kichou0720 さん プロフィール

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kichou0720さん: 小さな言い訳
ハンドル名kichou0720 さん
ブログタイトル小さな言い訳
ブログURLhttps://theheirs.blog.fc2.com/
サイト紹介文韓国ドラマ「相続者たち」二次小説です。 タンとウンサン二人のその後を私なりに妄想しています。
自由文「相続者たち」が終わった時、終わらせたくないと思いました。
どこかでひっそりとタンとウンサンが生きていて欲しいと、二次小説を探しましたが「信義」ほどはなくて、自分で作るよりほかありませんでした。
私の頭の中で生きるタンとウンサンです。よろしければお付き合い下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供209回 / 365日(平均4.0回/週) - 参加 2016/10/21 13:57

kichou0720 さんのブログ記事

  • 王位を継ぐもの−今となってはもう
  • タンとウンサンが、親友ミョンスの母親で顧問弁護士のラ・ミランに呼び出されたのは、父キム・ナムユンの葬儀から二週間後のことだった。弁護士事務所の自室。応接セットのソファに並んで座る二人。ラ・ミランは「はいどうぞ」と自ら淹れたお茶をテーブルに置くと、一通の封筒を差し出した。角二サイズの封筒は帝国のもの。ところどころにシミがあり、過ぎた季節を感じさせる。「うちの金庫でずっと保管しておいたから」そう言い訳 [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−父の真実
  • 帝国グループ会長キム・ナムユンの葬儀は、家族の意向で密葬という形になった。対外的には数日後、ホールを借り切ってお別れの会が開かれる予定になっている。密葬にはかつて家族だった人も弔問に訪れた。「タン、久しぶりね」「理事長も」「もう理事長じゃないわよ」帝国学園・元理事長チョン・ジスクは相変わらずの高いヒールを履きこなし、タンを見上げ少し微笑んだ。彼女の視線は、遺影のそばで立ち尽くすウンサンに辿り着く。 [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−甘えてなんかいない
  • 「はい、チーン」ウンサンの掛け声とともに盛大に鼻をかむ。散々泣き、緩んだ鼻から涙以上に水が出た。手にしたティッシュで、仕上げに鼻を拭きあげようとするウンサン。「んーーーっ、やっ」まるで幼子のように、それを嫌がるタン。ウンサンは、手を焼かせるその大きな幼子の後頭部をガッと掴むと、素早く胸元に引き寄せ鼻を拭いた。「もう、いーって!」と、真っ赤な鼻で怒る。「はいはい、わかりました」今日ばかりはウンサンも [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−甘えさせてくれ
  • 「おい」脱衣所の扉を開けようとしたら、開かなかった。「ああ、ごめん」ウンサンが塞いでいた。「閉じ込めてどうする」「へへっ」脱衣所を出たタンは、すっかり夫の顔。「俺、少し仮眠取るぞ」「はいはい」あとをついて歩くウンサン。「何だよ」「えーっと、私も仮眠を」仮眠、できるかな。ふと、想像を巡らせるタン。タンに続き、ウンサンもベッドに潜り込む。午前十時、夫婦の寝室はカーテンを閉めても明るい。タンのバスローブ [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−甘えさせてあげる
  • 病院長は、最後にもう一度モニターの波形を確かめると、キム・ナムユンの胸に聴診器をあてがった。閉じた瞼を持ち上げて、ペンライトを当てる。そして儀式の最後に恭しく手首の脈をとった。「ご愁傷さまです」帝国ホールディングス会長キム・ナムユンは、挿管から五日、生きた。妻と二人の息子が、その旅立ちを見送った。왕관을 입는자는 그 무게에 품으십시오×왕관을 입는자는 그 무게에 품으십시오「ねえっ!!」「ひゃっ!何っ [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−込み上げる寂しさ
  • 「お願いだからこのまま穏やかに、最期を迎えさせてあげて」「ひとまず兄さんに会ってくるよ。母さんはここで待ってて」母の懇願に、状況が飲み込めないまま曖昧な返事を残し、特別室に入るタン。入り口のソファ。兄ウォンは腕を組み、天を仰いでいた。眠る兄に声はかけず通り過ぎ、ベッドに近づく。眺めるのは、久しぶりの父の顔。酸素マスクが曇っていた。「来たか」気配に気づいたウォンが横に並び立つ。「もう、目覚めることは [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−穏やかな最期を・・・
  • 父は、ウンサンが様子を見に行った夜を最後に、家族とともに食事をとることはなくなった。その日たくさん食べた父は翌朝から機嫌が悪くなり、食事を摂ろうとしなくなったらしい。父は体の異変を、誰にも伝えられなかった。水しか飲まなくなった父を不審に思った兄嫁が病院に連れて行き、肺炎と診断された。罹ってからずいぶん経っていたようで、再発を繰り返し入院は長引いた。やがて季節は夏から秋へと移り、それは、ウンサンの誕 [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−家政婦の娘
  • 症状が落ち着いたタンの父キム・ナムユンは、退院すると寝たきりになることもなくひたすら歩いた。家の中にいるうちはまだ良いほうで、家族が寝静まったあとで出て行ってしまうからと、夜はタンの母ハン・ギエが寝室のドアを塞ぐように眠っている。タンは、そう聞いた時から母の愚痴をますます聞けなくなった。ウンサンを侮辱した父を、まだ許せないでいる自分と、許したい自分。許したところでもう、父には伝わらないという虚しさ [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−オンマの味
  • 義父キム・ナムユンが入院した。認知症を発症し、屋敷に住む家族は総出で介護や看病に明け暮れている。私は見舞いにも行かず、いつも通りの生活を送っている。介護の手伝いに行くと申し出たら、義兄も義姉も、義母までもが、今はまだ良いと言ったからだ。今はまだ    。この先もっと厳しい状態になると、考えているのだろう。義父を想う時、私は、私の家族を思い出す。娘は七月。母は八月。血を分けた家族との別れは夏だった。 [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−彷徨う魂
  • 「だからさ、大変だねって言ってあげるだけで良いんだってば」小言はやめよう、説教はやめようと思っていたウンサン。「別に相談に来てるわけじゃないんだからさ」帰りなさいと電話したのに、たっぷり日が暮れてようやく帰った夫。「お義母さん、すっごく悲しそうだったよ」その夫が、不貞腐れ気味だったことにムカつき小言が口をついて出た。「タンの気持ちもわかるけど、せめて愚痴ぐらい聞いてあげなきゃ」本格的に不貞腐れたタ [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−糸の切れた凧
  • ハン・ギエのあとをついて歩くウンサン。エントランスを抜け、駐車場を目指す。ふと、マンション横の公園で、凧揚げをする子どもの姿が目に留まった。正月の喧嘩凧だ。ハン・ギエは思わず「上手、上手」と声に出した。そばにいるのは父親だろうか。あの若さなら父親よね、絶対。楽しそうな父と子の姿に目を細めるハン・ギエ。子どもが揚げる凧の糸を、父親の凧が大きく弾き切る。歓声をあげる子。真ん中に『送厄』と書かれた子ども [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−母の訪い
  • 「はい、これ」ハン・ギエが、キレイに包装された箱をテーブルに置く。息子が暮らすタワーマンション最上階。肝心の息子の姿はなく、嫁のチャ・ウンサンが相手をしている。「スイスに行ってたんだって」せっかくのキレイな包装を、破るようにして開けながらハン・ギエは言った。タンの兄ウォンの出張は、買収したBSテレコムの事業展開に関わっていた。「おー、チョコだぁ」感嘆の声をあげるウンサン。いかにも高級といった感じの [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−意地のティアラ 後編
  • 「来てくれてありがとー」ハグの前も、真っ最中も、あとにも焚かれるフラッシュ。眩しそうに目を細めるウンサンに、ボナは笑って言った。「慣れてない、的な」「そう、慣れてない、的な」いつも煌びやかな世界にいるボナ。裏方仕事でもカメラ慣れしているし、フラッシュが焚かれても目を瞑るなんてことはない。しかも今日の主役はボナ。芸能人並みにフラッシュを浴びている。ベールに覆われていても、これだけ焚かれたら眩しいだろ [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−意地のティアラ 前編
  • 昼食用のサンドイッチは冷蔵庫。夕食は行った先で調達。流しは片付いたし、部屋の掃除も済んだ。トイレはタンに掃除してもらう。これで良し。指差し確認し、玄関先へと向かう。「じゃあ、行ってくるね」ドレスアップしたウンサンが、ハイヒールを履きながら大きな声でタンに声を掛ける。リビングのソファで、まだグダグダと寝ころんでいるタンは、見送ることもせずに返事をした。「早く帰ってきてねぇ」ひと月前の九月、ウンサン宛 [続きを読む]
  • 王位を継ぐもの−序章
  • 王座を追われた王様が、そのあとどうなるか知ってる?たいていの場合、亡き者にされるんだ。王座を狙う者だってそう。狙いを外した者たちも、たいてい亡き者にされるんだ。王座には見向きもしなかった北の異母兄だって、亡き者にされた。命を永らえようと、王座に近寄ることすら避けていたはずなのに。王座には、命が懸かってる。座ればきっと、生きた心地はしないはず。だからってわけじゃない。僕に王座は似合わない。だから王座 [続きを読む]
  • 蜜月Honeymoon−自分の身の守り方 番外
  • 「ボコボコ?」「・・・」問い掛けに答えないイエソルの、口元はまだ腫れている。答えを聞くまでもない。それ以上に今問題なのは、イエソルが同棲相手をボコボコにしてしまったこと。江南で一番大きなサロンはまだ準備中。イエソルを囲むのはイ・ボナとチャ・ウンサン。そしてイエソルの母親。ウンサンが、タンから頼まれてイエソルを説得したのは、もう一年前のことになる。一度は江南の自宅に戻り、母親のもと、傷が治るまで引き [続きを読む]
  • 蜜月Honeymoon−終章
  • ねぇ。ひとつだけ、訊いていい?なに?済州へ私が行った日に、作業員の人に「専務の奥様ですか?」って訊かれたわ。うん、それで?なぜ、私がそうだって、わかったのかな?えーーーーーっと、それはだねぇ。밀월 허니문×밀월 허니문×밀월 허니문×밀월 허니문済州の夜。輝くネオン街。たびたびの出張。仲良くなった職人ユン・ギュンサンとは、すっかり飲み仲間。「うっひゃー、こりゃまたずいぶん激しくいきましたねぇ、専務」「 [続きを読む]
  • 蜜月Honeymoon−待ち合わせ
  • 「今日は会議のあと、ずっと本社でデスクワークなんだ」目覚めた私の耳元で、裸の彼が囁く朝六時。「仕事、早く片付けるから、夕食は一緒に食べて帰ろう」長い出張から帰ったと思ったら、残業続きの毎日。真夜中に帰れば私が作る夕食にも手を付けず、すぐにシャワーでベッドに潜り込んでくる愛しい人。半分眠ってる私の髪に軽く口付けて、裸のまますぐに眠りに落ちる愛しい人。そんな愛しい人からのデートの誘いに、朝から私の胸は [続きを読む]
  • 蜜月Honeymoon−ぬか喜び
  • 眠る前の儀式。ウンサンが歯を磨く、その背後。棚をあさるタン。「何?何、探してますか?」「俺の歯ブラシ」棚の一番上、右端プラケースの中にある、ブラシは硬め、柄は青色。ウンサンがぶくぶくうがいで歯磨きを終わらせ、答えようと振り返る。同じタイミングで振り返ったタンは、ありえないほどの笑顔。「ねっ、これっ、ねぇねぇ、これっ!」右手を高々とあげ、興奮気味に叫ぶ。そっ、それは。左端のプラケース、ウンサンが自分 [続きを読む]
  • 蜜月Honeymoon−家に帰るまでが遠足です
  • 「なるほど」ひと言だけ呟くと、社長キム・ウォンは目頭を指で摘まんで天を仰いだ。社長室のデスクの前には、ソファにカク・テグンとチャ・ウンサンが座る。時間はすでに定時を過ぎていた。「わかりました。対応はこちらで考えます」ウォンは二人に向かってそう言うしかなかった。ここから先どうするかを考えるのは、社長であるウォンの仕事だった。伯父、従兄、そしてその妻。三人で五年間、財団を食い物にしていた。もしかしたら [続きを読む]
  • 蜜月Honeymoon−パンドラ
  • うまそうな匂いに鼻をくすぐられて目が覚めたキム・タン。とりあえずパジャマの下だけ穿いて寝室を出る。 「何?キンパ?」「そうだよぉ。今日はタンにもお弁当あるからね。ちゃんと持ってってよ」「ほんと?!やったぁ!!」 みんなに見せびらかそう。タンはそう考えると現場に行くのが楽しみになった。 朝から旦那のテンション上げるには、弁当のひとつも作ればいい、的な。タンが毎朝、現場にいやいや通う姿をもどかしく見て [続きを読む]
  • 蜜月Honeymoon−早く帰ろう
  • 「おーい、専務さんよぉ」とある現場。朝礼の、黄色いヘルメット畑の奥の方からキム・タンに声がかかる。「はい、なんですか?」「その恰好じゃ、仕事になるめぇ」ヘルメットたちから一斉に笑いがあがる。「ネクタイは暑くなるだけさーね。熱中症おこすぜ、あんちゃんよぉ」今度は別の場所から揶揄う声があがる。素直にネクタイを緩めると、タンの目の前にいた現場監督が畑に向かって言った。「ふざけてないで、持ち場に就け!」「 [続きを読む]
  • 蜜月Honeymoon−理事のお仕事
  • 電卓、壊れてないよね?何を足しても、どこを足しても、こうはならないよ。なぜ?どうして?帝国財団の理事チャ・ウンサンは、朝から電卓を叩きまくっていた。手元の資料を検算するだけのことだったが、縦と横の計が合わない。何度叩いても、正解が出ない。指が鈍ったかと、エクセルで表を作り直してみたが、やはり合計が合わない。数式を入れ間違えたかと、ひとつひとつ見直すが、そこに間違いはない。いったんエクセルから離れ、 [続きを読む]
  • 蜜月Honeymoon−ある意味食い物の恨み
  • 「ほい、これ」ガチャンと音を立て、帝国建設応接室のテーブルに並んだのは酒。赤と白にロゼのワインが一本づつとチャミスル六本。数か月前、ウンサンに怒られ怖い思いをしたヨンドのせめてもの気持ち。「おお、サンキュ」「お前のかみさん、すげぇ怖いからな」「まあそう言うな」済州プロジェクト第二期工事の進捗状況を報告したいとタンが連絡すると、ホテルへの出禁を理由に断られ、ヨンドのほうから出向いてきた。「重かっただ [続きを読む]
  • 蜜月Honeymoon−忙しいって言わないで
  • 「水曜日から出張。済州行ってくる」「あ、そう」カートを押すタンを振り返ることもなく、そっけない返事をするウンサン。日曜のスーパー。野菜売り場を闊歩するカワイイ妻。「土曜の夜には帰るよ」「ふーん」いや、ちっともカワイクない妻。「土曜の夜は、は、や、く、帰れるよ」「へー」やっぱりカワイクない。「夕飯までには、帰れるよ」「ホント?」前言撤回。振り向いてくれたから、やっぱりカワイイ妻。바쁘다고 말하지 말아 [続きを読む]