逍遥亭主人 さん プロフィール

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逍遥亭主人さん: 天下の小論
ハンドル名逍遥亭主人 さん
ブログタイトル天下の小論
ブログURLhttp://take-ivy.hateblo.jp/
サイト紹介文其の詩を頌し、其の書を読み、其の世を論ず 東洋古典の箚記集です
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供42回 / 365日(平均0.8回/週) - 参加 2017/02/13 18:38

逍遥亭主人 さんのブログ記事

  • 『春秋左氏伝』 物言えば唇寒し
  • 陳の国の轅頗(えんぱ)という人は、国人に税を割り付け、陳の公女の結婚資金にした。そこまでは良かったのだろうが、その金が余ったので、自分用に大きな銅器を作ってしまった。国人は、この横領を憎み、轅頗を追放した。取るものも取り敢えずに逃げる途中、喉が渇いた。すると、一族の一人である轅咺(えんけん)が、濁り酒、乾米、乾肉をそろえて進めた。轅頗は、喜ぶと同時に驚いて、「何故、こんなに揃っているのか」と [続きを読む]
  • 『春秋左氏伝』 なかなか賢い人にはなれません
  • 子供の頃、大人ってものは賢いもんだと思っていた。きっと、自分も大人になれば、少しは賢くなるだろうと、思っていた。もちろん、大人になっても賢くはなれなかったが、きっともっと年をとれば、年寄りになれば賢い人になれるんじゃないかと、信じた。しかし、実際に年をとってみると、賢いどころか、若い頃より愚かになってるんじゃないかと、気づくことの方が多い。時間の流れと人の成長には、ほとんど相関はないようである [続きを読む]
  • 『論語』 神は乗り越えられる試練しか与えない?
  • 記事の題名の言葉は、いつ頃からか、よく聞くようになった言葉である。素晴らしい名言だという人が多いようだが、私は好きになれない。極めて傲慢な匂いがする。「人に乗り越えられない試練は無いんだ、人間は何でも出来るんだ」とんでもない話である。「死生、命あり。富貴は天にあり」(論語 顔淵第十二)である。この言葉の元は、新約聖書のパウロによる「コリント人への手紙第一 10-13」であろう。そこには、「神は [続きを読む]
  • 『世説新語』 財物は人のためにある
  • 何有以財物令人慙者いずくんぞ、財物をもって人をして慙(はず)かしめることあらんや司馬徽(しばき)の逸話である。司馬徽は、三国志の中で、劉備に孔明を推薦することで有名な人で、水鏡先生と呼ばれている。何を言われても「好(よし)」と答えた、という。ある人が、自分の子供が死んだことを伝えると、それにも「好」と答えた。妻が、「人が死んだのに、好(よし)とはおかしいでしょう」と責めると、「おまえの言う事 [続きを読む]
  • 『列子』 狗吠緇衣(くはいしい)
  • 楊朱の弟である楊布が、白い着物を着て出かけた。雨が降ってきたので、白い着物を黒い着物に着替えて、家に帰って来た。家の犬は、白かった筈の飼い主が黒くなって帰ってきたので、怪しんで吠えかかった。楊布は怒って、犬を叩こうとすると、兄の楊朱が、こう言った。叩くのはやめなさい。お前だってそうだろう。出かける時に白かった犬が、帰ってきた時に黒かったら不審に思うのが当然だろう、と。ただこれだけの話である。 [続きを読む]
  • 『国語』 生産性ということ
  • 英語でいえば、コストパフォーマンスである。投入した資源に対して、どれだけ成果をあげることができるのか、ということである。10人で100の仕事をしていた場合、100が150になっても、8人で100の仕事ができるようになっても、生産性は向上したということになる。悪いことではないと、今も基本的には思っている。ただ、生産性が、最上位の価値観になることは問題かもしれない。何故なら、生産性を突き詰めてい [続きを読む]
  • 『韓非子』 「恩知らず」とは言うものの・・
  • マキアヴェッリだっただろうか・・・。臣下が「あなたのためには命を捧げます」という時は、命の危険にさらされていない場合である、と書いたのは。ビジネスの世界でも、「あなたに付いていきます」という言い方がある。僕も、何度か言われたことがある。こういった局面で、僕が苦境にあるということは、まずない。「この人についていけば何かいいことがありそうだ」という場合に、人は、こう言うのである。利を求めて人に従 [続きを読む]
  • 『韓非子』 まずはミスショットを減らす
  • 優れたリーダーは、メンバーをモチベートし、同じ方向へと導く。しかし、そのようなリーダーは滅多にいないし、また、滅多になれるものでもない。「上司留守、明るい職場で絶好調」というサラリーマン川柳があるように、現実に多いのは、メンバーのやる気を阻害し、チームをバラバラにしてしまうリーダーである。そう考えると、リーダーとしての最低条件は、少なくともメンバーの仕事の邪魔をしないということになるのかもしれ [続きを読む]
  • 『孔子家語』 子供の言い訳
  • ある時、「大阪人はケチだ」と言った人がいた。そうすると、そこにいた一人が、「そんなことはない。東京の人間だってケチだ」と言い返したことがあった。これは反論にはならない。反論したいのであれば、大阪人がケチではない証拠を挙げるべきであり、東京人がケチであるかどうかは関係ない。こういった発想をする人は幼児性が強いのであろう。子供に、「・・・・をしては駄目だろう」などと注意すると、よく、「だって、○ [続きを読む]
  • 『孔子家語』 5つの不吉なこと
  • ざくっとした感覚ではあるが、西洋でも東洋でも、古代の方が合理的である。近世、近代になるにつれ、人間は非合理になっていくような気がする。古代の人である孔子は、「風水」などといった妖しげなことは、言わない。東に建て増そうが、西に増築しようが、そんなことは不吉でも何でもない。本当に不吉なことは、五つあるという。1、他人を犠牲にして自分の利益を考えること2、若者をちやほやして年寄りを邪険にすること3 [続きを読む]
  • 『老子』 マネジメントとは何か
  • 一時期、フランスの経済学者トマ・ピケティ博士の著書『21世紀の資本』が評判であった。題名からして、なかなかに挑戦的である。カール・マルクスの有名な『資本論』は、原題をそのまま訳すと『資本』である。ピケティ博士は、マルクス向こうを張った題名を付けたわけである。『資本』という題名を『資本論』にしたのであれば、何故、『21世紀の資本論』という題名にしなかったのであろうか・・・・。その方が、本の位置づけも [続きを読む]
  • 『管子』 あいつは良い奴だから昇進させよう
  • 経営者は、三つのことをしっかりと視ておかなければならない、という。一つは、地位の高い者が、その地位にふさわしい徳(人間性)を持っているのか。二つは、業績を挙げた人間に、その業績にふさわしい報酬を与えているのか。三つは、能力や適性に見合った職務を与えているのか、である。この三つがきちんと出来ていないと、組織は乱れると、管子は言っている。二つ目と三つ目については、誰もが問題意識を持っていると [続きを読む]
  • 『列子』 自然の凄さ
  • 好きな話の一つである。玉を細工して、楮(こうぞ)の葉を作る人がいた。三年を費やして完成すると、細かな毛や微妙な形まで本物そっくりで、実際の楮の葉の中に混じると、見分けがつかなかった、という。この人は、ついにその匠の技で、宋の国に雇用された。この話を聞いた列子は、「葉を一枚作るのに三年かかるようでは、世の中の樹木には、ほとんど葉が無いことになるだろう」と述べた。つまり、人智やその技は、ど [続きを読む]
  • 『論語』 転職しなかった人
  • こんな会社は辞めてやる、誰でも、一度や二度は考えたことがあるだろう。そして、実際に辞める人、辞めない人がいる。辞めて成功した人もいれば、失敗した人もいるし、辞めずにうまくいった人もいかなかった人もいるだろう。柳下恵(りゅうかけい)という、古典の中では有名な人がいる。魯の国で、法を司る仕事、今でいえば検事か裁判官のような仕事に就いた。しかし、清廉な人柄であり、敬遠されて左遷された。しかし、ま [続きを読む]
  • 『孟子』 仁義と利益
  • 論語の冒頭は、「学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや。朋(とも)あり、遠方より来る、また楽しからずや」と、実に淡々と始まる。これに比べると、『孟子』の冒頭は劇的である。それは、梁の恵王という君主との謁見から始まる。恵王は、孟子に尋ねる。「老先生は、遠方より我が国においでくだされた。きっと我が国の利益となることを教えてくださるのでしょう」ごく真っ当な問いかけである。ところが、孟子は、 [続きを読む]
  • 『箸休め』 起きて半畳寝て一畳
  • 若いころは大きな家が欲しいと思っていた。住宅展示場で見る広いリビングには随分と憧れたものである。そして、それなりの家にも住んできたが、最近では家は小さい方がいいなと思うようになった。その理由の一つとして、数年ほど前に、上野の東京国立博物館で開催されていた「北京故宮博物院200選」を見に行った時に印象に残ったことがあったからである。商時代の玉や青銅器など、数々の名品が展示されていたが、私が一番興味 [続きを読む]
  • 『韓非子』 人をどこまで信じればいいのか
  • 韓非子とマキアヴェッリは、よく似ている。社会が乱れ、裏切りや陰謀が渦巻くようになると、こういった考え方をせざるを得ないのだろう。韓非子は言う。君主は、人を信じてはならない、と。信じることが、身を滅ぼす原因となる。人を信じれば、人によってコントロールされるようになってしまう。例えば、臣下は、君主に対して肉親の情で仕えている訳ではない。君主の方に権威と権力があるから、仕方なく從っているのである。 [続きを読む]
  • 『蒙求』仁君の条件
  • 当意即妙の受け応えが素晴らしい話である。魏の文侯が家臣たちと歓談していた時、「ところで、私は君主としてどうだろう?」と尋ねた。あまり良い質問とはいえない。真の明君ならこんなことは訊ねないだろう。家臣たちは、本心は別として、次々と、「君は仁君です」と答えた。ところが、翟璜(てきおう)という家臣だけは、「君は仁君ではありません。中山の国を征服した時、君は弟君にそれを与えず、ご自身の長子に与えまし [続きを読む]
  • 『論語』 コストと収益のバランスを考える
  • 全ての生き物は、コストと収益のバランスの上に成り立っている。コスト以上の収益が得られなければ、生き物は死滅するしかない。企業でいえば、潰れるしかない。このコストと収益を組み合わせることによって、三つの方策が考えられる。一つは、どれだけコストをかけてもよいから、収益を最大にしていこうという方策、つまり収益最大化策である。二つ目は、コストあたりの収益を最大にしようとする方策である。つまり、生産性 [続きを読む]
  • 『孟子』年金制度を考える
  • 鰥夫(おとこやもめ)、寡婦(やもめ)、独者(ひとりもの)、孤児(みなしご)、という4者は、支えてくれない家族を持たない人たちである。彼らを助けるのが政治だと、孟子は言う。古代の聖王である文王は、必ず彼らのことを優先したというのである。今の時代であれば、貧しい人への生活保護ということだろう。この生活保護が悪用されているという報道が多い。また、悪用ではなくても、場合によっては年金よりも有利だと聞 [続きを読む]
  • 『世説新語』 善を褒めるのが本当の善である
  • 臣父?畏人知、臣?畏人不知(徳行 世説新語)臣の父の清は、人に知られることを畏れ、臣の清は、人に知られざることを畏る。本当の聖人であれば、人の評価などは気にしないであろう。しかし、普通の人間は、そうではない。やはり、尊敬されたり、信頼されたりすることを求めている。僕は、それでいいじゃないかと思う。立派なことをしても、誰も誉めてくれないのであれば、多くの人は立派なことをしなくなる。それが、今の [続きを読む]
  • 『列子』 情けは人のためらなず
  • 「情けは人のためならず」という言葉があるように、最終的には自分の利益が大切である。利益が目的であり、人に敬意を払ったり親切にしたりすることは、手段かもしれない。しかし、手段は大切である。手段を間違うと、結局、利益を手にすることはできない。目的は利益であっても、行動の判断基準は手段である。目的(りえき)を判断基準にしてしまえば、それは禽獣と変わらない。自分が禽獣になれば、人も禽獣となり、社会 [続きを読む]
  • 『荘子』愚の骨頂
  • 自分の影を畏れ、足跡を嫌がって、これから離れようとした者がいた。ところが、一生懸命足を持ち上げれば持ち上げるほど足跡は多くなり、どんなに早く走っても影は離れなかった。その者は、これはまだ走り方が遅いのだと考えた。そこで、さらにさらにと早く走り、ついには力尽きて死んでしまった。陰にいれば影は消え、動かずに静かにしていれば足跡は残らないことを知らなかったのである。これこそ、愚の骨頂ではないか。 [続きを読む]
  • 『孟子』 誰かを助けるのに理由がいるかい?
  • TVゲームの「ファイナルファンタジーIX」の中で出てくるセリフらしい。つい最近まで、僕は知らなかったが、かなり有名らしい。実に良い言葉だと思う。だから、ゲームやアニメ・漫画は油断できない。変なビジネス書や人生訓よりも奥が深い場合がある。この言葉は、孟子の言った惻隠の心そのものであろう。孟子はいう、幼い子供が不意に井戸に落ちたのを見れば、誰であっても驚きかわいそうだと思い、助けようとするだろう。 [続きを読む]
  • 『春秋左氏伝』 古代のコンプライアンス
  • 中国春秋時代、紀元前527年に、晋の将軍である荀呉が鮮虞を伐ち、属国である鼓の城を包囲した。城ぐるみで降参したいという内通者が現れたが、荀呉は許さなかった。楽して城を落とせるのに、何故、そうしないのかと部下たちが言うと、荀呉は、こう答えた。私は、叔向から教えられたことがある。それは、善悪の判断を間違えてはならない、ということだ。そうすれば、下の者はどこに行くべきかを知り、何事も成就できる、と。 [続きを読む]