baumkuchen2017 さん プロフィール

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baumkuchen2017さん: not doing but being
ハンドル名baumkuchen2017 さん
ブログタイトルnot doing but being
ブログURLhttp://kotaro-kanwa.hateblo.jp/
サイト紹介文医療、特に緩和ケア・訪問診療・看取りに関する話題。
自由文元ホスピス医、現訪問診療医。ライフワークの緩和ケア、認知症治療、看取りに関する話題です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供56回 / 365日(平均1.1回/週) - 参加 2017/04/05 18:29

baumkuchen2017 さんのブログ記事

  • 『自分らしく』とその限界
  • 今日は緩和ケアにおいて大切な、患者さんの「その人らしさ」を尊重するということについて考えてみたいと思います。「考えてみれば、ケアを提供する私達がそもそも『自分らしさ』って何か、考えたことがない。」どこで読んだか忘れましたが、こんなことを言う方がおられました。しかし、私に言わせれば『自分らしく生きる』とは何かを考えないで済む人は、既に自分らしく生きられているのだと思います。『自分らしく』『その人らし [続きを読む]
  • 「毒」になる「善意」
  • 9月終わりにPHP onlineに載っていた、幡野広志さんの記事。一人でも多くの人に読んで、考えてもらいたいと思います。shuchi.php.co.jp幡野広志さんは、多発性骨髄腫という病気で30代で余命3か月の宣告を受けながら、情報を発信し続けている、フリーのカメラマンです。がんであることを公言した幡野広志さんがとても困ったこととして、周囲やブログを通して寄せられる、「代替治療」や「宗教」の数々であったようです。幡野広志さん [続きを読む]
  • 在宅看取りと事故物件
  • 先日Twitterでお世話になっている方からお聞きし、考えさせられたことがありましたので、皆さんにも共有したいと思い記事にさせて頂きます。貸家で殺人事件や自殺があると、そこは事故物件として扱われ、当然ながら入居希望者が減り、家賃をかなり下げる必要が出て来ます。これはアパートやマンションを貸す側からすれば大きな損失です。では、患者さんが病気や自然死で家族に看取られた場合はどうでしょうか。ここまでは私も以前 [続きを読む]
  • 「鎮静」という手段を知って下さい
  • 5年余り訪問診療を行って来て、先日初めて在宅でドルミカムを使った持続的な深い鎮静を行いました。対象は若い患者さんで、身の置き所のなさとせん妄があり、家族も眠れず心を傷めている状況でした。「眠っても良いから楽にして欲しい」と御本人もおっしゃり、せん妄に踏み切り、ご自宅で安らかな最期を迎えられました。日本の緩和ケアの歴史のはじまりをどこと考えるのかは異論があるかもしれませんが、少なく見積もって聖隷三方 [続きを読む]
  • 「美しい心」と言ってくれた
  • Twitterでお世話になっている、海月要さんの書いた小説です。表題作の『「美しい心」と言ってくれた〜地下にある死者の施設』のほか、4作品が納められた短編集になっています。海月さんは老人施設の看護師をされていますが、その日常の体験をもとに描かれた優しい作品集になっています。「美しい心」と言ってくれた ?地下にある死者の施設?作者: 海月要出版社/メーカー: 文芸社発売日: 2018/06/29メディア: Kindle版この商品を含 [続きを読む]
  • 医療者が死にゆく時
  • 長年大病院で勤務したある看護師さんが退職後に末期がんを告げられ、いよいよ病状が悪くなった時、自分とはふた回りくらい違う歳の看護師の前で涙をみせられたそうです。「自分が思い描いていた最期とは違った、こんなに辛いものだとは思わなかった」この女性は弱音を吐かない人だったようです。きっとプライドもあり、ひとりで病気と向き合って来たのではないかと思います。痛みには、オピオイドが効きました。吐き気や不眠も、薬 [続きを読む]
  • 胃瘻を中止にすることは出来ない!?
  • ある胃瘻の患者さんの御家族から、「胃瘻にしていると老衰は出来ないのですか?」と尋ねられたことがあります。老衰とはこの場合、老衰死=平穏死のことを指しているのでしょう。老衰死の場合、人は物を摂らなくなりますが、多くの死をみているとこれは苦しい時間を減らし、脱水でぼんやり、ウトウトすることで苦しさを減らす側面がありとても合理的なことだと私は思っています。胃瘻から栄養が入り続けていると、このような最期が [続きを読む]
  • フェントスのeラーニングを終えて
  • フェントステープは医療用麻薬、フェンタニルのパッチ製剤です。フェンタニルパッチにはほかにデュロテップMTパッチ(ワンデュロ)がありますが、個人的に使い慣れているフェントスでeラーニングを受けました。eラーニングのeはelectronicの頭文字ですが、ある種の薬剤は医師がインターネットで講習を受けなければ処方出来ない仕組みを作っています。フェントスを癌性疼痛に使用する分にはeラーニングはいらないのですが、『慢 [続きを読む]
  • 心肺停止で救急車を呼び警察沙汰になった話
  • 訪問診療で看取りを前提にしている場合、もし患者さんが呼吸をしていないと分かった場合は訪問医(私)にまず連絡をするように、と伝えています。搬送になると運ばれた先の病院では診断書が書けないという理由で、警察が呼ばれるのが普通です。呼ばれたからには警察は事件性の有無を確認しなければならず、多くは御家族が容疑を掛けられているかのような質問責めにあい、御遺体も服を脱がせられ写真を撮られることになります。場合 [続きを読む]
  • 自費診療は悪か?
  • 皆さんは自費診療のクリニックを受診されたことはありますか?我が国は皆保険という制度をとっており、保険診療によって自己負担額は1〜3割となっており、残りは公費で賄われています。医療はサービス業と言われることがあります。確かにサービス業的なところはありますが、決定的に違うのはこの「公費」を有効かつ公平に使う努力が医療者に求められていること、保険医には守るべきルールがあるということです。また患者さんの希望 [続きを読む]
  • 地上の星
  • 中島みゆきさんの地上の星という歌があります。www.youtube.comNHK総合テレビ「プロジェクトX 挑戦者たち」の主題歌ということで、wikipediaによるとみゆきさんのシングルの中でも1994年発売の「空と君とのあいだに/ファイト」に次ぐ2番目の売れ行きであったそうです。私は基本暗いので(!)、みゆきさんの歌は好きなんですが、この歌がリリースされた2000年頃からは特に理由もなく「みゆき離れ」を起こしており(当時研修医でした [続きを読む]
  • 老いと「受容」
  • 私は患者さんが病気や死を受け入れるか、それ自体はどちらでも良いと考えています。投げやりな意味ではなく、それは患者さんの価値観や生き方によるからです。過去のエントリーでも、kotaro-kanwa.hateblo.jpkotaro-kanwa.hateblo.jpこの辺りで書かせて頂きました。実は緩和ケアを始めた頃は、受容は若い人にはきっと難しく、戦争や長い苦難を生きて来られたご高齢の方は自然に受け入れられるようなイメージを持っていました。しか [続きを読む]
  • 分子栄養学、その後
  • 昨年11月のブログで、私の分子栄養学、『オーソモレキュラー』などと呼ばれる分野について思うところを書かせて頂きました。何、それ?という方はお手数ですがこの記事をお読みください。kotaro-kanwa.hateblo.jp新しい栄養学に対して期待をすると共に、やや医療批判・宗教的になりやすい性格を持っているという自覚を持って学びたいという気持ちを書いています。この姿勢は今もあまり変わっていないつもりです。しかし、私は学び [続きを読む]
  • 男の介護と虐待
  • 過去にこちらのブログで、『迫りくる「息子介護」の時代』という本の紹介をさせて頂いたことがあります。迫りくる「息子介護」の時代 28人の現場から (光文社新書)作者: 平山亮,解説上野千鶴子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2014/02/18メディア: 新書この商品を含むブログ (6件) を見るkotaro-kanwa.hateblo.jp上記のブログでも書きましたが、介護者による虐待の4割が息子さんと言われています。絶対数が相当少ないであろう息子 [続きを読む]
  • 看取りを支える
  • 長尾和宏先生のブログ記事を紹介させて頂きます。blog.drnagao.comとても大切な内容を取り上げて下さったと思います。介護施設における看取りの現場で、「体温が上がりました」「血圧が下がりました」、「酸素の数字が下がりました」と時間を問わず連絡して来ることに触れ、看取りの在り方や介護士の「教育」について問題提起をされています。この問題に関して言えば、簡単な解決策は電話を掛けて欲しいバイタル具体的に伝えておけ [続きを読む]
  • お医者様と患者様
  • こんな記事を読んでの感想です。http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/column/kumagai/201807/556919.html登録していないと読めない記事かもしれません。主治医を「お医者様」と呼び、薬を減らして欲しいと思いながら言い出せない80代の男性の患者さんが登場します。 「自分は薬のことはよく分からないが、こんなに飲まなくてもいいのではないかと思っている。とりわけ、半年ほど前に痰が絡むと言った時に出さ [続きを読む]
  • 「異常者」と殺意を生む職場
  • 大口病院の事件は衝撃的な内容でした。「信じられない」「許せない」という多くの声の中で、一部の医療者・介護者はTwitter等で高齢者医療・延命治療のあり方、医療・介護者の置かれている過酷な環境などを発信していました。しかし、これに対しては、「異常な殺人事件を高齢者医療とごちゃごちゃに論じるな」という、不快感を伴う反応が多かったです。私も、事件に絡めて高齢者医療(特に延命)を論じること、半ば崩壊しつつある [続きを読む]
  • 介護における「ボディタッチ」の是非
  • 昨日Twitterで、「介護におけるボディタッチは風俗法に抵触するのではないか」という意見をお聞きしました。個人的には結構ショックで、「ついにこういう時代が来たか…」と思いました。この指摘は、看取り前のがん末期の患者さんに対して、看護師が手を握ったことが、施設から「不適切な行為」とクレームを受けたエピソードがあり、それに対する意見でした。長い間何も問題視されず普通に行われて来たことが、「実はこれ、〇〇法 [続きを読む]
  • 命の重み
  • 私がレジデントの頃の話です。病院かかりつけの患者さんが窒息で救急救命センターに搬送されました。一命を取りとめましたが食事も会話も出来ず、胃瘻に。また、もともと透析をするかどうかギリギリの方でしたが、救命後は透析も必要となりました。経過中、下肢の末端の壊死も始まりました。外科的治療の適応はないと判断されました。患者さんは言葉が出ませんが壊死した趾の処置はとても辛そうでした。私は当初から緩和ケア医を目 [続きを読む]
  • 入院時に受ける急変の説明
  • 病院に入院すると、家族が病状の説明を受けた時に、「急変時の方針」を決めるよう求められる場合があります。もちろん、この場で答えたことが今後も変更不可能ということではありません。後に変更も可能です。しかし後述のようにいざ起こってしまってから「どうしよう」と考える時間は恐らくありません。これを私たちは「DNARを確認する」等と言います。DNARは「蘇生の可能性が低い場合に蘇生を差し控えること」です。入院中に具合 [続きを読む]
  • 同居孤独死
  • Yahooニュースにこんな記事がありました。headlines.yahoo.co.jp家族と同居をしているのに孤立状態で異常死を遂げるケースがあると記事は述べています。別の記事によると、このような「同居孤独死」は都内で年間2000件あるそうです。ちなみに一人暮らしの孤独死が年間3000件余りだそうです。もちろん、最初から孤独死させようと同居する家族はいません。初めは良かれと思い、独居の親と一緒に住む決心をされたのだと思います。にも [続きを読む]
  • 自分で決めない文化
  • 日本において本人よりも家族の意思が優先される場面が多々あるのは確かに課題ではある。しかしそれを本人自身が望んでいる場合というのもまたあり、それが日本人としての特性だろう。 ACPを進めて本人の意思を最優先させる仕組みを整えていくことは重要だが、欧米の進め方を単純に外挿して同じアプローチをとれば、日本の家族のみならず本人をも苦しめる可能性があることは考慮すべきだ。 今朝の、 [続きを読む]
  • 「ヘルプマン!!」とキラキラ系介護
  • 今回は、前回の続きの予定のつもりでしたが、うまくまとまらないので、他の内容にさせて頂くことにしました。ヘルプマン!!作者: くさか里樹出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2015/05/20メディア: コミックこの商品を含むブログ (1件) を見る皆さんは『ヘルプマン!!』という漫画を御存知ですか?介護士が主人公の漫画で、随分前から有名ですよね。調べてみると2003年にスタートしているとのことです。実は私は今回初めて読 [続きを読む]
  • 『母親に、死んで欲しい』(1)
  • 将来介護をする、受ける人になる可能性は、とても高いと思います。特に家族に介護する/される人にとって、是非一度は読み、考えて頂きたい本だと思います。「母親に、死んで欲しい」: 介護殺人・当事者たちの告白作者: NHKスペシャル取材班出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2017/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る副題に「介護殺人・当事者たちの告白」とあります。時にニュースとなり、私達の目に [続きを読む]
  • 「一番苦しいのは本人」ですか?
  • がんの末期に限ったことではありませんが、介護している家族に向かって「あなたも大変だと思うけれど、御本人の方が辛いのですよ」等と声がかかることがあります。これは間違っていると思います。もちろん、痛みや呼吸苦、嘔気などの身体的な苦痛を感じているのは御本人です。しかし、家族は家族で別の種類の苦しみがあり、他人が簡単に比較出来るものではないからです。実際、ホスピス等で身内を看取った経験のある終末期の患者さ [続きを読む]