oisis さん プロフィール

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oisisさん: 辺見庸 研究
ハンドル名oisis さん
ブログタイトル辺見庸 研究
ブログURLhttp://eger.hatenablog.com/
サイト紹介文辺見庸の世界を旅します。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供24回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2016/11/13 13:28

oisis さんのブログ記事

  • B-33 小説『月』の出版:執筆中断(放棄)宣言の顛末
  •  辺見庸『月』という小説がKADOKAWAの書籍PR誌『本の旅人』に連載されていたが(2017年11月号〜2018年8月号)、連載は2018年8月号で最終回となった。その末尾には、次の表記はなかった。 *本作はノベルスとして小社より刊行予定です。  (最近の作品では次の作品にはその記載があったのだが)。 ・花村萬月「ニードルス」2018年1月号 ・馳 星周「新宿ゴールデン街」2018年7月号 ・西村京太郎「知覧と指宿枕崎線の間」 [続きを読む]
  • B−32 「月」
  •  辺見庸が雑誌『本の旅人』に連載していた「月」が8月号で最終稿となった。終了の間際近くに連載中止(放棄)の意向が辺見によって表明されたものの、その後、彼は翻意し何とか最終回までこぎつけた。しかし辺見庸には描き切った満足感はないだろう。描き切れるほど軟な題材ではないのだから。 人それぞれが思い描く「真」の心象(月)、それを実現へと架橋する投影態(虹)。そのふたつを凝視しつづけたのち、まっすぐに行 [続きを読む]
  • B−31  彼我の狂気
  •   相模原事件の植松聖被告は「意思疎通がとれない人間は安楽死させるべきだ」と言った。それは生まれてくる人間の生命の選択操作にもつながる考えだ。 優生思想には歴史があり、心の深奥でそれを肯定する者の存在を認めざるを得ないばかりか、人びとの心にひろがり、やがてそれは「社会や国家に役立たない者の排除、抹殺」の思考と行動となる。背景には、国家(権力によ [続きを読む]
  • B−30 辺見庸:女性の「性」への視点
  •  太宰治著『満願』の描写への辺見庸の視点についてみてみよう。 伊豆の三島だと思うのですが、太宰がひと夏をすごしていたところで彼が怪我をして病院にかよううちに医者と親しくなる。 そこにきれいなご婦人が週に何回かくる。病気のご亭主の薬をとりにくるらしい。ご主人はどうやら、結核かなにかだったのでしょう。 ときには医者が玄関までその女性を見送り、「奥様、もう少しのご辛抱ですよ」などと声をかけていた。医師 [続きを読む]
  • B−29 辺見庸の「誤記」
  •  辺見庸の注意力・集中力はかなり弛緩している。文章の誤字・脱字が目立つのだ。しかも、彼が「もう下手なものを書くことはない。ただよめばよい」、「第8回までつづけた『月』の連載をやめることにした」、そう決心させた梶井基次郎の作品(『犬を売る露店』)の引用文においてミスしているのである。*カッコ内の表記が、原文における表記。 「落花生の主人は時には夜泣きうどんの車からうどんを運ばせたりする。古本は南 [続きを読む]
  • B−28 辺見庸の執筆中断について
  •  辺見庸が、雑誌に連載している作品(『月』)の執筆を中断するという。 ただし、この連載中断はいわゆる絶筆とは少し意味合いが異なる。 作家が一切の執筆をやめるのが絶筆である。これには大きくは二種類あり、作者の死亡や重篤な病気によることが多いが、そうではなく、抗議・意見表明または反省等の意味を [続きを読む]
  • B‐27  辺見庸―毎日新聞に載ったインタビュー記事
  •  辺見庸の久しぶりのインタビュー記事を読んだ。毎日新聞の藤原章生さんがインタビューし、テーマは「官僚らによる一連の不始末」である。 辺見が2004年3月に脳出血で倒れ、その後復帰し『1★9★3★7』の発刊後、朝日新聞や日共などから疎んじられてますます孤立を深めていて、近年では彼の心身の衰えが目立つようになっていたのだった。記事を読んで正直がっかりした。辺見庸の顔がボーっとしていた(藤原さんの感想)だ [続きを読む]
  • B- 26 天皇に手を振る辺見庸
  •  石牟礼道子さんが、晩年に美智子皇后と縁をもち、胎児性水俣病患者と天皇との面会(2013年10月)の橋渡しをした。このことに対して、辺見庸は次のように述べている。(このことは前にも書いたことがある)。「時間の芯の腐蝕と天皇家賛美には、なんらかのかんけいがあるとおもう」。 最大の戦争犯罪者であるヒロヒトとその一族(天皇家)は保身を図り、のうのうと戦後を生きつづけ、ニッポンはアジア諸国への侵略と沖縄を [続きを読む]
  • B-25 辺見庸の誤謬
  •                     現代経済は消費によって牽引され、人びとが商品に呪縛され心身が商品に浸潤されている。辺見庸は消費資本主義について次のように発言している。 実感的に言えば、市民なんてこの日本にいやしないのです。いるのは、ただ消費者だけです。われわれは消費する [続きを読む]
  • B-24 正義の戦争(just war)
  •  一定の条件をクリアすればjust warとして許されるという考え方がある。 例えば、「最終手段または自衛行為として、そして行使される力の規模が適正でかつ可能な限り民間人が暴力にさらされない、といった制限条件下での戦争であればjust warである」とされるのである(オバマ前大統領の<ノーベル平和賞受賞記念講演>での言葉)。  [続きを読む]
  • B−23 止まったままの時計
  •  広島と長崎に「新型爆弾(原爆)」投下の恐れがあることを軍部は事前に察知していた。にも関わらず、投下当日はなぜか警報が解除された状態であったという。警報が発せられていれば少なくとも何万人の命が助かっていたはずだ。 しかも原爆投下予知関連情報などが、日本の敗戦日前後に陸海軍部の命令により急遽焼却処分されてしまったのである。 軍に都合の悪いことはすべてなかったことにするという態度は天皇ヒロヒトに対し [続きを読む]
  • B−22 空費だ、世界なんて
  •   月刊『本の旅人』に連載中の「月」(辺見庸)。 そこにさりげなく組み込まれている至言。「ひとのやることのほとんどは、だれかのまねなんだってさ。(中略)にんげんのやることのほとんどがじぶんだけのオリジナルでなければならないとしたら、大混乱だよな」「戦争においては、現実を覆っていたことばとイメージが、現実によって引き裂かれてしまい [続きを読む]
  • B−21 心ばえ
  •               森友・加計問題の茶番劇がマスコミをしばらく賑わしていたが、肝心のことがほとんど「解明」されないまま終わろうとしている。そのかんひたすら自己保身を図る「北朝鮮の独裁者」が政治的駆け引きに走る。J アラートは鳴りをひそめる。 世情では「人工知能が世界を変える」などという虚言が流布される。 何か変だ。何を喪失してしまったのか。 辺見庸の次の言葉が心に滲みる。「人の心ばえっ [続きを読む]
  • B-20 辺見庸の最新作
  •  雑誌『本の旅人』に掲載中の「月」で、辺見庸は晩年の自らを絞りだすように表現している。2004年3月に新潟で講演中に脳出血で倒れ翌年がんがみつかって以降、心身の疲れと苦痛が次第に厳しくなっているのが読み取れる。後遺症は寛解するどころか悪化しているのである。 小説「月」はそんななか、「身体感覚にかかる想念(幻想)」「世の現実」「箴言」の三つを核にしながら主人公が脈絡もないまま語るという形式で展開されて [続きを読む]
  • B-19 受傷者の表現
  •  「ものを書くということは、俳句であれ詩であれ散文であれ、受傷が前提にあるのだと思います」。辺見庸はそう言っている(『明日なき今日 眩く視界のなかで』2012年)。 辺見が、雑誌『本の旅人』(KADOKAWA)に現在連載中の「月」というタイトルの詩的散文を読んでいるとそのことを痛感する。 この「月」は玄妙な語り口調で書き進められていて、辺見が傷つきながら実際に起きた出来事を創作と主観で昇華しモザイク状に組 [続きを読む]
  • B-18 苦海浄土
  • 石牟礼道子さんが2月10日に亡くなった。「天声人語」の書き手は、水俣病患者と一緒に運動した彼女の言葉の一部を次のように紹介している。(朝日新聞、2018年2月11日朝刊)「患者さんは病状が悪いのは魚の供養が足りないからと考える。岩や洞窟を拝んだりする。」「それを都会から来た知識人は無知で頑迷だと言う。私はそうは思わない。患者さんは知識を超えた野生の英知を身につけています。」 この文章の前には石牟礼さん [続きを読む]
  • B-17 現実が引き裂かれる
  • 辺見庸の作品の中にこんな文章が出てくる。「現実を覆っていたことばとイメージが、現実によって引き裂かれてしまい、現実がその裸形の冷酷さにおいて迫ってくることになる」(これは或る哲学者の言葉から、との文が続いているのだが・・・)うむっ!それにしても、これは「言葉が私たちを見放す」(石原吉郎)よりさらに深刻な事態を指摘している。民主主義社会の矜持をかなぐり捨てた米国のトランプ大統領、北朝鮮金正恩の欺 [続きを読む]
  • B-16 辺見庸の内宇宙ー探究・反逆・創造ー
  • 辺見庸の心的世界を彷徨していて、気づいたことを書き記してきました。その結果を、このたび下記の本にまとめました。https://www.amazon.co.jp/dp/B079KC7GYG/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1517661590&sr=1-1&keywords=宮下淳一部はすでにすでにブログで書き綴ってきたが、全容と精髄はこの「電子書籍」22万字のなかに込められている(と思っている)。章の構成は次のようになっている。///////////////////////////////// [続きを読む]
  • B‐15 憲法九条の制定の舞台裏
  •  元首相で憲法制定に携わった幣原喜重郎の次の言葉が参考になる。かなり思い切った発言なので掲げる。 「非武装宣言ということは、従来の観念からすれば全く狂気の沙汰である。だが今では正気の沙汰とは何か。武装宣言が正気の沙汰か。それこそ狂気の沙汰である」(憲法調査会資料から)。 それに次のフレーズが続く。 要するに世界は今一人の狂人を必要としているということである。何人かが自ら 買って出て狂人とならな [続きを読む]
  • B-13 死刑制度が現存している限り、私たちは「殺人者」である。
  • 「個体知」「民主意識度」は死刑制度を考えることで高まる。ひとり一人の民主主義の意識と具現。死刑制度を熟慮し、自らの「個体知」を磨くことが当面必要であると思う。 訳のわからないまま選挙が行われ、訳のわからないまま選挙が終わる。誰が死刑廃止論者であるか、死刑存置論者であるか、誰が傍観者で、誰が逃亡者なのかも知らないままに。「民主意識度」が問われている。 辺見庸は死刑制度について次のように述べてい [続きを読む]
  • B-11 内宇宙の時空間
  •  辺見庸が、精神世界を深遠かつ広大な宇宙に類比するのは、消費資本主義のもと、マスメディアなどによって人びとの意識の価値が知らずしらずのうちに奪われていることへの「反逆」のあらわれであると思われる。 宇宙(外宇宙)の深遠かつ広大さを思うとき、彼の思念の赴くところは「一念三千世界」であると言ってもよい。本来、内宇宙は外宇宙と同じく無限に近い自由な想念の世界である。現実によって生起する意識世界も内宇宙に [続きを読む]
  • B−10 過去は完了したか?
  •  今さらながら日本による1910年から1945年までの朝鮮半島統治(植民地化)のことを思う。政治・経済・文化のすべての面での統治は、統治される側からすれば多少近代化の恩恵があったとしても、ましてや誇り高き朝鮮民族にとっては屈辱であった。 朝鮮戦争によって分断された国家になったあとも「過去」は完了せず、二つの国は休戦中のまま米国主導の軍事・経済の世界戦略に翻弄されている。日本政府はそのはざまで狡猾にも政権 [続きを読む]