ホーリー堀 さん プロフィール

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ホーリー堀さん: 白猫ものがたり
ハンドル名ホーリー堀 さん
ブログタイトル白猫ものがたり
ブログURLhttp://shironeko-monogatari.com/
サイト紹介文平凡な男子高校生、山吹光(ヤマブキコウ)がある日突然、不思議な猫の世界へといざなわれてしまう。
自由文服を着て、ヒトの言葉を話す個性豊かな猫たちとの不思議なものがたり。大人も読める青少年向けの物語を意識して、日々少しずつ更新しているオリジナル小説です。心の中にある物語を最後まで書ききりたいという想いで、WEB小説サイトという形をとり、ちょっとずつちょっとずつ頑張って書いています。猫が好きな方、ファンタジーが好きな方、なるべく毎日更新しておりますので暇つぶし程度にお読みくだされば光栄です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供87回 / 355日(平均1.7回/週) - 参加 2017/05/15 16:16

ホーリー堀 さんのブログ記事

  • プリメロ(4)
  • 「な、なんだよ!」一瞬たじろぐ子供黒猫。それでも即座にまた槍を突く。 光の槍がコウの身体を貫く。左の太もも。右わき腹。それでもコウは構わず突進する。「イダダダダダ、ぐぐぐぐぐー、えいや!」まさに捨て身の突進で、コウはプリメロを抱き込む。「やめろ!何だお前、離せ!」抵抗する黒猫を必死で抑え込む。プリメロに突かれた傷口が熱い。 ギンガを縛っていた光の縄がほどける。「ギンガ君、ブエナ、今だ!早く!」  [続きを読む]
  • プリメロ(3)
  • プリメロが言い終えたかのその刹那、電光石火のスピードでギンガの一太刀が鬼丸三号を見舞った。なぎ払うように胴を直撃した高速の一撃は巨大な怪物をつり橋から突き出した。一つ目鬼は真っ逆さまに谷底へと落ちていく。濃霧の中、魔物の叫びがこだまする。「え、え?」ギンガの一太刀に愕然とするプリメロ。「え、マジ?三号。お前―、この野郎。強い奴かよ!お前かよやっぱり俺の部下ちん一号、二号もやっちゃってくれたのも」 [続きを読む]
  • プリメロ(2)
  • 「おい、鬼丸三号。なんか聞こえなかったか?」「デンモ、デンモ」「そうだよなあ、おいおい侵入者かよ、このご時世に。嫌だなあ、面倒くさいなあ。みんな魂抜かれてんのに、それを承知でやってくるってことは相当な自信家?それともただのお馬鹿さん?それとも噂のマルキーニャス?マジかよ!嫌だなあ、怖いなあ」 濃霧の中、子供黒猫はコウたちの声だけを耳にしていた。悪態をつきながら、のらりくらりと歩いていた二匹はにわ [続きを読む]
  • プリメロ(1)
  •  8.プリメロ  つり橋の上、ターコイズブルーのポンチョを着て、耳だけが出ているターコイズブルーの帽子をかぶった子供猫は相変わらずぶつくさと悪態をつきながら、鬼の角から鬼の角へと歩いている。巨大な一つ目鬼の怪物を従えて歩いているのはコウたち一行のいる方向に違いなかった。「さんみーし、霧がかかってるし嫌になっちゃうね。なんだってこんなノースアルプなんかで仕事しなきゃならねぇのよ。あーあ、昔はクロ様も [続きを読む]
  • 太陽神
  •       ? 太陽神 「クロ様、新しい純正品のサンプルができたのでお時間のございますときに研究棟へとお越しください、太陽神様からのご伝言です」「うむ、ご苦労であった。ここでの生活にはすっかり慣れたようだなキュウ」「はい、お陰様で快適に過ごさせていただいております」「ぐわぁっはっはっは、よいよい、よいぞキュウ、ゆっくりでよいのじゃ、おぬしが我が国にいるということが大事なのじゃ」漆黒の王、《死神》 [続きを読む]
  • 鬼岳デモンズロック(2)
  • 「いやー、俺っちだって寒いってのな。兄貴はいいよなあ、あんな暖かい場所が持ち場でさー」先ほどからぶつぶつとぼやき続けている者。その隣には大きな大きな大きな一つ目の巨大生物。「デンモ、デンモ」「な、そう思うだろ。まったく俺っちがフジに行ってる間に一号、二号はぶっ倒されちまってるし、一体何だってんだよなー。適当にさぼりながら大人しくしてたってのにノースアルプの連中は気が短けよな。にしても誰だか知らな [続きを読む]
  • 鬼岳デモンズロック(1)
  • 6.鬼岳デモンズロック 早朝、一行はまだ夜も明けきらないうちに街を出る。宿主のペルとメルは早起きでコウが起きだしたころにはもうカウンターに顔を揃えていた。にっかりと微笑み一人と三匹を見送る愛嬌のあるデブ猫たちにピッチは深々と頭を下げた。昨晩、ドラゴンテラスの夜の街をギンガとともに情報収集に歩いたピッチはどうやらコガタナマルが言っていたように鬼岳デモンズロックは日中以外はかなり寒いということを知る [続きを読む]
  • ドラゴンテラスのふたご山猫軒にて(4)
  •  食事は朝夕付きますので、よろしければ一階の「照らすテラス青空の間」にお越しくださいという宿主の説明を受けていた一行は夕食をみんなで一緒に摂ることにした。 照らすテラス青空の間は、その名の通りテラスとして外に出ているお食事処で、外で食事をしながら、夕日が沈んでいくのを眺め、そして今日の旅の出来事と明日の予定などを話した。 するとそこへ、三匹と一人が渡り蟹とトマトのパスタを食し、話し込んでいるその [続きを読む]
  • ドラゴンテラスのふたご山猫軒にて(3)
  • 「そうよ、でも今デモンズロックを越えるのは危険な話だって言ったんよ。異形のものっての?そん中でもすこぶる危険な巨大な一つ目鬼が三種も目撃されてるってんだからさ。かつては南からの交易品っていえば、難所に違いないがやっぱり最短距離ならデモンズロックを越えてくるのが一番早いから、体力自慢の飛脚たちに荷物を預けて北はマタタビスタ、南はニャポリまで鬼岳デモンズロックと獅子岳ライオンズロックを行き交うっての [続きを読む]
  • ドラゴンテラスの山猫軒にて(2)
  •  色濃い緑の木々が立ち並ぶ長い長い一本道を歩き続け、抜けるように青かった青空にも気が付くと赤みが差してきた夕刻。ようやくドラゴンテラスという街にたどりついた。 半日歩き通しで足は棒どころか鉄棒のように重だるく、猫たちの手前へばっている様子を見せずにきたコウもいい加減弱音を吐きそうになる一歩手前の到着だった。 道中はほとんど危険らしい危険はなかったが、異形のものと呼ばれる存在は確かにちらほらと出現し [続きを読む]
  • 5.ドラゴンテラスのふたご山猫軒にて(1)
  • 5.ドラゴンテラスのふたご山猫軒にてセンター長、博士、マルキーニャス様、ブエナ、ピッチ、ウオッチ、バル・カンさん、皆様お元気でしょうか?私たちは順調に旅を進め、ようやくいまこのノースアルプの地を離れるというところまで来ています。 昨日の夕方、博士とお話したのを最後にテレストーンが使えなくなってしまったため、こうしてニャポリの宿場にて手紙を書いております。 これまでの旅の報告でも十分に伝わってい [続きを読む]
  • 再び猫の世界(3)
  • 「ええ、それはトワイライト君、シュウ君からの便りです。通常、ニャポリからであれば長くとも4,5日あれば手紙は届きます。テレストーンが使えなくなってしまったとしても、シュウ君であれば、それならそれでそのことを手紙に書きこのマタタビスタに送ってくれるはず、それが届かないのです。手紙も出さずにすでにニャポリを離れてしまったということは考えにくい。となると考えられる可能性としては、手紙の郵送中に何らかの [続きを読む]
  • 再び猫の世界(2)
  •  食事の後、それじゃいきましょうかとブエナに導かれ再びにゃんこセンターの螺旋階段をぐるりぐるりと大きく回りながら上がっていく。二度目の来訪であるコウには前回のような得体のしれない不安はなかった。ここがどこかは理解している。 そしてこのマタタビスタの長、スピカ・ゼニス・ラマラウとの再会。主にセンター長と呼ばれ、ある者は親しみを込めてにゃんこ先生とも呼ぶこの老猫はコウが現れると深く敬礼をした。部屋の [続きを読む]
  • 4.再び猫の世界(1)
  •  4.再び猫の世界(1)  かちゃり、小さな扉が開く。「コウ様―、おっはようございまーす」懐かしい声、ぼんやりと寝ぼけ眼を開く。やけに低い天井を見て、まだ夢見心地だった。首だけを回して、声がする右側を見る。(ああ、そうか。いつも寝て起きて、それで始まる) 満面の笑みを浮かべ、右手を振りながら近づいてきた猫は料理長バル・カンさんの娘で三毛猫ウエイトレスのブエナに違いなかった。 ピッチの粋な計らいで [続きを読む]
  • 3.校門の番人
  •   3.校門の番人 翌日、授業が終わり、いつものように万介、大吾と教室を出て帰宅の途につこうとすると、思いもよらぬ事件が起こる。 校門のところで女子二人がコウを待っていた。コウが密かに想いを寄せる三好恵子、そして彼女と仲の良いすらりとした黒髪美人の千葉遥。「山吹君」まさか自分を待っているとも知らないコウは突然呼び止められてただ驚いた。なんだか少しそわそわしているような様子の恵子ちゃん。にこにこ [続きを読む]
  • ピッチと7月の雨(2)
  • 「ありがとうピッチ、わざわざ知らせに来てくれて。でもわざわざにゃんこ先生が僕のところへ遣わしたのはそれを知らせるためだけなのかな?」ピッチは視線を逸らすことなく真っ直ぐにコウを見つめながら応答した。「いえ、実はですね。これはもう本当にコウ様がよろしければということなのですが、調査隊のメンバーに同行していただけないか、というのがセンター長からのお願いでして」「え、僕が?」「はい、シリウスのことでは [続きを読む]
  • ピッチと7月の雨(1)
  • 2. ピッチと7月の雨 梅雨明けをためらっているかのようにしとしとと弱い雨が降り、ぐずついた空模様の日が続いていた。それでももう十分に気温は高く、じめじめと蒸し暑い七月も半ば過ぎ、こんな日こそプールに入って帰りたいものだとコウは思った。 もう最後の大会は終わってしまい、水泳部は引退し、本格的に受験生として勉強に集中しなくてはならない。まだはっきりと志望校が決まったわけではないものの、漠然とで [続きを読む]
  • 元の世界(3)
  •  野球部の稜太は、月曜日以外はほとんど一緒に帰ることができない。猫の世界から戻って翌日、暦の上では火曜日、帰り道もまたその三人だった。 自分から言わずとも、稜太の耳に入るのは時間の問題だろうと思った。万介か大吾、いずれかの口からもれる。稜太は人に言いふらしたり、おちょくったりしないだろうけれど、問題はこのアニメオタクとギターマン。彼らが友情という名の無用なおせっかいで、変に恵子ちゃんと自分との距離 [続きを読む]
  • 元の世界(2)
  •  翌朝、自分のサイトの関係のSNSのフォロワーが一万人を突破したとはしゃぐ万介とともに学校へ行く。 ソーシャルネットワーキングサービスの類に全く関心のないコウは、力説する万介の興奮には同調できず、ぼんやりと昨日までのことを考えながら適当に相槌を打っていたが、万介はこちらの様子などお構いなしで、自分のなし得たことの偉大さと、今後の展望について夢中でしゃべりまくっていた。(全くすごいよな万ちゃんは)  [続きを読む]
  • 元の世界(1)
  • ? 元の世界 闇夜が訪れし静かな神社。鳥居をくぐってすぐ左には自転車が一台。かごの中には文庫化されたばかりの長編ミステリー小説が一冊。「あれ、コウ君、こんなところで何をしてるんだい」 季節は五月、まだ梅雨も迎えていない時期とはいえ、日中はもう初夏とも思しき暑さで、すでに半袖のワイシャツにノーネクタイという姿で会社からの帰宅途中だったのは近所に住む山田さん。 鳥居の下で寝ていたのは他でもな [続きを読む]
  • さよならビノベッツ(3)
  • ―フジというのはここから遥か南方にある《死神》の拠点といわれておる島のことですじゃ。昨日のディナスティア、およびシャドーはキュウを誘拐し、フジへと向かっておるであろうとマルキーニャスも推測しておる―「はい、現在でも巨大な山のような地形の島です。旧史ヒト文明の名残りを残した地名は他にもあるかと思われます」「そうなんだね。それじゃ他にも標高が高かった場所、つまり山地には同様に君たちのような猫が生き [続きを読む]
  • さよならビノベッツ(2)
  • シュウは続ける。「そうですね。可能性の話でしかありません。少なくともそのAという選択から生じた事象、その時間軸の中で生きる者の視点には、選ばなかったBという選択から生じた世界は見えない。だからこそコウ様には驚かずに聞いていただきたいのですが・・・・」「う、うん」(シュウは一体何を言おうとしているのだろう)「コウ様たち人間は我々の生きる未来では滅びてしまった生物。遠い遠い過去の生物なのです。人がい [続きを読む]
  • さよならビノベッツ(1)
  •      ? さよならビノベッツ「もう一泊ぐらいしていけばよかったのにコウ、なあシュウ」「うふふふふ、そうね。コウ様さえよろしければ一泊どころかいつまででもいらしていただきたいけれど、そういうわけにもいきませんものね」 トワイライトとシュウに導かれ、コウはマタタビスタより歩いて二、三十分のビノベッツという海辺の村に来ていた。「そうだね、名残り惜しい気持ちではあるけど、僕は僕の世界に戻らきゃ」 [続きを読む]
  • フタタビスタ(8)
  •  全ての報告を終えた後で、シェルストレーム博士に案内され壺風呂に入ることになったのは、ビノベッツという海辺の村にあるゲートポイントが開くまでにまだ時間があるからということだった。 トワイライトとシュウの二匹は病院にいるバル・カンさんを見舞いに行くということで、コウはゆったりとお湯に浸かり疲れを癒している。猫だらけの異世界という特異な環境にはすっかり慣れてしまい、博士の作った研究所脇の浴室ですっかり [続きを読む]
  • フタタビスタ(7)
  • 老猫のずっしりと重たい声色の中に、わずかに心の動揺が見受けられた。「でも、会ったんだよなコウ、その霊獣さんに」トワイライトが再びコウに話を振る。そしてコウは上着の中から小さな石を取り出す。「うん、そう。にゃんこ先生、霊獣リュウシーはこの石を僕に授けてくれました。水石(みずいし)と呼んでいました。生物を超越した存在が自分なのだ、水の他にも火・風・地の力を司る霊獣がいて彼らからも同様に力を授からなけ [続きを読む]