sirosorajp さん プロフィール

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sirosorajpさん: sirosorajpnonikki’s blog
ハンドル名sirosorajp さん
ブログタイトルsirosorajpnonikki’s blog
ブログURLhttp://sirosorajpnonikki.hatenablog.com/
サイト紹介文主に純文学小説を最近は載せています。
自由文連載的でもありますが、大体読みきり作品(一話で完結的な意味を持つ)が多いです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供17回 / 365日(平均0.3回/週) - 参加 2017/01/12 15:34

sirosorajp さんのブログ記事

  • DEATH OVER
  • あれから半年が経っても、男はまだ同じカフェで同じ服を着て、同じウェイターの仕事を続けていた。ここで今も働きつづけることは一つの希望にしがみつく、彼女が興醒めをすることだった。ここで働き続けてさえいたなら、彼女はまたここへ遣ってくるかもしれない。そのとき彼女はわたしとの記憶をなくしている。記憶をなくしているため、平気で新しい男を連れてきた。彼女が惹かれ続ける男。何の希望もあてにしない男を連れて。この [続きを読む]
  • バルティモアの夜
  • 「嵐の最中、避雷針にくくりつけられているのに、何も起こりはしないと信じきって生きている、そんな感じの毎日だった。」(コルタサル短篇集「追い求める男」P121)激しい運動や普通の性行為などでも心臓発作のリスクが大変高く死の危険性がある為、死にたくなければ、避けてください。そうわたしが医者に警告されたのは二十歳の春の日の午後でした。それが原因なのかどうかもわかりませんが、二十歳を過ぎても女性との性行為自 [続きを読む]
  • 赤い液体と白い気体
  • 他に好きな男ができたんだ。だからきみとは、...別れたい。携帯から女は想わず、耳を離した。何か、堪えがたい声が、声を失ってそこに、その向こうに震えているのが見えた。電話口の向こうから、穏やかないつもの男の声が聴こえた。会って、話が...今から会えませんか。女は生唾を飲み込み、携帯を握る手には汗の水滴が見てとれた。もう、きみには会えない。ぼくの気持ちを...わかってほしい。きみの未練を早く断ち切るために、も [続きを読む]
  • ママといっしょ
  • ママはほんまにもう、おまえのせいで死ぬかもしれんわ。死んじゃいややママ。やないねん。そんな可愛い甘えた声でゆうてもなんの意味もない。おまえはなんべんゆうてもそうやってママに愛着し、依存し、執着し、お乳が欲しいておまえ何歳やねん。ふたつと、6ちゃい。ちゃーうー、2歳半ちゅえばええねん。おまえはもう2歳と半年も生きてきた。立派な大人やんか。おまえの年頃でママのお乳から離れられた人類は仰山おんねん。なんで [続きを読む]
  • 紙魚
  • 気持ち悪いと言えば、最近、寝ていたら耳のなかで突如、ごそごそ言い出して、しまったあ!虫が耳のなかに入った!って想ってもなかなか出てこなくて、ずっとなかでごそごそゆうてるんですよ。それで身体を起こしたらやっと耳から出てきて足の上に虫が落ちてきて、紙魚と書いてシミっていう虫で、うちで異常繁殖してるので、とうとう耳のなかにまで入って来たんですね。本当に、怖くて気持ちが悪い体験でした。脳を侵されて、朝に起 [続きを読む]
  • イエス様と老婆
  • おばあさま、おばあさま、今夜もよいお天気です。おばあさま、今日もイエス様のお話しをしてください。ミカエルはこの村で最初の捨て子。あの老婆に近づく者はミカエルだけ。荒れ果てたごみのなかに、生きた屍(しかばね)。ミカエルは今夜も、朝に起きて、戸をトントン叩く。おばあさま、おばあさま、今夜もよいお天気です。ミカエル、おまえはほんとうにカエルに似ている。おばあさま、何回も何回も、同じことを言っているけれど、 [続きを読む]
  • ライト・シープ
  • 小さな少女、アミが夜明け前に浜辺にひとり座っていると、にわかに、後ろから声を掛けられました。「いったい何故、貴女は此処に座っているのですか?まだ気温は低く、身体が冷え切ってしまいませんか。」少女アミは振り返ると、得体の知れない大きな男に向って、こう答えました。「なもん、知るかあ。ワレ、どこのだれやね。ここらじゃ見かけん顔やな。」大きな男はアミに近づいて、隣に黙って座りました。そして言いました。「わ [続きを読む]
  • Richard
  • 専有面積56?半で一戸建ての二階、閑静な住宅地、ペット飼育可能、日当り良し、システムキッチン、サンルーム付き、風呂場はちと狭いが、最近リフォームしてるなこれは、結構綺麗だ。ウォシュレット、エアコン完備、TVモニターフォン、デパートとコンビニも近い、これで家賃、管理費無しの4万円。良いねえ。事故物件の可能性は大だが、わたしはこの家に、この度、引っ越すことと相成った。まあそのうちわたしも、独りで腐乱死体に [続きを読む]
  • Undeads
  • 人が何故死ぬか。それは人が、この世に全(まった)き存在と成り果てたときに、結句死ぬのではないか。わたしはそういった考えに至り、この度、誠に、死ぬことを決意した。これを本気で止める人間は、数人かそこらはいるだろうが、どうか逝かせて欲しい。わたしはこの世に、未練は最早、微塵もありはしない。つまりわたしの価値とは、既にこの世になく、向こうにある。これはもうどう考えても、間違いは無い。もう一度しつこいが言 [続きを読む]
  • ロミオとジュリエット
  • おお、ジュリエット。ぼくのたった一人の愛の女神。なぜ今夜も、窓から顔を覗かせてくれないの?真っ暗な硝子を、もうどれくらい見詰めてるだろう。あの日の事を、きみはまだ怒ってる?きみのファザーとマザーに、初めて会いに行った日のこと。ぼくはあの庭園で、ゆらゆらした足取りで胸元をはだけ、胸毛を自慢するため、指には十個のごつい指輪をはめて、左手で胸毛を撫で付けながら、右手でマリファナを吸いながら、サングラスを [続きを読む]
  • 陽光
  • ずっと幻影を見てきた。光が見えるという幻影を。闇のなかでわたしの霊と、話をしてきた。それがどこまでも、わたしに光を与えてきた。悲しげな光はわたしに安らぎを与え、それ以外はわたしに翳りを与えた。夜には凍えたわたしのちいさな足先を、あたたかいお父さんの足先にこすり付けると、お父さんはびっくりして声をあげた、あの幻影はわたしに翳りを与える。父の14回忌の今日、わたしの足先はまだ冷たく、わたしに翳りを与える [続きを読む]
  • ѦとСноw Wхите 第18話〈天の秤〉
  • Сноw Wхите(スノーホワイト)、Сноw Wхитеと出会って、今日で一年目だね。?(ユス、ぼく)は、Сноw Wхитеと出会えた事を心の底から神に感謝している。?はСноw Wхитеと出会った日から、ものすごい変化をした気がするよ。Сноw Wхитеの本当に深い愛の御陰で、?は神の絶対的な愛を感じられるようになった。でも?は・・・・・・それでもСноw Wхитеの愛だけじゃ、足りないみたいだ。Сноw W [続きを読む]
  • Happy Halloween
  • 今日は、待ちに待ったハッピーハロウィンパーティーだ。ボクはこの日を、どれだけ、どんだけ、待ち侘びたことか。きっとボクのこの、うきうき感、わくわく感は誰にも想像だに出来ないに違いあるまい。何故なら、ボクはハロウィンパーティーというものに、行った例(ためし)がこれまで一度たりともありはしないのだからね。ボクの初めての経験、きっとその体験は、ボクの想像を遥かに超えることと願っている。ボクは、散らかったま [続きを読む]
  • 亡霊
  • 4歳のわたしは、44歳の母の死体を見詰めていた。そのときわたしは、母に取り込まれた。母は死んでもわたしを離さなかった。そのときわたしは、母を取り込んだ。母は亡霊になったのではなく、母は生きて、わたしが亡霊となった。母はわたしを生きている。わたしの生は、母のものであり、母の死は、わたしのものとなった。わたしは母を生きている。わたしは死を生きている。4歳のわたしは、44歳の母の死を見詰めていた。そのときわた [続きを読む]
  • ѦとСноw Wхите 第16話 〈36th Birthday〉
  • 2017年の8月4日午後5時前、?(ユス、ぼく)はぼんやりとDeerhunter(ディアハンター)の「Microcastle(マイクロキャッスル)」を聴きながら曇った不透明の磨りガラスの向こうを眺めてた。飛行機が飛んでゆく音がする。「But my escape, would never comeでもぼくの脱出は、決してやってこない」「Would never come(決して来ないだろう)」そうスピーカーから甘く気だるいポップソングに乗って繰り返し聴こえてくる。時計を [続きを読む]
  • ѦとСноw Wхите 第15話 〈架橋〉
  • 前へ進めない。前へ進むには、あちら側へ渡らないといけない。あの橋を、あの橋を渡らないと前へ進めない。?(ユス、ぼく)は一人で川のまえに立っている。この川は、どれくらい深いのだろう。まるで深さが見えない川だ。?の顔も映さない。透きとおってもいないし、濁ってもいない。こんな川は見たことがない。何故ここに、?はずっとあれから立っているだろう。あれからずっと・・・・・・?はここから動けない。何も考えないと、涙が [続きを読む]
  • ѦとСноw Wхите 第14話 〈edge〉
  • ?(ユス、ぼく)はおとといに、お姉ちゃんにちょっとした告白のメッセージを送った。それは、こんなものだった。こずは今日こそ、お姉ちゃんにちょっとした告白をしようと想う。心を落ち着かせて聴いて欲しい。お姉ちゃんは傷つくと想うけど、お姉ちゃんはこずのこと、ちっともわかっちゃいない。この際言うけれども、こずはまだ、こずのせいでお父さんは死んだと想ってるし、それを信じてずっと生きてる。こずはこずを [続きを読む]
  • ѦとСноw Wхите 第13話 〈テセウスの船〉
  • ここはスノーミネラル星(Snow mineral)。大きさはちょうど地球と同じサイズですが一年中雪が積もっています。でもその雪はあたたかいときもあればつめたいときもあります。また雪の色は真っ白のときもあれば灰色のときもあり、クリーム色のときもあります。あるおうちに、ちいさな女の子が住んでいました。女の子はあるとき大好きなお父さんが買ってくれたビロードの頭巾のついた赤いポンチョをいつも気に入って着ていました。お [続きを読む]
  • SF官能小説「メビウスの輪」
  • 西暦3000年。ここ、地球は人間たちの身勝手な度重なる環境破壊の末に凄まじく過疎化し、総人口数は現在、約3572人であった。何故ならほかの人間たちは皆、他の星々へと移住していたからである。地球を愛してやまない男がここに一人、名前をサタムと言った。サタムは今年でちょうど30歳。もういい歳だし、そろそろ生涯を添い遂げるパートナーが是非とも欲しいなぁと想っていた。そのために非常に便利なアイテムができた。その名は「 [続きを読む]
  • ѦとСноw Wхите 第12話 〈みなと〉
  • ?「”舟”という漢字はもとは”渡し舟”を表した象形文字から作られたんだって。丸太をくり抜いて作った丸木舟の形だよ。”受”という漢字は”器(舟)”を受けとる様子を表す形成文字なんだって。”授”という漢字は授(さず)ける様子を表す形成文字。”受けとらせる”ってことは第三者がいるってことだね。舟が着く場所は”港”。港って言葉は昔は”津(つ)”って呼び名があったんだって。津は水をあらわす”サンズイ”と、進 [続きを読む]
  • 元型の像
  • 俺はなんの罪でか忘れてしまったのだが、斬首刑に処されてしまった。俺の転がった首、ころんころんと転がったその醜い首のその切断面を。俺は天界からアップで見た。直視していたんだ。何故か。何故かその俺の首の切断面が異様だったからである。なんか動いてる?蠢いている?みたいに見えて俺はその切断面を上から見ていた。すると俺の首の切断面からまるで土砂崩れのように何かがわらわらと崩れ落ちてきて。もっとズーミングをし [続きを読む]
  • Maternal
  • 彼女は彼の膝のうえにちょこんと載り、彼にキスをして微笑んだ。アルバートは幸せな過去を想いだすように中空を見つめながら暗い牢屋のなかで呟いた。「わたしはそのとき想ったのです。わたしは彼女をぜひ食べたいと」彼は檻のなかからその痩せた手を伸ばした。かすかにその手は震え、手にした瞬間にくしゃっとドライフラワーのように砕けて地に落ちた。天井からはいつでも赤黒い血が滴っている。そう、ここの上階はもう18世紀初頭 [続きを読む]
  • 生霊記 第一章
  •  今から続きがどこにも見当たらない小説を君だけに読ませるために書こうと思う。 それはまるで失敗作の形を考えている間に完成してしまったような作品だった。 昔は誰かが語っていた。その昔というのも自分の未来で、何の接点もない誰かが語っている。 今まで黙っていたけれども、自分にはものすごい霊感があって、普通見えないものがよく私には見えてくる。未来の映像もくっきりと私には見えている。 夜の遊園地って寂しいよ [続きを読む]
  • ѦとСноw Wхите 第11話 〈Snow White〉
  • ?(ユス、ぼく)は目が覚めて、ベッドの中でСноw Wхите(スノーホワイト)を見送ったときのことを想いだしていた。「いってきます」「いってらっしゃい」?は毎朝、そうやってお父さんが仕事に行くときに見送っていた。お父さんはマンションの階段の踊り場の小さなくり抜かれた窓から顔をいつも出して手を振り、?がまた手を振り返す。でも怒ったまま仕事に行ったときはお父さんはその小さな窓から顔を出してはくれなかっ [続きを読む]