車戸秀春 さん プロフィール

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車戸秀春さん: Toshiのエッセイのブログ
ハンドル名車戸秀春 さん
ブログタイトルToshiのエッセイのブログ
ブログURLhttps://ameblo.jp/skd-0077/
サイト紹介文本の紹介。また、音楽や文学など、色々かんがえたことを綴っていきたいと思っています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供1回 / 365日(平均0.0回/週) - 参加 2017/04/05 19:09

車戸秀春 さんのブログ記事

  • きれぎれ草
  • 男は力を見せつけようとする。女は関係を見せつけようとする。 ○ 運命は偶然と思える人には、偶然だが、運命の力にどうしようもなく追い込まれた者にとっては、顔面にしっかりと刻み込まれたしわのようなものだ。それが、良相であれ悪相であれ、自分ではいかんとも為し難い。反省が、運命を好転させると考えるのは、空想に近い。反省はむしろ運命ののっぴきならぬ相貌を、ありありと眼前に描いてみせてくれるものだ。運を好転させ [続きを読む]
  • 河合隼雄「こころの処方箋」 おすすめ本
  • 残念ながら現代は、当たり前な「感覚」がどんどん麻痺していって、何が当たり前かなのかさえ戸惑うような無秩序な混沌とした時代になっています。その当たり前なコモンセンス「常識」を取り戻し、その本当の力を再び発揮させること。忙しさにまぎれてしまう現代人にはなかなかむずかしいことですが、現代人に課された、最も必要な仕事のひとつと言っていいでしょう。この書は、そのための大きな一助となる偉大な「常識」感覚に溢れ [続きを読む]
  • シェイクスピア「ハムレット」 おすすめ本
  • 「生きるべきか死ぬべきか、それが問題なのだ。」など、シェイクスピアの作品の中でも、名文句、名台詞に溢れたあまりにも有名な作品です。作中、あらゆるものを突き抜けたように感じられるハムレットの自由感情は、世界中のどのような文学と比べても比類がありません。運命の自然力と人間の自由とが渾然と一体になった、世界文学の最高峰に立つ作品です。 [続きを読む]
  • 昔言葉 <人生の墓場> 経済という社会生理
  • 一時代前、結婚は人生の墓場という言葉があったが、最近の新入社員の黒づくめのスーツを見ていると、就職は人生の墓場かと思ってしまう。 さて、結婚難で、少子高齢化の時代になってしまったが、この現象はどう起こったものか。明治初期の頃、福沢諭吉に、結婚率の割合と米の相場が連動していることが分かったと経済学の成果が書いてあったが、こうした現象は、そうした社会学の底辺から考えてみるのがよいかもしれない。底辺とは [続きを読む]
  • Toshiの詩とエッセイのブログ
  • にほんブログ村で、詩を書いています。よろしければこちらも。 すると、にほんブログ村に移行します。 にほんブログ村Toshiの詩のブログ にほんブログ村に移行します。よろしかったら、ポチッとお願いいたします _(_^_)_にほんブログ村 [続きを読む]
  • スタンダール「赤と黒」 おすすめ本
  • 一見、無造作と思える筆致で書かれていながら、ロマンチシズムの香気が濃厚な作品です。作中、主人公のジュリアンは、ある女性が昔の恋人の話を楽しげにするのを聞いていて、じりじりします。その女性は、ジュリアンと今会って話しているからこそ、昔の楽しい思い出に耽っているのですが、ジュリアンは、「それでは、あなたはわたしを愛してくれないのですか?」と言ってしまいます。女性は、この人はわたしがジュリアンに思いを寄 [続きを読む]
  • ゲーテ「若きウェルテルの悩み」 おすすめ本
  • 作中、ウェルテルはかなわぬ恋の悩みから、自殺を遂げるのですが、当時、大評判となったこの作品を読んだ若者が、主人公の真似をして自殺する事件が相次いで起こり、ウェルテル病と呼ばれました。ゲーテ自ら、その24、5歳の当時を振り返り、あの時期はじつに危なかったと晩年の「ゲーテとの対話」の中で言っています。大人物はどのようにその危機を乗り越えたのか。他ならぬ「ウェルテル」自体にそのヒントがあるかもしれません [続きを読む]
  • 笑顔
  • 運命は偶然と思える人には、偶然だが、運命の力にどうしようもなく追い込まれた者にとっては、顔面にしっかりと刻み込まれたしわのようなものだ。それが、良相であれ悪相であれ、自分ではいかんとも為し難い。反省が、運命を好転させると考えるのは、空想に近い。反省はむしろ運命ののっぴきならぬ相貌を、ありありと眼前に描いてみせてくれるものだ。運命を好転させるものは、昔から言われているように笑顔である。笑顔とは、不思 [続きを読む]
  • 芥川龍之介「藪の中」 おすすめ本
  • 芥川は晩年、完全に無方向状態の精神的危地に陥り、悲劇的な自死を遂げました。それも、当代最良の小説家であり、知識人だと目されていただけに、当時の社会に異常な衝撃を与えました。この芥川が追い詰められた精神の危機的状況は、その後の日本文学に少なからぬ影を落とすことになります。「藪の中」はその芥川の幾分平穏期の作品ですが、題名が暗示的です。 [続きを読む]
  • ニーチェを読んで
  • 神はいないのではなく、神は死んだのである。誠実極まりない賭博者。よりによって、自分の全人生を賭ける。勝負をする者には、灼熱する生の贈り物。精神の猟犬。我々が逃げ込もうとするあらゆる安楽な避難所を、鋭い嗅覚で嗅ぎ分け、追い立て、あやまたず、自らをまた我々を白日の下に曝す。ニーチェの言葉には、どれにも強い電流が流れているようだ。ときおり、その感電力の強さには、吐き気さえ催してくるが。 [続きを読む]
  • 岩合光昭「ちょっとネコぼけ」 おすすめ本
  • なんでもない野良ネコたちの、なんでもない日常を撮ったらどうだろうか。ネコのことはネコに聞いてみようとカメラ片手に、あちらこちらの町々をうろついて、ついにイタリアはベネチアあたりまで来てしまった。ネコを撮り続けて30年。ひとつ写真集にして出してみようかと出版したのが、岩合写真家のこの本書。人に懐かない野良ネコのありのままの姿が印象的です。 [続きを読む]
  • 井伏鱒二「黒い雨」 おすすめ本
  • 飄然としていながら、独特の風格をもった現代作家、井伏鱒二の代表作です。原爆が投下されてから約二十年後に、この本は完成しました。日本最初の原爆小説ですが、二十年という年月がいかにこの悲惨な現実を描くことが難しかったかを物語っています。そうして、これほどの悲惨な戦争の悲劇を取り扱いながらも、飄々とした味を失いません。恐るべき平常心です。 [続きを読む]
  • 音楽における性
  • モーツァルトの音楽は、極めて純度の高い両性具有が達成されている。しかも、官能性まで損なわれていない。両性具有は、ハイドンの音楽でも共通の性格なのだが、人々を引きつけ、思わず一緒に歌いたくなるような繊細さや官能性においてもう一つ欠ける。 仏画や仏像の形姿も男でも女でもない。やはり、両性具有である。ここで、断っておくが、両性具有は中性や無性のような中途半端な性の在り方ではなく、両者がなんの妥協も矛盾も [続きを読む]
  • 秋山峻「信長」 おすすめ本
  • 日本で最も独創的で、また理解しがたい人間、織田信長。日本の近代は彼によって準備され、われわれ現代の日本人は誰でも、信長が時代の大転換期に画した業績の上に立っていると言ってよいくらいです。その信長の天才に迫る画期的な労作。ナポレオンと信長とを同列に論じた章は絶妙です。 [続きを読む]
  • 古今亭志ん生「なめくじ艦隊」 おすすめ本
  • 戦後、落語の黄金時代を築き、一世を風靡した不世出の落語家です。 落語家ということもあって、こうした珍妙なタイトルになっていますが、まぎれもない名著です。談話風の筆記録ですが、十分に読み応えのある内容豊富な自叙伝になっています。つらい貧乏暮らしだからこそ味わえた人々の人情の機微を縦横に語り、しかも落語家ならではの乾いた軽快さを持っています。 この本を読んで落語家になることを志した人も多いこと [続きを読む]
  • カフカ「変身」 おすすめ本
  • 「ある朝、グレゴール・ザムザが何か気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な毒虫に変わっているのを発見した。」なんの説明もない作品冒頭の文章です。 作者カフカは、実生活では平凡な役人の人生を送りましたが、いつでも、どこでも、自分の内部は何故こんなに他の人間たちと違うのだろうかという疑問に一生涯苦しみ抜きました。 人間らしい心を押し潰して、平気で流れていく現代社会と人間性を取 [続きを読む]
  • 恨みに報いるに <デトロイト>
  • 日本人は、記憶力のいい国民である。アメリカに無条件降伏したとき、大人たちは何と言ったかというと「早く、子供たちを隠せ。」と口々に言ったのである。 これは、元寇のとき、元の軍人たちは何をしていったか覚えていたからである。彼らは、男女を問わず、子供たちの手に穴を開けて綱を結び、船にその綱を絡げて、引いていったのである。そのときの記憶は、そのときも残っていたのである。 元が、早くに滅んだ国家であったことも [続きを読む]
  • バルザック「ゴリオ爺さん」 おすすめ本
  • 数多いバルザックの作品の中でも、選り抜きの最高傑作です。バルザックは、スタンダールと同時代人のフランスの小説家ですが、スタンダールとはまるで作風が違います。 充分に前置きを固めておいて、大団円まで持っていきます。前置きがかなり長いために、中途で読むことを諦めてしまう読者も少なくないほどです。けれども、この小説を読み通した人は知っていますが、引退した市井の一市民に過ぎないゴリオ爺さんの偉大な悲劇 [続きを読む]
  • チェーホフ「桜の園」 おすすめ本
  • 帝政ロシア末期、停滞しきった活力のない社会を背景に、後は消え去るのみの没落地主の貴族たちやその他の人たち。 チェーホフは、じつに澄み切ったまなざしで、彼ら、運命に押し流されていく役割の終わった人間たちの姿を描きます。 劇の最後、溜め息のように登場人物が自身につぶやく「この出来そこないめが!。」というセリフが、不思議な安らぎをもって胸に迫ります。見事なしずかな喜劇です。 [続きを読む]
  • ドストエフスキー/バルザックの<経済感覚> 金貨と紙幣
  • バルザックでは、金貨が活躍する。バルザック自身がありとあらゆる事業に手を出しては失敗し、金に振り回され続けた作家だった。 「ウジェニー・グランデ」で、ウジェニーの父の守銭奴のグランデが、娘に譲ったはずの金貨をいとおしそうにじっと見つめる場面には、凄惨な迫力がある。 「絶対の探求」で、バルタザールの娘が、思わず金貨を弄び(金に困ったことのない人間の通弊であるが、この娘はちゃんとお金の有り難さを知ってい [続きを読む]