isyokukataribe さん プロフィール

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isyokukataribeさん: ダブル移植の語り部
ハンドル名isyokukataribe さん
ブログタイトルダブル移植の語り部
ブログURLhttps://ameblo.jp/isyokukataribe/
サイト紹介文生体肝移植・人工透析・生体腎移植を乗り越えて社会復帰を果たした夫婦の軌跡をドナーが綴っていきます。
自由文「ダブル移植の語り部」、このタイトルを見て、「どういうこと?」と思われる方がほとんどでしょう。「ダブル移植」には二重の意味があります。
ひとつは、生体臓器移植を一人の人間が2回(生体肝移植と生体腎移植)行っている、という事。もうひとつは、一人の人間が生体臓器提供者、いわゆる「ドナー」となって、2回移植手術を受けている、という事。
これが、「ダブル移植の語り部」という変わったタイトルの内実です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供366回 / 365日(平均7.0回/週) - 参加 2017/03/04 22:11

isyokukataribe さんのブログ記事

  • 第53章 退院したドナーと入院中のレシピエント
  •  平成27年9月の秋分の日の朝、金沢での結婚披露宴に出席するために、私と長女は、北陸新幹線に乗りました。9月2日の生体腎移植手術から、3週間経つか経たないか、での遠出なので、事情を知る身内には、随分心配されましたが、当の本人は、〜手術日からわずか6日後に、愛媛の南端宇和島から独りで電車を乗り継いで、自宅に戻っているのですから〜〈北陸新幹線に乗れば、2時間半で到着する金沢行き〉など、楽勝! チョチ [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その13
  •  ところで、埼玉県川口市にお住まいということで、愛媛との往復は、大変だと思いますが、総会(毎年6月)などの折に、会の皆さんと交流できる事を、楽しみにしています。また、移植者の生活のことなど、分からないこと、聞きたいことなどがあれば、いつでも気軽に、ご相談ください。今後ともよろしくお願いいたします。ご主人にもよろしくお伝えください。                    敬具9月26日  えひめ移 [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その12
  •  まもなく、野村さんからの返信が届きました。拝復、このたびは、ご丁寧なお手紙を頂き、ありがとうございます。ご事情はよく分かりました。奥様は、ご主人に、二度も臓器提供をされたとのこと。お二人とも、大変な思いをされましたね。でも、手術はうまくいったようで、本当に良かったですね。おめでとうございます。万波先生を訪ねられたのも、大正解でしたね。ただし、お二人とも今後1年くらいは、ご無理をされないよう、ご [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その11
  •  生体腎移植が、急性拒絶反応により失敗に終わった時、野村さんは、自身の事ではなく、「ああ、妻に申し訳ない。やらなければ良かった…」と、後悔しました。奥さんも、泣きながら、「私のは、犠牲フライやったね…」と、言いました。 この話は、只々切なく、私もドナーになった同じ立場上、提供した腎臓が、わずか一週間で、取り出されてしまった、無念さ、夫を救えなかった、口惜しさ、そして、『これからどうやって生きて行っ [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その10
  •  ガンにしても、ネフローゼにしても、不健全な腎臓は、その病気の当事者の〈生活習慣〉や〈免疫系〉の影響を受け、発病しているが、それが、他人に移植されると、その腎臓は、〈異なる生活習慣〉と〈異なる免疫系〉のもとに置かれるので、ガンなどの再発・転移は、起こりにくい。     難波紘二(病理学 広島大学名誉教授) 野村さんは、2008年12月に、松山地裁に提訴した、いわゆる「修復腎移植訴訟」の原告団団長と [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その9
  •  2000年8月、(失意のどん底にいる野村さんに)万波先生から、突然、ネフローゼ腎移植の話が、舞い込みます。「移植する腎臓は、タンパクがボロボロ出ていて、成功率は五分五分。ダメもとでやってみんかな?」と言う万波先生の提案に、野村さんは、「移植した腎臓が、2年でも3年でも持てば、その間、透析をしなくて済む。それ以上持てばラッキー。他に助かる方法はない。」と思い、二つ返事でお願いしました。 急きょ、実 [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その8
  •  40歳直前に、献腎移植手術を受けた野村さん。移植後、12年目の51歳の時それまで順調に機能していた移植腎に、腎炎が再発するようになりました。クレアチニンの値は4でしたが、機能廃絶は、時間の問題…再びピンチに陥りました。 その時、腎提供を申し出てくれたのが、奥さんでした。奥さんがドナーになって、2000年8月、野村さんは生体腎移植手術を受けます。ところが…経過は、最悪の事態に!!急性拒絶反応が著し [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その7
  •  38歳で、腹膜透析を開始してから、野村さんは、2か所で、献腎移植の登録をしました。・愛媛の腎バンク(全国組織)への登録・中国、四国地方の個人病院に、お願いしていた、万波先生独自のルートによる、移植登録 このうち、後者のルートで、のちに、献腎移が実現します。 腹膜透析で3回も腹膜炎に罹り、身体がボロボロになった野村さんは、39歳で、再度、宇和島に出向き、万波先生の診察を受けます。この頃、クレアチニ [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その6
  •   【腹膜透析の寿命】生体の腹膜は、腹膜透析を行っている限り、時間と共に、徐々に傷んでくる。その傷み方は、高い糖濃度の透析液を使えば使うほど、早く、又、腹膜炎を繰り返すほど、腹膜の寿命は短くなる。 腹膜透析の寿命は、平均すると5年程度と言われている。腹膜が傷むと、除水能力が低下し、体重は徐々に増加し、浮腫みも出てくる。更に傷みが進むと、胸に水が溜まり、呼吸困難の症状に陥るので、その前に、血液透析に [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その5
  •   【腹膜透析の仕組み】腹膜透析とは、腹膜の機能を利用して、血液をろ過する方法で、腹膜とは、腹壁と胃や腸などの内膜を覆う、薄い生体膜を指し、お腹の中と外をつなぐ〈カテーテル〉から、透析液を注入し、一定時間入れたままにすると、腹膜の細い血管を介して、老廃物や余分な水分が、徐々に透析液へ移動する。一定時間経過後に、この透析液を体の外に排出し、新しいものと交換する(1日4回程度)事で、血液を浄化する。 [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その4
  •  「2割5分働いている」」と言われた腎臓も、身体中に悪弊を与え、貧血・頭痛・倦怠感で、仕事にも支障が出てきて、とうとう、会社に病気休暇を申し出て、自宅療養生活に入ります。この療養生活は、8カ月に及びました。 さて、自宅療養中の8カ月間、野村さんは、何とか良くなる道はないかと、鍼や灸を試します。病院の定期検査に通ってはいましたが、そのうちに、行かなくなります。 とうとう、歯ぐきからも病的な出血が起こ [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その3
  •    【IgA腎症の長期的経過】約50%は、〈無症候性たんぱく尿・血尿症候群〉のままであるが、残りの50%のうち、25%は、たんぱく尿の悪化を伴いながら、徐々に、腎機能が低下し、10〜20年後には、〈末期腎不全〉に陥る。残りの25%は、徐々に、腎臓の働きが悪くはなるが、10〜20年経っても、〈慢性腎炎症候群〉のままで、ある程度の腎機能障害が出たとしても、〈末期腎不全〉にはならない。 しかし、別の調 [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生 その2
  •  野村正良さんは、昭和24年生まれ、現在69歳。松山市在住で、愛媛新聞社勤務だった方です。 元々の病気は、慢性(糸球体)腎炎の中で、最も多い、【IgA腎症】→自覚症状はなく、タンパク尿や血尿により発見され、高血圧にもなってくる、腎臓病です。 野村さんが【IgA腎症】になった原因は不確定ですが、若い時に(体内で)急性腎炎を発症し、それが重症化していたようで、入社時の健康診断では、既に、尿にタンパクが [続きを読む]
  • 第52章 野村正良さんの移植人生
  •  さて、2015年(平成27年)9月、宇和島から自宅に戻って来た私が、退院後、すぐにした事、それは、ある方へ手紙を書く事でした。ある方とは、「えひめ移植者の会会長の、野村正良さん」です。 そう…腎移植手術後、3,4日して、院内をブラブラ散歩していた時に、泌尿器科の待合室の棚に差し込んであった〈会報〉を、たまたま見つけ、病室に持ち帰って読んだ途端、「同じだ!」と共感した、入院中の出来事…その共感覚の [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ その11
  •  「腎臓ガンに罹る発生確率の低さもさることながら、自転車すらも不要だからと、引っ越しの際に処分し、『徒歩と公共交通機関のみを利用』して移動している、現在の私たち二人の生活において、〈大事故→腎臓損傷→人工透析〉となる確率は、万が一レベルだろう。」「それよりも、今や3人に1人が罹る(腎がん以外の)ガンや、生活習慣の偏りが元凶で、蔓延している成人病によって、命を縮める可能性の方が、はるかに高く、切実 [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ その10
  •  機能面の不安に対しては…「肝臓は、元の大きさに戻り、肝機能は、全く正常になっている。」「肝移植のドナーになった際に、胆のうも失ってしまったけれども、胆のうを摘出したっていう事は、胆のうガンになったり、胆石で苦しまなくていいってこと。それに、胆のうが無くても、日常生活において、何の不便も感じない。」 「腎臓は、もともと二つあるけれども、だからといって、一つだけが機能低下し、残りが健全である訳ではな [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ その9
  •  よく、「メスの入った傷跡は、疼いて、痛いのでは?」或は、「腎臓がひとつになって、不安じゃないの?」「将来、腎機能が低下した時の事を考えると、二の足を踏む。」という方がいます。この不安こそが、『ドナーになることをためらう』最大要因なのでしょう。 私とて、(利害打算の働く凡人なので)身体にメスを入れなくても良ければ、その方が良いに越したことはありません。「腎臓が一つになって、二つあった時よりも機能が [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ その8
  •  一週間前の移植手術の際に、右腎摘出の為、腰辺りを8〜9?切っていますから、右手で戸を開けようとすると、ピリッと痛みが走ります。『イタッ』と口にすれば済むくらいの、我慢できる痛みですから、日が経つと、いつのまにか、右手で戸を開けても、痛まなくなりました。また、傷痕も、退院して2〜3か月は、(畑に出来た)畝のように、盛り上がっていて、触れば、はっきりと分かるものでしたが、その後は、皮膚と同化してし [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ その7
  •  ほぼ一週間ぶりに、川口駅に着いた時には、丁度、大雨が小康状態。テクテク急ぎ足で歩いて、家に着くと、娘が、「アレ、ひとり?」と、尋ねてきます。弟が、傘を持って、駅まで迎えに行ったと言うのです。…そういえば、岡山駅で、大雨の為遅れてきた、ひとつ前の新幹線に飛び乗ったから、息子の到着予測より、早く着いてしまったもよう…暗い夜道、どこかですれ違ったのかしら? 息子は、改札口で、『今か、今か』と、愚直に、 [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ その6
  •  さすがに、手術から6日目の身体状況は、万全ではありません。飛び乗ったのはよいけれど、かなり混んでいる、夕方の新幹線…ひとつ、3人席の真ん中の空席を見つけて、「ああ、良かったぁ」と、安堵しました。終点の東京駅まで、座れます。 新幹線の窓には、かなり強い雨が当たっています。実は、この日の雨(2015年 9月8日)、この雨が、翌日には関東に移動し、記録的な豪雨になり、9月10日には、鬼怒川の堤防が決壊 [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ その5
  •  いよいよ、退院です。残される夫は、少し寂しそうですが、いやいや、移植腎もバッチリ機能しているので、勉強も、はかどるでしょう。 「今度の週末に、長女が観光がてら宇和島に来るって。楽しみにしていてね!」「気を付けて…子ども達には、俺から岡山駅での乗り継ぎの新幹線の時刻を、伝えておくよ。」 病院前に止まっている送迎バスに乗り、宇和島駅へ。今回は、飛行機を使わず、宇和島から初のJRの長旅…片道料金が、乗 [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ その4
  • 思い起こせば、わずか一か月半前の、蒸し暑い7月…閉塞感漂う、右肩下がりの、先の読めない人生。 それが、一変しました。「ありがたい」という言葉しか浮かびません。 〜〈安心・安全・トラブル回避〉がすべてに優先する〜それが、医療の現実、医師のホンネなのだと判って、途方に暮れていた私たち…そうした、『患者と患者家族の苦悩』に寄り添って、凡庸な医師達が選ぶ〈トラブル回避〉などせずに、40年近くに及ぶ腎移植実 [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ その3
  •  次に、手術2日前の8月31日から9月8日までの、9日間の入院費を精算しに、一階の会計課に行きました。大学病院での肝移植手術の際にも、そうでしたが、ドナーには、医療費請求や食事代請求はありません。ただし、「保険外負担」というのは、あります。今回のケースでは、【病衣】 1日52円(激安!)が9日分と、個室にいたので、【差額室料】 1日3240円(これも激安!)が9日分、それから、手術直後に使用した [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ その2
  •  「じゃ、明日、退院ということにしましょう。」と言うと、いつもの寡黙な先生に戻り、部屋をあとにしました。…訊いた私が、『ホント?』 と驚く展開に… 「大変だあ」と、夫の部屋に、退院決定報告。「明日、退院だって!OKが出た、ビックリ…」 その日の夜は、テンヤワンヤ、明日は、宇和島から、はるばる電車に乗って帰宅する事に…9月8日、移植手術から6日目の退院ですが、『家族が車で迎えに来て、1時間ほどで帰宅 [続きを読む]
  • 第51章 急きょ退院へ
  •  手術後5日目の夜になりました。突然、寡黙な城間先生が、部屋に入って来て、「実は、非常に申し訳ないお願いがあるのですが…」と、話し始めるので、何ごとかと、ドキドキ状態になると、「上の階に、付き添いの方が寝泊まり出来る部屋があるのですが、そこに移動して頂けないでしょうか?」「移植手術をされる方が、明日、入院することになったのですが、個室がいっぱいで、困っているのです。」「個室に入院しているレシピエ [続きを読む]