狂志郎 さん プロフィール

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狂志郎さん: 居眠り狂志郎の遅読の薦め
ハンドル名狂志郎 さん
ブログタイトル居眠り狂志郎の遅読の薦め
ブログURLhttp://pione1.hatenablog.com/
サイト紹介文晴読雨読、乱読遅読の独歩人生を送っております!
自由文人との出会いはめっきり少なくなりましたが、新刊、古書を問わず本との逢瀬はこれからも大事にしていきたいと日々、思っています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供328回 / 285日(平均8.1回/週) - 参加 2017/07/10 21:07

狂志郎 さんのブログ記事

  • 圓太郎馬車―正岡容寄席小説集
  • 山本有三原作で昭和13年制作の『路傍の石』を観ると珍しく鉄道馬車の動画が見れるが圓太郎馬車とは何ぞや・・・?鉄道馬車はレール上の客車を馬が引っ張るのだが圓太郎馬車は道路上の客車を馬に引かせるものらしい。明治から大正にかけて圓太郎馬車、つまり乗合馬車が存在していたことは知っていたが写真でしか見たことがない。本書は三遊亭圓朝の弟子、橘屋圓太郎が真打ちとなるまでの出世譚だが、特段、落語に詳しいわけでも [続きを読む]
  • 快楽 更年期からの性を生きる 工藤美代子
  • 工藤美代子という作家の名前はよく目にするが、主に歴史ノンフィクションや評伝ばかり書いている人だと思っていたら、豈図らんや、こんな主題の本まで書く女性だったとは意外や意外。快楽と書いて「けらく」と読ませているが要はタイトル通りの内容。閉経、更年期後に女性特有の避けては通れぬ微妙な問題を専門家への取材や友人知人など通じ、どう思い、どうクリアしているのか綿密な取材を基に書いている。男性にも勃起不全と [続きを読む]
  • そうか、もう君はいないのか 城山三郎
  • 昭和51年、『落日燃ゆ』という終戦ドラマを見た。文官中、ただひとり絞首刑となった元首相広田弘毅の生涯を描いた物語で、原作は吉川英治文学賞を受賞した名作。広田役を演じたのは名優滝沢修で素晴らしい作品だった。それが城山作品に触れた初めての出会いで、以来、この人が書く硬派な人物伝が好きで何作か読んでみた。その城山さんが夫人を癌で亡し、酷い損失感に見舞われる。城山夫妻は相思相愛で、私の叔母が連れ合いを [続きを読む]
  • 清須会議 三谷幸喜
  • 三谷幸喜の作品は初めて読んだ。別に三谷幸喜だからというのではなく、このタイトルに惹かれた。『清州会議』本能寺後の歴史書には必ずと言っていいほど登場する有名な会議だが、これまで『清州会議』だけを扱った本というのは見たことがない。勿論、書き手が三谷幸喜なのでお堅い歴史書などではなく全編現代語のややパロディ的な要素のある本だが、一体、どこまでが事実なのかは疑わしい。それはともかく、以前から「清州会議 [続きを読む]
  • 或る男の断面 宇野千代
  • 『或る男の断面』の或る男とは東郷青児のことで、宇野千代の代表作『色ざんげ』は東郷に書いてみないかと持ち掛けられた東郷自身の心中未遂から宇野との結婚についての話しを仮名を使って語られているが、こちらは全て本名で書かれている。といってもエッセイなので事細かに詳細が書かれているわけではない。元来、この人には長編というものがなく、代表作といえば『色ざんげ』と『おはん』ぐらいではないだろうか。二人が別れ [続きを読む]
  • 定年オヤジ改造計画 垣谷美雨
  • 唐突だが、夫源病という言葉を聞いたことがあるだろうか?一般的にあまり聞かない単語たが調べてみると確かにある!読んで字の如しというか、夫が原因の病気らしい。定年後の夫を粗大ごみと呼び、熟年離婚が叫ばれて久しいが夫源病なる単語に興味を持ち、それらを題材にした本があるというので、早速、紀伊国屋に電話して確認をしてもらうと在庫は一冊、おっとり刀で飛んで行った。一見、自己啓発本のようなタイトルだが、豈図ら [続きを読む]
  • 犬が星見た―ロシア旅行 武田百合子
  • 昭和44年に約1ヶ月かけて旧ソ連領を旅した時の紀行文、或は日記といってもいいが、1日の出来事を平均して12ページぐらいは書いている。どこを読んでも「ホテルへ帰り、日記を書く」というくだりはないが、見聞したこと使った料金などを実に細かく記載している。感心するのはアルコールの量、体に悪いというぐらい飲酒が多い。 そもそも夫の武田泰淳から、 「連れて行ってあげるのだから、お前、日記を書けよ」 と言われて書き始め [続きを読む]
  • クラシックホテルが語る昭和史 山口由美
  • 戦争で都市を爆撃する場合、代表する高級はテルは好き好んで爆撃しないという説があるそうだが本当だろうか。そもそも空襲がなかった奈良ホテルや箱根の富士屋ホテル、軽井沢の万平ホテルはともかく横浜のニューグランドホテルが戦災に遭わなかったのは不思議だ。マッカーサーが厚木に降り立ち真っ先に向かったのがこのグランドホテル。第一生命ビルも被害に遭わずGHQの総司令部になっている。あながちデタラメの話しでもなさそ [続きを読む]
  • 731 石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く 青木冨貴子
  • 731部隊の人体実験に関する詳細は以前何かの本で読んだが、本書は人体実験を主題にしているのではなく著者が探し出した石井中将自筆ノートの解明を主題にしている。千葉県の大地主だった石井家の繁栄と戦後の凋落、GHQとの取引で石井を含め731部隊関係者全員の戦犯免訴など。著者は女性だが恐ろしいまでの執念で部隊関係者の戦中戦後、またどの程度の資料がアメリカ側に渡ったのかを追跡している。米ソが必要以上に石井が持つ [続きを読む]
  • 大正美人伝―林きむ子の生涯 森まゆみ
  • 林きむ子とは所謂、大正三美人の一人で林姓は再婚相手の名前。九条武子、柳原白蓮と並んで世情を賑わした美貌の持ち主だというが、なるほど、写真を見ると品性と知性にも恵まれていた才媛なのだろうか。義大夫語りの娘で、新橋料亭「浜の家」の養女となり代議士婦人としてサロンの女王とまで言われていた。「浜の家」と言えば右翼の大物、頭山満、杉山茂丸の贔屓先としても知られている。きむ子は多才な女性で芸事百般を修め、 [続きを読む]
  • 父・丹羽文雄 介護の日々 本田桂子
  • 著者は丹羽文雄の長女で記事を書くにあたって少しこの親子に付いて調べてみたが私の記憶に間違いはなかった。丹羽文雄は三重県四日市に1904年(明治37年)11月22日に生まれ2005年(平成17年)4月20日に没している。つまり満百歳の天寿を全うし文壇の生き字引と言ってもいい大御所で文化勲章も受賞している。若い頃の写真を見ると目の澄んだ色男で昔は「文壇の長谷川一夫」とまで言われていたらしい。その丹羽を襲ったのがアル [続きを読む]
  • 女優万里子 佐藤愛子
  • 現在、存命の作家で祖父が武士だったという人はおそらく佐藤愛子を於いて他にいないと思うがどうだろう。祖父、弥六は何と阿片戦争が終結した1842年(天保13年)弘前生まれで沖田総司、大山巌と同年齢だとか。福沢諭吉の門下生で幼児の頃から秀才の誉れ高く維新前には英学、蘭学を修め、維新後は『林檎図解』『陸奥評話』『津軽のしるべ』などを著し鴎外の『渋江抽斎』にも登場する弘前の名物男だったらしい。その次男が明治7 [続きを読む]
  • 読書の腕前 岡崎武志
  • 世の中には恐ろしい読書家、乱読家がいるが、私などはとても「読書の腕前」などと言う大それた文章を書ける腕前などは持ち合わせていない。それでもタイトルに惹かれ読んでしまったが、好みのジャンルも相当違うようで年間3000冊の本が増殖中と聞いて絶句。読書家の誰もが言うように、この方も膨大な蔵書に苦労しているようで、何とも嬉しい悲鳴のようにも聞こえる。最近『絶景本棚』という書籍が出ているが、つい先日、その現 [続きを読む]
  • 逆光の智恵子抄―愛の伝説に封印された発狂の真実 黒沢 亜里子
  • 著者の黒澤亜里子という人は1952年生まれ。肩書きには沖縄国際大学文学部教授とある。巻末の後書きに1985年とあるので女史、33歳の作品ということになるが、いやはや、大学教授というものは斯くも難しい文章を書くものかと呆れてしまう。古本屋で見つけたときには、もっと単純に考えていたが、あまりにも専門的過ぎる。「封印された発狂の真実」という、その真実を知りたくて読んでみたが、解ったような解らないような。昭和7 [続きを読む]
  • サー・リチャード・スターキー
  • 去年の12月29日、イギリス政府は叙勲名簿を発表し、リンゴ・スターがナイトの爵位を受けるというニュースを見たが、ポールに遅れること20年、「さあ、リンゴ」、いやいや、サー・リンゴの誕生と聞いてジョンとジュージが仮に存命なら、或は全員がナイトの称号を得たかも知れないと思ったが如何に。他にビージーズのバリー・ギブも受賞。ところで授与に当たってこんな儀式があるとは初めて知った。 彼ら4人はまさしく私の青春だっ [続きを読む]
  • 父・萩原朔太郎 萩原葉子
  • 室生犀星が言うように萩原朔太郎は不世出の天才詩人だろう。私個人も詩人の中では断トツに朔太郎ファンだが、しかし、娘葉子の目を通して見ると、いや家族の目には実に異彩というか変人のように映っていたのかも知れない。何しろ癖の多い人だった。出かける時には三和土にある履物なら女物でも平気でつっかけて出て行ってしまう。冬でも厚着をせず足袋を履いているかどうかも気にしない。食事中は食べ散らかしても平気の平太。 [続きを読む]
  • ツイン21古本フェア
  • 本日の気温22℃、やや風あるも絶好のお花見日和。車窓より見ゆる花見の光景、まったく長閑なりし。しかし、我の目的は花見に非ず。春といえば古書市、古書市いえば腰痛ですね(笑 戦利品は2冊でした。 裁判記録「三島由紀夫事件」今迄、裁判記録はいろいろ読んできたが、やっぱりあったんですね!三島事件の記録が。初めてお目に掛かったが現在は絶版だろうと思う。このまま埋もれさせてしまうには惜しいと思うが出版元は講談社な [続きを読む]
  • 死んでいない者 滝口悠生
  • 毎度のことながらどうも芥川賞受賞作とは相性が合わない。古くは尾崎一雄の『暢気眼鏡』、庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』、または村上龍『限りなく透明に近いブルー』、池田満寿夫『エーゲ海に捧ぐ』等々。ただ、松本清張の『或る「小倉日記」伝』はいい作品だった。本書は2015年上半期の受賞作だが、この作品には主人公というものがいない。更には故人の子供、孫、曾孫、総勢20人余りの登場人物とあって、それぞれの続柄が [続きを読む]
  • 装丁家
  • 私は昔から夢というものを持ったことがない。大言壮語が多く単なる夢想家に過ぎずエジプトへ行ってミイラを発掘するとか、ミッチミラー合唱団に入るなどと嘯いてばかり。ああなったらいいな、こうなったらいいなと言って人を煙に巻き何ら成し得ていない。つまり、臆病で器が小さく人の上に立つことが苦手な小心者、無用之介という名前でもよかったのではないかと思っているぐらいだ。しかし、夢は無くとも憧れはあった。それもど [続きを読む]
  • 苦悩の旗手太宰治 杉森久英
  • 太宰関連の本はこれまで何冊も読んでいるが、この本には今まで知らなかったことが書かれていて少し驚いた。著者の杉森久英という人は近年、テレビドラマでも話題を呼んだ『天皇の料理番』の作者でもあるが伝記文学の名手としても名の知れた作家で既に故人となっている。本作が書かれたのは昭和42年というからかなり昔の本になるが、なるほど、当時にあってはまだ太宰本人を知る人が多く存命していた。太宰は六男坊だが杉森氏は [続きを読む]
  • 仙境異聞 勝五郎再生記聞 平田篤胤 復刊
  • 先ごろ発売された岩波の恒例春のリクエスト復刊!今回は37点40冊。 https://www.iwanami.co.jp/news/n23560.html 読書家の中には岩波文庫全読破を目指す恐ろしい輩もいるが、一時期、私も岩波ばかりを読んでいた頃があったが全巻読破なんてとんでもない。知っての通り岩波は色別にジャンルが別れている。 ・黄色 日本文学(古典) ・緑色 現代日本文学 ・赤色 東洋文学    外国文学    ギリシア・ラテン文学    イ [続きを読む]
  • 父・藤沢周平との暮し 遠藤展子
  • 藤沢周平という作家はかなり多くの作品を残したが私が読んだ本はたったの二冊。『回天の門』と『雲奔る 小説・雲井龍雄』だけで他に『蝉しぐれ』という映画を一本観ている。『回天の門』は幕末の志士、清河八郎を描いた作品だが清河と藤沢さんは郷里が同じ山形県の荘内。これまで、司馬遼太郎や吉村昭といった歴史小説家を主に読んできたので、どちらかというと市井の人を題材にとった時代小説の分野はあまり読んで来なかった。し [続きを読む]
  • 七時間半 獅子文六
  • 獅子文六の作、ちくま文庫の第4弾がこの作品。『七時間半』とは昭和35年当時、東京ー大阪間を七時間半で結ぶ豪華特急「ちどり」のことで物語は車内で起こる従業員や客とのラブコメディの顛末を道中七時間半をかけて作者が語っているような展開だが、解説には「昭和文学の隠れた逸品」などとかなり持ち上げているが果たしてそんなに面白いだろうか・・・?私にはあまり深みのない典型的な大衆小説として、印象に残るものはない [続きを読む]