双魚庵主人 さん プロフィール

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双魚庵主人さん: 新・鯨飲馬読記
ハンドル名双魚庵主人 さん
ブログタイトル新・鯨飲馬読記
ブログURLhttp://pisces0307.hatenablog.com/
サイト紹介文魚(観る・食べる)&本&酒の日記
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供43回 / 144日(平均2.1回/週) - 参加 2017/07/22 16:20

双魚庵主人 さんのブログ記事

  • 皇帝的鮑
  •  シェアキッチン「ヒトトバ」での“一日だけの料理屋”「蜃景楼」二回目はコース形式。使い慣れない(そして狭い)調理場だから、作る方・食べる方双方にとってこのやりかたがいいようである。 「舌尖上的変人合作」なるUさん手書きの献立を写し、いささかの注記を付ける。○老酒汁三海味・・・十年物の老酒に、甘海老・槍烏賊・海月の三種を漬けたもの。香辛料も何も使っていない、とのこと。それでこれだけの味が出るから不思 [続きを読む]
  • 懐石ごっこ
  •  十連休ながら、旅には出ず。それどころか、外に食事しにいくこともほとんど無し。敬士郎さんと五軒はしご酒したくらい。いつも遊んでくれてありがとう、敬士郎さん! その代わり、市場やデパートにはよく行った。毎日旨そうな食材を買って帰り、好きなように料理して食べる。不思議なもので明日も明後日もしあさっても休みだと思うとかえって夜更かしする気にもなれず、おかげで朝は気持ちよく目覚め、掃除洗濯を済ませると浮き [続きを読む]
  • 鶉が叫んで冬が来る
  •  山鶉(ペルドローグリ)が熟成しましたと知らせをもらって「MuogOT」へ。一年ぶりだな、うずらちゃん。リヨン風ソーセージもサラダも旨かったけど、やはりこの日の主役だけあって、山鶉は見事な仕上がり。ももはコンフィしてから炙り、胸はそのままロースト。細かい肉はフォアグラを混ぜて蒸し焼きに。土鍋の中にはアラで取ったスープで炊いたリゾット。てっちりだって最後の雑炊に味の粋が集まるように、このリゾットも身 [続きを読む]
  • 大勢の場合
  •  鍋の具材は一、二種類にかぎるとは書いたものの、やっぱりひとり酒の場合に限るようである。あ、ふたりでつつく時もこちらのほうが風情がある。「そして櫓のさしむかひ」・・・惚れた同士が炬燵の上いっぱいにすき焼きの具材を広げたのでは様にならない。と反対にそこそこ頭数があって鍋の中は一、二種類というのも具合がわるい。全員が土鍋の湯豆腐をじっとにらんでいる絵面を想像されたし。 と考えて、『いたぎ家』ご一家(父 [続きを読む]
  • 晩年の北斎
  •  あべのハルカスの北斎展、噂どおりの大混雑。「チケット購入にたいへん時間がかかる」とHPで警告していたので、事前に購入して行ったけれど、会場に着いてみると「整理券をお配りしています」という状態。結局整理券に指定された入場時間まで一時間半、待たねばならない。この日、朝から動き回って疲れていたのでともかく腰を下ろしたい。 というわけで、地下街の一杯呑み屋で呑んで待つ。昼に行った大和文華館「柳沢淇園―文 [続きを読む]
  • うを・しる・もやしもん
  •  『海月』敬士郎さん夫妻のお誘いを受けて、鈴蘭台『ピエール』へ。途中「すずらん吉田」(酒店)に立ち寄る。ここにあったんですな。アヤシイ感じの立ち飲みコーナーが店の奥にある。こんど行ってみよう。 『ピエール』さんのスープが旨かった。コンソメなのだが、具がふかひれと夏草(漢方で使う冬虫夏草ですな)で、そこに箱ごとどさっとテーブルに置かれた海胆をスプーンで入れて食べる、という仕立てなのである。なんとなく [続きを読む]
  • この世の外なら何処へでも
  •  旧師が講演をするというので、大学へ。先生の語り口は二十年前のままだった。主題は源氏物語「野分」巻の「あくがるる心」をめぐって。「あくがる」(現代語形だと「あこがれる」)、今は「理想的な対象に心惹かれる」という形而下的な使い方が主流となってしまったが、本来はこの語、「魂が自分の身から離れてさまよう」という意味だった。「野分」巻における「あくがる」の用法を精細に観賞していくという流れの講演で、冒頭に [続きを読む]
  • 肉名月
  •  名月の夜、大学の後輩で連句の連衆でもある里女さんの誘いで焼肉へ。風雅にシマチョウを炙り、優美にハラミを噛みしめたりする。酒の途中で店の外に出て空を仰ぐと、主役は真っ白に照り映えておりました。ビルの合間の明月(と書きたい)には独特の風情があって、これはこれでいいもんですね。 名月や腥(なまぐさ)き話の出る気配   碧村 新聞書評欄の下に、『丸山健二全集』の広告が出ていた。全100巻というのも尋常で [続きを読む]
  • 奇襲のキッシュ
  •  まだまだ中華フィーヴァーが止まらない。先週木曜日には、海月夫妻と住吉『自然派中華クイジン』さんへ。 敬士郎さんの覚え書きを拝借して、献立を記す。・鯨の椒麻ソース、秋鮭雲呑のみぞれソース、よだれ鶏、シャコの香味醤油、叉焼肉、牡蠣のベーコン巻金砂粉、海老と枝豆の紹興酒漬け ・子持ち鮎の揚げ物ハイビスカスソース・秋刀魚のトウチ蒸し・豚足と冬瓜の白湯煮込み・牛すじ入り麻婆豆腐・ライチをお肉で巻き込んだ黒 [続きを読む]
  • 大楠公と大阿利襪
  •  「第四三回東西落語名人選」(神戸文化ホール)。○柳家三三「もと犬」○笑福亭仁智「老女A」○柳家さん喬「棒鱈」○桂福團治「悋気の独楽」 中入り○月亭八方「高津の富」○柳家小三治「粗忽長屋」という番組。 さん喬師=歌がうまい。福團治師=御(ご)寮(りよ)人(ん)さんが丁稚を問い詰めるところ、「嘘ついたら、血ィ吐いて死ぬし」のせりふ。「死ぬし」が可笑しい。落語はやっぱり、ことばだなあ。八方師=鳥取在の親爺の [続きを読む]
  • 人に告ぐべき鰯雲
  •  九月に入った途端、近年の長い長い残暑に慣れた感覚からすれば嘘のように清爽な気候に切り替わった。おまけに義理堅くも鰯雲さえ浮かんでいて、こんなに順調に秋になってもいいものかしらん、と思っていると、案の定翌週には蒸し暑い空気が戻ってきたのになんとなくほっとする。こういうのは悲観主義というのでしょうか。貧乏性? それも変か。 ペシミストだろうがニヒリストだろうが、乾いた風の快くなかろうはずはないので、 [続きを読む]
  • 夜泳ぐ
  •  須磨水族園の夜間営業へ。平日を狙っていったので、人は予想どおり少なめ。ゆっくり見て回った。アクアリウムの権威・中村元氏のように「この水族館の特質は・・・」なんぞと語る資格は無いけれど、ここは展示の方法やキャプションの文章が、巫山戯すぎず、かといって堅苦しくもなく、いい按配だと思う。もっとも説明を丁寧に読んで、魚介どもを心を込めて眺めている殊勝なやつなど、見回す限りでは居りません。いずこも同じスマ [続きを読む]
  • 絶滅系男子
  •  今にも絶滅しそうな(あるいは既にしている)古風なヤマト男児のことに非ず。塩素系漂白剤を使いまくって菌どもの絶滅にいそしんでいるという意味。 潔癖というほどでもないけれど、独り身で格別な資産も無い人間にとっては食中毒やら何やらで自分が倒れたら一巻の終わりであるから、梅雨時分から秋が深まるまではやや神経質になる。 基本は自炊で、「お弁当男子」でもあるから(「子」ではねえわな)、台所は殊に念入りに消毒 [続きを読む]
  • プロとアマ
  • 日曜日は『播州地酒ひの』さんで奥播磨の会、水曜日は『海月食堂』で敬士郎さんの料理を堪能する会と、出不精には珍しく立て続け。 蔵の方からは「大吟醸でも、一通り食べた後でなおかつ美味しく呑んで頂けるように作っています」と説明があった。逆に言えば酒のほうでも料理を選ぶことになるわけで、淡い味付けばかりだとかえって酒を重苦しく感じてしまうことになるはずである。日野親分の料理はさすがに勘所を抑えたもので [続きを読む]
  • 月は出ねども満月〜備後・播州の旅(二)
  •  翌朝もうんざりするような曇天。ホテルから笠岡駅まで歩き、福山に出て福塩線に乗り換え。そこから数駅、至極のどやかな風景の中を走って、神辺で降りる。 大都市・福山を引き合いに出すまでもなく、駅前からして鄙びた田舎町。いくら何もしないための旅とはいえ、これはまた酔狂に過ぎる・・・のではなく、実はこの静かな町にだけ今回は予定を作っていた。菅茶山の居宅かつ私塾であった黄葉夕陽村舎=廉塾を観に行く心づもりを [続きを読む]
  • カブトガニとわたし〜備後・播州の旅(一)〜
  •  久々の旅ながら、行き先は金沢ではなかった。嫌いになったのでも飽きたのでもなく、何にも考えずひたすらぼーっとするには、取り立てて観光名所や馴染みの店がない街の方が都合がよかった。 と書いた後で所期するところは充分達せられたと続けると、なんだか行ったとこの悪口みたいになりますが、ま、過疎ブログのことゆえお目こぼしを。 前日少々過ごしてしまったので、薄曇りの頭のまま取りあえず西向きの新幹線に乗る。何時 [続きを読む]
  • 師匠傘寿
  •  MuogOTのシャルキュトリの会、海月食堂とピエールのコラボの会、初めて行った中華のcuisineなどで美味しい料理に沢山出会った(それにしても、出不精の人間にしてはイベント参加が続いた)。本も珍しく小説をよく読んだ。 とはいう個人的に煮詰まったひと月だったので、長々と綴る気になれない。先日あった恩師の御祝いの会のことを少し記して今月の拙ブログの責めをふさいだこととする。 恩師は今月で八十、傘寿 [続きを読む]
  • 螢の火
  •  職場から家まで歩いていて、途中の宇治川の河原に蛍が飛んでいるのを見つけた。初めは一匹しかいなかった、というより見つけられなかったけれど、しばらく眺め入っているうちに、少しずつ数が増えていく。水の流れる音と相俟っていかにも涼しげ。リズムがあるような、無いような間隔で明滅する趣がよろしい。とはいえ、今みたいに街灯も部屋の明かりもなく、車の走る音も聞こえてこないところで、黄緑いろの光が乱舞するのに出く [続きを読む]
  • 神も仏もある世界
  •  古本市などで四天王寺には割合行くけど、天王寺公園の方は随分久しぶり。花博の跡地が「天しば」なる施設に改装されていた(のを初めて知ったくらいのご無沙汰)。名前の通り芝生が長く伸びているだけで、へんにアトラクションなど置かなかったのが気持ちいい。陽光の下、老若男女がのんびり緑の上でくつろいでいる。ここら辺もだいぶん雰囲気変わった・・・と思ったが、帰りしに通った地下街の入り口ドアの注意書きにいわく、「 [続きを読む]
  • 草木虫魚
  •  連休の最終日、絶好の天候なので・・・朝から水槽掃除。水が冷たい時分だと、温度調整にかなり気を遣っても、ショックで☆になる危険がある。今くらいが丁度いいのである。 せっかく外気温水温に神経質にならなくていいのだから、水を全部掻い出して、砂利も洗って水草も植え替えることにした。これをこれ「天地創造モード」と言う。言ってるのは一人だが。 朝メシは牛モツのトマト煮込みをかけたパスタと玉葱・炒り卵のサラダ [続きを読む]
  • なんとか四月決算。
  •  久々に『播州地酒ひの』で呑む。なかなか席が取れず、二ヶ月ぶりくらいになるはず。もっとも人気店に当日の夕方に思い立って電話する有様だから、これは当方が悪い。ともあれ親分とゆっくりお話出来て、愉しかった。中トロのヅケと中トロのシーチキン仕立(!)が旨かった。その後は前田シェフ最終日となる『アードベックハイボールバー』へ。半年程の客でもやっぱりいっぱいに思い出があって淋しい。大サービスで出してくれた鴨 [続きを読む]
  • 遠雷
  •  四月の文楽は呂太夫さんの襲名興行。『菅原伝授』『曽根崎心中』と、統領株の演目が並ぶ。昼夜続けての見物はとかく堪えるし、また『曾根崎』にはあまり魅力を感じない。というわけで、昼の部の『菅原』を観に行った。 「茶筅酒」の段に感銘を受けた。と取り澄ましてみたけれど、打ち割って言えば涙が止まらなくて往生した。『菅原』の中ではいちばん世話物の味が濃く、たとえば嫁三人が祝いの膳を甲斐甲斐しく支度するところで [続きを読む]
  • 稲荷の横のホルモン屋
  •  最近美味しく食べたもの。◎『中畑商店』の「モツ焼き」・・・なぜか大阪の立ち飲み屋で横になった客から聞いた。「あんた神戸に住んでて知らんのか」風のものいいにキッとなってかえって行くまいと思っていたところ、お馴染み『いたぎ家』アニーのアップした写真を見て、猛烈に行きたくなったのである。軽佻浮薄、さながら紙の如し。場所がまずいい。神戸駅の西南、切なくなるほどの場末の街並みを抜けて、その名も嬉しい「稲荷 [続きを読む]
  • いつか来た道
  •  『いたぎ家』ご一家(お父様・お母様・アニー・アニヨメー・タク)でお客をした。お父様は肉より魚がお好きと聞いて、当日の朝(一時半にお招きしている)東山の市場に行くと、これがまあ、かっすかすのしっけしけ。前々日の強風が祟ったらしい。言ふてもかへらぬことながら・・・と急遽考えていた献立を頭の中で変更しつつ、大慌てで買い物を済ませた。いわゆる定番メニュをおいていない食べ物屋は、こういう場合どうしているの [続きを読む]