長内那由多のMovie Note さん プロフィール

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長内那由多のMovie Noteさん: 長内那由多のMovie Note
ハンドル名長内那由多のMovie Note さん
ブログタイトル長内那由多のMovie Note
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/nayutagp01fb-zephyranthes
サイト紹介文映画レビュー、俳優論など映画のことを中心としたブログ
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供149回 / 365日(平均2.9回/週) - 参加 2017/03/20 22:59

長内那由多のMovie Note さんのブログ記事

  • 『ヘレディタリー 継承』
  • 古今東西、ホラー映画は異性、セックス、出産、子育て、ネグレクト等々あらゆる恐怖のメタファーとなってきた。本作のそれはズバリ“家族であること”だ。逃れようのない血縁という呪いに悩まされた事がある人にはこの映画のもたらすストレスは耐え難いものかも知れない。そんな不和がなかったとしても新鋭アリ・アスター監督の洗練された演出によって神経衰弱ぎりぎりの恐怖を味わわされる事は必至だ。不穏なコリン・ステットソン [続きを読む]
  • 『コネチカットにさよならを』
  • 近年『ローグ・ワン/スター・ウォーズ ストーリー』や『レディ・プレイヤー1』の御陰で一躍メジャーとなった感のある俳優ベン・メンデルソーン。オーストラリア出身の49歳になるこの俳優はまさに知る人ぞ知る名脇役だっただけに、ネット界隈で所謂“イケオジ”扱いされているのを見ると何とも感慨深いものがある。筆者はオーストラリア時代の96年製作『ハーモニー』から見ていたが、その後ハリウッドに渡ってからもしばらくは食 [続きを読む]
  • 『ザ・ライダー』
  • 風が吹き、大地が鳴る。馬が見つめ、人は触れる。いつともどことも知れない語り口が映画に神秘的な抒情性をもたらす。1人の若きロデオカウボーイが落馬し、頭に重傷を負う。右手はあの時、手綱を握りしめたまま開かない。次に失敗したら、おそらく命はないだろう。青年は怖れを感じる。オレの人生はここで終わってしまうのか?だが他にどんな生き方があるというのだ?父親はまた家賃を?み潰した。学のないカウボーイにはスーパー [続きを読む]
  • 『ロクサーヌ、ロクサーヌ』
  • 1980年代にヒップホップシーンを席巻したラッパー、ロクサーヌ・シャンテの半生を描く伝記映画。幼い頃からストリートでラップバトルを繰り広げ、弱冠14歳で『ロクサーヌ・リベンジ』を世に出した彼女は女性ラッパーの先駆的存在となる。天性の即興センスでのびのびと歌う彼女は多くの人々を魅了するが、早々に音楽業界を引退、以後心理学者になったという。だが映画の主眼はそこではない。描かれるのはロクサーヌと男たちの関係だ [続きを読む]
  • 『顔たち、ところどころ』
  • 名匠アニエス・ヴァルダがストリートアーティストのJRと組んだこのドキュメンタリーはユーモラスで、人間の多様性に対する温かな視点が心地良い作品だ。彼らは移動撮影車でフランス各地を回り、人々のポートレートを撮影して壁やコンテナ、列車等に貼りだしていく。御年90歳ながら才気煥発、矍鑠としたヴァルダと、四六時中サングラスと帽子を手放さない36歳JRのデコボココンビのやり取りは珍道中コメディとしても楽しく、 [続きを読む]
  • 『キングスマン:ゴールデン・サークル』
  • 痛快アクションとブリティッシュイズムがウケて大ヒットを記録した『キングスマン』の第2弾。今回はジュリアン・ムーア率いる謎の組織“ゴールデン・サークル”によってキングスマンが壊滅する所から映画は始まる。前作から引き続いて登場したロキシーや愛犬BBはあっさり退場。新キャラにアメリカのスパイ組織“ステイツマン”(表向きはバーボンウィスキー製造業!)からジェフ・ブリッジス、ハル・ベリー、チャニング・テイタ [続きを読む]
  • 『マップ・トゥ・ザ・スターズ』
  • 聖林=ハリウッドを支えてきたもう1つの要素が陽光の影でまことしやかに囁かれてきた噂、醜聞の数々だろう。殺人、ドラッグ、妄執、亡霊、近親相姦…華やかなショービジネスと相反するこれら腐臭は人々の好奇心を刺激して止まない。デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督『アンダー・ザ・シルバーレイク』はそんなハリウッドバビロンの奇譚が記号として無限に連なった怪作だった。巨匠クローネンバーグは今更なぜそんなテーマを選 [続きを読む]
  • 『ボヘミアン・ラプソディ』
  • クイーンを知らない1982年生まれの筆者には有難い“ベストヒット盤”のような映画だ。1970年にフレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーらによって結成されてから1985年の伝説的ライヴエイド公演までを描く本作は、フレディの半生を中心に据えた事でクイーンというバンドのスピリットを描く事に成功している。アフリカはザンジバル生まれ、インド系移民の子であるフレディは本名をファルーク・バルサラといい [続きを読む]
  • 『パトリオット・デイ』
  • 00年代以後に発生した実際の事件を描き続けるピーター・バーグ監督、マーク・ウォールバーグ主演コンビの第3弾。今回は2013年に発生したボストンマラソン爆破テロ事件が題材だ。後発のデビッド・ゴードン・グリーン監督作『ボストンストロング』は被害者側の視点だが、こちらは捜査にあたったボストン警察の視点で事件発生から解決までの109時間を並々ならぬ緊迫感で描いている。バーグらしくアクションもたっぷり盛り込まれ、娯 [続きを読む]
  • 『アウトロー・キング』
  • 13世紀、スコットランド独立のためにイングランドと戦ったロバート・ブルースを描く史劇映画。95年の『ブレイブハート』にも登場した人物で、物語も直後から始まるためさながら“続編”ともいえる(『ブレイブハート』の最後で八つ裂きになったメル・ギブソンの脚も出てくる)。監督のデヴィッド・マッケンジーは大成功を収めた前作『最後の追跡』同様、冒頭に長回しを用意して僕らを一気に13世紀へと引き込む。イングランドとの和 [続きを読む]
  • 『アンチヴァイラル』
  • 親子とは言え、こうも作風が似るのか。カナダが誇る鬼才デヴィッド・クローネンバーグの実子ブランドの監督デビュー作は既にその作家性が確立されている異色編だ。近未来、セレブはインスタグラムで私生活を切り売りする事を通り超え自らの細胞、それも感染した病原菌を売り飛ばす事をビジネスとしていた。この細胞ビジネスを取り扱うクリニックで技師として働く主人公シドは人気女優ハンナの死をきっかけに陰謀に巻き込まれていく [続きを読む]
  • 『若おかみは小学生!』
  • 子供の視点から世界を描くのは巨匠・宮崎駿のトレードマークとも言える手法だが、本作の高坂希太郎監督がスタジオジブリ出身と聞いてなるほどと合点がいった。令丈ヒロ子の同名児童文学シリーズを映画化した本作は誰もが経験し、そして思い出すこともなくなった子供時代の世界の不可思議さを瑞々しく描いている。自ずと宮崎御大の傑作『となりのトトロ』を彷彿とした人も多いのではないだろうか。主人公は小学6年生の女の子“おっ [続きを読む]
  • 『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』
  • レベッカ・ミラー監督が自ら脚本を務めた本作はなかなか男性に手厳しい1本だ。主人公マギー(グレタ・ガーウィグ)は子供が欲しいけど結婚には興味がなく、学生時代の同級生ガイから精子の提供を受けようとする。そんな時、同じ大学に勤める妻子持ちの学者ジョン(イーサン・ホーク)と恋に落ちてしまい…。現代口語映画“マンブルコア”の旗手であるガーウィグと、その先駆者とも言えるリチャード・リンクレイター組イーサン・ホ [続きを読む]
  • 『search サーチ』
  • “102分間、パソコンの画面だけで映画が進行する”前評判を聞いた時、果たしてそんな事が成立するのかと訝しんだが、なるほど本編を見て納得だ。我々は仕事でパソコン、通勤の合間にスマートホンといった具合に四六時中モニターを見る生活なのだから、親和性がないワケがない。むしろこの映画の巧さは人間がモニターのどこに焦点を定めているか、どんな手際で操作しているかという“生理感”を編集に落とし込んでいる事だろう。1 [続きを読む]
  • 『ジャスティス・リーグ』
  • DCがまたやらかした。せっかく『ワンダーウーマン』が持ち上げた屋台骨をザック・スナイダーがめちゃくちゃにしたのだ。スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンらに加えてアクアマン、フラッシュ、サイボーグら人気ヒーローの集結する本作は“DC版アベンジャーズ”として大ヒットを期待されていた。ところが巨額の製作費を投じた本作は『ワンダーウーマン』の半分に過ぎない2億ドルの興行収入に留まり、DCユニバース史 [続きを読む]
  • 『2001年宇宙の旅』
  • 今更どうこう書く必要もないだろう。公開から50年を経てIMAXスクリーンに甦った不朽の名作はその先見性に驚かされる。CG以前のあらゆる映像技術を駆使した宇宙空間の再現、テクノロジー考証は今見ても全く色褪せず(宇宙飛行士たちはタブレットで映像を見ている!)、その描写が後の『スター・ウォーズ』や『機動戦士ガンダム』に影響を及ぼしているのは明らかだ。アルフォンソ・キュアロンが『ゼロ・グラビティ』で行った [続きを読む]
  • 『パディントン』
  • マイケル・ボンドの児童文学を映画化した本作は大人の頬も思わずほころぶ好編だ。南米ペルーの山奥からやって来た英語を話せる熊パディントンを巡って巻き起こる騒動を一級の映画技術で描いている。中でもパディントンの住むブラウン家の美術が楽しい。屋根裏部屋も含めた4階建てで、吹き抜けの壁には大きな桜の木が描かれている。個性豊かな一家の暮らしを紹介する場面では書割になっており、この箱庭感はウェス・アンダーソ映画 [続きを読む]
  • 『アンダー・ザ・シルバーレイク』
  • LAを舞台に素人探偵が美女失踪事件を追う…それだけ聞けばこの『アンダー・ザ・シルバーレイク』はノワールに分類されるだろう。冒頭、登場する“犬殺し”の文字や、壁一面に張られた新聞の中にあるブラック・ダリアの写真からLAを舞台にした暗黒小説の帝王ジェイムズ・エルロイを連想するし中盤、映画が転換する貯水池というキーワードには古典『チャイナタウン』を彷彿とする。不気味な“フクロウ女”のフリークス像にはデヴ [続きを読む]
  • 『激突!』
  • スティーヴン・スピルバーグ、24歳の監督デビュー作。元々はTVムービーとして製作されたが評判を呼び、ヨーロッパや日本では劇場公開された。しばしば「映画監督はデビュー作に全てがある」と言われるが、まさにサスペンスアクションの達人スピルバーグの原点がここにある。リチャード・マシスンの短編小説を原作に、アメリカの田舎道で暴走トラックに追い回される恐怖は今見ても全く色褪せない。また撮影期間16日、放映まで3 [続きを読む]
  • 『ジェニーの記憶』
  • ジェニファー・フォックス、48歳。ドキュメンタリー作家。ある日、実家の母から奇妙な電話がかかってきた。ジェニファーが13歳の時に書いた物語を読んだというのだ。「あなた、虐待にあってたんじゃない!」文章にはジェニファーと大人の男性の恋愛が書かれていた。「そんな大げさに言うことじゃない。あれはちゃんとした恋愛だったし、当時の私は同年代の子よりもしっかりしていた」だが母は言う「あなた、他の同級生よりもずっ [続きを読む]
  • 『カフェ・ソサエティ』
  • 昔からジジイみたいなルックスだったせいで気付かなかったが、ウディ・アレンも82歳。立派な“ジジイ”である。同じことを何度も話し、「昔は良かった」と懐かしむ様はそこらの老人と何ら変わりない。恋のさや当てというお馴染みのテーマを繰り返すが、一筆書きかと見紛う気のない脚本(ヤクザの兄のサブプロットは機能していない)からは近年の作品に顕著なペシミズムは感じられない。1930年代ハリウッドを舞台にしているのは『ミ [続きを読む]
  • 『浮き草たち』
  • 最近はこういう“撮りたい物を撮る”という初期衝動に駆られたインディーズ映画も劇場公開される事が少なくなったが、Netflixの台頭により全世界配信というより大きな公約数を得る事になった。映画ファンとしては劇場のスクリーンで見る事ができなくなったのは寂しいが、新しい才能と出会える機会はうんと増えた。後に『さよなら、僕のマンハッタン』で主演を飾るカラム・ターナーと、『マイヤー・ウィッツ家の人々(改訂版)』に [続きを読む]