Van さん プロフィール

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Vanさん: Die Romantische
ハンドル名Van さん
ブログタイトルDie Romantische
ブログURLhttp://dieromantische.blog.fc2.com/
サイト紹介文いろんな意味でマイノリティー。日記。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供31回 / 310日(平均0.7回/週) - 参加 2016/12/03 15:46

Van さんのブログ記事

  • 銀木犀と秋の夜空
  • 銀木犀の香る日に"木犀の香に面影のほのめきて風を待ちをり秋の夕暮れ"  夕暮れの庭から風に乗って銀木犀が香ると、恋しかったひとの面影がほのめく。恋人、友人、機会、心……他に待っていたいものがあったとしても、和歌では「風を待っているだけです」と言う。私が読み手なら、察するたのしみのあるほうがおもしろいと思う。 日が落ちてまもなく、南西の夜空の低い位置に土星がうかがわれる。西の空高くには夏の大三角が残り [続きを読む]
  • 夏の終わり、秋の訪れ
  •  9月は緑を濡らしてやってくる。雨が窓ガラスをすべり終わる前に、聞かなければならないことがある。8月の底、日差しに照らされたベンチで、あなたの横顔が陰った。風に追いつかれて、舞うのをやめようとする木の葉のようだ。あなたは風のような人だった。 言葉は軽く、心は深みを重ねて。音楽に心を奪われたあなたはいつも泣きそうな顔をしていた。上司にキレて叫んだときでさえ、涙の一粒も浮かべなかったというあなたが。(そ [続きを読む]
  • 式子内親王に寄せて(後)
  • ※ 式子内親王に寄せて(前) の続き。 式子内親王には、振り向かせたい特定の相手がいたわけではなかった。別れて思い出す過去の恋人もなく、自分に恋歌を贈ってくれる相手も(おそらく)いなかった。ですから、彼女の歌は在り方として「題詠」が多いようです。たとえば恋という題で、実際の自分の恋愛感情を詠むのではなく、風景や言葉から想像される世界に自分の感情の一部を寄せて、ひとつの情景を詠む。それは生の恋愛感情と [続きを読む]
  • 式子内親王に寄せて(前)
  • ※式子内親王という歌人に思いを馳せる話です。 皇女であった式子内親王は10歳頃に齋院に入れられ、神社の祭祀につとめる日々を送ります。神に仕える巫女として、彼女は清浄を希求する閉ざされた聖域で20歳頃まで過ごしました。彼女は藤原俊成に師事しましたが、はじめに彼女が和歌の世界を知ったのは、齋院時代に彼女の教育を担当した女房たちの影響と考えられます。彼女は恋することで恋を知ったのではなく、和歌を通して恋とい [続きを読む]
  • 濁りに染まらない蓮の花
  •  ある日、心の壁が砕け散った。心とは壁だったのだ。積み上げたものが崩れ落ち、空洞に反響する。静寂に沈んでいると、どこからか聞こえてくる。だれかの声で語られる誰かの言葉、だれかの思いを乗せた誰かの音楽。ぼろぼろの心に、小さな親切が泣きたいほど沁みる。そうしてまた壁をつくりはじめる。大切な感情が満ちるように。前より少しだけしなやかに。 あるとき、心は庭のようなもの。慕う人や想い人に自由に訪れてほしい。 [続きを読む]
  • はづれより
  •  あじさいは深い紺青色に群れ咲いて、雨はあがり、今日は夕方の風さえ心地いい日でした。そういえばガクアジサイこと、額の花、今年はまだ見かけません。2年前の梅雨の頃に仕事で行った地域は額の花が可憐だった。 雨が多いせいか、明け方は少し冷え込む。わたしも少し気持ちが落ち着いてきて、霞草さんに会うことに一喜一憂しないくらい。読み違えること、推し量れないこと、思い惑うこと、悩むこと、いろいろありますが、今は [続きを読む]
  • 花を手折る夢のような
  •  (PC版テンプレートをひんやりしっとり雨のあじさいに変えました。スマホ版はラベンダーのままです。) 今も、たまに霞草さんと偶然お会いすることがあります。どんな顔をして何を話せばいいのだろうという不安や、もうこれ以上関わらないほうがいいんじゃないかという迷い。会うたびに霞草さんのほうからあれこれ話しかけてくださるので、わたしの悩みは杞憂に終わります。会うたびに、やっぱりいいひとだなぁと思ってしまいま [続きを読む]
  • 薄れる日
  •  その後、先輩は私たちの会話を思い出しただろうか。わたしは、話さなかったことばかり考えている。 先輩は饒舌だった。話題は2つ、先輩の好きな一人の文学者と、先輩の好きな教授のこと。昔も先輩をそれほどよく知っていたわけではない。けれども、ここ十年程で異なる道を歩んでしまっており、先輩との間にとてつもない距離が隔たっているのが見えた。わたしは自分が異質な存在であることをぎこちなく感じた。 相手の話は決し [続きを読む]
  • 香炉峰の雪
  •   共通の友人を介して約十年振りに連絡をとった、本好きの先輩(女性)。もし先輩に「私のことを覚えていますか」と聞かれれば、「忘れません」と答えます。なぜなら、先輩の好きな鏡花の短編に『外科室』という話がございまして。(以下ネタバレあり) 若き日にほんの一瞬、すれちがった男女。ふたりは互いに惹かれあったが、そのまま歩み、通り過ぎた(女性はそのまま別の家へ嫁ぎ、貴船伯爵夫人と呼ばれた。男性は…まあ省略 [続きを読む]
  • 卯の花くずし
  •   海辺の町を早朝に経つ。卯の花くずしの雨が通り過ぎた休日、鈍行列車は海岸の傍を走る。雲間から海へカーテンのように降りる朝日は、ときに光芒と呼ばれる。海から次第に離れて、車窓より望む景色は緑を深める。手前に広がる田園は瞬く間に過ぎ去り、遠くに並ぶ山の稜線は遠くに在り続ける。目まぐるしく過ぎていく日常に対して、わたしの過去はあの山のようなものだ。そんなことを考えるのも、前夜の話を思い出したからだ。年 [続きを読む]
  • わたしの孤独(映画のお話)
  •   土曜日は仕事をして、夜にちょっとだけお洒落して、映画を観に行きました。ひとりで。旧作映画を上映する、いわゆる名画座。翌日がお休みの日の前夜に、たまに行きます。ここ数か月で一番印象的だったのは、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『家族の肖像』(1974年, 原題 Conversation piece)。 独り静かに暮らす教授は、絵画を集めるのが趣味。特に18世紀イギリス、風景とともに複数の人物の肖像画を描く「Conversation piece」 [続きを読む]
  • 落花の情景
  •   桜の季節は過ぎ、植え込みのつつじが白とピンクの花を咲かせて道を彩っています。もうすぐ藤の花。あやめ、かきつばた。ピンクから紫へと自然は色をゆずり、咲きそめる姿を私たちは待っています。惜しむように、好きな桜の歌を一首。 みな人の心に染むる桜花 いくしほ年に色まさるらん (千載和歌集・巻一・55)(桜の花はひとの心の想いに幾たびも染まり、年ごとにますます色が深まっていくようです。) 今年も桜の美しさ [続きを読む]
  • 人間の絆
  •  だれかと一緒に幸せになるより、別のだれかと一緒に不幸になるほうを選ぶ。愛されるより、愛するほうを選ぶ。そう言う、不思議な人の話を読みました。愛することが幸せなのだ、たとえ相手が自分を愛してくれなくても。その人はそう考えていました。まるで昔のわたしみたい。でもその人は「だれか」に捨てられて、結局「一緒に不幸になる」ことはできなかった。 なんだか目の覚めるような思いがしました。報われない一方的な感情 [続きを読む]
  • つゆならぬ心と花
  •  かわいいテンプレートをみつけて、春らしく変えてみました(PC版)。ちょっと自分にはかわいすぎる感がありますが。。。スマホ版はラベンダー。部屋の香りと同じ。4月になりましたので、テンプレから気持ちを明るくしていきたいところ。 つゆならぬ心を花に置きそめて風ふくごとに物思いぞつく (古今集・巻十二・589)(露は消えやすく儚いもの。露ほど消えやすくも儚くもない恋心を、花のような貴女に抱いてしまってからは、 [続きを読む]
  • 面影さがし
  •   それ以降、霞草さんに会う機会はなく、話すこともなかった。感性に魅かれるひとだったから、霞草さんともっといろんな話をしてみたかった。それが今の一番正直な気持ち。 幸いなことに、私は霞草さんのことをよく知らない。深く知りすぎる前に距離を置けて、よかったんじゃないか。もっと親しくなれば、忘れられなくなるかもしれない。また、忘れられないような傷を相手に与えてしまったかもしれない。そんな…思い上がり…で [続きを読む]
  • 知魚楽
  •  「わかるよ」という言葉が人を傷つけると知って以来、おとなになった人たちは諦めてしまっていたのかもしれない。人と人とは、根本的なところでわかりあえないのだと。 経験に裏打ちされた、ものの見方。傷つかないように身に着ける心のしなやかさと、変わらない淡い感性。失ってきたもの、受け取ってきたもので変容する価値観。抱く夢を投影する、現在への意志。過去の思い出し方と、意味の与え方。他人のことをどうしてわかる [続きを読む]
  • 偶然には任せたくない
  •  偶然に会うと、霞草さんは楽しそうに話してくれる。時間が許せばもっと話したそう、でも時間がない。そして偶然まかせだとなかなか会えない。なので、こんどお時間があるときにごはんとか行きませんか、と誘ってみた。軽い気持ちで誘いました的な感じを出して。気が向かれたらご連絡ください、と。1.5日後にお返事くる。前からの他の人達との飲みの約束も果たせずにいるくらい忙しくて、しばらくは無理そう、とのこと。なんか謝 [続きを読む]
  • さんざん
  •   先週あたりから、本業では、念入りにチェックして出した報告書に重大な見落としがあったことがわかり。バイトでは、早期に見つけられたはずの問題点を拾いそこねて。あげく今日は、昔からの友人と話しているときに唐突に真季さんの近況を知らされ。聞き流せばよかったのに、つい真季さんからの連絡がほしいことをこぼしてしまい。自己嫌悪。 もう、さんざんだ。ばかじゃないの。こちらから何度も連絡入れてだめだったんだから [続きを読む]
  • 友人
  •   その友人は私の後輩で、真季さんの親友。(むかし真季さんと知り合ったのも、その友人を介した出会いだった、そういえば。)そのことと関係なく、友人として仲良くしていきたいと思っている。真季さんと疎遠になってからも、その友人と話すときには真季さんのことは口にしないようにしていた。なんかこう、真季さんのことでその友人を利用するようなことは絶対にしたくなかった。逆に、真季さんへの苛立ちからその友人へつらく [続きを読む]
  • 風をつくる
  •  会えずじまいだった。後姿をみたような気がしたけれどいつかのように駆けていった。 いつか、いつか言いましたね。旅びとって詩の言葉を。  "人は風になりたがる  なれないので 風に吹かれたがる  風がないと  じぶんで走って 風をつくる…" 黙っていたけれど、あのとき あなたのことを考えていたんですよ。信号が点滅する。もうよしなさい、諦めなさい。霞草さんは、他人から褒められると畏縮する。「そんな、私な [続きを読む]
  • 懐かしい感覚
  • 不思議な夢をみた。真季さんの夢をみるのは久しぶりだった。夢のなかで真季さんと穏やかに話すのも。なんということなく話しかけ、屈託なく答えが返ってくる。相手がそこにいることも、自分がここにいることも、ふたりでいることに何の疑問を抱くことなく。平穏だった、在りし日のように。気心の知れた、信頼し合っている。目が覚めて、不思議な夢を見たと思った。真季さんにずっと訊きたいと思っていた、音信不通だった数年間や今 [続きを読む]
  • 思うだけは自由
  •  小さくてかわいい、色とりどりのチョコ。凛としたトリュフ。JACK DANIEL'S のチョコバーは包装がかっこいい。Canadian Club や Ballantine のウイスキーボンボンはないんだろうか。そもそも相手のウイスキーの好みは知らない。ワインやビールは飲むらしい。チョコビール…は冷蔵保存だから渡しづらいな。 チョコレートリキュールは、ありかもしれない。MOZART は名前がちょっと狙いすぎだから、味に定評のあるGODIVA のリキュー [続きを読む]
  • 意味と姿勢
  •  世界の美しさ、と霞草さんが表現するものを感じてみたかった。同じ景色を見たとはいえない。しかし、確かに心を動かされ、言葉が思いつかないほどだった。感動を感動のままに伝えた。話の中で、霞草さんは涙についても触れた。なるほど、そういうことだったのか、とわかったような気がしたけれど、正直わかったとはいえない気がする。情動や感性のちがい、自分と似ていないから気になるんだろうか、と考えた。未知なもの、謎は魅 [続きを読む]
  • 心待ちにしていた午後
  •  心待ちにしていた午後。 楽器に添えられる手。静寂のうちに待つ。予感はあっという間に旋律に絡めとられる。 霞草さんは音を奏でながら、生み出される音楽に聴き入っている。道を駆けながら、過ぎ行く景色に身をゆだねるようだ。音楽のなにひとつも逃すまいとする彼女の真剣な眼差し。馴染みのリズムに乗ってかすかに肩を揺らしながら浮かべる笑みに、わたしも思わず微笑する。はじめてのような幸せが満ちてくる。そして最終楽 [続きを読む]
  • ブレーキ
  •  長いこと失恋ばかりしてきたせいで、感情の行く末がおそろしい。だったら報われない片想いなんてしなきゃいいということなんだけど、好きになってしまう相手は選べない。霞草さんのことも、こんなに好きになってしまうはずじゃなかった…。自分よりだいぶ人生経験が長いようだし、一般的にいう美人とは違う感じだし(いまや私の目にはとっても美人に映るんですけどね笑)、性格は優しいけれど決して完全無欠ではなく、それなりに [続きを読む]