Shion さん プロフィール

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Shionさん: Shionの日々詩音
ハンドル名Shion さん
ブログタイトルShionの日々詩音
ブログURLhttps://ameblo.jp/crimeofrose-shion/
サイト紹介文表現者、Shionのブログ 日々心に描く事 時に散文を…そして時に物語を綴る
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供14回 / 365日(平均0.3回/週) - 参加 2016/11/11 01:30

Shion さんのブログ記事

  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第4章】⑤
  • 革命の前夜祭が終わり、大人たちとそれぞれの自己紹介が終わると、明日の作戦をチーム毎に確認し合い、すぐに散会した。ただでさえ闘いに慣れているわけではない子供たちだからこそ、明日に備え充分な睡眠をとっておく必要があった。皆が部屋に戻る中、アルノルトは一人屋外に出て煙草に火をつけた。まだ動悸が抑えられない。興奮していた。それは明日に対しての緊張というより、先ほどの決起会で自らが発した言葉に起因していた [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第4章】④
  • 決行前夜の夜が来た。無線機から聞こえるジェスターの導きに従い、少年たちは銃を保管している地下室のある廃屋の前に集まっていた。「ここに、大人たちが来るのか……」ロルフが小さく呟く。これまで彼らの暮らすこの地域に、この国の大人たちが足を踏み入れることはなかった。主要都市から決して離れているわけではない。しかし災害後の3年の間、街と彼らの住むこの地区の間には、まるで分厚く、見えない壁が存在しているかのよ [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第4章】③
  • チーム決めの最中から、エレナは一言も発していなかった。いや、一言も発することが出来なかった。テストが行われると決まってからは、焦りと緊張で何も手がつかなかった。残された日を訓練に費やし、自分でも嫌になるくらいに銃を撃ち続けた。訓練中も決して良い成績だったとは言えないが、この数日でだいぶ狙えるようにはなったつもりだった。それでも、その結果は燦々たるものだった。銃弾はまともに的を狙えてすらいない。結 [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第4章】②
  • 最後の一人、アルノルトの銃弾が的の中心を的確に撃ち抜き、チーム構成を決めるテストの結果は出た。「大体、予想通りって感じですね」結果の書記係をしていたカイザーが呟く。これまでの訓練でそれぞれの力量はわかっていた。その訓練時より大きく結果を落としてしまったのはイェンチくらいなものだ。「イェンチぃ、怖がってわざと外したんじゃないよねぇ」エイヒムが口髭を撫でながらからかい半分にイェンチの肩を抱く。イェン [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第4章】①
  • 第4章-虚夢を空に浮かべて 風の中へ《生き延びる約束》を放つ狂い果てた世界へと 最期の剣を振るう-決行当日まで二週間を切った頃、銃を保管している地下室には人数分のインカム型無線機が運び込まれていた。彼らの生活には縁遠いものであったが、イヤーピースとマイクが一体型のごくごく小さいものだ。見ようによってはただの耳栓にしか見えない。例の道化がいつ、この旧式の手動鍵まで完備された部屋に入り込んでいるのかはわか [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第3章】⑥
  • 第三の塔の屋上、総統ラメクの部屋は、その日も静謐な空気に包まれていた。窓から見下ろす景色には小さな焔が灯り、街には静かな夜の帳が敷かれている。ラメクは隣に佇むノエルと共に、その景色を見下ろしていた。「平和だな、ノエルよ」ラメクの手には光を反射して煌めく硝子細工のグラスが置かれ、その中には深い琥珀色の液体が注がれている。ラメクはそれをほんの少しだけ口に含み、鼻から空気を抜くように味わった。白く滑ら [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第3章】⑤
  • 政権樹立パレードの準備は滞りなく進んでいた。ノエル率いる親衛隊はその人数を例年と比べて大幅に増やし、訓練された兵士たちの配備も決まった。当日の出入りから、パレードの進む道順まで、政権高官たちから末端の兵士に至るまで、それは完璧な電子データにまとめられて送られてくる。その日パレードは国を真っ直ぐに縦断し、最後は首都である最も栄えた街でラメクの演説が行われる予定だ。それを国中に伝えるための映像機材や [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第3章】④
  • ジェスターの話は、とても簡潔なものだった。「要するに、ですよ。この国には打倒ラメク政権を目論むひっじょおに不届きな国民たちが今も一定数いるわけですよ」奇妙に加工された声でジェスターはそう語る。「あれだけ死神に睨まれているっていうのに、まだまだ水面下でこの国を諦めていない人たちは存在するわけです。まぁまぁそりゃあ、そうでしょうよ。先の天変地異でだいぶ人口は減ったとは言え、一国の国民全部を取り締まる [続きを読む]
  • それは浅い眠り、深い夢
  • 持病の関係で一年に二、三回死にかける時がある。でも、それは必ずしも悪いことじゃなく、それを経ると必ず何かを持って帰ってこられる。昨日がまさにそうだった。その死にかけた後に夢を見た。10年前に死んだ祖父の夢だった。祖父は台湾の人で、15の時に学校の悪徳教師を仲間たちとボコボコにしたことで国を追われて日本にやってきた笑戦前の話だ。第二次大戦中は外国人ということで辛い目にも遭ったと聞いている。それでも日本 [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第3章】③
  • この数週間、少年たちの食事の席は会話が少なくなっていた。各々はいつも通りに振舞ってはいるつもりなのだが、その場にはどこかぎこちない空気が漂っている。アルノルトやジギスムントを始めとして、普段はお喋りなエイヒムやマインラート、アンケに至っても口数が少なかった。先日街での調達作業から帰ってからというもの、ガイも平時に増して黙りこくっていることが多くなった。幼い子供たちは何も気にせずに騒々しく食事の席 [続きを読む]
  • 神様、見いつけた
  • 小さな日々を生きているんだあまりにも小さくて笑っちゃうくらいだよ小さな日々に感謝するんだよあまりにも小さな日々を誰かが守ってくれているんだよ小さな灯りを灯していくんだあまりにも小さな世界も誰かの幸福の欠片になってるのかも知れない小さな僕が愛した小さな君を守るほんの少し大きな誰かをきっともう少し大きな誰かが作り上げたんだ繰り上げたその先には、神様もいるかもねShion [続きを読む]
  • 宝石のような痛みを繰り返して
  • はい、こんにちは、Shionです。最近はブログをきちんと更新する機会がないので笑まるで小説連載サイトみたいになってるのでたまにはブログを書こうかなと。あ、ちゃんと小説も書いてますよ!段々話が佳境で書いててドーパミンが出過ぎてしまって笑筆が滑りまくってるので都度修正しながら。来月には第3章を全部あげられると思います。短篇も一篇。楽しみにしててください。さて、僕は自信家です。と、言うと抵抗ある人もいるかな [続きを読む]
  • 新曲を配信します
  • 誕生日である5/10にiTunesで曲配信しますTaishi meets Shion改め薔薇薔薇クラブ「この悲しみに名前をつけて」真面目な曲なのになんでこんなふざけたユニット名にしたかなぁ笑Taishiと僕のツインボーカル、1番をTaishiが2番を僕が歌いますサビの歌詞をTaishiが書いて、それぞれの歌うA、Bメロを書いて仕上げました歌詞に整合性とかストーリー性はないですハッキリ言ってTaishiくんの書いた「この悲しみに名前をつけて」というサビ [続きを読む]
  • 最後の記憶まで
  • 人生は長い一つ何かをなくしたくらいで世界が変わったりはしない一つの場所から離れたくらいで、そいつの居場所はなくならない何度でも誰かと出会えるし何度でも新しい居場所はできるそうして古い場所の存在価値は徐々に薄くなる思い出すことも少なくなる人間の許容量は意外に小さい過去は現在に塗りつぶされていってしまうそれでも過去にそこにいたことそこに存在していたことは現実でそこで感じたことや、そこで育んだものは嘘 [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第3章】②
  • 街はいつもと変わらず、少年たちを透明な存在として扱う。彼らのうち誰が来たとしても街は変わることはない。少年たちはこの国にとってその存在を認識することすら許されない存在であり、そこにいるということを忘れるよう強いられた者たちだ。普段からあまりお喋りでないガイは街に足を踏み入れればその無口さに拍車がかかり、それを今、供にするロルフもまた自然と口数が少なくなった。二人は決して仲が悪いわけではないが、元 [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第3章】①
  • 第3章-狂気の空へ向かい風の中 足を踏み出した-響く銃声が、日常になりつつあった。アルノルト達は夜が更けると、彼らの住む集落からやや離れた場所に位置する森の、今は使われていない古びたカフェまでやって来る。この辺りには、住んでいる人間はいない。そして、無人航空カメラも、この辺りには飛ばされてこない。都市を越える境界までのルートをうまく調整できれば、ここに来ることは誰にも悟られずに済むのだ、とアルノルト [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第2章】⑥
  • その夜、第三の塔の最上階にある部屋の中にラメクとノエル二人の姿があった。窓から見える地上の闇にまばらに散らばる灯りのお陰で、そこはまるで星空と星空の間に位置する異空間のようだ。「申し訳ありませんでした、総統閣下」ノエルはこの部屋に入ってからというもの、頭を決して上げようとしなかった。ラメクの目を真っ直ぐに見ることも出来ず、その視線は始終大理石の床に向けられている。「一体どうしたと言うのだノエル。 [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第2章】⑤
  • ノエルの想定に違わず、緊急で集められたその会議の場は荒れた。普段ノエルの顔色を伺い、自ら発言することがない者まで、ノエルの失態について追求の手を緩めることがない。政治の場において、政敵に弱みを見せることは厳禁だ。その者に政権内での力があればあるほど、僅かな綻びを他の者は徹底して突いてくる。今のノエルは、まさに針の筵だった。「まったく、反乱分子を見つけるどころの話ではないですな、ノエル軍事総司令」 [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第2章】④
  • 災害直後のこの国からは、政府も兵士も跡形もなく失われていた。国を飲み込んだ波はこの国の首都と中央政府を更地にし、兵士たちの多くも水に流されていってしまった。誰も大きな声では言うことはなかったが、どうやらラメクは旧時代の軍部の生き残りである、という噂はまことしやかに囁かれてはいた。事実、ラメクが初めて国民たちの前に姿を現した時、彼が身につけていたのはやや古い型ながらも旧国家の軍服であったし、ラメク [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第2章】③
  • 室内に無数に設置されたモニターには、世界中のニュースと、国内に設置されたカメラが捉えた映像が映し出されている。大きな動きがあれば出来る限り一度目を通すようにはしているが、この部署の人員も決して充分なわけではなく、局長であるヴィルヘルムが自ら動かねばならない状況だ。-TV局で雑用をしていた時代と、やっていることはそう変わらんな。濃いめに淹れさせたコーヒーを啜りながら、ヴィルヘルムはモニターを睨みつけた [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第2章】②
  • 時間の流れとはそこに住む人間の思惑とは別に、留まることなく流れていくものだ。 『時間』とは一体何ものであろうか。そこには本来形などない。時間というものを紐解いていけば、そこには何も残らないはずだ。『存在』がそこに意味を求め、与えただけのこと。 時間に概念を与えた者が過去の歴史の中に必ずいたはずだが、その人間はそこに意味と名前を与えることの恐怖を本当に理解していたのだろうか。この世界に存在 [続きを読む]
  • 今年もお世話になりました
  • このブログをいつも読んでくれている皆様へ。2016年も大変お世話になりました。バンド解散後、久しぶりのバンドを作ってやっと3ヶ月程度…。毎日多くの方に読んで頂いて大変嬉しく思っています。Clef Dollで描き切れなかった物語を小説という形でも表現し始め…こちらも多くの方に読んで頂き、本当に感謝しかありません。今小説の形で物語を知った方が、新たに僕が誰よりも何よりも愛したバンドの音楽に触れてくれたら、嬉しく思 [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第2章】①
  • 第2章-歌え 私のために踊れ 現実を-身体中、至るところが傷だらけだった。咳き込むたびにその唇からは濁った血が溢れ出し、ただでさえ泥と雨で汚れた衣類に黒いシミを作っている。肋骨が折れて内臓に傷をつけているのかも知れなかった。息は荒く、酸素がうまく体を巡ってくれない。腕は上げられるが、その足はもう一寸も動かすことが出来なかった。黴びた鉄臭い血混じりの息を吐き出しながら、真っ暗な低い空へと手を翳す。目に [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根 interlude01
  • -interlude01-夢を視る。私は毎夜、夢を視る。それは穏やかな。それはささやかな。歓ばしく、親しい、悪夢だ。記憶が優しくあるほどに現実の闇は濃く、深くなる。身体の傷が癒えたとしても喪失による痛みは、絶えることなく襲いかかる。-何故、手ヲ放シタノ?問い掛ける亡霊の、表情が見えない。夢は視るのに君が見えない。目覚めても、悪夢は決して終わらない。嗚呼…またいつものように夜が私を連れ戻しにやってくる…赦されざ [続きを読む]
  • 連載小説:片翼の羽根【第一部第1章】⑥
  • 「助けるって…具体的にどうするつもりだ、アルノルト」張り詰めた空気の中、始めに口を開いたのはクラウスだった。目を細め、訝しげに、試すような視線をアルノルトに向けている。「第三の塔の警備の厳重さは知ってるだろう。イェンチたちに調べさせるのだって俺は反対だった。下手に近づいたら俺たちみんな決して安全じゃない。むしろ、今までが嘘みたいな危険に晒されるぞ。まさかそのバスってのを襲って子供たちを解放するな [続きを読む]