仮名吹(かなぶき) さん プロフィール

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仮名吹(かなぶき)さん: みんなの夜
ハンドル名仮名吹(かなぶき) さん
ブログタイトルみんなの夜
ブログURLhttp://masa-toshi-bros.seesaa.net/
サイト紹介文仮名吹(かなぶき)です。夜、一人で詩を読んでいる方へ。あなたは一人ではないですよ。みんなもそうです。
自由文自作の詩をお届けいたします。よかったらご覧になってください。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供50回 / 365日(平均1.0回/週) - 参加 2017/04/15 08:06

仮名吹(かなぶき) さんのブログ記事

  • カフェで詩を書く女子
  • 自宅ではうまく書けないから私はカフェで詩を書くことにしている店の雰囲気も流れてる音楽も好きそして常連客の一人らしきいつも素敵なお兄さん一度私の隣に座ってくれないかしらそしてこのタブレットを覗き込んで話しかけてくれないかしら  詩を書いておられたんですか  お仕事をされてるとずっと思っていて  声をかけられなかったんです…  *あなた、とうとうここまで読んでしまいましたねたしかにこの詩はカフェで書か [続きを読む]
  • 母子家庭のこの夜
  • ガラス越しの子どもたちの瞳の輝きで飾られたケーキがこの日だけは飛ぶように売れていく商店街に鳴りやまぬ山下達郎の定番ソングのなかを鉛色の顔をした母親たちが箱を抱えて駆け抜けていくそんな母と子たちを本物のサンタさんは今年の夜も屋根の上で白い息を吐きながらただ黙って見つめているそしてみんな限りなく何かを祝っている [続きを読む]
  • 雪の溶けない街
  • この街は年中冬で雪が積もる一方なのだそうだ雪が一時止んだら人々は雪かきに精を出し  やあ 雪のかき氷も食べ飽きましたなぁ  本当に 子どもの頃を思い出しますわそのくせまた降り出すとみな家に閉じこもりテレビのワイドショーの誰かの不倫疑惑の話題に目を凝らすこの街では誰も仕事をしていない雪かきで忙しいからではなくAIと自動運転の車とドローンが介護ロボットまでもが仕事を全部やってくれるので「生活費保障」の [続きを読む]
  • 心の病
  •  先日の現代詩投稿サイト「B-REVIEW」公式ツイキャスでもお話した通り、筆者は障害年金給付を受けながら持病である心の病と向き合って暮らしています。現在は小康状態にありますが、重篤だった時期には「一刻も早く人生を終えたい」と本気で願っていました。 筆者がこのブログを続けているのは日本のどこかで、あるいは世界のどこかで自分の心の居場所さえ見失いそうになっている方々へ「一人じゃないですよ、みんなもですよ」と [続きを読む]
  • 心の病
  •  先日の現代詩投稿サイト「B-REVIEW」公式ツイキャスでもお話した通り、筆者は障害年金給付を受けながら持病である心の病と向き合って暮らしています。現在は小康状態にありますが、重篤だった時期には「一刻も早く人生を終えたい」と本気で願っていました。 筆者がこのブログを続けているのは日本のどこかで、あるいは世界のどこかで自分の心の居場所さえ見失いそうになっている方々へ「一人じゃないですよ、みんなもですよ」と [続きを読む]
  • 丸い女
  • だってAIの出す結論はいつも四角いじゃないか俺はもっと丸く生きたいんだよと男が言った女は私だって丸いわよ!とだけ言い残して男のもとを去ったそれもそうだなぁ…と男は思い直しただから彼は部屋から駆け出したのだ女を追ってあたりを見回したが女の姿は見当たらないちょうどやって来た深夜タクシーを拾い男は自動運転手に言ったあのお!よく考えてみれば俺はあの女の何を知っているのか住所も、得意料理も肝心の丸さも女の顔 [続きを読む]
  • 言わないで
  • 俺は歩くしかなかった後をつけられているのだだからこのまま家には戻れないどこかで奴を撒かねばならない不意打ちで振り返っても奴は巧妙に物陰に姿を隠してしまう俺は歩き続けるしかなかった実は奴の正体は見当がついている奴は「言葉」だあの日、俺が吐いた言葉がどこまでも俺に付き纏っているのだしかし俺とて人間だ我慢にも限度がある俺は金切り声を上げそうになりついに立ち止まったすると突然、前方に見覚えのある男の背中が [続きを読む]
  • 人魚姫
  • 花嫁衣装を脱ぎ捨て水着になった君はそのままプールに飛び込んだ貸切りプールで披露宴をというから何かやるとは思っていたがところがそれが君の最後の姿だった消防が出動しプールの水を抜いて、隅から隅まで調べたが金色の髪の毛一本見つからなかった僕は他の女性と結婚し数年が経って海辺の街に転勤になったある夜一人で港を歩いていると防波堤に腰かけて悲しい外国の歌を唄う君を見つけた僕は気づかぬふりをして通り過ぎたそれか [続きを読む]
  • ショーの怪人
  • 〇〇ライダーのショーで必ず一人やたら喋りが達者で場を仕切りたがる怪人がいるそんなデパートの屋上の午後気がつくとその怪人は早くもマイクを鷲掴みにしており「人質」として集めた、三、四人の小学生の名前と学年を聞きいわゆる「素人いじり」を始めた夏休みの空の下、子どもたちの熱い呼吸怪人というかもはや司会者は「大きな声で呼ばないとライダーは来ないぞ」と貴重なアドバイス子どもたちに練習までさせ、至れり尽くせりど [続きを読む]
  • 文学少女
  • 古書店に行った帰りの阪急電車に一人の少女が乗ってきたこのごろ流行りの美少女系の子だずいぶん若いな、十代かないや、そうと見せかけて実は二五くらいかもなどと要らぬことを考えていたら少女は私の向かいの座席に腰を下ろし鞄から文庫本を取り出したその本を読み始めるのかと思ったら少女はまだ鞄の中を探っているそうしてやっと取り出したものは弱視者用の拡大鏡だった彼女は拡大鏡を本のページに押し当て一文字一文字、宝物の [続きを読む]
  • JK2年目の女子
  • 「今年の夏こそリア充したい」毎年わが家でやっている七夕祭りの笹の枝につるされた短冊にそう書いてあった家族の誰が書いたのか知らないがその一行でJK2年目の私の夏は変わった私がごく普通の女子と言われてしまうのはそもそもどうすれば弾けてリア充できるのか、皆目思いつかないからだそうこうしているうちに、ありふれた日々だけがどんどん過ぎていく夏休み半ば、私は一人で大阪に行ったこの街でならリア充できるのではない [続きを読む]
  • 二人芝居
  • 私の家には古い台本があったボロボロに読み込まれた、舞台の台本母は結婚前に役者をしていた頃の話を私に聞かせようとはしなかった今でも東京の劇場に行けば役者時代の母を知る舞台関係者さん達が少なくないらしいがなぜか彼女は私を舞台から遠ざけていた台本も彼女がほとんど処分してしまい幼い私が偶然見つけて隠し持っていた、この一冊だけになってしまった私は台本を幼なじみの男の子に見せた彼はそれをコンビニでコピーに取り [続きを読む]
  • 名もなき人びと
  • 人は本名で暮らすとき道行く人と言葉を交わすこともない人は仮名でインターネットに入るときあらゆる人々にすべてをさらけ出す病歴離婚理由自殺願望人は名前を失って初めて本当のその人になる [続きを読む]
  • ある夜の権力論
  •   この度の総理の温かい  ご配慮に心から感謝申し上げ、  私の挨拶に代えさせて頂きます。この人も政治家を志した当初は自分が総理になってやるくらいのつもりでいただろうにまさかこんなに時の総理に媚びへつらう羽目になろうとはそれにしても今夜のパーティー会場の割れんばかりの拍手は何だ支配階級の中途半端な位置にはまり込んでしまった、彼の悲哀に喝采を贈りたいのか  私の今日があるのは  誰のおかげですか。  [続きを読む]
  • 上から目線の女子
  • 上から目線の女子でございますというと学歴と職歴があまりにも立派なのに加えて尋常でなく口が達者だからふつうの女子からのみならず世の中の男子からさえも天空に向かってそそり立つ鉄壁のようなそんな女子に見られてしまうらしいけれど上から目線の女子は人知れず悩んでいたふつうの女子からは恐怖の対象となりまだ若いのに男子からも声がかからず親からさえも早く嫁に行けと急かされる、気が付けば一人ぼっちの女子だった自分に [続きを読む]
  • 暑中お見舞い申し上げます
  • 楽しい夏休みをお過ごし中の方々に「朗報」です。もし聴いたら「夏休み最悪の思い出」となるであろうツイートキャスティング(ツイキャス)を配信いたします。来週、8月3日(金)のお昼0:15ごろから約30分間、『聴いてはいけない詩の朗読(かなぶき)』というのをやります。ツイッターでのアカウント名もこのブログと同じ「仮名吹(かなぶき)」です。内容は、このブログに載せている詩を朗読してそれについて作者が勝手にしゃべり [続きを読む]
  • 悲しい人びと
  • 大きな地震で一人の少女が命を落とした多くの人びとが彼女の死を悲しんだ戦争で一万人の子どもが殺されたあまりの現実に誰もが感情を失くしたいちばん悲しいことは悲しむことをやめること [続きを読む]
  • 主のいない部屋
  • 気がつくと俺は他人の部屋の中にいた誰の住まいか分からぬ、本や資料が散らかった無人の部屋暗がりにパソコン画面だけが光っているワープロソフトの画面には逃げるなら今だと一行だけ打ち込まれていた逃げたのか、この部屋の住人はその時パソコンにメールが届いた恐る恐る開いて読むと  拝啓 仮名吹先生とある。作家か何かへのファンレターなのか本棚から「仮名吹」の著書が見つかった女からのメールの末尾には  明日、〇〇駅 [続きを読む]
  • このクソババアと叫ぶ前に
  • もしもあなたが今、年配の女性に向けてこのクソババアと叫びそうになっているならこの詩を読んでほしいそして思い出してほしいあなたのお母さんのことをあなたのお母さんも他の誰かから見ればこの人と同じクソババアであることをどうか思い起こしてほしい誰にでもある、母の思い出幼いあなたの手を引いて近所のどぶ川にアメリカザリガニを探しに行ってくれた日のことその母が今あなたの目の前にいる幻だとしても、そのことをどうか [続きを読む]
  • 真夜中の女優のように
  • 陽気な三十代たちが帰ったあとの部屋で真夜中、ひとり鏡を見る鏡のなかの女は星が見えない夜景を背にしていつもの軽い仏頂面です涙なんかうっすら浮かぶ気配もないカメラが回り始めた直後の女優のようにこんな時に思い切り泣けたら女優さんになるのはちょっと無理だとしてもわたしの日々はもしかしてよくある少女マンガみたいにくるくる回転していただろうか今この瞬間にもまるでつまらぬドラマそのままに金持ちのバカ息子の腕のな [続きを読む]
  • 先生、叱らないでーある宇宙のはなしー
  •   Ⅰ夏休みもあと十日そろそろ宿題の工作を作らなきゃめんどくさいなぁもう僕は子ども部屋に舞い散る塵の一つに懐中電灯でピリピリ光線を当ててみたすると「ポン」という破裂音がした十日後にはその塵は工作を入れて持って行く段ボール箱大の黒いモヤモヤに膨れ上がっていたその物体の中から「神よ、神よ」というかすかな声が聞こえた顕微鏡で黒いモヤモヤの中を覗くとミクロな球体が浮かんでいて「神よ」はその球体に棲む微生物 [続きを読む]
  • 千一夜
  • わたくしの話に結末があるのかというお客様のお尋ねに答えます前に、毎晩お客様が当店にお越しになる度に一度でもわたくしが前夜の話を上回る摩訶不思議な話をしなかったことがございましょうかと申し上げたく存じますたとえば、あるセールスマンがわたくしに言ったのですこのマントを着てごらんなさいと子どもの漫画ではないから透明にはならぬがこれを着ればあなたは「無」になれる仕事場でも酒場でもどこでもあなたはまるで道端 [続きを読む]
  • 一九九五年まばたきしない瞳
  • 暗い防空壕のなか一人の少女の瞳だけが光っていたその瞳はすでに感情の色を失っていた私の目が暗がりに慣れてくると少女は服を何も身に着けていないようだった行水の途中で逃げてきたのだろうか周りの者が皆死んでしまったこの時私は彼女を犯そうと思えばできたかもしれない私は自分の服を脱ぎ、少女に与えた闇に光る二つの瞳はまばたきもせず私から目をそらしもせずに服を着た周りに誰もいないこの時彼女は裸になった私を見て楽し [続きを読む]
  • 変身キット
  • いい品物がありますよとささやかれセールスマンから買った変身キットこれを着れば俺も女子高生になれるきっと返信がくると思い込んだままとうとう明けなかった夜あの夜から俺はいっそ自分が女子高生になればいいんだとこんな変身キットを探していた俺はきっと変身するために生まれてきたそんな俺を世間はやれなんとか障害だとか勝手に名前を付けて分類しただけで知ったかぶりをしているお前たちに俺のなかの男と女が解かってたまる [続きを読む]
  • 天才と呼ばれた男
  • 昔からの路線を真新しい電車が今日も奴を乗せて走る駅から徒歩で二、三分のところ奴が通うNPOの陶芸教室がある一度だけ付添いに来た奴の母親によれば奴は学校を出ていない中学に行くのを途中でやめたからだある日卒業証書が郵便で届いたというしかしそんなことは奴にとっては紙切れが一枚増えただけのことだった奴は人と言葉を交わさない何もできない靴下さえも母親に履かせてもらっているでもそんな奴でも周りのごく少数の人々 [続きを読む]