逍遥亭主人 さん プロフィール

  •  
逍遥亭主人さん: 天下の小論
ハンドル名逍遥亭主人 さん
ブログタイトル天下の小論
ブログURLhttp://take-ivy.hateblo.jp/
サイト紹介文其の詩を頌し、其の書を読み、其の世を論ず 東洋古典の箚記集です
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供41回 / 365日(平均0.8回/週) - 参加 2017/02/13 18:38

逍遥亭主人 さんのブログ記事

  • 『荀子』 アメとムチ
  • アメとムチという言葉は、嫌う人もいる。しかし、人を動かす上で有効な手段である。この、アメとムチをどうふるうか、その基本の考え方が『荀子』にある。賞は過分であってはいけない。また、刑は過重であってはいけない。賞が過分だと、本来功績が無い者まで賞してしまう。刑が過重だと、罪の無い者まで罰してしまう。もし、不幸にも間違うとしたなら、賞が過分であってもいいから、刑が過重になってはいけない。罪の無 [続きを読む]
  • 『淮南子』 理想の上司とは
  • 立派な上司というものは、部下に全てを求めない。人格、能力、技術、知識、自分自身がそれら全てを備えていたとしても、部下に同じことを求めようとはしない。ところが、実際は、部下の無能、無気力、節度の無さを嘆く上司は多い。しかし、考えてみれば、部下に全てが備わっているならば、そもそも上司は必要ない。また、立派な上司は、自分自身は理想の人格を追求するが、部下にまで、そのことを求めない。部下に求めるのは [続きを読む]
  • 『世説新語』 宇宙より大きな志
  • 中国に仏教が伝来したのは、後漢の時代だといわれている。そして、戦乱の多かった魏晋南北朝時代に、救済を求める人々の心を捉え、大いに広まったという。粱の武帝は、何度も寺に奴隷として仕え、皇帝を買い戻すために、国は多額の寄進を行なった、とされている。酷いのは南斉の明帝という皇帝である。熱心な仏教信者ではあったが、その反面、権力争いで多くの同族を殺害した。明帝が涕を流し焼香した日には、誰かが殺されたと [続きを読む]
  • 『世説新語』 おいしい話
  • おいしい話というものは、そうそう世の中にあるものではない。何もせず、楽して儲けるなんてことが、出来る筈もない。これは、子供でも分かる。ところが、70歳の年寄りが簡単に騙されたりする。詐欺は、もちろん詐欺する方が悪い。しかし、騙される方の心理も、僕にはよく分からない。詐欺までいかなくても、「○○日で、○○語が話せるようになる」とか、「○○すれば人生で成功する」とかいった話を、信じる人の心理が分か [続きを読む]
  • 『孔子家語』 貧は士の常なり
  • 孔子が太山(泰山)に行った時のことである。栄啓期(えいけいき)という人が、郕(せい)という魯の町の野で、貧しい身なりで琴を弾いて、楽しそうに歌を歌っていた。奇異に感じた孔子は、尋ねた。「あなたの楽しみは何ですか」、と。栄啓期が答えるに、「私の楽しみは沢山ある。まず、天が万物を生じて、その中で人が最も貴い。その人に生まれた。これがまず一つ。男女でいえば、男が貴い。その、男に生まれた。これが、二 [続きを読む]
  • 『孟子』最後に善は勝つ?!
  • 居酒屋などで、中年のサラリーマンが若い社員を相手に、こんなことを言ったりする。「どうも俺はうまく立ち回れないタイプだから・・・」とか、「間違ったことは、上に対してもはっきり言ってしまう性分だから駄目なんだな」ドラマなどでは、悪人がどんなに策略をめぐらしても、最後には善良で正直な主人公が勝ちを収める。しかし、実際の世の中では、正直者は馬鹿をみることの方が多いようである。だからこそ、私たちは勧善 [続きを読む]
  • 『世説新語』 給料が少なかった人の話
  • 西晋の初代皇帝で、呉を滅ぼして三国志の時代を終わらせた武帝(司馬炎:諸葛亮孔明との戦いで有名な司馬懿仲達の孫)は、竹林の七賢の一人である山濤(さんとう)を重用していた。しかし、重用している割には、与えている禄、つまり給料は少なかったという。ある時、東晋の有名な政治家である謝安(謝太傅)が、その子弟たちに、何故だと思うかと尋ねてみた。そうすると、謝安の甥で、前秦の苻堅との戦で活躍した謝玄(車騎) [続きを読む]
  • 『春秋左氏伝』 物言えば唇寒し
  • 陳の国の轅頗(えんぱ)という人は、国人に税を割り付け、陳の公女の結婚資金にした。そこまでは良かったのだろうが、その金が余ったので、自分用に大きな銅器を作ってしまった。国人は、この横領を憎み、轅頗を追放した。取るものも取り敢えずに逃げる途中、喉が渇いた。すると、一族の一人である轅咺(えんけん)が、濁り酒、乾米、乾肉をそろえて進めた。轅頗は、喜ぶと同時に驚いて、「何故、こんなに揃っているのか」と [続きを読む]
  • 『春秋左氏伝』 なかなか賢い人にはなれません
  • 子供の頃、大人ってものは賢いもんだと思っていた。きっと、自分も大人になれば、少しは賢くなるだろうと、思っていた。もちろん、大人になっても賢くはなれなかったが、きっともっと年をとれば、年寄りになれば賢い人になれるんじゃないかと、信じた。しかし、実際に年をとってみると、賢いどころか、若い頃より愚かになってるんじゃないかと、気づくことの方が多い。時間の流れと人の成長には、ほとんど相関はないようである [続きを読む]
  • 『論語』 神は乗り越えられる試練しか与えない?
  • 記事の題名の言葉は、いつ頃からか、よく聞くようになった言葉である。素晴らしい名言だという人が多いようだが、私は好きになれない。極めて傲慢な匂いがする。「人に乗り越えられない試練は無いんだ、人間は何でも出来るんだ」とんでもない話である。「死生、命あり。富貴は天にあり」(論語 顔淵第十二)である。この言葉の元は、新約聖書のパウロによる「コリント人への手紙第一 10-13」であろう。そこには、「神は [続きを読む]
  • 『世説新語』 財物は人のためにある
  • 何有以財物令人慙者いずくんぞ、財物をもって人をして慙(はず)かしめることあらんや司馬徽(しばき)の逸話である。司馬徽は、三国志の中で、劉備に孔明を推薦することで有名な人で、水鏡先生と呼ばれている。何を言われても「好(よし)」と答えた、という。ある人が、自分の子供が死んだことを伝えると、それにも「好」と答えた。妻が、「人が死んだのに、好(よし)とはおかしいでしょう」と責めると、「おまえの言う事 [続きを読む]
  • 『列子』 狗吠緇衣(くはいしい)
  • 楊朱の弟である楊布が、白い着物を着て出かけた。雨が降ってきたので、白い着物を黒い着物に着替えて、家に帰って来た。家の犬は、白かった筈の飼い主が黒くなって帰ってきたので、怪しんで吠えかかった。楊布は怒って、犬を叩こうとすると、兄の楊朱が、こう言った。叩くのはやめなさい。お前だってそうだろう。出かける時に白かった犬が、帰ってきた時に黒かったら不審に思うのが当然だろう、と。ただこれだけの話である。 [続きを読む]
  • 『国語』 生産性ということ
  • 英語でいえば、コストパフォーマンスである。投入した資源に対して、どれだけ成果をあげることができるのか、ということである。10人で100の仕事をしていた場合、100が150になっても、8人で100の仕事ができるようになっても、生産性は向上したということになる。悪いことではないと、今も基本的には思っている。ただ、生産性が、最上位の価値観になることは問題かもしれない。何故なら、生産性を突き詰めてい [続きを読む]
  • 『韓非子』 「恩知らず」とは言うものの・・
  • マキアヴェッリだっただろうか・・・。臣下が「あなたのためには命を捧げます」という時は、命の危険にさらされていない場合である、と書いたのは。ビジネスの世界でも、「あなたに付いていきます」という言い方がある。僕も、何度か言われたことがある。こういった局面で、僕が苦境にあるということは、まずない。「この人についていけば何かいいことがありそうだ」という場合に、人は、こう言うのである。利を求めて人に従 [続きを読む]
  • 『韓非子』 まずはミスショットを減らす
  • 優れたリーダーは、メンバーをモチベートし、同じ方向へと導く。しかし、そのようなリーダーは滅多にいないし、また、滅多になれるものでもない。「上司留守、明るい職場で絶好調」というサラリーマン川柳があるように、現実に多いのは、メンバーのやる気を阻害し、チームをバラバラにしてしまうリーダーである。そう考えると、リーダーとしての最低条件は、少なくともメンバーの仕事の邪魔をしないということになるのかもしれ [続きを読む]
  • 『孔子家語』 子供の言い訳
  • ある時、「大阪人はケチだ」と言った人がいた。そうすると、そこにいた一人が、「そんなことはない。東京の人間だってケチだ」と言い返したことがあった。これは反論にはならない。反論したいのであれば、大阪人がケチではない証拠を挙げるべきであり、東京人がケチであるかどうかは関係ない。こういった発想をする人は幼児性が強いのであろう。子供に、「・・・・をしては駄目だろう」などと注意すると、よく、「だって、○ [続きを読む]
  • 『孔子家語』 5つの不吉なこと
  • ざくっとした感覚ではあるが、西洋でも東洋でも、古代の方が合理的である。近世、近代になるにつれ、人間は非合理になっていくような気がする。古代の人である孔子は、「風水」などといった妖しげなことは、言わない。東に建て増そうが、西に増築しようが、そんなことは不吉でも何でもない。本当に不吉なことは、五つあるという。1、他人を犠牲にして自分の利益を考えること2、若者をちやほやして年寄りを邪険にすること3 [続きを読む]
  • 『老子』 マネジメントとは何か
  • 一時期、フランスの経済学者トマ・ピケティ博士の著書『21世紀の資本』が評判であった。題名からして、なかなかに挑戦的である。カール・マルクスの有名な『資本論』は、原題をそのまま訳すと『資本』である。ピケティ博士は、マルクス向こうを張った題名を付けたわけである。『資本』という題名を『資本論』にしたのであれば、何故、『21世紀の資本論』という題名にしなかったのであろうか・・・・。その方が、本の位置づけも [続きを読む]
  • 『管子』 あいつは良い奴だから昇進させよう
  • 経営者は、三つのことをしっかりと視ておかなければならない、という。一つは、地位の高い者が、その地位にふさわしい徳(人間性)を持っているのか。二つは、業績を挙げた人間に、その業績にふさわしい報酬を与えているのか。三つは、能力や適性に見合った職務を与えているのか、である。この三つがきちんと出来ていないと、組織は乱れると、管子は言っている。二つ目と三つ目については、誰もが問題意識を持っていると [続きを読む]
  • 『列子』 自然の凄さ
  • 好きな話の一つである。玉を細工して、楮(こうぞ)の葉を作る人がいた。三年を費やして完成すると、細かな毛や微妙な形まで本物そっくりで、実際の楮の葉の中に混じると、見分けがつかなかった、という。この人は、ついにその匠の技で、宋の国に雇用された。この話を聞いた列子は、「葉を一枚作るのに三年かかるようでは、世の中の樹木には、ほとんど葉が無いことになるだろう」と述べた。つまり、人智やその技は、ど [続きを読む]
  • 『論語』 転職しなかった人
  • こんな会社は辞めてやる、誰でも、一度や二度は考えたことがあるだろう。そして、実際に辞める人、辞めない人がいる。辞めて成功した人もいれば、失敗した人もいるし、辞めずにうまくいった人もいかなかった人もいるだろう。柳下恵(りゅうかけい)という、古典の中では有名な人がいる。魯の国で、法を司る仕事、今でいえば検事か裁判官のような仕事に就いた。しかし、清廉な人柄であり、敬遠されて左遷された。しかし、ま [続きを読む]
  • 『孟子』 仁義と利益
  • 論語の冒頭は、「学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや。朋(とも)あり、遠方より来る、また楽しからずや」と、実に淡々と始まる。これに比べると、『孟子』の冒頭は劇的である。それは、梁の恵王という君主との謁見から始まる。恵王は、孟子に尋ねる。「老先生は、遠方より我が国においでくだされた。きっと我が国の利益となることを教えてくださるのでしょう」ごく真っ当な問いかけである。ところが、孟子は、 [続きを読む]
  • 『箸休め』 起きて半畳寝て一畳
  • 若いころは大きな家が欲しいと思っていた。住宅展示場で見る広いリビングには随分と憧れたものである。そして、それなりの家にも住んできたが、最近では家は小さい方がいいなと思うようになった。その理由の一つとして、数年ほど前に、上野の東京国立博物館で開催されていた「北京故宮博物院200選」を見に行った時に印象に残ったことがあったからである。商時代の玉や青銅器など、数々の名品が展示されていたが、私が一番興味 [続きを読む]
  • 『韓非子』 人をどこまで信じればいいのか
  • 韓非子とマキアヴェッリは、よく似ている。社会が乱れ、裏切りや陰謀が渦巻くようになると、こういった考え方をせざるを得ないのだろう。韓非子は言う。君主は、人を信じてはならない、と。信じることが、身を滅ぼす原因となる。人を信じれば、人によってコントロールされるようになってしまう。例えば、臣下は、君主に対して肉親の情で仕えている訳ではない。君主の方に権威と権力があるから、仕方なく從っているのである。 [続きを読む]
  • 『蒙求』仁君の条件
  • 当意即妙の受け応えが素晴らしい話である。魏の文侯が家臣たちと歓談していた時、「ところで、私は君主としてどうだろう?」と尋ねた。あまり良い質問とはいえない。真の明君ならこんなことは訊ねないだろう。家臣たちは、本心は別として、次々と、「君は仁君です」と答えた。ところが、翟璜(てきおう)という家臣だけは、「君は仁君ではありません。中山の国を征服した時、君は弟君にそれを与えず、ご自身の長子に与えまし [続きを読む]