樹野 花葉 さん プロフィール

  •  
樹野 花葉さん: FlowerLeaf
ハンドル名樹野 花葉 さん
ブログタイトルFlowerLeaf
ブログURLhttp://flowerleaf.xxxblog.jp/
サイト紹介文「AriaLien」のサブブログです。過去の作品だけを毎日更新しています。時々R18話アリ。
自由文樹野花葉の恋愛小説オンリーブログです。メインブログで載せられない過去の作品を毎日更新しています。甘いお話を中心にTL風作品を書き綴っています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供136回 / 131日(平均7.3回/週) - 参加 2017/07/03 19:41

樹野 花葉 さんのブログ記事

  • 夜明けのアリア 17話
  • 「明日のウィーン行のチケットを取ったわ」「…え」私の言葉を訊いて瞬くんは抱きしめられていた体をガバッと放し私の顔を見た。「丁度午後からの便のキャンセルが出ていて…こんなの奇跡よ、大晦日だっていうのに…」「…」「これは神様が瞬くんは明日帰国する様にと決めているからなのよ」「や、やだ、帰らない」「…」「だって年越しそば…風音さんが作ってくれるおそば、食べたい」「…」「其れに僕はもうヴァイオリンを続けて [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 16話
  • どうしてこんな時に…大晦日前日の今日になってどうしてこんな事になるのだろう。(神様、私が何をしたっていうの)しばらく私の心と体は酷く冷え固まっていた。だけど本能というのは恐ろしいもので、私の身体は動揺を隠せないというのに頭は、思考はちゃんと働いている様で、気が付けば私は携帯で全ての手配を済ませていたのだった。「風音さん」「…」直行がタクシーで家を後にして、リビングのソファで座っていた私に何処からと [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 15話
  • 私の目の前に現れたのは今はウィーンを中心に活躍しているヴァイオリニストの高羽 直行だった。そう、私の元──「すまなかった、風音」「!」彼はいきなり私に向かって玄関先で土下座した。「おれは風音に酷い仕打ちをした。いつか風音が声楽界に、ウィーンに帰って来ると信じている事に疲れてしまって…」「…」「距離と時間と…そしておれ自身の心の弱さ、風音に対する想いの浅さに…負けてしまったんだ…」「…直行」頭を下げ [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 14話
  • 瞬くんが私の家に転がり込んで来てからあっという間に五日が過ぎようとしていた。「ねぇ、風音さん、年越しそばはどうする?」「あ、いつもはひとりだったから簡単にカップそばで済ませていたの」「そうなの?じゃあ今年も」「今年は作るわよ」「え」「年越しそば。だって瞬くんがいるんだもん、生めんを買って来て出汁を作って海老天乗せましょう?」「わぁ…凄い、本格的だね!」「ちょっと大袈裟」瞬くんがいう処の本格的な年越 [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 13話
  • 私の部屋は暖房もついていなくてとても肌寒かった。「…んっ」「あ…」転がり込む様にベッドに押し倒された私に暖房を点ける──という余裕もなくて、でも肌寒さはお互いが触れあう事によって徐々に感じなくなっていた。其れ処か、火照り過ぎている体は薄っすらと汗が滲むほどに熱くなっていた。「あっ…やぁ…あぁん」「はぁはぁ…風音さん…風音さん」ペロペロと犬の様に執拗に胸を舐められ、其れだけでキュキュッと私の奥底が疼 [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 12話
  • 〜〜♪「!」微かにヴァイオリンの音が聴こえて来た。(これ…!)私は慌てて部屋を飛び出しほんの小さく聴こえる音色の元にやって来た。♪〜? ♪〜ピアノ教室として使われている防音壁になっている部屋の前。微かに漏れるヴァイオリンの音を聴いていると胸が締め付けられる。(あの時…夜中に山の中で聴いたあの音)そう、彼──瞬くんの奏でる音を初めて聴いたあの瞬間、私は彼の音に恋をした。自分自身気が付かない処で惹かれ [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 11話
  • 「ねぇ、本当に大丈夫?」「…えぇ、ごめんなさいね、本当に…」不覚にもお風呂に沈んで溺れかけて、其れをたまたま居合わせた瞬くんが助けてくれた。(あぁ、瞬くんがいて助かった)一瞬そう思ったのだけれど(…ん?そもそも瞬くんがいるから悩んであんな目に遭った…って訳でもあるよね?)瞬くんがいてよかったの?悪かったの?(ど、どっち〜〜?!)「…風音、さん?」「あ…あの、まだちょっと頭がボーッとしちゃって…」「 [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 10話
  • いい意味では親切、悪い意味ではお節介な近所の人たちの好意により、其の日の晩ご飯はとても豪華なものになった。「うぅーん、美味しい!」「相変わらず美味しそうに食べるのね」「だって本当に美味しいよ!刺身に天ぷらにきんぴらごぼう、炊き込みご飯に具沢山味噌汁!あぁ、和食、万歳!」「…」(…あれ?)なんだかほんの少し違和感が胸の中に湧いた。「風音さん?」「え…あ、うん、私も和食が一番好き」「だよね!風音さん、 [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 9話
  • ピンポーンもう一度鳴ったインターホンに慌てて出た。「はい」『あ、あたし、光代』「え、みっちゃん?」訪問者は幼馴染みの光代だった。「いやーごめんね、いきなり」玄関先で迎えた光代は大きな段ボールを置きながら挨拶した。「ううん、別にいいけど…どうしたの?愛莉ちゃんの事で何かあった?」愛莉というのは光代の5歳になる娘で、つい先ほどレッスンに来ていたピアノ教室の生徒のひとりだ。「あぁ、違う違う。えっと…」「 [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 8話
  • 「先生、あの人誰?」「えっ」其の日の午後、教室に来た生徒が指さす方にいたのは勿論「ふふーん、ふーんふんふん♪」「歌うたいながら床拭いてる」「あ…あのね、あの人は先生の…えっと、遠い親戚の子で、冬休みの間此処に遊びに来ているの」「へぇーそうなんだー」「…」(そうか…こうやって勘繰られる事もあるんだわ)其れはそうか。こんな田舎でひとり暮らしをしている女の元にいきなり若い男がいたら驚くだろう。(きっとあ [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 7話
  • 「わぁ…わぁわぁわぁぁぁぁぁ…!」「ちょっと…騒ぎ過ぎだから」「だ、だって…風音さんが作った朝食ですよ?!これが感激しないでどうするんですか!」「…変な子」「はい、変な子です、いただきます!」「…」私の目の前で私が作った朝ご飯を物凄い勢いでかき込んでいるのは、市ノ瀬 瞬(イチノセ シュン)という16歳の高校生だ。なんでも知り合いに音楽関係の人がいて、其の人から私の現在を知ったらしく、冬休みを利用して私に逢い [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 6話
  • この家にピアノ教室の生徒以外が来るのはどれくらいだろうか?「…」「お茶、よかったらどうぞ」「! あ、は、はいっ、あり、ありがとうございますっ」「…」居間のソファに座っている其の人は──(なんか…滅茶苦茶若くない?)今までほぼ暗闇の中でしか接触していなかったからよく解らなかったけれど、明かりの点った室内で改めてマジマジと其の顔を見ると何処からどう見ても幼い顔立ちをしていた。「あの」「は、はい!」向か [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 5話
  • 何処からともなく聴こえて来たヴァイオリンの音色に惹きつけられて、真っ暗闇の中を駆けて来た私の前に居たのは──「…」月明かりでぼんやりとしか見えなかった其の人の顏の、やけに光を放っているふたつのものから流れるものがあった。(え…な、泣いている?!)私は得体の知れない其の人を前に、怖さとか恐ろしさとか、そういった感情よりも先に「…綺麗」双眸から流れ落ちた光るものがなんて綺麗なんだろうと…つい感情のまま [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 4話
  • 「…」深夜。早目にベッドに潜り込んだ私は浅い眠りの中、何度も目を覚ます。(はぁ…眠れない)つい数時間前にあった事が未だに私の胸を高鳴らせていた。『其の、僕は…僕は…あなたの……束原風音さんのファンなんです!』(あぁ、もう!)何度も何度も頭の中でリフレインする言葉。其れと同時に湧いて来るのは(あの人は一体…誰?)そんな不思議な興味。表舞台から姿を消して数年。何故今更私のファンだなんて云う人が私の元に [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 3話
  • 「ぎゃっ!」何か柔らかいものを踏んづけた──と思った瞬間、私はとんでもなく色気のない声を上げてしまった。数歩後ずさって目を凝らして踏んづけた物の正体を見ようとする。すると「〜〜痛ぁ」「?!」呻く様な低い声が聞こえ、また私は驚いた。いきなりのっそりと黒い物体が盛り上がり、そして「………あ」「…」暗闇だというのに何故か一瞬言葉を発した相手と目が合った、と思った。ほんの数秒、見つめ合った時間があった。だ [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 2話
  • 「だけどさ、いくら私が悪いからってわざわざ結婚式とか招待するかなぁ」『あーそうだね、ちょっと其の神経は解らないけどね』昔付き合っていた彼から届いた結婚式の招待状を手に私は大学時代からの友人のつぐみに電話で愚痴っていた。「しかもウィーンで挙げる式に招待だなんて…信じられる?」『其れ、もう風音が来ない事前提で出してるんじゃない?』「え」『彼にしたら今更なんて云って別れたらいいのか解らなくなったんじゃな [続きを読む]
  • 夜明けのアリア 1話
  • 小さな頃から夢見ていた。真っ暗闇の中、私が立つ場所にだけ光が当たり、其の静寂の中高らかに響き渡る高らかなアリア。真っ暗闇の中だというのに私を見つめる其のひとりひとりの表情は壇上からも窺い知れやがて歓喜の声が私の全てを包むのだ。───私はそんな歌姫になりたいとずっと夢見ていた「先生、さよーならー」「はい、さようなら」今日最後の生徒が帰り、室内はあっという間にシンッと静かになった。(はぁ…疲れた)強張 [続きを読む]
  • 甘やかな刻印 7話(終)
  • 『好きだからに決まっているだろう』衛藤から投げ掛けられた言葉にしばし唖然とする。「おい、訊いているか」「…え、えっ…え」「俺は君の事が好きだ──だから抱いた」「〜〜〜嘘ッ!」「嘘じゃない、本当だ」「だ、だって…だって…そんな…だって衛藤は…」「もうあの時の俺じゃない」「!」「もう闇雲に体だけの関係を求めていた頃の俺じゃない。俺は…ちゃんとひとりの女を愛したいと思える様に変わったんだ」「…」其の衛藤 [続きを読む]
  • 甘やかな刻印 6話
  • 私と衛藤の間には何もなかった。──ううん、正確に云うと何もなかった事にしたかった衛藤の事を好きだと自覚してから私は其の恋に悩み、日々心を蝕まれる事になる。衛藤との関係に恋愛を匂わせたらもう友人としてすら付き合えなくなると。解っていたから…苦しかった。だけどそんな苦しい気持ちに終止符を打つ出来事が私と衛藤の間で起きてしまった。退職する職員の送別会があった夜、積もりに積もった鬱積した恋心を晴らすように [続きを読む]
  • 甘やかな刻印 5話
  • 衛藤の家に居付く様になってから一週間が経っていた。「はぁ…」「なんだ、今日もダメだったのか」「…うん」私の職探しは続いていた。だけど自分が希望する職種と条件がズレていて、中々これというものに出会えていなかった。「まぁじっくり探せばいい。焦って妥協して就職しても続かなかったら本末転倒だからな」「…そうだね」30女が再就職するのがこんなに大変だとは思わなかった。ただ条件を甘くすれば見つかる事もある。でも [続きを読む]
  • 甘やかな刻印 4話
  • ずっと好きだった。好きだったけれど、彼が私の気持ちに応えてくれる日は来ないと知った。あの日あの夜の出来事で。不毛な恋だ。早く忘れなくては。早く…早く……もう彼から離れられなくなるほどに心を支配される前に──!「ねぇ、どうして?」「…」「見返りは何?」「見返りは…体、かな」「!」(え…?!今…なんと)「家に住まわせる条件としては俺の夜の相手をお願いしたいかな」「なっ!」「独り身というのはこういう処が [続きを読む]
  • 甘やかな刻印 3話
  • 「よかったら家に来ないか」「──え」喫茶店を出た私たち。少し名残惜しさを感じながらも別れの挨拶をしようとした私に彼は云った。「仕事が見つかるまで家にいればいい。そうしたら住居費は節約出来るだろう?」「…何…云ってるの?衛藤」「何って人助けの話だけど」「人助けって…べ、別に衛藤と私は」「来るの?来ないの?」「!」(なんでそうやって結論を急がせるのよ!)いきなりされた突拍子もない提案に冷静に考える余裕 [続きを読む]
  • 甘やかな刻印 2話
  • 新卒で行政事務職に就いた私が初めて衛藤と顔を合わせたのは市役所の入所式の時だった。最初の衛藤の印象は、暗い男──だった。積極的に人と関わるという感じではなく、大勢の中に居ても何処か一歩引いている様な印象を受けた。そんな彼だったから私は特に気にもしなかったし、必要最低限の事しか話す事はなかった。だけどそんな月日の中のある日、私は目撃してしまう。衛藤が告白されている場面を。たまたま通りがかった人気のな [続きを読む]
  • 甘やかな刻印 1話
  • ──私の人生はたったひとりの男(ヒト)によって狂わされた「あれ、幾田?」「!」「じゃなかった、えーっと…確か…」「……幾田」「え」「幾田で、いいの」「…」(まさか…こんな処で彼と逢うとは思いもしなかった)この腹が立つほどに忌々しい縁は何だろうと神様を呪いたくなった。声を掛けられた昔懐かしい彼からの「何処かで話さない?」という言葉を受け、私たちは道すがらにあった喫茶店に入った。彼が「アメリカンコーヒー [続きを読む]
  • 甘やかな棘(番外編)
  • 大学に入って一番驚いたのは図書室の蔵書の多さだった。「坂之上さんっていつも図書室にいるよね」「え」大学1年の時、そうやって声を掛けて来る人がいた。其の日図書室に人はまばらで読書に集中するにはもってこいのひと時だったのだけれど、其の人物によって静かな時間は破られた。「あ、ごめんね。読書の邪魔、しちゃった?」「…そんな事ないけれど」私に声を掛けて来たのは一度新歓コンパで顔見知りになった間宮 紘(マミヤ ヒロ) [続きを読む]