field of k さん プロフィール

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field of kさん: 男の喫茶店
ハンドル名field of k さん
ブログタイトル男の喫茶店
ブログURLhttps://ameblo.jp/fieldofk/
サイト紹介文昔、まだPCもネットもない時代、日々の中で書き留めていた詩やエッセイに手直しを加えて載せていきます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供160回 / 181日(平均6.2回/週) - 参加 2017/04/27 16:00

field of k さんのブログ記事

  • 新しい星座の誕生
  • あの日あの時同じ空間同じ時間を過ごしたことはそこにいた二人だけが語りうる地球上でのほんの小さな出来事けれどそれは紙芝居の一枚じゃない幾重にも折り重なった心の襞の物語データベースに残されることはない瞬時に跡形もなく消えていく消滅した物語は二人の別離を経て夜空に舞い上がり星になるやがてその星たちに芝居途中の清い男女が線を結んでそれらしい名前をつける新しい星座の誕生自分たちもやがて星になることは知らずに [続きを読む]
  • 君が眩しい
  • ホテルの部屋に入ると酔ったせいで君はそのままベッドに倒れこんだ仕方がないから僕はシャワーを浴びスコッチを飲んだらいつの間にか寝ていた朝 目を覚ますと君の姿はない出社し朝礼に出ると真向かいに昨日と違うスーツでテキパキと営業報告する君が眩しい [続きを読む]
  • あとがき
  • スクランブル交差点を渡り表通りから裏通りへさらに深い路地まで進んでしまえば僕はレーダーから消えるだろうココアビーチで拾った貝殻耳に当てると海の音がするって本当だったね光の再現性を信じて疑わなかった君が出て行く前の夜僕の胸に耳を押し当てて何を聞いていた?今になってわかることそれは今わかっても仕方がないこと自由の意味も知らずに自由を求めたそれがすべて顔認証を逃れて地下に潜ると発芽する反作用をコンクリー [続きを読む]
  • 知の、知からの欲望
  • 知って良かったこともあるが知らずにいた方が良かったことは少なくない知ってしまったから余計な感情が動き出す知ってしまえば知らなかったかのように振る舞えない知らない間は知りたいと思う知った後は知らずにいた方が良かったと思う今日 感知したことを触れずに過ごす何も知らずにいることが至福の世の中 [続きを読む]
  • A美のふがいない夜
  • A美はある歌手の付き人だと言ったけれどそれは自分を正当化するための身分で実際には愛人として全国ツアーについて回った昼間はホテルで一日中寝ていたらしいしばらくしてその歌手との関係は終わったようだ理由を聞いたら自然消滅だと言うからやはり 付き人ではなかったその後は六本木のクラブでバイトをしながら在阪球団の選手が東京遠征にくると試合後六本木の常宿へ出かけて行った明け方戻ってくるとあの人 華奢に見えるけど筋 [続きを読む]
  • 荒野に立って
  • 僕が傷つかなかったといえばそれは嘘になるでもそんなことはどうでもいいんだ荒野に立って目の前に広がる三次元の方眼紙に未来を書き込んでいるどうせ太陽の都合でしか地上のものは生きられないのだからせめて自由なうちにできあがった名詞は壊し今からの動詞を描くしかない [続きを読む]
  • 黒いTシャツ
  • ベランダに干していた黒いTシャツがいつの間にか消えて失くなったハリガネハンガーは残したまま風に飛ばされたんだろうそんなに夜風は強かったか?仕方がないから久しぶりに外へ出てウロウロ回りを探したが見当たりはしないとうとう猥雑な身体に着られるのが嫌になって脱走したなあるいは僕を陽と風の当たる場所に連れ出そうと善意で自ら飛んで行ったか後者を信じてしばらく歩く夜行性でも苦にならないくすんだ昼間こんなに歩いた [続きを読む]
  • 聞こえない音
  • 指でたたいても響かない鍵盤肩透かしのようでもっと言えば裏切りのようその時の僕に受け入れる大らかさはなかったわだかまりは過去の音僕の中で君に関する図鑑は既に色褪せているそれなのにマイナスばかりが進化するのを打ち消したくて壊れたものをまだ壊そうとする直線でよかったものを曲線にしたのは単なる気まぐれではない君の胸の音は確かに聞いたただ 今になってその音をもう一度確かめたくて夜になると耳を澄ましている [続きを読む]
  • 柄のない
  • うふふ薄ら笑いを浮かべるつかみどころがない柄のない扉のように柄のない傘のように柄のないコーヒーカップのように柄のない蛇口のようにうふふ薄ら笑いを浮かべる柄のない君の触れ方がわからない [続きを読む]
  • 手帳の中の記号
  • 手帳の中の記号は自分だけにしかわからない3月13日 M_Wその日の僕は朝 上海オフィスに出社したあと淮海路のスターバックスで君に会い互いに目の前で携帯番号を削除した君は何かを言いたそうだったが僕は機微は見せずに時間がないと言い放つと背中の開いたClub Monacoのサンドレスをひるがえしタクシーを拾って去っていった僕は少しホッとしてオフィスに戻った [続きを読む]
  • そんな問いには答えられない
  • 彼女と似た香水をつける別の人のカラダに彼の汗が垂れる褐色と肌色の間互いの汗が混じるといつもの香りと微妙に違うその情報が鼻から脳に伝わると彼は正気に戻り萎えてしまったねぇ どうしたの?そんな問いには答えられない [続きを読む]
  • ダニーデン
  • 何もしたくない時に何もしなくていいよと風が包んでくれた海はこれといった特徴を持たない観光ガイドもページを割かない人に慣れない小さなペンギンの群れが遠くで海から上がってくる街一番の観光名所であるはずの大聖堂に人影はないそれでもB&Bが点在しこの街で人々は微睡む街に活気はないから余計な心配をしなくていいじっと絵画を見るように旧知の人と呑むように置き去りにされたスコットランドがここに横たわる何もしたくない [続きを読む]
  • オレンジ色の半円
  • 僕にとって壮大な夕陽は君の後ろ姿とセットでなければならない夕陽を見る時には必ず君がいて君が夕陽に見惚れる姿をその後ろから見てありふれた幸福感を得るそれが僕の夕陽の景色君の姿のない夕陽は夕陽ではない単なるオレンジ色の半円今 オレンジ色の半円を眺めながら君がカフェに置き去りにした合鍵がポケットの中で暇をもて余している [続きを読む]
  • 傷痕が癒えるまで
  • 心理は通常 すれ違うすれ違えば傷痕が残るじっと見つめると目を伏せる記号化される表情はもう解読不能どう声をかけたらいいかわからない声をかけてほしくないという塞ぐ仕草を含めて残像と話し合ってタブー言語を消し去る作業から始めようその次のフェーズは心の中の可燃物要らないノイズを投棄しようそうすれば新しい音も聞こえやすいせっかく綺麗に整えた髪が他へ流れる傷が癒えるまでの時間その長い時間は振り返ってみたらきっ [続きを読む]
  • 空の線上
  • ビルの屋上から眺める空はあいにくの曇り空少し青を帯びた灰色がどこまでも広がるはるか遠くの空はここからの目盛りを距離ではなくて時間で刻むかのように錯覚させる西側の遠い空の下にはいにしえの自分がいて東側の遠い空の下には未来の自分がいるそれを結んだ線上に現在の自分がいる陽が沈むと眼下にダイヤモンドを散りばめた絨毯が広がった僕はそれに見惚れてしまい線上の自分を西側の空に置き去りにした [続きを読む]
  • if
  • 愛することはすべてを受け容れること愛されることはすべてをさらけ出すこと今度は僕の順番だもしすべてをさらけ出したらそれを受け容れてくれるだろうかもしだめなら今のままの方がいい [続きを読む]
  • if
  • もしすべてをさらけ出したらそれを受け容れてくれるだろうかもしだめなら今のままの方がいい [続きを読む]
  • 始まらない砂時計
  • ヘビースモーカーの恩師が病に倒れ僕もタバコをやめた一年半後その恩師の通夜の帰りにタバコを吸ったタイヤの空気をパンパンにして自転車で街を走ったその時の爽快感を口に出したことはないお絵描きの時間になると床を這って先生のスカートの中を覗いた先生から母親に苦情が届いた平面図では表せないと立体図にしたら複雑になりすぎて自分でもわからなくなった逆さにしても始まらない砂時計僕はいつまで回想ばかりに時間を費やして [続きを読む]
  • 蘇生
  • 犀川の辺りで君と書いた詩はどこへ行ってしまっただろうわざわざ観光地まで行きながら人混みは避けるようにしてガイドブックの空白部分に詩を書いたねもう どんな詩だったか覚えていないけれど君が蘇生という言葉を使ったことだけ覚えている蘇生という言葉を使う君が意外だったから新しい君を見れたような気がしてそれからの君は故郷に帰ってその後は音信不通でガイドブックは波風に消えた犀川の辺りで君と書いた詩はどこへ行って [続きを読む]
  • サンクトペテルブルク
  • サンクトペテルブルクの空は地上に似せて一面どんよりしている頬を緩めない人たち入り乱れるドルとルーブル平地にころがる巨大なエルミタージュ表が裏で裏が表でざわめきは無い地面の下が蠢いている芸術家たちは何処へ移動した?制御する者が制御される夜はオフリミット赤い帆は何処へ向かう?マジックミラー越しに僕を見ている [続きを読む]
  • 君の友達の話
  • 別れの日君は泣かなかった僕も泣かなかったあっけなく終わった一週間後君の友達に偶然出会った君はその日その友達の家で泣き明かしたというその話を聞いて僕も泣きたくなった [続きを読む]
  • 不燃性のシーン
  • 北白川を上がり北山通りを超えたところに下宿があった叡山電車の線路沿いで踏切の横のアパートだった車両と本数の少ないことがせめてもの救いだったが何時に寝ようと始発電車の通過する時間踏切の警報音で起される君が初めて泊まりに来た日君は始発電車の警報音に驚いて狭いベッドからずり落ちた起き上がると照れ笑いしながら気づかないふりをする僕の額に自分の額をくっつけた [続きを読む]
  • ごめん
  • ごめんちゃんと向き合わなくてごめんいつも誤魔化してばかりでごめん素直になれなくてごめん君に不器用でごめん君を一人にしてごめんロマンティックになれなくてごめん君が髪を短くしたことに気づけなくて謝ることしかできない僕は一方では謝ることで自分の中の平衡を保とうとするずるい人間 [続きを読む]
  • 無数の地上には形のないものの方が多い形のないものが形のあるものの至近で旋回する形のあるものは美しかったり醜かったり時々形を変えたりどんな形をしていようとその存在は現実世界では確かなものよろめく不文律形のないものは形を作りたがる僕は形にしたいものを君に告げた君はそれは形にできないと言った [続きを読む]