jimklavier さん プロフィール

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jimklavierさん: コンサルティングと医療とピアノのこと
ハンドル名jimklavier さん
ブログタイトルコンサルティングと医療とピアノのこと
ブログURLhttp://jimkbys471.hatenablog.com/
サイト紹介文バイリンガルの現役コンサルタント兼ピアニストが仕事術と医療とピアノ等について語りまくります
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供369回 / 365日(平均7.1回/週) - 参加 2016/10/03 22:38

jimklavier さんのブログ記事

  • ショパン前奏曲集作品28(51)研究再開7日目ー第7番イ長調
  • ショパン前奏曲集作品28解凍、7日目は第7番である。怖い曲である。作品28中最も音が少ない曲。ひとつの音の意味がますます大きい。冒頭の「ミドーレシーシーシー」をどう弾くか。このモチーフは曲全体を通じて8回繰り返されるが、この「シーシーシー」は同じ「シー」を3回繰り返すものではもちろんない。しかも6回目の場合は松葉(クレッシェンド)がついているので、他とはまた異なる弾き方になる。しかもdolceとわざわざショパン [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(49)研究再開5日目ー第5番ニ長調
  • ショパン前奏曲集作品28解凍、5日目は第5番である。アナリーゼするまでもなく明らかだがこの曲の特徴は目まぐるしい転調である。これによる色彩のゆらぎが聴き手に伝わるような繊細なコントロールが求められる。また以前この曲の簡単な解説で述べたとおり、テンポが速すぎてはならないのは、この繊細さが伝わらず、単調な音楽になってしまうからである。残念ながら一流のピアニストとされる人の演奏でも単調でモノクロームな演奏も [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(48)研究再開4日目ー第4番ホ短調
  • ショパン前奏曲集作品28解凍、4日目は第4番である。ショパンの葬儀の際、6番と共にオルガンで奏されたというこの曲は、息の長い、動きの少ない旋律が、左手の和音連打の上に歌われる。わかりやすい楽想ということもあり、15番「雨だれ」に次いで抜粋で演奏されることの多い作品であるが、きわめてショパンらしい色彩の微妙な変化の連続はどう設計して演奏するか熟考する必要がある。右手の旋律はh-c-h-c-h-cときわめてシンプルだが [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(47)研究再開3日目ー第3番ト長調
  • ショパン前奏曲集作品28解凍、3日目は第3番である(年内に24番までひととおり解凍するペース)。コルトーが小川のささやき(The singing of the stream)と評した軽快な曲である。実際、ショパンはこの曲の冒頭にleggiermente(軽く優美に)と指示している。ショパンがこう明記しているのだから、本当に軽く優美に演奏しなければならない。この曲の最初から最後まですべて16分音符の左手のパッセージを軽快に優美に弾くには手 [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(46)研究再開2日目ー第2番イ短調
  • ショパン前奏曲集作品28解凍、2日目は第2番である。ハンス・フォン・ビューローが「死の予感」と呼んだが、自分としては「死」そのもののように思える。音の少ない曲だが、それだけに1音1音のウェイトが高い。まず冒頭の2声であるところの左手における声部のバランスが問われる。繰り返される転調に伴う繊細な色彩の変化もこの曲のポイントである。それから休符の表現。18小節目のslentandoに続く19小節は完全な静寂が訪れ、2拍後 [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(42)研究再開1日目ー第1番ハ長調
  • ここ2ヶ月ほど文献収集・研究を続けてきたショパン前奏曲集作品28。約8年ぶりに弾き始め(解凍)ました。毎日1曲に限定し、楽譜にアナリーゼ(和声分析など)を記し、デュナーミクやアーティキュレーションももちろん含め丁寧にさらいます。まずは第1番ハ長調。この曲では最重要ポイントはペダリング。それにピークへ向かっての方向感、そして1小節毎の小さな波の表現です(スラー)。内声は大切ですがやり過ぎないよう他の声部と [続きを読む]
  • ガンジーの言葉
  • 世に名言数あれど、ガンジーのこの言葉ほど重いものはない。自分にとって。“Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.”この20年以上の月日、この言葉のとおり生きてきたつもりだ。不器用だけど。毎日、今日が人生の最後と思い、やり残していることがないか確認しながら全力を尽くしてきた。うまくいかないことの方が遥かに多い。というか何一つうまくいったことなどない。なぜ生きている [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(40)最近のレコーディング(2)Julien Brocal
  • Apple Musicでショパン前奏曲集作品28の録音をいくつか保存しているが、これまで聴いたことのない或いは自分の知らないピアニストの演奏を聴いてみる。Julien Brocalというフランスの若手ピアニスト(1987年生まれ)が昨年リリースした録音である。彼の経歴は自身のウェブサイトにある:http://julienbrocal.com/biography/これを読むとあのピリスと長く共演しているとのこと。リリシズム溢れる端正な演奏はさすがピリスに認められ [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(40)最近のレコーディング(1)Christian Budu
  • これまで聴いていた音源に限定せず、最近のレコーディングで自分の好みに合うものはないか探している。グラモフォンが昨年アップデートしたTop 10 Best Chopin Recordings (2017 update)の第9位にChristian Buduというピアニストのショパン前奏曲集作品28全曲がランクされている。Top 10 Chopin recordings (2017 update) | gramophone.co.ukCDを聴くべきところではあるが、なかなか落ち着いてCDプレイヤーを聴く時間がないので、 [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(39)ペダリング(5)
  • ここのところ1ヶ月半にわたり、自分にとって究極のピアノソロ作品であるショパン前奏曲集作品28について書いてきているが、実際に弾く前に知るべきこと、意識すべきこと、考えるべきことが多過ぎるので研究を継続している。8年ほど前にこの曲集はひととおり練習し、レッスンやコンサートでも弾いたので、今でもほぼ一応暗譜はしているが、今にして思えば如何に自分の楽曲の理解が浅かったかを痛感するゆえ、ピアノに向かう以外に、 [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(38)ペダリング(その4)13番嬰ヘ長調
  • 前回に続き、加藤一郎氏のショパン前奏曲集作品28の自筆譜に基づくペダリングの分析について書く。今回は13番である。加藤一郎氏の分析については今回が最後になる。加藤氏の指摘するとおり、13番には5箇所のペダリング指示があり、うち4箇所はドミナントであり、音域が拡大した箇所にある。特に着目すべきと加藤氏が指摘しているのは、通常下に記載するペダリングを上に記載している箇所である。自分が使用しているパデレフスキ版 [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(37)ペダリング(その3)2番イ短調
  • 前回に続き、加藤一郎氏のショパン前奏曲集作品28の自筆譜に基づくペダリングの分析について書く。今回は2番である。前回取り上げた1番とは対照的に、ショパンは2番では1か所(ペダルを踏む/あげるの組合せにおいて)しかペダリングを指示していない。しかし、いうまでもなくここだけしか踏んではいけないということでは毛頭ない。あとは演奏者が楽曲の理解に基づきペダリングを決定しなさい(ただし自分勝手ではいけない)という [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(36)ペダリング(その2)1番ハ長調
  • 前回に続き、加藤一郎氏によるショパン前奏曲集作品28の自筆譜に基づくペダリングの分析について書いてみる。下図は1番の譜である。注目すべきは私が赤丸で囲んだ21小節目のペダルを上げる記号の位置である。加藤氏の着眼の良さは、この小節においても、他の小節と同じタイミングでペダルを上げるようショパンが指示している点である。余計なことは一切記譜しないショパンが、機械的にどの小節も同じ指示を書くはずはない。16小節 [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(35)ペダリング(その1)
  • ショパンという作曲家は、強弱(f,p,crec,decrec,dim等)にしてもペダリングにしても、音楽理論的に「当たり前」であることは基本的に記譜しないので、西洋音楽の基本である音楽理論(特に機能和声)を理解し、作曲者の意図を正しく分析し把握しているかどうかが、演奏を聴けば判ってしまうのである。ショパンのペダリングについては、そうはいってもダンパーペダルについては自筆譜に指示されていることが多く、どこで踏んでどこ [続きを読む]
  • 彫琢復朴
  • 先日行なわれたピアノのマスタークラスにおいて、自分はレッスン生として参加したわけですが、講師であるピアニストが使われた用語の中で、とりわけ我々受講生の心に響いた言葉が、「彫琢」です。彫琢とは、彫刻とは異なり、読んで字の如く「彫(ほ)って琢(みが)く」ことを意味し、マスタークラスでは、楽曲を仕上げていくことのメタファーとして使われたものです。同じ芸術ではあっても音楽と美術は異なるものの、楽曲を仕上げ [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(34)こんな演奏は好きになれない(4)
  • 前回に続き、「こんな演奏は好きになれない」を13番から16番について述べてみる。第13番 嬰ヘ長調:4小節目の右手の五連符が均等でない演奏(第1音が長すぎる)中間部、左手のラインが出ていない演奏第14番 変ホ短調:テンポが速すぎて風呂場の早口言葉になっている演奏方向感がはっきりしない演奏第15番 変二長調:翳がなくただ明るい連打音が旋律にひきずられ抑揚がつきすぎてしまっている第16番 変ロ短調:異常に速いテ [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(33)こんな演奏は好きになれない(3)
  • 前回に続き、「こんな演奏は好きになれない」を9番から12番について述べてみる。第9番 ホ長調:右手の三連符と付点四分音符はショパンの記譜ではノート・エガルすなわち三連符の音価に合わせて弾くのがこの曲の壮大な曲想を表現するためにも正しいと思っている自分としては、そう弾いてくれない演奏はどうしても好きになれない第10番 嬰ハ短調:右手の十六分音符は三連符と通常の十六分音符の組合せであるのに、五連符に聴こえ [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(32)こんな演奏は好きになれない(2)
  • 前回に続き、「こんな演奏は好きになれない」を5番から8番について述べてみる。第5番 ニ長調:テンポが速すぎる演奏。ショパンは確かにAllegro Moltoと書いているが、あまりに速過ぎてまるで練習曲の如くなり、色彩の変化も聴き取れない演奏第6番 ロ短調:左手と右手の性格分けがあいまいな演奏。左手のチェロの旋律に対し、右手はひらすら淡々と弾いてほしいものである第7番 イ長調:1小節目と9小節目の変化に乏しい演奏。単 [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(36)こんな演奏は好きになれない(6)
  • 今回がこのシリーズ最後になるが、前回に続き、「こんな演奏は好きになれない」を21番から24番について述べてみる。第21番 変ロ長調:左手の旋律を歌うのは良いが、右手の歌い方とのバランスが悪い演奏第22番 ト短調:左手ばかりになっている演奏吠えすぎている演奏第23番 ヘ長調:左手が十分に歌えていない演奏テンポが速すぎる演奏第24番 ニ短調:右手のパッセージが入りきらず、左手が不自然にルバートしている演奏(14 [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(35)こんな演奏は好きになれない(5)
  • 前回に続き、「こんな演奏は好きになれない」を17番から20番について述べてみる。第17番 変イ長調:和音中の動く音のライン(20小節、22小節など)が不明瞭後半、11回鳴らされるバスのAsが無造作第18番 ヘ短調:4小節目最後の拍の五連符が無表情休符の扱いがぞんざい第19番 変ホ長調:右手のラインばかりになっている繰り返される楽節に変化がない第20番 ハ短調:オクターブ和音の内声が歌えていない単調な繰り返し [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(31)こんな演奏は好きになれない(1)
  • これまでショパン前奏曲集作品28は、ライブ、音源(CD、Youtube)で50人超のプロ、アマ(アマといっても国際コンクールがほとんど)の演奏を聴いてきたが、かなり高い水準の演奏であっても、どうしても気になってしまい好きになれない演奏があるので、どういう演奏が好きになれないかを、自戒を込めて述べてみたい。どう弾くべきか、誰の演奏が素晴らしいか、については既に多く書かれているが、悪い演奏について書かれているもの [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(30)自筆譜に見る作曲者の想い(3/3)
  • 前々回、前回に続きウェブ上で簡単に入手できた自筆譜に基づき自分なりに作曲者の意図を汲み取ってみる。今回は13番、14番、15番、20番、22番。13番 嬰ヘ長調:最後の2小節が全面的に書き換えられている。ここにも後続の14番との連結を意識しているのであろうか。14番 変ホ短調:5個所変位記号もしくはナチュラルを消している。半音階的な和声進行が結果として生まれ緊張感を高めているのであろうか。15番 変ニ長調ここ [続きを読む]
  • ショパン前奏曲集作品28(29)自筆譜に見る作曲者の想い(2/3)
  • 前回の続き。今回は8,9,10,11,12番。まずは第8番:9-10小節かなり書き換えられた跡がある。ここは嬰ヘ短調から変ロ長調に遠隔転調するこの曲で最も印象的かつ自分が最も好きな箇所だけに、このように工夫の跡が自筆譜上でみられることはうれしい。第9番:この曲はよく言われているように、ノート・エガルで弾くべきだと言う主張に自分も賛同するし、自筆譜上でもやはり右手の付点四分音符と三連符の最後の音は同時に弾くよ [続きを読む]