、おかしな出来事の数々を思い返すと、奇妙ではあったけれどそれらは個々の事象だった。だが、この春から夏にかけて発生した事 [続きを読む]
  • 235『握手』 後編
  • pixiv2018年3月25日 14:19真夜中の教育学部の学部棟の屋上で『妖精』と出会った、その次の日だ。僕は昼間にその学部棟の下に立って、空を見上げていた。昨日の夜、あの空中に、この世のものではないものが浮かんでいたのだ。人の体のツギハギでできたような不気味ななにかが、大きくなったり、小さくなったりしながら、あそこに。ぞわっ、と首筋が寒くなる。これまでに望まなくとも見てしまった幽霊たち。かぼそく、はかないそれら [続きを読む]
  • 234『ホテル』
  • pixiv2017年10月17日 00:13 大学2回生の春だった。「幽霊がでるホテルがあるらしいぞ」 京介さんからそう誘われたとき、なんとも言えない違和感があった。「行ってみるか」「はい」 違和感の正体なんかより、俺には京介さんから久しぶりにお誘いがあったことが、とにかく嬉しかった。 京介さんが怖い夢をみた日から、連絡が途絶えていたのだった。ネットのオカルトフォーラムにも姿を現さなくなっていたし、しばらく会わない [続きを読む]
  • 233『双子』 4/4
  • pixiv2017年9月14日 23:27 6月28日、日曜日の朝だった。 夜明け前に目を覚ました僕は、隣の師匠の部屋につっかえ棒が下りたままなのを確認してから、足音を忍ばせて階段を下りた。1階では、女将がもう朝の食事の支度をしていた。「あら、今日はお早いですね」「ちょっと、散歩でもしてこようかと」「まだ暗いですよ」「ええ」 玄関を開けてもらって、外に出た。闇はほのかに白かった。息を吸い込むと、湿気を含む冷たい空気 [続きを読む]
  • 232『双子』 3/4
  • pixiv2017年8月16日 23:003 <6月27日> 月本実 6月27日、土曜日の朝だった。 僕は師匠に頭を踏まれて目を覚ました。 あれ? 寝過ごした? 慌てて起き上がると、部屋の時計は7時を指していた。「まだ7時じゃないですか」「おまえの昼夜逆転クソ大学生活と一緒にするな。世間では朝飯を食う時間だ」そういえば、朝ごはんは7時半に、って言ってたな。しかたなく僕は起き上がり、のびをしながら欠伸をした。「おい。 [続きを読む]
  • 231『双子』 2/4
  • pixiv2017年8月15日 00:022 <6月26日> 双子を忌む村6月26日は金曜日だった。その日の朝、僕は師匠の運転するボロ軽四で、北へ向かう旅路にあった。県北の笹川町に向かっているのだ。僕らの住むO市は、瀬戸内海に近い南側にあったから、県北の町までは結構な距離がある。「晴れて良かったなぁ」 窓から吹き込んでくる風を気持ち良さそうに顔に受けて、師匠がそう言った。 そんな爽やかな朝に、ステレオからは稲川淳二 [続きを読む]
  • 230『双子』 1/4
  • pixiv2017年8月12日 22:40 1 羽根川里美 大学2回生の夏の初めだった。6月も半ばになり、道往く人々の服も軽くなってきた季節。梅雨入りして、むしむしする日が続いていた。 その日僕は、寝不足でしょぼしょぼする目を擦りながら、バイト先の興信所、小川調査事務所の机に座って書類整理をしていた。 外は昼下がりに降り始めたばかり雨が、霧雨のように細かい粒を音もなくガラスに振りまいている。「あー、眠いっ」 何度目 [続きを読む]
  • 229『双子』 0/4
  • pixiv2017年8月12日 22:29 師匠から聞いた話だ。0 時間の話「にい、さん、しい、ごお、ろく、しち、はち、きゅう、よんじゅう、いち、にい……」 机の上に置いた目覚まし時計の秒針の動きを、オカルト道の師匠、加奈子さんが数えている。僕はその様子をじっと見守っている。 時計の針が深夜0時を指したところで、師匠が秒針を数えるのを止め、顔を上げて僕に、「どうだ?」と訊いてきた。「いや、どこも飛んでないです」 そ [続きを読む]
  • 228『猫』
  • pixiv2017年5月11日 23:12 大学3回生の春だった。 正確に言うと、2回生が終わり、3回生の最初の授業を迎える前の、短い春休み中のことだ。 そのころ俺のオカルト道の師匠は、知らない間に我が大学の司書の職にありつき、「もう僕の教えることはない」などと言いながら、この春に大学院を卒業していた。 そのころ師匠は俺に、心霊スポットに行くような実地訓練を施すよりも、昔話ばかりをするようになっていた。師匠自身が、 [続きを読む]
  • 227『三角の積み木』 異聞
  • pixiv2016年8月25日 23:23わたしの一番古い記憶は、鉄と油の匂いのする町工場の二階にある自宅で、一人遊んでいるときのものです。記憶には父も母もいません。ただわたしは与えられた部屋で、ぬいぐるみたちと積み木をしながら、足元から断続的に響いてくる機械の音を聞いているのです。ぬいぐるみは熊と、耳が片方折れてしまった兎でした。熊は言います。「三角の積み木がないよ」兎が言います。「三角のは土台にならないから、い [続きを読む]
  • ・『逆さの樵面』2/2
  • 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?116841 :6/13:2005/12/11(日) 20:21:06 ID:CUnu3Rn40当時、在村の建設会社に勤務していた父は、職場で『樵面発見』の報を聞きました。 社長がもともと舞太夫で、父に神楽舞を勧めた本人だったため、早退を許してもらった父は、さっそく面が見つかったという矢萩集落の土谷家へと車を走らせました。 もともと山間の千羽でも特に険しい地形にある矢萩集落は、町ほど露骨ではなかったも [続きを読む]
  • ・『逆さの樵面』1/2
  • 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?116836 :1/12:2005/12/11(日) 20:07:10 ID:CUnu3Rn40私が生まれる前の話なので、直接見聞きしたことではなく、その点では私の想像で補ってしまう分もあることを、先に申しておきます。 それから地名、人名等は仮名としました。もったいぶった始め方ですが、この話の終わりには、家の戸口に影が立つこともあるかも知れません・・・ 私の生まれた村はつい先日合併によって閉村し、別の [続きを読む]
  • ・『死者の名』
  • 新 鼻 袋 〜第四夜目〜582 :ゴーストハンター:04/06/09 15:23 ID:kxuvABx7「死者の名」 大学に入ったばかりのころ、私のコースの同期にUという変な男がいた。 風体が変なわけではなかったが、急に怒り出したり意味もなく走り出したり、とにかくエキセントリックな人物という評価で、みんなから避けられていたようだった。 その彼が、あるとき講義の前に私の席にやってきてこう言ったのである。 「あのさあ、小田切くんさあ。 [続きを読む]
  • ・『魔方陣』
  • 新 鼻 袋 〜第四夜目〜536 :ゴーストハンター:04/05/13 03:14 ID:94yOhyD6  「魔方陣」 ケンちゃんが変。 学校の子ども会のあいだ、ずっと変な本読んでる。 「それなあに」って聞いたら「悪魔の本」だって。 「悪魔を呼び出すんだ」 ケンちゃんは興奮してた。 夕方グラウンドに出て、地面に絵を描きはじめた。 「石拾ってきて、手伝って」 怖かったけど、ケンちゃんと遊びたかったからすぐに石を見つけてきた。 ケンちゃん [続きを読む]
  • ・『人魚』
  • 新 鼻 袋 〜第四夜目〜440 :ゴーストハンター:04/04/20 23:54 ID:2JrWst+2「人魚」 学生時代、私は友人のUと二人でオーストラリアを旅行した。 クイーンズランド州のケアンズに滞在中、日本人向けの日帰りダイビング体験ツアーの話を聞いて、私は飛びついた。安くはなかったが、なんたってグレートバリアリーフである。 「俺、パース」というUを捨て置いて集合場所に行ってみると、参加者は私を含め6人だった。 中年夫婦が [続きを読む]
  • ・『特別な』
  • 新 鼻 袋 〜第四夜目〜418 :ゴーストハンター:04/04/18 14:23 ID:n+5N7swH小さいころ、自分は特別な存在だと思っていた。 不遜な話だが、誰しもそういう時期を体験するらしい。 上手くいかない体験を重ねることで、外の社会との関わりについて正しい距離感を身に着けていくものなのだ。 私は自分が死ぬとは思っていなかった。ただ漠然と「自分が死ぬわけがない」と思っていた。 しかし小学校低学年のころ、その思考がひっくり [続きを読む]
  • ・『未来予知』
  • 新 鼻 袋 〜第四夜目〜378 :ゴーストハンター:04/04/10 17:58 ID:OJYaG4x3私は繁華街の裏道を通り、看板もない寂れたビルの地下階へ降りていった。 ドアにはこうある。 『占い』シンプルだ。 仕事柄こういう怪しげな商売と関わることも多いのだが、あまり楽しい思い出はない。 ドアを開けると、予想通り暗い室内に御香のような匂いがほのかに漂っていた。 蝋燭の明かりが点り、黒い布で覆われた机に女性が座っているのが見え [続きを読む]
  • ・『写真』
  • 新 鼻 袋 〜第四夜目〜357 :ゴーストハンター:04/04/08 22:01 ID:qmmCHtfb日差しの強い日だった。 私は木陰の多い公園をみつけて一息ついた。 仕事柄、外回りが多いので夏は大変だ。 蝉の声がうるさい。 ベンチで涼んでいると、ふいに大きな白い帽子が私の方に飛んできた。 「うわっと」 思わず身を乗り出してキャッチした。 人間の本能というやつだ。 「すみません」 向こうから白いワンピースの若い女性が走ってきた。 帽子 [続きを読む]