miko さん プロフィール

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mikoさん: 恋の夢空間
ハンドル名miko さん
ブログタイトル恋の夢空間
ブログURLhttp://hagi932.blog.fc2.com/
サイト紹介文ゆるやかな恋のお話をふわふわと綴っています
自由文幼馴染みの恋・学生の恋・社会人の恋…etc
いろいろな世代の恋模様をまったりと空想し
楽しく綴っています
ゆるやかで癒しの空間となれれば幸いです
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供175回 / 218日(平均5.6回/週) - 参加 2017/07/16 14:40

miko さんのブログ記事

  • ma chérieマシェリ38
  • 38パレスホテルは国内外から集まった華やかな招待客で溢れかえっていた。真里亜は上流社会独特の人いきれとそれに混じる高級な香水に当てられて、何かに飲み込まれそうになる。そこへ腰に添えられていた健太朗の手にぐっと力が込められ、ハッと我に戻った。ー 胸を張れ耳元で囁かれて、真里亜は思い切って背筋を伸ばし一歩前へと踏み出した。背の高い健太朗の横に真里亜が並ぶと実に絵になる。すらりと伸ばされた真里亜の背中 [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ37
  • 37パレスホテル創業記念パーティで家族にもサプライズにしようかと言っていた二人の交際は、よく話し合った結果あらかじめ知らせることにした。家族間で分かち合いたい喜びはまず家族でというのが一致した意見だった。翌日の日曜日、健太朗と真里亜はそれぞれ別々に実家へ赴き打ち明けた。榊夫妻は、聞かされた後黙って娘真里亜を抱きしめた。「もっとゆっくりがよかった?」おずおずと尋ねた真里亜に、夫妻は顔を見合わせたが [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ36
  • 36翌日は週末で、二人共仕事は休みだった。週末は朝食から一緒にとり、二人で出かけたりそのままどちらかの部屋で過ごしたりするのが最近の日課になっていたのだが。真里亜も健太朗も珍しく寝坊し、やっと起き出した健太朗から電話が入ったのは昼前だった。「真里亜、昼飯を食おう。今から部屋に行ってもいいか」「えっと… ちょっと食欲が無いので今は… 夕方からでいいですか」「どうした。具合が悪いのか」「いえ、ちょっ [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ35
  • 35「一生… ええ、ずっと傍にいて欲しい。わたしも傍にいたい」「真里亜… 」健太朗が感激して真里亜に口づけしようとすると、唇に手が添えられやんわりとストップをかけられた。どうした、という風に健太朗は顔を覗き込む。「健太朗さん、我が儘言っていいですか」真里亜が我が儘… 初めてだ。健太朗は思わず頷いてしまった。「あのですね… け、結婚するのは少〜し待って欲しいのデス」「待つのは待つが、どれくらい待て [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ34
  • 34「やれやれ… 健太朗に忍耐力が加われば次期経営者として怖いものなしだ。ただしあまり呑気に構えていると横からかっさらわれるぞ」「ふん、そんなことはさせんさ」「彼女の幼馴染み君はどうだ。あっちも親しさでは負けてないだろう」「竜崎周耶か… 大丈夫だ。あんな若造には負けん」「ふふん、その若造君、最近仕事で随分頑張っているらしいな。チーフクラークが感心していた。臨機応変に動けるし見栄えもいいから客受け [続きを読む]
  • 恋の夢空間用ゲストルーム
  • 〜ご連絡場所〜♪ピンポン♪ピンポン ♪ピンポン♪ピンポン ♪ピンポン ♪ピンポンー お留守かしらー でも明かりは点いてるわー 仕事に没頭しているのかもー せっかく遊びに来たのに残念ねー どうするー あら これは郵便ポストかしら にしては大きめね『ようこそいらっしゃいました ただいま手が離せません ご用の方はこちらのゲストボックスへどうぞ』ー あらあら ゲストボックスですって…ー お土産もここへ [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ32
  • 32「意味不明なんだけどぉ…」「ん? 何が?」依子らしからぬ語尾を伸ばした言い方に、真里亜は嫌な予感がしたがとりあえず聞き返した。「だから、皇課長よ。全く意味不明だわ。ねっ、真里亜」今度は『ねっ』と来た。女子トークなど無縁な依子がそうしてくるということは、内容がまさに女子っぽいからなのだろう。真里亜はこっそりため息をつき、なけなしの覚悟を決めた。「だってね、普通さぁ職場に恋愛ごとなんて持ち込まな [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ33
  • 33「私って雛みたいな感じですか」「あぁそうだな。ところがだ、俺が育てているつもりでいたら俺の方が育てられているのさ」「そ、そんなことあるわけない…」「そんなことがあるから、人生は面白い」ー 人生は面白い健太朗の口から出てくると、真里亜の胸に響く。「わたし何もしてない…のに… 」健太朗は、赤くなって俯いた真里亜の顎に手を添えて斜め上へ向かせた。真里亜が目を閉じると、健太朗の指がおでこをピンと弾い [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ31
  • 31「ねぇ、真里亜。最近皇課長って変わったと思わない?」昼休み、依子にそんなことを言われて真里亜は何気なく聞き返した。「そう? どんなところが」「ほら、怒鳴り声があまり聞かれなくなったじゃない。冷静でクールな上司っていいけど、あの課長だと少し寂しい気がするっていうか、ね…」ね… と言われてドキッとしたが、平静を装ってさり気なく答える。「それは依子の仕事ぶりが認められたんじゃないかな。わたしは相変 [続きを読む]
  • ma chérieマシェ30
  • 30パーティに出席するために身に付ける物などこまごました準備は、健太朗の母美枝が手伝ってくれることになった。「まぁ、まぁ… 一緒に出てくれるのね、ありがとう。我が家の勝手な都合なのに協力してくれるなんて、本当にあなたは救世主だわ」「そんな… わたしが救世主だなんて神様に叱られます」「ほほほ… じゃぁ、女神様ね。あら、同じことだったかしら。どちらにしても嬉しいわ」それから健太朗へはことさらに厳しい [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ29
  • 29「遅いが俺の部屋で少し話をするか」真里亜は頷いた。健太朗は木邑執事にまだだったデザートを運んで来るように命じて、部屋へ真里亜を伴った。真里亜には彼の部屋はこれで二度目だ。前とは違うドキドキ感がある。コトコトと止まらない胸を押さえて大きな窓へ目を遣ると、美しい星空が見えた。散りばめられた星々の瞬きに自分の鼓動が共鳴する。まもなく見た目も可愛いケーキやゼリーなどと紅茶がテーブルの上に並べられた。 [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ28
  • 28「真里亜にはもう頼みましたが、断られましたよ」健太朗は小さく切ったステーキをぽんと口に放り込み、何でもないという風に食べ続けた。ー うわぁ… まさかの丸投げ… 健太朗さんたら、酷い…真里亜の方は食べているものがつかえてむせそうになる。美枝は『不甲斐ないんだから…』というような目でちろんと息子を見た後、いかにも困ったというように真里亜の手を取った。「健太朗の頼み方が悪かったのね。真里亜ちゃん、 [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ27
  • 27皇家には時々遊びに来て欲しいと、とりわけ母美枝に懇願されてこのひと月で2度ほど顔を出した。『結婚のけの字も出さないこと』健太朗にそう厳命されたのだと美枝は笑い、今のところは約束を守ってくれている。一人息子は15歳で外国へ出たっきり家には戻らなかったし欲しかった娘はいないしで、真里亜のことは猫っ可愛がりだ。しばらく会えなかった分も取り戻したいらしい。江美とは違う形で可愛がってくれる美枝のことはすぐ [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ26
  • 26「一つ条件を出させて下さい」「なんだ、言ってみろ」健太朗は片方の口端を少し上げた。妙に嬉しそうだ。「健太朗さんは仕事のし過ぎです。もっと部下に振り分けて、自分はど〜んと構えていて下さい。少なくとも仕事の持ち帰りは止めましょうよ、身体のために」「そっちか…」「そっちって… 」「いや、いいんだ」健太朗はクッと笑いかけたがすぐに引っ込め、ややぶすっとした表情を作って見せた。「任せられる部下がほとん [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ25
  • 25驚きの皇(すめらぎ)家訪問からひと月経った。夏の繁忙期ということもあり、ホテルのイベント等に本社社員が招集されることが多々あり、新入社員の真里亜もご多分に漏れず駆けずり回っている。それにプラスして、年中多忙な皇課長の秘書(見習い)としてそれについて歩くのも結構メンタルをやられる業務となっている。あの告白(?)以後、課長がオフィスでどう接してくるのか戦々恐々だった真里亜だが、『仕事は仕事だ。ボ [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ24
  • 24「お前は教会で結婚式を挙げたことがあるんだぞ」「はい〜?! 」目尻の下がった優しい目つきが真里亜を見下ろしている。すると、こんな風に見つめられたことが遠い昔あったような気がしてくる。既視感のあるこの目元を見たのはいつだったろうか。もどかしく記憶を辿る真里亜の頭に、ふわりと白いハンカチが置かれた。「どうだ?」「え? なに?」まるで花嫁のベールのようだ…と思った瞬間、健太朗の部屋がぐるぐる回って [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ23
  • 23「済まなかった」浮かれる両親から真里亜をもぎ取るようにして健太朗の自室に連れて行き、まず口から出たのは情けない謝罪だった。何故なら真里亜の表情が硬くなっているからだ。冗談めかすことも誂うこともできず、謝るしかなかった。くるくる動く豊かな表情がこの子の命みたいなものなのに、ここまで硬くさせてしまうとは…考えるだけで、健太朗の気持ちは冷えてくる。成人している息子を差し置いて先走る両親を恨めしいと [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ22
  • 22「これ、利香! 他所様ではしたない声を出すんじゃない」「だって、お祖父様。この子が…」「口答えもみっともないぞ」三木老は利香を小声で叱った後、この家の主人に向かって申し訳なさそうに咳払いをした。「相変わらず我が儘な孫で済まんな」「いえいえ、三木氏とは先代の頃からのお付き合いですし、大変お世話になっておりますのでね」「失礼じゃが、こちらのお嬢さんはどなたでしょうかな? 儂らに紹介してくださるお [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ21
  • 21健太朗の車から降り立った真里亜の目の前に表れたのは、雨に煙る落ち着いた佇まいの大邸宅だった。そこからではやや遠目になるが、歴史と伝統を感じさせる重厚感を最新の技術でさり気なくスタイリッシュに見せているといった感じだ。健太朗によれば、住居に関する采配は女主人の美枝がふるっているのだとか。「母は多趣味でね、こんなことになっているのさ」「はぁ… 」分かりにくい説明だが、真里亜はこの邸宅の外観が気に [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ20
  • 20ホテル業界は一年中暇なしである。慌ただしく働いているうちに暦は6月下旬になっていた。季節は例年通りの梅雨に入り、毎日のようにしとしとと雨が降り続く。雨が上がっても灰色の曇天のことが多く、街も人間も何もかも雨の匂いがする。たまさかに訪れる雨上がり、晴れ上がった青い空に虹がかかることがある。眼前に広がる七色のグラデーションは淡いくせに何故か鮮やかで眩しく、それまでのどんよりした気分が嘘のように晴れ [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ19
  • 19「君は俺の父の顔を覚えているか」「え? え〜と 小さな頃何度かうちにいらして下さっているんですよね」「あぁ、ここに来る時は家族3人揃っていたから。それが面白いことなんだがな」「はい」「うちが親子揃って外に出かけるのは仕事がらみのことばかりで、所謂プライベートの外出なんてのは皆無だった。だからこちらに寄せてもらうのは回数は少ないとはいえ少年の俺にとっては心弾むものだったわけだ」「楽しみにしていら [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ18
  • 18「変わらないな、この部屋も」壁紙も天井も、置いてある調度類も柔らかでメローな色と可愛らしい花模様に囲まれ、ついこの間まで少女だった真里亜がそこ此処に隠れているかのような部屋だった。一歩入ると、そこはかとなくフローラルな微香が甘やかに鼻腔をくすぐる。真里亜は部屋に入ると窓辺へ向かい、レースのカーテンと木枠の窓を開け放った。彼女が窓から離れると、入れ替わりに健太朗が窓辺に来た。彼は若葉の匂いを乗 [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ17
  • 17「健太朗君、ここへは実に久しぶりだね。周耶と真里亜と一緒とはさて、仕事の関係でいらしたのかな? それにしては剣呑なことになっているようだが」榊牧師はやや怪訝そうに、倒れた椅子と男二人の赤くなった顔に目を遣ったが、咎めるような口調ではなかった。「父さん、ごめんなさい。わたしのせいなの。わたしが悪いの…」真里亜は両手を組んで、3人の中で誰よりも早く父に詫びた。そして慌てて倒れた椅子を起こそうとした [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ16
  • 16「竜崎、ここからは俺と真里亜だけの話になる。悪いが…」「僕がいたら邪魔だから追い出すつもりですか。ここに来ていいと仰ったのは課長の方ですよ。僕にだって真里亜と話したいことがあるんです」「榊、お前はどうしたい?」「わ、わたしですか?」真里亜は困ったように皇と周耶の顔を交互に見て、やがて心を決めたらしく小さな声で答えた。「周耶と少し話をさせて下さい。皇さんとはそれから…」「分かった。いいだろう。 [続きを読む]
  • ma chérieマシェリ15
  • 15ー 何だったのですか? わたしの何が…それは、お前の無垢な眼差しだ。幸せそうな新郎新婦にうっとりと見蕩れ榊牧師の滋味深い言葉にじっと耳を傾け江美さんの奏でる神の歌に気持ちよさそうに聞き入るお前の横顔。わずか5歳では何も考えてやしなかっただろう。だがそれでいいのだと思った。ただただ魂の部分で見つめているかのようなお前の美しい瞳さえあれば。俺にはお前こそが神の光に包まれ祝福されているように見えた。 [続きを読む]