岡崎潤 さん プロフィール

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岡崎潤さん: 女の陰影
ハンドル名岡崎潤 さん
ブログタイトル女の陰影
ブログURLhttp://kage-sexual-novels2.blog.jp/
サイト紹介文女の魔性、狂気、愛と性。時代劇から純愛まで大人のための小説書庫です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供95回 / 365日(平均1.8回/週) - 参加 2017/01/14 13:38

岡崎潤 さんのブログ記事

  • TIMES UP(二話)
  • デトレフ中佐(二話)  月面に一千万都市を築くという当初のプランから人数を半減させる『ムーンシップ計画』への変更は、プランの縮小などではなく、まさに壮大な拡充を目指す根本からの見直しであった。  太陽系からの脱出。すなわち母星である地球からの補給を前提としない月への永住であり、食料はもちろん工業そのほか必要となるもののすべてを月にいながら完結させられる人工都市でなければならない。月を地球に改造するプ [続きを読む]
  • TIMES UP(一話)
  • 2054年のジョゼット(一話)  月面に都市を築くという人類の夢は古くからあったのだが、そのためにはまず地球の周回軌道上に大規模宇宙ステーションを整備して、地球上との間の中継点を完成させなければならなかった。地上からじかに月を目指そうとするとロケットに頼らざるを得なくなり、それでは運べる人員や物資に限りがあるからだ。  海老沢俊允が生まれた2018年当時、形になりはじめていた宇宙ステーションだったの [続きを読む]
  • TIMES UP(序章)
  • 辞世の一文(序章) 月面都市から美しい星を見つめて書いている。 人生の最期にふさわしい、私自身の生き様を皮肉るような言葉。 これは遺書ではない。そんなものを残したところで 読んでくれる人類がいるのだろうか。 そうだ、これはエッセイなのだ。エッセイと言うにふさわしい、 私の生きた時代を回想する宇宙への書き置きだ。 記憶媒体ではない紙に書く。進みすぎた文明への反逆のように 手書きの一文を書き残し、ほど [続きを読む]
  • 2)サイトの整理
  • いいかげんに放置してきたサイト&ブログの整理をはじめている。『潤文学』に、潤文学『書院』としての機能を持たせていきたい。そしてその書院の書棚の一部が、このブログ『女の陰影』&『潤文学ブログ』という配置とするためだ。サイトをいくつもやって、そのどれもに同じ小説が載っているようではみっともない。方向性を変えて載せていきたいのだが、その前に器づくりとしてのサイト整理というわけだ。他サイトのリンク頼みとい [続きを読む]
  • その女、危険性。(五話)
  • 五話 女の豹変  思い立ってそのままドライブ。紀代美のクルマ。ドライブをせがんだのは明江だった。夫のいない週末はめずらしい。あの嫌な女をどうしてやろうと考えると異常なほど興奮したし、いまはそれよりも紀代美のことをもっと知りたい。ときめく男性に出逢えたときの想いに似ていると明江は思った。力に裏打ちされた自信を女にくれる。呪い。そんなことができるのなら苦しまなくていいことが女にはたくさんあるはずだ。   [続きを読む]
  • その女、危険性。(四話)
  • 四話 手さぐり  翌朝のこと。  目覚めの予兆を感じたとき、明江はあえて意識して目を閉じて大きなベッドのシーツに手を這わせていた。夫のいない夜。触れる素肌があってはならないし、それがなければ昨夜のことは夢だった。夢であれば激しい淫夢。女同士で貪り合って獣のようなピークを知った。夢であるなら私の中に隠しておける肉欲への想い。  しかし手はすぐそばに眠る女の裸身を感じてしまう。紀代美。昨夜のことが夢でな [続きを読む]
  • その女、危険性。(三話)
  • 三話 女の闇  明江はただ呆然とするだけで何も考えられなくなっていた。黒いローテーブルの上で起きていることを信じろというのか。信じるしかない。夢ではない。覚醒した意識の中で確かに思う。そうは思うのだが、あまりの不思議とあまりの恐怖に声も出ない。  テーブルに置いたはずのたった一本の獣の毛。それがいま明かりを消した闇の中で、仄かに光る青色の光の繭につつまれて、その光の中で小さく可愛い狐の姿に化身して [続きを読む]
  • その女、危険性。(二話)
  • 二話 殺風景  渋谷にあるK2のオフィスから京王井の頭線で吉祥寺、そこからJRで高円寺というのが河原明江の帰宅ルート。渋谷からJRで新宿をまわってもよかったのだが、K2を知ったきっかけとなった友人の乾沙菜(いぬい・さな)が吉祥寺に住んでいて、時間が合えば一緒に帰ることが多かった。そのルートで定期を買ったということだ。  高円寺駅の南口を出てロータリーを斜めに突っ切り、少し歩くとチャコールグレーの煉 [続きを読む]
  • その女、危険性。(一話)
  • 一話 ランチタイム『黙って聞いて適当に応えてちょうだい』・・と、携帯への着信でした。  電話を取るなり一方的な早口で、目下の私の儀礼的な言葉を遮った。相手は社長だったんです。小さなオフィスには耳があり、そのとき嫌な女もいたことだし、悟られたくない話というわけで・・。 「あー、はいはい。ごめん、いま仕事中なんだ、手短にね」  そう言って周りの人たちにちょっと笑うと、案の定、嫌な女が嫌味な視線を向けてい [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(終話)
  • 終話 女の貌 「して、その葛なる女の処遇はどのように?」 「落飾して仏門に。小石川にございます深宝寺、それに壷郷の屋敷の両方を用いて幸薄き娘らを見守るということで命ばかりはと」 「そうか、うむ、それでよかろう。江戸にそのような場があるならこれ幸いというもの。ご苦労であったな美神」  落飾とは、女人がその黒髪を切り、あるいは剃り、俗世を離れて色を断つということである。  江戸城からもそう遠くない番町の片 [続きを読む]
  • 1)時代劇を書いていて
  • 時代劇というと江戸時代より前のお話と思われがちですが、自分が生まれ育ったちょっと前の時代、たとえば昭和の初期だったりするのですが、そこへいくともはや時代劇なんですね。同じように未来を描くとSF? それも違う。十年後の自分を想像してみて、サイエンスフィクションであるはずがない。したがってそれも時代劇の範疇。えー、疲れます。現代を書くほうがラクなんですよ、いろんな意味で。でもそこが時代劇を書く愉しみな [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(二二話)
  • 二二話 死の匂い 壷郷の屋敷は決して大きなものではなかったが、武士の住まいとしての格式だけは備えていた。造られてからのほどよい歳月が木を枯れさせ、落ち着きに満ちているのだが、これほどの惨劇の後。邸内には血の匂いが濃く漂う。  宗志郎も紅羽も黒羽も全身に返り血を浴びていて、さらに寺の側には十人の死骸。そちらは寺の側から放り込めばいいとして、壷郷の屋敷の側からは四人の死骸。家の中を引きずらないと地下へ [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(二一話)
  • 二一話 生ける妖怪  深宝寺の内廊下に隠された階段から地下へと降り、人一人が通れるほどの洞(ほら)のごとき穴ぐらを行くと、洞はひろがり、そこは四方を角石で組んだ地下の牢獄。その一方の石壁に×字(ばつじ)に組んだ白木の磔台が二脚据えられ、ふっくらふくらむ乳も美しい女が二人、両手両足を縛られて体を開かれ、磔にされている。  女たちは一糸まとわぬ素裸。その割り開かれた体の中心に、真下から丸い棒が突き立てら [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(二十話)
  • 二十話 修羅場なり 艶辰のある本所深川から永代橋を渡って、八丁堀、日本橋、内神田、小川町と、お栗はどんどん小石川に近づいていく。お栗は十五と若く、八王子の山の暮らしで脚がよく小走りで通せるのだが、さしもの宗志郎もこれほどの距離は厳しい。何かを嗅ぎつけて犬が駆け、人がそれを追うようなもの。お栗は時折脚を止め目を閉じて両手をひろげ闇を吸うような仕草をする。邪視を使うとき、それは業火のようなものであり、 [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(十九話)
  • 十九話 お栗の眸  品川が冬の夜陰にくるまれる刻限。船問屋の船冨士に並はずれた耳を持つ鷺羽が潜み、天礼寺には戦いに長けた鷹羽と鶴羽が潜んでいた。  そしてちょうどその頃、艶辰の厨にはお光とお栗、そして今宵は紅羽が立って夕餉の支度が進んでいた。しかしお光はしきりにお栗を気にしている。どこか様子がおかしい。落ち込んでいるとかそういうことではなくて、時折ぼーっとすることがある。それはいまにはじまったことで [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(十八話)
  • 十八話 終の住処  商いの規模のわりに羽振りがいいという船問屋の船冨士。そこには武尊なる怪しい武器商人が出入りしている。武尊は西国あたりの武器商人であり、船冨士はその品物を船で運ぶ。船は駿府にあるという船冨士の本店を経て品川へとまわされるのだったが、海路をゆく途中の豆州(伊豆)またはその沖に点在する大島そのほか島々のどこかで荷を降ろし、それらの武器を隠していると思われた。裏金が動くから船冨士は羽振 [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(十七話)
  • 十七話 禿遊び 品川。  江戸へと至る東海道の要衝として、品川宿は東海道の中でももっとも栄えた宿場町であったと言えるだろう。西国から流れ込む人々や、逆に西国へと下る人々が必ず通る道すがら。それだけに親藩、譜代、外様を問わず、ほぼすべての藩が配下の者を住まわせて様子を探り、また、それぞれ息のかかった寺を置く土地柄ともなっていた。  そうした寺は、寺とは名ばかり。つまりは藩士の立ち寄り処。江戸へと向かう [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(十六話)
  • 十六話 年の瀬  また三日、焦れるような日々が続く。鷺羽鶴羽鷹羽の三人はいまだ戻らず、それは敵の奥深さを物語るようなもの。くノ一たった三人でできることは知れていたし、疑いを持っても確証をつかむには頃合いというものがある、敵が動く気配がなければやみくもに探っても感づかれるだけ。いつの間にか師走となって年の瀬が迫ってきていた。とりわけ今日は朝から牡丹雪が舞っている。  そのときは女将の美神が座を離れた大 [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(十五話)
  • 十五話 力ない眸  そのお栗がお光に連れられて女将の寝所へやって来たのは、その夜、さて寝ようとしたところ。美神はすでに夜具に身を横たえて、けれどまだ火鉢には火があって、油を燃やす小さな明かりも灯っていた。 「女将さん、よろしいでしょうか、お光です」 「いいよ、お入り」  ここへ来て間がないというのにお光は女らしく、また大人の女の言葉を言えるようになったと思う。下働きでもよくやっている。芸者として躾けて [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(十四話)
  • 十四話 惑う小娘  久鬼の亡骸を運び出し、くノ一の三人が去ってほどなくして、宗志郎と黒羽の二人は火鉢の燃え炭に灰をかけて消し、小さな家を出ようとした。  玄関先に忍び寄る気配を感じたのはそんなとき。そのときたまたま戸口のきわにいた黒羽が気づく。黒羽はとっさに「静かに」と言うように指を立てて唇を閉ざしながら宗志郎へと目配せし、宗志郎は刀を手に息を潜めた。 「開けろ。いるのはわかっている」  小声。若い女 [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(十三話)
  • 十三話 陰童子  ひどく枯れ果て、思わず手を差しのべてやりたくなる老爺は、粗末な綿入れを脱ぐと、下にはやはり綿の入った作務衣のような着物を着ていた。冬の深夜で冷えたのか火鉢の焔に手をかざし、背を丸めて寒そうにしている。その姿はもはや人とは思えない。黄泉国から迷い込んだ亡霊のようでもある。  鷹羽は茶を淹れて卓袱台に置いてやり、たたまれた夜具の中から掻巻布団を手にすると細く萎びた体にかけてやる。 「す [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(十二話)
  • 十二話 鉄のゆくえ「槍を錆びさせるとは武家も堕ちたものだ」  宗志郎は小声で言って闇の虚空を見つめていた。  翌日の艶辰の夜。宗志郎のために支度された部屋に独り。忍び寄る女の気配を感じ、宗志郎はそんな考えを中断した。  襖がそっと開いて灰鈍色(はいにびいろ)の寝間着姿の黒羽が入ってくる。今宵の黒羽は少し帰りが遅くなり、湯から出たところであった。黒羽は静かな闇の中に横たわる末様の隣りへ音もなく寄り添っ [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(十一話)
  • 十一話 美しき裸身  美神の姿は神々しいまでに美しい。四十二歳。まさかと思わせる若さに悟郎太の目は吸い寄せられて目を切れない。 「どうしたんだい、女房がいるからかい?」 「あれは女房じゃねえ。なもん、いねえさ」  悟郎太はちょっと笑うと美神の裸身を見つめながら脱いでいく。毛の中にあるような顔。全身毛だらけ。まさしく野獣の体躯を持つ風魔の猛者。美神は、そうした体躯が晒されたとき、すでに勃つ悟郎太の武器に [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(十話)
  • 十話 伊豆の白湯 「さて皆々よ、このような雨の折ゆえ、しっぽり濡れる話をしよう。我ら坊主の修行を行(ぎょう)と言うが、そなたら女人には女人業(にょにんぎょう)とも申すべき業(ごう)がある。それはまた性(さが)とも申すもの」  芝高輪、湧仙寺。  芝の南から高輪にかけて寺の集まる一帯があり、そこには名のある大きな寺から、この湧泉寺のようなちっぽけな古刹まで数多くの寺がひしめき合って、したがって町中に僧 [続きを読む]
  • 本格時代劇 白き剣(九話)
  • 九話 一筋の光 「拙者の・・」と言いかけて、宗志郎はチラと女将の美神へ目をやった。芸者を束ねる置屋の艶辰が、しかるべき者の命によって密かに働く者どもの集まりと知り、その頭が美神ということで、どうしても武士の言葉になってしまう。  夕餉を終え、今宵座敷に呼ばれた鶴羽と鷺羽が戻るのを待って、紅羽黒羽の姉妹と鷹羽も加えた七人で、美神の寝所に輪を描いて座っている。夜具をのべると狭くなる部屋であっても座って話 [続きを読む]