神山美夏 さん プロフィール

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神山美夏さん: 腐女子の小説部屋
ハンドル名神山美夏 さん
ブログタイトル腐女子の小説部屋
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/yobikou_kankeisya
サイト紹介文創作BL小説を書いています。現在平安恋物語『も』不定期更新中。ハピエン至上主義。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供566回 / 365日(平均10.9回/週) - 参加 2017/04/05 10:09

神山美夏 さんのブログ記事

  • 「気分は、下剋上」<夏>後日談 16
  •  呉先生向けのアピールのためだけに違いない行為に――ただ、祐樹の酷使したわりにはすこぶる良好な視力で見ても色々と予定が書いてあるという芸の細かさが森技官らしい――リスケジューリングまで今書き込んでいる最中といったところだった。「私たちは幸い土日休みです、ご存知の通り。ですから良いですよね?」 隣に座っていた最愛の人に視線を転じると森技官のスケジュール帳を――びっしりと文字が埋め尽くされている、真偽 [続きを読む]
  • 「蓮花の雫」<結光・視点>43
  • 「このお餅は……まさか……。いえ、そんなことは……」 一晩中睦み合った後の心地よい疲れまでどこかに行ってしまったように思えて、戦慄いてしまう唇から自分でも律することが出来ない言の葉を口走ってしまいました。「まさかではなく、まさに三日夜の餅だ」 頼長様がどこか誇らしげな感じで居ずまいを正して私に並んでお座りになられました。「楓、三日間私が申し付けたことを夜桜の君に申せ」 完璧に着こなした女房装束の裳 [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>後日談 15
  •  最愛の人は、普段なら多分、呉先生の「卵を大量に割ってしまった」事件を即座に思い出して言葉を選ぶタイプの人間だ。それなのに「簡単ですよ」と言ってしまったのは、やはり未だ本調子ではないのだろう。患者さんにはその患者さんのレベルに合わせて各種の説明をソツなくこなしていたのに。 最愛の人の手技の冴えとか世界レベルの外科医としての知名度を頼ってはるばる来て下さる患者さんの中には専門医レベルの知識の持ち主も [続きを読む]
  • 気分は下剋上 学会準備編 201
  • 「完全に面白がられていますよね。まあ、そういう『毒のない』話題をナースや事務局の女性限定で語られるのは別に構わないのですが。 どうやらそういうライングループまであるようですよ……。 ラインはご存知ですよね」 自分は使っていないが、ビジネス誌でも度々取り上げられている通話ツールなだけに知っていたので笑って頷く。「ほら、看護師にも医局の壁は存在しますが、医師ほどは酷くないです。それにお昼ご飯などの休憩 [続きを読む]
  • 「蓮花の雫」<結光・視点>42
  • 「おなごは極楽に行ったと申すが――懇意にしている白拍子が居る、上皇様も殊の外愛でていらっしゃる女人ゆえ親密に言葉は交わしても、それ以上のことは致しておらぬ。その遊び女が申したのだから誠だろう――本当の場合とそう偽っている場合があると。その点男はほれ、このように確かな証しが残る」 頼長様が指で掬い上げたのは、私が放った白珠の雫でした。 恥ずかしさと誇らしさで視線が宙を泳いでしまいます。「そういう、情 [続きを読む]
  • 気分は下剋上 学会準備編 200
  • 「シャンパンタワーを二人でするというお許しが病院長から出ましたよね。 それだけで充分綺麗かつ華麗な演出にはなると思うのですが、金の紙ではなくてごく小さく切った純金の粉を上から撒いて貰ったらさらに良いと思いませんか? 記念パーティの件についても、貴方一人で考えて下さったようなので、気が咎めました。 『二人の記念日』なのに……」 金の粉……。確かに金は稀少さで高価だが、他の金属とは異なってとても薄く延 [続きを読む]
  • 気分は下剋上<夏>後日談 14
  • 「むしろベンツの運転も得意だろう……。帰国した私を病院まで連れて帰ってくれた時の車が確かベンツだったので」 記憶力の良さは知っていた。そしてビデオカメラの正確さで全てを覚えているという驚嘆すべき天賦の才能だが、点と点を繋ぐというか有機的に物事を捉えて、その上で何かの着想を得るとか独創的なアイデアが閃くという点が欠けている。そして自動車にも全く興味を持っていないことも知っていたので、まさかそんな些細 [続きを読む]
  • 気分は下剋上 学会準備編 199
  • 「あと一つの可能性としては『グレイス』で、貴方は奢られるのに慣れていらっしゃるでしょう。それが由々しき問題ですね」 何だか問い詰められている感じの口調に目を見開いた。 ただ祐樹の両腕を間近に感じていたし、二人の距離も近いせいもあって何だかこの殺風景な店長室が妙に甘い空気を醸し出していたが。 慣れているも何も、祐樹と初めて「親密な関係」になってからは一切足を運んでいないし、祐樹と邂逅した日は確かに店 [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>後日談 13
  • 「身内だけの気軽なホームパーティにその一分の隙もないスーツ姿は疲れないですか?」 あんなに有ったカニクリームコロッケが全てなくなったのを見計らって最愛の人が大皿を桜色の微笑みを浮かべてテーブルから下げている。「疲れないですよ。『スーツは男の戦闘服』ですから、24時間この恰好でも大丈夫です」 ちらし寿司を美味しそうに食べている森技官の事もなげな一言に呉先生がスミレ色の笑いを爆発させていた。 どこが「 [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>後日談 12
  • 「これからの――より一層の幸せを祈って乾杯」 祐樹の音頭に呼応して呉先生がとても明るい声で告げて隣に座った森技官と仲良くグラスを合わせている。「ご機嫌斜め」と森技官が言っていたのがまるで嘘のような感じだったが、しかし祐樹も隣に座った最愛の人のグラスと触れ合わせて綺麗な音をさせながら笑みを交わしていた。 多分――深刻さの度合いは異なるだろうが――二人きりで過ごすとこんな和やかで晴れやかな笑みを浮かべ [続きを読む]
  • 気分は下剋上 学会準備編 198
  •  バターの豊潤な香りを放つ柔らかい祐樹の唇を名残惜し気に離した。 だた、祐樹の長い両腕は自分の身体を挟むような感じで壁に向かって伸びている。壁に貼り付けられた感じと程よい密着感に薔薇色の鼓動が撥ねた。「その一連のアクションをされた女性は上手く対処出来るのだろうか……。私なら絶対に無理だろうな。思考が停止したまま固まってしまうだろう」 高木氏の割とよく通る声が――書店の店長室は皆こんな感じなのだろう [続きを読む]
  • 「蓮花の雫」<結光・視点>41(I5禁)
  • 「夜桜の君……。三度の逢瀬の夜を共に過ごしたが……。 今を盛りに咲く桜の如く……睦み合う将にその場所が……見事に咲いた……。 初めての夜には……これほど早く……咲き誇るとは……思いも寄らなかったので……とても嬉しく、そして愛おしく想う……」 頼長様の熱く荒い息の合間に切々とした言の葉が私の心だけでなく、露わになった素肌にも沁み込んでいくかのようでした。ただ、得心の行く御言葉ばかりではありませんでし [続きを読む]
  • 気分は下剋上 学会準備編 197
  • 「それに、教授や田中先生のご活躍とかご清栄に与ろうとしている人間には――もちろん私を含めてだが――お二人がシャンパンタワーの一番上から注ぐお酒を飲みたいと思うだろうし……。さっそくホテルの担当者に可能かどうか聞いてみることにする」 祐樹が自分の携帯で何やら調べ物の最中のようだった。「どうやら、シャンパンタワーは『感謝と幸福の象徴』のようですね。一番上は『自分』への――二人で注ぐのでしたら『二人』が [続きを読む]
  • 「蓮花の雫」<結光・視点>40(I8禁)
  • 「そのように性急に求めてくれるのは誠に嬉しいが、夜桜の君の心はともかく身体はまだ馴染んでいるとは言えぬので、せめてこの唐渡りの薬をその細い指で私の猛った物に塗って欲しい」 侍る人が居ない寝殿とはいえ、今宵の準備は万端整えられていたらしく頼長様は大きな貝の皿を私の目の前に差し出して下さいました。 甘く熱く震える指でその皿の中身を掬うとトロリとした油のような、しかし嗅ぎ慣れない異国の香りのする液体でし [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>後日談 11
  •  呉先生と何となく並んで廊下を歩くと呉先生が祐樹を見上げてきた。森技官は珍しそうに辺りを見回しながらも、なんだか自分の家のような傍若無人さを醸し出しながら祐樹最愛の人の隣を歩んでいた。「絹は汚れが落ちにくいのに、台所仕事もなさるのですか……」 呉先生が心の底から驚いた感じのすみれ色のため息混じりの声で感想を述べてくれている。 確かに――といっても祐樹が最も馴染みのあるシルク素材は普通の社会人と同じ [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>後日談 10
  • 「お邪魔します。これ詰まらない物ですが……」 土曜日の17時55分に――この時間には当然ながら正面玄関ホールには容姿も採用基準に入っていると思しき受付嬢が待機している時間だ――インターフォンが鳴って玄関を開けると休日にも関わらず黒いアルマーニの三つ揃いを雑誌のモデルかと思えるほど着こなした森技官と白いポロシャツにチノパンという休日スタイルという服装からしてばらけたカップルがドアの前に佇んでいた。  [続きを読む]
  • 気分は下剋上 学会準備編 196
  • 「お電話変わりました。香川です」 高木氏のスマホなので、斎藤病院長も通話先に氏や祐樹が同席していることも知っているだろう。 出版の関連した話は高木氏が全部把握して欲しいと思っていたし――自分にとって専門外のことはその道のプロに全て委ねるのが良いと経験則で知っていた――このタイミングで自分に代わって欲しいと病院長が言い出すのは祐樹と共著の本のことだろう。祐樹にも聞く権利は当然あった。 将来の病院長選 [続きを読む]
  • 「蓮花の雫」<結光・視点>39(I5禁)
  • 「……頼長様……」 我が邸の車宿りに左大臣家からの牛車が着いたのは漆黒の夜の帷に桜の花が艶なる雰囲気で散りしだいている頃合いでした。 物語の姫君のように、殿方との逢瀬の後の次の日は物思いにふけって過ごすというわけには参らずに、父上に妹の芳子の裳着についての頼長様のご好意、そしてその父君の忠実様に献上すべく菖蒲や杜若が手に入れられないかと話し合ったり、兄君の関白忠通様の御気持ちが少しでも動くような和 [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>後日談 9
  • 「お食事会は土曜の夜で良いですか。今のところは森技官が一番多忙なので、彼に合わせた方がいいでしょうし」 畑から直接摘んだような瑞々しいレタスの歯ごたえを楽しみつつ最愛の人に笑みを強いて浮かべた。「祐樹がそう言うのならそうしよう。食材はそれまでに揃えておくので、土曜日一日を使って準備すれば良いだろう」 バターが黄金色に輝くオニオンブレッドを唇に運びながら最愛の人が花のような笑みを浮かべている。 朝の [続きを読む]
  • 「蓮花の雫」<結光・視点>38
  • 「……どういう意味でしょうか?」 孫子や韓非子は唐の国が――唐という国名ではない時代であったことは承知しています――戦乱で麻の如く乱れていた頃の時代の対処法を書き記した書物です。孔子が書いた書物は「徳目」と申しますか、人として正しい生き方を説いた物で、平和な時には大変重要だと思いますが、そういう「四書五経」と呼ばれる書物ではなくて、実践としての乱世の処世術を書いた書物を勧められるのは大江様がそれだ [続きを読む]
  • 気分は下剋上 学会準備編 195
  • 「いえ、大丈夫です。自宅に帰ってどっと疲労が出るかもしれませんが……。今のところはそんなに疲れたという感じも受けないので。ゆ…田中先生は?」 店長室に入って応接セットに並んで座ると、目の前に疲労回復のための甘いモノという感じでお気に入りのブランドのフィナンシェが山のように盛られていた。そして喫茶店からの出前と思しき湯気の立っているコーヒーとアイスコーヒーが。「ああ、そのお菓子は差し入れの中から一箱 [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>後日談 8
  • 「寒くはない……。むしろ、程よく冷えて……、気持ちが良い」 最愛の人からの「お誘い」は嬉しいことこの上ないのも事実だった。しかし、どこか無理をしているような感じの痛ましさを覚えるのは祐樹の考え過ぎだろうか。 それにニュースで時々聞く――最愛の人は被害者であって、容疑者という立場が異なるが――「警察で容疑者は事件のことは語らないが雑談には応じている」という言葉が実感というか身に沁みて感じられるように [続きを読む]
  • 「蓮花の雫」<結光・視点>37
  • 「はい。私が生まれる前ですが国司として下った縁で……。詳しいことは父も語りませんが恐らく陸奥の国の民草に慕われるようなことを致したのでしょう。今でも郡司から献上品が絶えません」 国司は都から任国に下りますが、それに仕える郡司はその地方の有力者なので生まれ育った国から離れることは有りません。具体的な善政の内容は聞いておりませんでしたが、あれほど陸奥の国から夥しい献上物が年に二回届くのですから、今思う [続きを読む]
  • 気分は下剋上 学会準備編 194
  • 「その程度なら別に構わないと思います。そんなことで怒るような人ではないし、ゆ……田中先生の恋人は……今……ロ……ロサンジェルスに居るのだろう、確か……」 必死の取り繕いを頭の中で考えながらも手首を掴まれた感触に鼓動が薔薇色に弾んでいる。「そうですよ。あの人は今LAです。では、次の書店では8割の確率で――残り二割は時間が押してしまって直ぐに移動しなければならないというやむを得ない事態が起こった時を想 [続きを読む]
  • 「蓮花の雫」<結光・視点>36
  • 「私には妹が一人居りまして」 大江様は父上とも漢詩の席などでご一緒する仲だそうなので、裳着は迎えていないとはいえ話題に上っているとは思いましたが念のためにそう申しました。親や親戚、そして乳母や女房の噂で恋心を募らせる、いえ、実際そういうことも有ったかもしれません。しかし、婿を迎えてお世話をするのが女性の実家の役割でしたので、その婿候補が将来どれほどの出世をするかとか、今どの程度の地位に就いているか [続きを読む]