ホーリー堀 さん プロフィール

  •  
ホーリー堀さん: 白猫ものがたり
ハンドル名ホーリー堀 さん
ブログタイトル白猫ものがたり
ブログURLhttp://shironeko-monogatari.com/
サイト紹介文平凡な男子高校生、山吹光(ヤマブキコウ)がある日突然、不思議な猫の世界へといざなわれてしまう。
自由文服を着て、ヒトの言葉を話す個性豊かな猫たちとの不思議なものがたり。大人も読める青少年向けの物語を意識して、日々少しずつ更新しているオリジナル小説です。心の中にある物語を最後まで書ききりたいという想いで、WEB小説サイトという形をとり、ちょっとずつちょっとずつ頑張って書いています。猫が好きな方、ファンタジーが好きな方、なるべく毎日更新しておりますので暇つぶし程度にお読みくだされば光栄です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供74回 / 148日(平均3.5回/週) - 参加 2017/05/15 16:16

ホーリー堀 さんのブログ記事

  • 4.再び猫の世界(1)
  •  4.再び猫の世界(1)  かちゃり、小さな扉が開く。「コウ様―、おっはようございまーす」懐かしい声、ぼんやりと寝ぼけ眼を開く。やけに低い天井を見て、まだ夢見心地だった。首だけを回して、声がする右側を見る。(ああ、そうか。いつも寝て起きて、それで始まる) 満面の笑みを浮かべ、右手を振りながら近づいてきた猫は料理長バル・カンさんの娘で三毛猫ウエイトレスのブエナに違いなかった。 ピッチの粋な計らいで [続きを読む]
  • 3.校門の番人
  •   3.校門の番人 翌日、授業が終わり、いつものように万介、大吾と教室を出て帰宅の途につこうとすると、思いもよらぬ事件が起こる。 校門のところで女子二人がコウを待っていた。コウが密かに想いを寄せる三好恵子、そして彼女と仲の良いすらりとした黒髪美人の千葉遥。「山吹君」まさか自分を待っているとも知らないコウは突然呼び止められてただ驚いた。なんだか少しそわそわしているような様子の恵子ちゃん。にこにこ [続きを読む]
  • ピッチと7月の雨(2)
  • 「ありがとうピッチ、わざわざ知らせに来てくれて。でもわざわざにゃんこ先生が僕のところへ遣わしたのはそれを知らせるためだけなのかな?」ピッチは視線を逸らすことなく真っ直ぐにコウを見つめながら応答した。「いえ、実はですね。これはもう本当にコウ様がよろしければということなのですが、調査隊のメンバーに同行していただけないか、というのがセンター長からのお願いでして」「え、僕が?」「はい、シリウスのことでは [続きを読む]
  • ピッチと7月の雨(1)
  • 2. ピッチと7月の雨 梅雨明けをためらっているかのようにしとしとと弱い雨が降り、ぐずついた空模様の日が続いていた。それでももう十分に気温は高く、じめじめと蒸し暑い七月も半ば過ぎ、こんな日こそプールに入って帰りたいものだとコウは思った。 もう最後の大会は終わってしまい、水泳部は引退し、本格的に受験生として勉強に集中しなくてはならない。まだはっきりと志望校が決まったわけではないものの、漠然とで [続きを読む]
  • 元の世界(3)
  •  野球部の稜太は、月曜日以外はほとんど一緒に帰ることができない。猫の世界から戻って翌日、暦の上では火曜日、帰り道もまたその三人だった。 自分から言わずとも、稜太の耳に入るのは時間の問題だろうと思った。万介か大吾、いずれかの口からもれる。稜太は人に言いふらしたり、おちょくったりしないだろうけれど、問題はこのアニメオタクとギターマン。彼らが友情という名の無用なおせっかいで、変に恵子ちゃんと自分との距離 [続きを読む]
  • 元の世界(2)
  •  翌朝、自分のサイトの関係のSNSのフォロワーが一万人を突破したとはしゃぐ万介とともに学校へ行く。 ソーシャルネットワーキングサービスの類に全く関心のないコウは、力説する万介の興奮には同調できず、ぼんやりと昨日までのことを考えながら適当に相槌を打っていたが、万介はこちらの様子などお構いなしで、自分のなし得たことの偉大さと、今後の展望について夢中でしゃべりまくっていた。(全くすごいよな万ちゃんは)  [続きを読む]
  • 元の世界(1)
  • ? 元の世界 闇夜が訪れし静かな神社。鳥居をくぐってすぐ左には自転車が一台。かごの中には文庫化されたばかりの長編ミステリー小説が一冊。「あれ、コウ君、こんなところで何をしてるんだい」 季節は五月、まだ梅雨も迎えていない時期とはいえ、日中はもう初夏とも思しき暑さで、すでに半袖のワイシャツにノーネクタイという姿で会社からの帰宅途中だったのは近所に住む山田さん。 鳥居の下で寝ていたのは他でもな [続きを読む]
  • さよならビノベッツ(3)
  • ―フジというのはここから遥か南方にある《死神》の拠点といわれておる島のことですじゃ。昨日のディナスティア、およびシャドーはキュウを誘拐し、フジへと向かっておるであろうとマルキーニャスも推測しておる―「はい、現在でも巨大な山のような地形の島です。旧史ヒト文明の名残りを残した地名は他にもあるかと思われます」「そうなんだね。それじゃ他にも標高が高かった場所、つまり山地には同様に君たちのような猫が生き [続きを読む]
  • さよならビノベッツ(2)
  • シュウは続ける。「そうですね。可能性の話でしかありません。少なくともそのAという選択から生じた事象、その時間軸の中で生きる者の視点には、選ばなかったBという選択から生じた世界は見えない。だからこそコウ様には驚かずに聞いていただきたいのですが・・・・」「う、うん」(シュウは一体何を言おうとしているのだろう)「コウ様たち人間は我々の生きる未来では滅びてしまった生物。遠い遠い過去の生物なのです。人がい [続きを読む]
  • さよならビノベッツ(1)
  •      ? さよならビノベッツ「もう一泊ぐらいしていけばよかったのにコウ、なあシュウ」「うふふふふ、そうね。コウ様さえよろしければ一泊どころかいつまででもいらしていただきたいけれど、そういうわけにもいきませんものね」 トワイライトとシュウに導かれ、コウはマタタビスタより歩いて二、三十分のビノベッツという海辺の村に来ていた。「そうだね、名残り惜しい気持ちではあるけど、僕は僕の世界に戻らきゃ」 [続きを読む]
  • フタタビスタ(8)
  •  全ての報告を終えた後で、シェルストレーム博士に案内され壺風呂に入ることになったのは、ビノベッツという海辺の村にあるゲートポイントが開くまでにまだ時間があるからということだった。 トワイライトとシュウの二匹は病院にいるバル・カンさんを見舞いに行くということで、コウはゆったりとお湯に浸かり疲れを癒している。猫だらけの異世界という特異な環境にはすっかり慣れてしまい、博士の作った研究所脇の浴室ですっかり [続きを読む]
  • フタタビスタ(7)
  • 老猫のずっしりと重たい声色の中に、わずかに心の動揺が見受けられた。「でも、会ったんだよなコウ、その霊獣さんに」トワイライトが再びコウに話を振る。そしてコウは上着の中から小さな石を取り出す。「うん、そう。にゃんこ先生、霊獣リュウシーはこの石を僕に授けてくれました。水石(みずいし)と呼んでいました。生物を超越した存在が自分なのだ、水の他にも火・風・地の力を司る霊獣がいて彼らからも同様に力を授からなけ [続きを読む]
  • フタタビスタ(6)
  • 「コウ様!うわーん!無事で良かった!本当にお疲れ様でした」涙まじりに再会を喜ぶ三毛猫にコウは一瞬たじろいだが、「ブエナありがとうね、おにぎりとってもおいしかったよ」と心を込めての返礼をした。「はい、良かったです!」照れながら答えると今度はシュウに抱きつくブエナ。余程心配していたのだろう。 そんな様子を目を細めて見守っていたセンター長も、コウたちの帰りを首を長くして待ちわびていたようで、無事に全員 [続きを読む]
  • フタタビスタ(5)
  •  そして帰り道、ホノオとスノウに導かれ、暗闇トンネルを抜ける。長い長い暗闇トンネルも来た頃よりは、幾分か気分も軽く、あっという間に地上にたどり着いたという感覚だった。久しぶりに見る日の光がまぶしく、また心地よかった。フブキ族長の「太陽とシリウス」の話を思い出したりもした。 元気はつらつでにぎやかに地上までのエスコートを果たした青猫のわんぱく小僧たちも、別れ際は寂しげな素振りを見せた。「トワイライト [続きを読む]
  • フタタビスタ(4)
  • 翌朝、族長フブキにコウはリュウシーのことを話す。しかし、フブキの反応は予想だにしないものだった。 老猫は霊獣のことを全く知りもしなかった。それどころか、コウが水面から地上へと投げ出されたあの瞬間も、リュウシーの姿など見てなどいないと言う。 トワイライトにしても、「え、あの時、コウが水面に浮いてきたと思ったらさ、しばらく動かなくてさ、そんでいきなり陸に飛んできたからびっくりしたんだよ!まさかそ [続きを読む]
  • フタタビスタ(3)
  •  そして夜がきた。 セイメイ湖の真横、集落の中央部に星くずの民が一同に会す。大きな火を囲み、青猫たちが歌い、踊り、にぎやかなひと時を過ごす。 光の差さない星くずの村で育った青猫たちの野菜と、ウオッチ達が釣った魚、ごちそうとともに出された乳白色の甘い飲み物には後から考えるとアルコールが含まれていたのかもしれない。場の雰囲気と同調して気分は高揚し、ホノオやスノウと一緒になってふざけるトワイライトやウ [続きを読む]
  • フタタビスタ(2)
  • 「ええ、コウ殿がお眠りになられてから約三時間、時刻も夕刻が近づいてまいりましたのでな、今日はもうマタタビスタへ戻ることはやめてこの星くずの村で一泊していくことにされましたのじゃ、それを勧めたのは私ですがな。夜も深まれば近隣とはいえ、星流湖からマタタビスタへの帰途も危険が高まりますのと、さらにまたこの星流湖内から地上へと登っていくにも体力が必要ですからの。今晩は私どもの村でゆっくりとされてからお戻 [続きを読む]
  • フタタビスタ(1)
  •       ?   フタタビスタ 三日ぶりの風呂ということになるのだろうか。熱い湯に浸りようやくホッとした気分でくつろいでいるのは他でもないコウ。「お湯加減はどうじゃな?」「あ、丁度いいです。とっても気持ちいいです」 コウはいまこの不思議な異世界でもことさら異質な存在感を放つシェルストレーム博士が開発したという風呂に入れてもらっている。人ひとりが限界というサイズのそれは、壺のような形をしたシ [続きを読む]
  • 青き光の石(3)
  • 「こ、これは・・・・」“その石は水石(みずいし)、太古よりこの惑星の生命を繋いできた鼓動、万物の源である水の力を我が能力により結晶化した奇跡の石。持っていくがよい”「あ、はい」 コウはリュウシーに促され、足元に転がるガラス玉のような水色の石を拾い上げた。コウの手の中に収まる。先程のように強烈な光を発することはなくほのかに弱光を発している。“先程話した他の三霊獣からも我と同様に大いなる自然の [続きを読む]
  • 青き光の矢(2)
  • 「えっ?どうして僕の名前を。それにこんな地下世界の湖の中にいてなぜ外の世界のことが」“ふふ、気にするな。生物を超える存在がいるというだけのこと“「生物を超えるもの?霊獣・・・」“そうだ。我の他にも火・風・地の血からを司るものの存在がある。会っておいたほうがいいだろう。運よく会えればだがな。我と同じく定点を好むものばかりではない。故に難しい存在もいるが、そなたの仲間が立ち向かわんとする死神は [続きを読む]
  • 青き光の石(1)
  •        ?.  青き光の石“なんだ情けない―。““気を失ってしまったのか―。“ 直接脳に語りかけてくる。 何者かが意識の中に侵入してくる。“目障りなその石をわれらが楽園から取り除かんとする者の姿をこの目で確かめるべく―。“ たゆたい、揺れる。心地の良い浅い眠りの中。(僕は死んでしまったのか?)“死んでなどおらぬ“(えっ?)“ふっ、まあよい、異質なる者の挑戦はしかと [続きを読む]
  • 潜る(3)
  •  水の流れの微妙な変化を感じるコウ。海とは異なり、比較的動きの少ないこの湖で起きたそれは、はじめは小さな揺らぎのように感じたが、すぐに見当違いだったことを知る。後方からコウを目がけて迫ってくる巨大な影、反転してその姿を確認した瞬間全身が凍りつく。 そして考えるよりも早く危険を知らせるアラートが頭の毛からつま先までを一気に駆け巡る。(嘘だろ、おい) コウに迫る巨大な生物、それはサメのような見た目を [続きを読む]
  • 潜る(2)
  •  考えている暇はないと本能的に理解している。速やかに、手際よく。(焦るな。落ち着いて。落ち着いて)そう自分に言い聞かせながら背負ってきたはんごう型の樹脂製のリュックを足元に下ろす。浮かび上がらないように足で押さえる。 そして、シリウスに手をかける。両の手で思い切り持ち上げる。(お米の袋よりはちょっと重いかな)ここにきてふとそんなことを考えてしまう自分に少しおかしみを感じた。 慎重にリュックの中 [続きを読む]
  • 潜る(1)
  •        ?   潜る(シリウスに向かって最速最短だ。待ってなよみんな) 一度目の潜水より明確な意思をもって目標物に対して直線的に水中を進んでいるコウ。声援にも後押しされ、やる気と集中力に全身が研ぎ澄まされたような感覚。成し遂げられそうだという自信を最初の潜水で得たことも大きな力となっている。 音のない水中世界、幻想的で鮮やかな湖底下の地底湖をただひたすらに下降していく。ときおり [続きを読む]
  • セイメイ湖(6)
  • 「よし、じゃあ行ってくるよ」短い休憩を挟んで、早くも二度目の潜水に行く構えを見せる。シュウにも言ったように体を冷やしたくないという思いもあった。実際セイメイ湖の水はそれなりに冷たい。シェルストレームは博士の開発したこのウエットスーツがなければ裸だったのかと思うとゾッとした。「終わったら体を温めたいのですが、何とかなりますか?」と族長にひと言依頼をしておく。「ああ、そうじゃな。そうじゃな。気が利か [続きを読む]