せん さん プロフィール

  •  
せんさん: あの犬この猫そこの馬
ハンドル名せん さん
ブログタイトルあの犬この猫そこの馬
ブログURLhttp://sen10944.hatenablog.com/
サイト紹介文自然観察と連想の日誌。犬、猫、馬はもちろん、動物や植物など。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供42回 / 179日(平均1.6回/週) - 参加 2017/02/09 16:48

せん さんのブログ記事

  • 朝日が差し込む空の行方
  • ここでしばらく文章を書いていたことが、そのまま創作意欲につながってしまった。一旦始めてしまえば、言葉を紡ぐことの難しさに改めて頭を悩まされ、必死になって頭の中の語彙をかき集めているうちに、気づけば一週間も経っていた。暑くて日差しの強い日が続いている。変に文章を書くスイッチが入ってしまった私は、予定のある時以外、人と会うこともなく家にこもっていることが多かった。それでも、早朝には出歩いていた。私の [続きを読む]
  • 雪が降り、葉っぱの色素を抽出した日
  • もう数年前のことだというのだから、時間の流れは信じられない。冬の、生物の実験だった。夕方6時から始まる授業だったため、この科目を選んでいる生徒は少なかった。総勢6人の小さなクラスだったのだ。ほうれん草の葉をすりつぶして、それぞれの色素を分離させるだけの簡単な作業。みんな、手元に集中するよりも、雑談に花を咲かせていた。その上、この日は、その街では珍しく雪が降った日だった。雪の降る夜、少人数で、 [続きを読む]
  • 黒猫と織りなす早朝のひととき
  • 今週のお題「星に願いを」近所の猫が、ときおり窓の外を通っていく。なかなか猫をさわる機会のない私は、慌てて呼び止める。急いで玄関の外に出て、怪訝そうに待っていてくれた猫と対面する。しゃがみこむ。手を差し出せば、猫はおそるおそる近づいてくる。完全には信用されていないのか、わざわざ大回りして、私の背後から歩み寄ってくる。私もなるべく目で追わないように、その場に佇む。猫はそっと手の先の匂いを嗅ぎ、何も [続きを読む]
  • 厄介な怠慢にはヒノキゴケを少々
  • 水平に伸びた太い枝の上。はじめは、灰色のぽこぽこしたものが何か、よくわからなかった。石か、キノコか、はたまた新種の生物か。指で触ってみれば、硬く、少し爪を立ててみれば、やんわりと食い込んだ。なんのことはない、ただの木のコブだった。その枝に、コケが共生しているのはわかる。窪みに土と、何かのタネと、枯れた松の葉がのっかっているのも見える。けれど、なんという種類のコケが、なぜその木を選んだのかは [続きを読む]
  • 空に泳ぐクジラ雲を眺めながら
  • 空にクジラが現れた。そんな話が小学校の教科書に載っていなかっただろうか。確か、1年生の国語の教科書の、序盤か中盤あたりに。あのお話を教室で音読してから、何年が経っただろう。あの頃から、時間も場所も遠く離れてしまった今、空にくじらぐもを見つける。(背びれと胸びれが見当たらないので、どちらかというとシャケっぽいかもしれない)どこを向いても青い空しか見えない快晴の中、この雲だけが低空飛行している [続きを読む]
  • 二度会うのは青いトンボ
  • 綺麗、を多用しすぎるとそこに込めたい言葉の重みがなくなってしまう気がするのだけど、私の絶望的な語彙の中では他に言い表しようがないので、やっぱり「綺麗」と言うことにする。生き物、とりわけ昆虫のもつ青色は、目に毒なほど深く鮮やかで、その上、共感を求めない高貴さがある、とふと思う。私が虫たちの見事な青をどう思おうが、彼らには関係ないのだ。その青色を私が認識したところで、どこかの本能が刺激されて、その [続きを読む]
  • 自由に駆られ、馬、草原に駆ける
  • 毎夏、市内じゅうの馬が集められ、解き放たれる高原がある。だいたい5月から10月の間、馬たちは半野生的な自由を手に入れるのだ。高原に連れてこられ、馬運車から降ろされ、手綱を外され、もう行っていいよと人間が一歩下がる。すると、去年の高原の記憶が一気に蘇ったか、尻尾をあげて全力疾走していくのだ。ひろいひろい草地という名の「自由」を自覚して、冬の間に溜め込まれていた感情が爆発し、全身の震えをエネルギーに [続きを読む]
  • 猫気温計を考える -寝相と気温の科学-
  • 科学とは名ばかりで。きっと一年通して猫を見ている人ならとても当たり前の話なのかもしれない。それでも私史上、半々世紀の大発見なので、ここに記す。猫の寝相は気温の上昇とともにダイナミックになっていく。温度に比例して無防備になっていく彼らの寝姿は、意外とわかりやすい指標になっている。仮説の証明に協力してもらうのは例の黒猫。いつもの買い物帰りの道端で。【13℃】きっと外で寝るか室内にいるかのギリギリラ [続きを読む]
  • 舞い上がっているのは心か影か
  • この前の休日、可愛らしい街路樹の影を見つけた。少なくとも、その時はそう思ったのだ。目に映る景色というのは、その日の気分によってずいぶんと変わるもので。それはもう、文字通りに一変するのだから面白い。空腹のまま歩けば、緑や赤や白なんかが鮮やかに見えるし、コーヒーを飲みすぎると、光と影の濃淡が妙にくっきりと目に映る。寝不足のときは、日差しが憎らしいほど肌に突き刺さるのを感じるし、悲劇を描いた映画に [続きを読む]
  • 早朝の森で枯れ葉はさかのぼっていく
  • その森にはナニカが住んでいる。雨が降った次の日の早朝。久しぶりの日差しに気を良くしたナニカは、木々の少ない、少しひらけた場所まで出てきて、あたりを見回す。ナニカは遊びたくてうずうずしていた。強風でふるい落とされたマツボックリを一つ手に取り、ちょっと考え込む。地面にはたくさんの茶色い落ち葉と茶色いマツボックリ。ナニカはもう少し色が欲しいと思った。それで、枯れ葉を何枚かかき集めて、輪っかに並べ、その [続きを読む]
  • 宇宙樹とサンドイッチと玄米茶
  • 北欧神話に、宇宙樹と呼ばれる巨大なトリネコの木が出てくる。世界樹。ユグドラシル。色々な呼称があるらしいのだけど、私は今のところ「宇宙樹」が一番気に入っている。なんだか、宇宙と聞くだけで、無限の広がりを持っているような響きが見えるのだ。その根ですべての世界をつなぎ、宇宙の秩序を体現していると言われる巨木は、なにも北欧神話だけに出てくる概念ではないらしい。樹木という存在は、いつの時代も、どの場所で [続きを読む]
  • 青い貝殻と海に生きる心
  • 「これは全部ムール貝の殻」この圧倒的な青さはなんだと何個か拾って見せたらそう教えられた。たった一種類の貝殻が浜辺を覆い尽くしている。きめ細かい砂浜も、こういうザラザラゴロゴロした濃い色の浜辺も、ひっくるめて海はいいものだ、と心から言えたらいいのに。「住む場所は海の近くじゃないといけないから」そう言っていた人の言葉が忘れられない。仕事は直接海に関わっているわけではなさそうだった。その人の心の在り [続きを読む]
  • 超短編劇場「猫と人間の不調和なヒマツブシ」
  • 玄関に網戸あり。ハチワレ猫と背の低い人間、登場。いっしょにお辞儀をする。開幕早々に、見事な跳躍を見せる猫。猫、網戸にへばりつきながら「あ、むし!」人間、音に驚いて「なにごと!?」猫、虫を見失い我に返りながら「ツメがひっかかっておりられない!」人間、すこし眉をしかめたあと笑って「あら、まるで向こうの屋根に、ぶら下がっているみたい!」猫、もがいて焦りながら「しまった、後ろ足の支えがない!」人 [続きを読む]
  • 夢うつつは試験官の色彩
  • なんの実験だったか、あまりよく覚えていない。たしか、牛乳、豆乳、スキムミルク、低脂肪乳なんかを、試薬を使って特定するとかいう課題だった気がする。数年前の生物基礎の授業だった。これだけ綺麗な結果が出ていながら、5種類中3つは当てられなかったことだけは覚えている。正解を当てられた2種類のサンプルだって、実験結果を見なくても、見た目と匂いでなんとなく、牛乳か、豆乳か、それとも別のものか、わかってし [続きを読む]
  • マグカップで存在証明する日々
  • 『西の魔女が死んだ』の中で、主人公が大切にしているマグカップの話が出てくる。その部分しか覚えていないくらい、当時の私にとっては「自分専用のお気に入りマグカップ」は憧れだった。それ以来、私のマグカップ探しが始まった。家で使っているものはあったけど、ただ見慣れているだけで、お気に入りとは言えない気がした。もっと、私が自分の直感で選んで、好きな飲み物を自分のために入れたくなるような。そんなものが欲しか [続きを読む]
  • 雨上がりに帰路につくものたち
  • 足で踏みつけそうになってギョッとしたあと、慌てて道の端に避けた。2匹のカタツムリだ。その意味するところは、この歩道にいるカタツムリの数は計り知れない、ということだったりしそうで怖い。その時は2匹しか見当たらなかったので、安心して観察できたのだけど。ちょうど雨上がりで、日が差し込み急激に気温が上がったあとだった。ようやく晴れた、と買い物袋をぶら下げながら、私は大いに喜んでいた。けれど、カタツムリたち [続きを読む]
  • "クマ追い"の遺伝子を継いでいるはずの犬
  • 家族に迎え入れた犬の中では三代目。近所の「クマ追い犬」を親に持つ犬、コマ。「熊追い犬」とは実際に何をした犬なのかあまりわかっていないけれど、きっと名前の通り、里山から民家に近づいてきたクマなんかを追い払う役割をしていたんじゃないかと思う。そんな仕事を務めてきた犬のもとに生まれたのが、コマらしい。といっても、生まれながらにその能力があるというわけでもなく。当時飼っていたシベ犬が亡くなり、そのあ [続きを読む]
  • 森に飲み込まれた神社は幻をみせる
  • 神社の魅力はなんだろう。昔住んでいた家の近くの山奥に、小さな神社があった。朽ちかけた鳥居が何個も連なって、斜面に張りでた木の根っこを階段代わりに登っていくような、人間よりも獣の気配が色濃い神社。杉で囲まれたその場所は、真夏でもひんやり涼しくて、いつも少し湿気があった。一年に一度、春先に20人くらいでとりおこなう祭りがあるだけで、それ以外は誰も訪れない、閑散とした神社だった。母がいつも言っていたのを [続きを読む]
  • コケが生み出す架空の箱庭 -チビ森-
  • 小学生の頃、友達と「チビ森」と呼んで大事にしていた校舎裏のコケがあった。コケの生えた地面は、まるで森が凝縮されたミニチュアがそこにあるようで、眺めているだけでワクワクした。人差し指の第一関節にも満たない背丈の木々が、所狭しと生い茂っているように見えた。そんなコケたちに友達と「チビ森」という名前をつければ、なんだか自分が巨人になってその森を守る使命を与えられているようで、胸が高鳴った。そこに住んで [続きを読む]
  • 音楽と鳥肌と多様性の話
  • 音楽を聴いて鳥肌を立つという現象は誰しもが経験できるものでもないらしい、と小耳にはさんだ。音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果 - FNMNL (フェノメナル)私自身、音楽で鳥肌が立った経験は一度もない。肌が文字通りプツプツとなるのは、寒いときかゾッとする状況に出くわしたときだけだ。だから、この話を知って安心した。誰かが「この曲は鳥肌モノだよ」と言っていた音楽を [続きを読む]
  • 木漏れ日と日食。地面に浮かぶ三日月。
  • 昨年の夏、北米で皆既日食があった。その時ちょうどカナダに居合わせていた私は、日食の一週間前にちょうど自分の滞在先が太陽が欠けてみえる該当地域だと知る。ぜひとも観察しようと、太陽を見る時専用の保護メガネを買おうとしたのだが、どこの店も売り切れだった。カナダの人たちは私以上に日食観察にワクワクしていたらしい。Amazon でも売り切れ又は入荷待ち1ヶ月、オークションで保護メガネが元の何倍もの値段で売られて [続きを読む]
  • ハチワレ猫はあくびをするばかり
  • 先代の猫を亡くしてから数ヶ月後。私が生まれる前から猫と暮らしてきたこの家は、ぽっかりと空いた穴に耐えられず、動物の里親協会から1匹の仔猫を新たに迎え入れた。家に連れてきたとき生後半年ほどだったハチワレの仔猫は、親猫とはぐれた野良だったようだ。小さくて痩せていて、その分シッポがすらっと長くみえるその猫は、先代のアメリカンショートヘアとは対照的な体型だった。一言で表してしまえば「美人」二言で表現す [続きを読む]
  • 妄想が魅せるストップモーション
  • 精神安定剤としてYouTubeに投稿されている変な動画は、時として非常に役立つものである。中でもストップモーション系の動画は変わったものが多く、一度見始めると泥沼にはまったようにしばらく関連動画を漁ることになる。ストップモーションの魅力は、何よりも現実の物体がありえない動きで独特の世界を見せてくれることにあると思う。コマ送りで眺める光景は、なんだかとても非日常的で、そしてなぜか幼少期を思い出すのだ。動 [続きを読む]
  • 父の料理で明日をつなぐ
  • 今週のお題「おとうさん」この前なんとなく時間ができて立ち寄った本屋で、『Hungry Student Book』という料理本を見かけた。文字通り、学生がいかに短時間かつ低コストかつボリュームたっぷりの料理を日々作っていくか、というレシピ本で、何を作るか決めて臨むレシピというよりも、よくある食材でどう美味しく楽しくか、に焦点を当てていた。「冷蔵庫と相談する」小さい頃、今日の夕飯は何?と尋ねると、父は決まってこう返 [続きを読む]
  • 老猫と仔犬は日向ぼっこで軒の下
  • 先代の猫は、一人っ子の私にとって、生まれた頃からずっと一緒にいた幼馴染のような、兄弟のような存在だった。私が生まれる1年くらい前、両親はアメリカンショートヘアの仔猫を2匹引き取った。兄妹の2匹は、里親待ちの最後の猫だったという。仔猫時代の彼らはよく覚えていないけれど、その頃からとても人懐っこかったと聞いている。乳幼児だった私がテーブルから食べものを落とすのをいつも足元で待っていたらしい。夕飯の準 [続きを読む]