長内那由多のMovie Note さん プロフィール

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長内那由多のMovie Noteさん: 長内那由多のMovie Note
ハンドル名長内那由多のMovie Note さん
ブログタイトル長内那由多のMovie Note
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/nayutagp01fb-zephyranthes
サイト紹介文映画レビュー、俳優論など映画のことを中心としたブログ
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供149回 / 365日(平均2.9回/週) - 参加 2017/03/20 22:59

長内那由多のMovie Note さんのブログ記事

  • 『ファントム・スレッド』
  • 鬼才ポール・トーマス・アンダーソン監督(pta)の最新作『ファントム・スレッド』は面妖かつ幽玄な逸品だ。時は1950年代、ロンドン。オートクチュールドレス“ハウス・オブ・ウッドコック”を手掛ける天才デザイナー、レイノルズの朝から映画は始まる。身だしなみを整え、特段手をつけるでもない食卓でスケッチに勤しみ、お針子達の出勤を待つ。pta自ら手掛けたカメラはまるで漂うように住居兼アトリエを縦横移動し、美しくたゆた [続きを読む]
  • 『ブラックハット』
  • リサーチ魔が祟り、前作から5年もかかってしまったマイケル・マン監督作『ブラックハット』はその努力も虚しく全米で大コケ、大酷評に終わってしまった。しかし、それがいったい何だと言うのだ。ベン・アフレックが『ザ・タウン』で、クリストファー・ノーランが『ダークナイト』で、『ブレイキング・バッド』も『ウィンター・ソルジャー』もフォローした90年代最重要作『ヒート』のマイケル・マン監督新作である。アメリカの批評 [続きを読む]
  • 『マイアミ・バイス』
  • マイケル・マンが80年代にプロデュースし、人気を博したTVシリーズのセルフリメイク。タイトルコールも人物紹介もそっちのけでロケットスタートする冒頭の気迫に圧倒される。陽光煌めくマイアミなんか今さら映す気はさらさらないのか、ハードでクールな夜間撮影から『ヒート』のようなリアル犯罪捜査路線をアップデートしようという気概が伺えるではないか。“世界で最も夜景をクールに撮る男”マイケル・マン監督によってマスタ [続きを読む]
  • 『22ジャンプストリート』
  • “往年のTVシリーズをチャニング・テイタム、ジョナ・ヒル主演で映画化”という企画の安易さを翻す大傑作となった『21ジャンプストリート』の第2弾。前回は高校生に化けて潜入捜査をした2人だが、今回はもちろんご想像の通り大学生に化けて青春時代をプレイバックする。刑事アクションのお約束を全て逆手に取った前作、そしてレゴというおもちゃのあるあるを感動へ振り切った『レゴムービー』に続き監督フィル・ロードとクリス [続きを読む]
  • 『レディ・バード』
  • アカデミー賞で作品賞はじめ5部門にノミネートされた『レディ・バード』は監督グレタ・ガーウィグの個性がつまった愛すべき小品だ。女優としてノア・バームバック作品等に持ち込んできた柔らかいヒューマニズムが本作の持つ“優しさ”へと結実している。サクラメントに住む少女“レディ・バード”の高校生活最後の1年を描いた本作は多分にガーウィグの実体験を反映していると思われるが、人間の営みを見つめた繊細な視線は誰もに [続きを読む]
  • 『デッドプール2』
  • お待ちかね!世界中で大ヒットを記録したオレちゃん主演映画第2弾だ。前作は正直、オレちゃんもこんなに当たるとは思ってなかったからマーヴェルもDCユニバースもディスり放題だったけど、製作の20世紀FOXが味しめちゃってさー。ウルヴァリンシリーズの『ローガン』まで同じR指定にしちゃってアカデミー賞候補だろ?オレちゃんだって手が届かなかったのに!みんなそんなにヒュー・ジャックマンがいいのかよ!という事でプレ [続きを読む]
  • 『ゲティ家の身代金』
  • これも異常な実話だ。1973年、ローマで大富豪ゲティの孫ポールが誘拐された。犯人側の要求は身代金1700万ドル。ところがこれをゲティは拒否する。彼は常軌を逸した守銭奴だったのだ。ポールの母ゲイルは既に一族から離れており、金銭的な余裕はない。ゲイルは誘拐犯と世界一の大富豪の間で板挟みとなる。リドリー・スコット監督は余裕の手並みでこの事件を映画化した。事件発生から犯人側との交渉、誘拐されたポールの苦難、そして [続きを読む]
  • 『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
  • フロリダ。今日もうだるような暑さの中、子供達が元気に遊んでいる。ここはディズニーワールド近く、ハイウェイ沿いのモーテルだ。車が行きかい、何てことのない店が立ち並ぶ。主人公は6歳の女の子ムーニー。カメラが彼女の肩越しまで下りれば、モーテルはパステルカラーの夢のお城に変わり、リーマンショックの惨禍とも言える無人の住宅街はワクワクドキドキのお化け屋敷に変わる。永遠に終わらない夏休み。だが、ふっとカメラが [続きを読む]
  • 『恋は雨上がりのように』
  • 女子高生が45歳の中年男性に恋をする、というプロットにうっかりポリコレ棒を握ってしまったのか、どうにも色眼鏡で見てしまった。恋に理由はなくても表現作品は恋におちる瞬間を描写できなくてはならないだろう。ヒロイン・小松菜奈は映画の冒頭からほとんど理由もなく(そう見える)45歳・大泉洋にその思いの丈をぶつけ続ける。大泉は理性的に接しようとするが、デートに行ったり家に上げたりと脇が甘く、最後の場面は間違いな [続きを読む]
  • 『ラブレス』
  • アンドレイ・ズビャギンツェフ監督作はヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞した『父、帰る』以来の鑑賞だが、本作『ラブレス』を見ると処女作にして既に作風が完成された名匠である事がわかる。静謐だが、どこか不穏さを抱えたカメラ。そして『父、帰る』で地中から掘り起こされた謎の小箱のように、映画の中心に存在するマクガフィン。今回の『ラブレス』では息子の“不在”がそれだ。ロシア。ある家族が離散の時を迎えようとしてい [続きを読む]
  • 『犬ヶ島』
  • 誰にも真似できない、オリジナル過ぎるウェス・アンダーソン監督最新ストップモーションアニメ。近未来の日本。メガ崎市では犬インフルエンザが蔓延、人への感染を恐れた行政はゴミで埋め立てられた離島へ全ての犬を送り、殺処分とした。主人公アタリ少年は愛犬スポッツを探してこの“犬ヶ島”にやってくるのだが…。オフビートなユーモア、アレクサンドル・デスプラが好投するすっとんきょうなスコア、そして細部までこだわり抜か [続きを読む]
  • 『君の名前で僕を呼んで』
  • 多感な、それこそ17歳の時にこの映画を観ていたら人生が変わっていたかも知れない。ティモシー・シャラメ演じるエリオの表情を撮らえた3分30秒のエンドロール。その顔には愛を失った哀しみがあり、はらりと涙が落ちる。しかし、やがて彼は微笑む。人を愛したことの喜び。この少年はこれからも人を愛し、時に傷つき、人があるべき人生を送っていくのだろう。映画館が明るくなるまで、いや家路に着いてからも少年エリオのこれから [続きを読む]
  • 『モリーズ・ゲーム』
  • こちらもびっくりするような話だ。オリンピック候補のモーグル選手から一転、ハリウッドセレブが通い詰める高額闇賭博ポーカーの主催者となったモリー・ブルームの手記を『ソーシャルネットワーク』『スティーブ・ジョブズ』の脚本家アーロン・ソーキンが映画化した。自ら脚色も手掛けたソーキンは冒頭からヒロインの頭脳明晰さを怒涛のセリフ回し、編集スピードで表現する。ケガにより競技人生を諦めたが、ロースクールに入れる程 [続きを読む]
  • 『ボストンストロング ダメな僕だから英雄になれた』
  • 2017年もアメリカ映画は実話モノが相次いだが、意図せずして呼応し合っているのが面白い。アメリカのロールモデルになれなかった事から転落していく『アイ、トーニャ』とボストンマラソン爆破テロ事件で両足を失ったジェフ・ボーマンを描く本作だ。事件直前、ジェフは犯人を目撃しており、彼の証言が逮捕につながった事で世間から不屈の英雄として注目を集めていく。だが、実際のジェフはヒーローとは程遠い男だ。30歳を前にして母 [続きを読む]
  • 『パシフィック・リム アップライジング』
  • 前作は日本でも圧倒的に支持されたが、僕にはどうにも微妙に色味の違うガンプラが出来上がってしまったような感慨しか抱けず、そのためファンには不評の本作はさほど目くじらを立てる事もなく見られた次第。前作から数年後、“KAIJU”の脅威が去った世界に新たな危機が迫る。ペンテコスト将軍(イドリス・エルバ)の息子ジェイク(ジョン・ボイエガ)は偉大な父の陰から逃げるようにジャンク屋稼業を営んでいたが、同じくジャンク [続きを読む]
  • 『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』
  • 未だ『スター・ウォーズ』『マッドマックス』という40年前のコンテンツで食べている映画界だ。1995年製作『ジュマンジ』のリブートなんてまだ日が浅い企画だろう。ハリウッドが人気フランチャイズを延々と続けている事は今更言うまでもないが、ブランドを維持するための企画開発は年々、手が込んできたように感じられる。謎のゲーム“ジュマンジ”に吸い込まれてしまう基本コンセプトはそのままに、本作ではジョン・ヒューズ風の [続きを読む]
  • 『闇のあとの光』
  • メキシコ人監督カルロス・レイガダスのカンヌ映画祭監督賞受賞作。近年、非英語圏の作家達がカンヌはじめ国際映画祭で紹介される場面が増えてきたが、驚かされるのはアメリカ映画ともヨーロッパ映画とも異なるその独特の映画話法だ。1:1の画面比、カメラの中央だけピントを合わせた万華鏡のような映像、文脈を読み取りづらい緩やかな語り口、そして現実と非現実が地続きになるマジックリアリズムの蠱惑…。一組の夫婦を通して人生 [続きを読む]
  • 『Mommy』
  • とにもかくにもグザヴィエ・ドランである。わずか二十歳で監督デビューするやゲイである出自と母親への異様とも取れる愛憎が混在した作風が注目を集め、一躍映画界の風雲児として注目を集め始めた。その人気と期待の表れがカンヌ映画祭でのゴダールとの同点受賞だろう。本作『Mommy』は26歳の初期衝動のままの手法も大いに注目を浴びているが、驚くべきは熟練した演出手腕だ。百戦錬磨のアンヌ・ドルバルとスザンヌ・クレマンらを [続きを読む]
  • 『サバービコン 仮面を被った街』
  • 1950年代アメリカ、閑静な住宅地“サバービコン”にとある黒人一家が引っ越してくる所から映画は始まる。地域の白人達は「犯罪が増える」「黒人がいないから土地を買ったのに」と侃々諤々だ。彼らは連日、出ていけと抗議のデモを繰り返し、ついには家の周りを“壁”で取り囲んでしまう。やれやれ、ウンザリだ。実際の事件に材を取ったというが、アメリカは本当に何も変わっていない。一軒隣りでは保険金目的の殺人事件が繰り広げら [続きを読む]
  • 『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』
  • 実在の人物、事件を扱った作品は相変わらず賞レースの人気題目だ。今年のアカデミー賞でもワシントンポストの報道を描いた『ペンタゴン・ペーパーズ』や、ダンケルク撤退線に的を絞った伝記モノ『ウィンストン・チャーチル』がノミネートされ、ドラマでは近過去のタブロイド的な事件から現在を読み解いた『アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件』も記憶に新しい。そしてトーニャ・ハーディングである。1994年 [続きを読む]
  • 『BPM ビート・パー・ミニット』
  • 1990年代初頭パリ、エイズ患者の権利や病状について知識啓蒙を行う団体“アクト・アップ”を描いた実録映画。ロバン・カンピヨ監督自身も当時アクト・アップの活動に携わっており、その熱量を再現する事に成功している。脚本、編集を担当したカンヌ映画祭パルムドール受賞作『パリ20区、僕たちのクラス』でも素人の子供達とリハーサルを繰り返し、ドキュメンタリーと見紛う即興性を取り入れていたが、本作でもとりわけミーティン [続きを読む]
  • 『心と体と』
  • なんて繊細な映画なんだろう。しんしんと雪が降りしきる森の中で牡鹿と雌鹿が出会う。この世ならざる静謐な空間。度々、挿入されるこの場面はやがて主人公2人の見る夢とわかる。ハンガリーはブタペスト。食肉処理工場で管理職を務めるエンドレは人に心を閉ざした孤独な中年だ。バツイチ。右手はいつからなのか、障害を抱え動かす事ができない。おそらくそれも彼を卑屈にした原因の1つだろう。そこへ代理職員としてマーリアという [続きを読む]
  • 『トップ・ファイブ』
  • 日本劇場未公開がもったいない痛快ラブコメディだ。かねてよりエリック・ロメールをブラックムービーにアレンジするなど隠れシネフィルとしてのセンスを持ち合わせていたクリス・ロックだが、『ニューヨーク、恋人たちの2日間』で共演したジュリー・デルピーからの影響か、NYという借景も相まって“ウディ・アレン風ブラックムービー”とも言うべき粋な映画に仕上がった。もちろん、名匠をフォローしたからってオレ達のブラザー [続きを読む]
  • 『チャッピー』
  • ニール・ブロムカンプ監督の才気と若さが漲る快作だ。2016年、南アフリカはヨハネスブルグ。エビ型エイリアンはまだ飛来していないが、治安が悪化の一途を辿っていた街はロボット警官の導入を決定。圧倒的な戦闘力で犯罪撲滅に乗り出した。開発者のディオンはその1体にかねてから研究してきた人工知能(=AI)を搭載しようとするのだが、ニンジャとヨーランディのギャング夫婦にAIごと誘拐されてしまう。ギャング達は現金強奪の [続きを読む]