toikimi さん プロフィール

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toikimiさん: かきがら掌編帖
ハンドル名toikimi さん
ブログタイトルかきがら掌編帖
ブログURLhttp://toikimi.hateblo.jp/
サイト紹介文10年あまり通っていた童話教室で「宿題」として書いたものに加筆修正して載せています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供35回 / 114日(平均2.1回/週) - 参加 2017/07/25 13:38

toikimi さんのブログ記事

  • 児童文学のなかのイマジナリーフレンド
  • イマジナリーフレンドという言葉を、読者登録させていただいている Emily-Ryu さんのブログ記事で、初めて知りました(ありがとうございます!)Wikipediaにも載ってました。イマジナリーフレンド(英: Imaginary friend)とは、「空想の友人」のことであり、心理学、精神医学における現象名の1つである。イマジナリーコンパニオンと呼ばれることや、IFと略されることもある。多くは本人の空想の中だけに存在する人物であり、空 [続きを読む]
  • あたたかい窓の明かり(創作掌編)
  •  気持ちがふさぐとき、行き詰って出口が見えないとき、(どこか遠くへ行きたい)と、思う。 けれど、人混みと乗り物が苦手で、そのうえ冒険嫌いな真希が、思いにまかせて旅立ったことは、一度もなかった。 今日も気ままに出てきたわけではない。 会社に電話して休暇を取り、たとえ宿泊することになっても困らないよう、バッグに荷物も詰めた。 最寄り駅で、いつもとは逆方向の電車に乗った。乗換駅で降りて、ひと休みした後 [続きを読む]
  • 鋏屋さん(創作掌編)
  •  人通りの少ない殺風景な町角に、鋏屋さんはありました。 飾り窓には、はがねのラシャ鋏や、生け花で使う花鋏、片手におさまる握り鋏など、さまざまな種類が並んでいます。 真由子は、うす暗く見える店内をのぞいてから、店の扉を開けました。「いらっしゃいませ」 古めかしいカウンターの向こうから、声がかかりました。大きな目をした、わし鼻の女性店主です。「こんにちは、ちょっと見せてもらってもいいですか?」「どう [続きを読む]
  • 排水口に物を落とした!
  • 昨夜、食器洗いを終えた後のことです。シンクの排水口に、長さ15センチくらいのお掃除ブラシを落としてしまいました。ほんとに、あっという間の出来事。排水口回りの溝を掃除していたら、ブラシの先がちょっと引っかかり、手から離れた瞬間、まさに弧を描くようにジャンプしてダイレクトに落ちていきました。悪夢のようでした。悲鳴をあげて、のぞき込むと、排水管の底というか突き当たりのところに、壁にもたれて立っている状 [続きを読む]
  • 休みの日は常備菜作り
  • 今週のお題「休日の過ごし方」職場のランチはお弁当派です。メインのおかずは前日の夕食の残りもの、というか、先にお弁当の分を取り分けておくので、どちらが残りなのかは微妙なところです。副菜2品、金時豆のサラダと、割り干し大根の漬物を休日に作っておきます。金時豆は3倍弱の水でもどし、弱火で煮てやわらかくなったら煮汁をきり、オリーブオイルと米酢であえるだけ。割り干し大根もぬるま湯でもどしたあと、醤油と酢に [続きを読む]
  • ミラクルズ(創作掌編)
  •  近所のベルギービール・カフェで食事をするのは、和樹にとって週に1度の楽しみだ。 平日は仕事がいそがしく、帰りが遅い。土曜日にはのんびり朝寝をして、掃除や洗濯、買い物、こまごまとした雑用を済ませると、もう午後の日は傾きはじめている。 和樹はいそいそと店へ向かった。 オーナー夫妻の笑顔に迎えられ、顔見知りの常連客、白山さんに挨拶して、向かいの席に座る。和樹が早めの夕食で、白山さんが遅い「おやつ」だ [続きを読む]
  • 呪文、掛け声、ゲシュタルトの祈り
  • 私は、考えごとを対話型でしている。脳内会話というものらしい。場合によっては、脳内会議になっていることもある。言葉のやりとりはごく自然に、絶え間なく続いていて、止むのは眠る時と、何かに集中している時くらいだ。みんなそうだと思っていたので、中学生の頃だったか、なにげなく友だちに話したら、「私は違うよ」と言われ、びっくりしたことを覚えている。「じゃ、なにしてるの? どうなってるの?」と聞くと、「特にな [続きを読む]
  • ガラスの小石(創作掌編)
  •  僕の宝物は、ガラスの小石だった。1500万年前、巨大な隕石が地上に落下した時、すさまじい衝撃と高温のなかで生まれた、天然のガラスだ。 小学校の夏休み、自然博物館のミュージアムショップで、貯めいていたお金をはたいて買った。ざらざらとして黒っぽく見える、重さ5グラムの小さな塊を光にかざしてみると、深く透きとおった緑色が、すいこまれそうなほどきれいだった。 持ち主を守り、願いを叶えるという言い伝えのあ [続きを読む]
  • イギリス〜推理小説と児童文学の国〜
  • 今週のお題「行ってみたい場所」ロンドン、ベイカー街221B朝靄のなか、表には辻馬車が待っている。「ワトソン、起きたまえ。ゲームが始まった!」という、シャーロック・ホームズの声が聞こえる場所に行ってみたい。アガサ・クリスティーの名探偵ミス・マープルが住んでいるのは、架空の村セント・メアリ・ミードパディントン駅からローカル列車で2時間弱、そこからタクシーに乗って9マイルの場所にあり、ハイストリート [続きを読む]
  • 酔っぱらう芙蓉(創作掌編)
  •  上弦君とは、知人の仕事仲間という縁で知り合った。友だちというよりは、一方的になつかれて、相談相手になっているという間柄だ。 今日も、「ナミさんの意見を聞かせてもらいたくて」と連絡があり、ビオ居酒屋で待ち合わせた。花の品種改良の仕事をしている上弦君は、いつもビオやオーガニック、ロハスといった自然派コンセプトの店を選ぶ。「いい仕事をして、早く先輩たちに認めてもらいたいんですよ」「そんなにあせら [続きを読む]
  • イツァーク・パールマンの「Yes!」
  • クラシック音楽の知識は、中学校の授業止まり。成人してから足を運んだクラシック系のコンサートも、イ・ムジチ合奏団、ウィーン少年合唱団、あとは作品名も忘れてしまったオペラくらいで、すべて人に誘われてのことでした。それくらいクラシック音楽から遠く離れて生きてきた私が、2年半前、突発的にイツァーク・パールマンのファンになりました。イツァーク(と、呼ばせてください)は、1945年イスラエルのテルアビブに生 [続きを読む]
  • 金色のアンコール(創作掌編)
  •  楓さんの夫、惣吉さんは誕生日の翌朝、散歩の途中で倒れ、すぐさま病院に運ばれたが、救命治療のかいもなく帰らぬ人となった。 日本人男性の平均寿命に達して、1日も病みつくことなく、駆けつけた楓さんが見守るなか、静かに息を引き取ったのだ。 常々、惣吉さんが願っていたとおりの幕引きだった。 ただひとりの家族を失った楓さんは、葬儀から納骨まで、さまざまな手続きや役目に追われて過ごした。 振りかえってみると [続きを読む]
  • 虹の花(創作掌編)
  •  つぐみ町郵便局は、にぎやかな商店街のなかほどにあります。少しレトロな建物と、大きな赤いポストが、町の人たちに親しまれていました。 秋冷えの朝、郵便局が開くと同時に飛びこんできたのは、漆黒のドレスを着た女の人でした。郵便の窓口を担当しているナミのところへかけよってきます。 毎週のように小包を出しにくるお客さまです。名前は「三日月」さん。きれいで折り目正しく、それでいて、どこか浮き世ばなれした感じの [続きを読む]
  • 第4の可能性が……
  • ほんとうにどうでもいい話なのですが、この15日間、気がかりになっていることがあるので、書きとめておきたくなりました。クモの話です。先々週の月曜日の朝、出勤前に洗濯をしてベランダに干し、網戸と窓とカーテンを閉めました。ふと見ると(気配を感じたのでしょうね)カーテンの上のほうに、1cmほどの黒いクモが!私は虫が苦手です。一瞬フリーズした後、見なかったことにしようとして視線をそらし、けれど思い直し [続きを読む]
  • コスモス色の風
  •   シロは峻介が生まれるより先に、家にやってきた。シロにだって子犬のころはあったに違いないけれど、記憶に残っているのは、いつも遊び相手になってくれた、優しい姉のようなシロだけだ。 シロには不思議な力があった。 忘れ物をしたまま学校へ行こうとすると、峻介の運動靴の上にすわりこんで動かない。そういうことが何度かあったから、先に気づいた母親が、「シロが忘れ物サイン出してるわよ」 と、部屋まで知らせにくる [続きを読む]
  • イソップの太陽
  •  30年も前のことだけれど、ありありと覚えている。 古びたオフィスビルが立ち並ぶ街角、道路をはさんで向かいあっている2棟のビル。共に7階建てで、片方が灰色、もう片方は煉瓦色だった。 私が数ヶ月のあいだ夜間の警備員をしていたのは、灰色のビルのほうだ。 学生時代の仲間と起業したアイデア商品の会社が倒産し、心底がっかりしながら、アルバイトの掛け持ちをして借金を返していたのだ。 警備の仕事をし始めてまも [続きを読む]
  • テレビ離れと情報の最適化
  • しばらく前までは、在宅時にテレビ(地上波)が点いているのが、普通の状態でした。BGM代わり、時計代わり、見ていてもいなくても、テレビが点いていないと物足りない。家に帰るとまず、テレビをONにしていました。ところがいつからか、一方的に流れ込んでくる情報に疲れを覚えるようになって、  もしかしたら、無くても大丈夫かもしれない  朝夕のニュースと、おもしろい海外ドラマがあればいいと思い、ためしてみました。 [続きを読む]
  • りんどう坂
  •  祖父が、青紫色の花束を持って、目の前を通りすぎていく。「おじいちゃん!」 奏多は思わず、高い声で呼びかけた。「おお、奏ちゃん。もう学校は終わったのか。今から病院かい?」「うん」 奏多の母親は先週から入院している。 仕事大好き人間の母は、夏の暑さを気にもとめずに働いていたが、9月に入ってから体調をくずし、会社でひっくりかえって救急車を呼ばれた。全治一週間の予定だ。目をはなすと、勝手に退院して仕事 [続きを読む]
  • 「麴のちから!」〜今は塩麹が必須食材です〜
  • 数年前ブームになっていましたが、私が塩麹を使い始めたのはここ半年くらいです。原材料が米麹と塩だけのものは、なかなかお店に置かれていないので、ネットで購入したりしています。「麴のちから!」 山元 正博 著100年、3代続いた麴屋に生まれ、頭のてっぺんからつま先まで麴まみれで育ち、麴とともに生きているという著者の、「麴愛」に満ちあふれた本です。「塩麴の一夜漬け」大根、白菜、キャベツ、きゅうりなど [続きを読む]
  • 結晶
  •  正美にとって最大の悩みの種は、長年続いている肩こりだった。 まるでゴツゴツした石が、両肩に埋めこまれているようだ。ただこっているだけはなく、ちょっとしたはずみで、首から肩にかけてつってしまうと、寝違えたように痛む。自分の頭の重さを支えきれず、出勤できないことさえあるけれど、「肩こりのため会社を休みます」とは言いづらかった。 整形外科から民間療法まで、いろいろな治療や施術を受けてきた。 肩こりに [続きを読む]
  • 夾竹桃の庭
  •  さよ伯母さんは、6月の千恵の誕生日に、いつもプレゼントを贈ってくれる。 お正月やお彼岸に会ったとき、千恵が話したことをよく覚えていて、ちゃんと千恵のよろこぶものを選んでくれるのだ。 今年届いたのは、アクセサリービーズのキットだった。宝石箱のようなパッケージのなかできらめくビーズやパーツを見て、(これで、伯母さんにネックレスをつくって、お誕生日のプレゼントにしよう) と、思いついた。 千恵からさよ [続きを読む]
  • ミニ間リスト
  • ミニマリストさんの記事を読むのが好きです。あの境地まではとうてい行き着けないけれど、もっと物を減らしたいとは思っていて、自分なりに実行してきました。最近では、存在することを忘れていた物(あ、こんなのとっておいたんだ、みたいな)を発見したら捨てる、というマイルールを作りました。加齢とともに、もの忘れが多くなるので、今後ますます有効なのではないかと期待しています。とはいえ、まだ使用可能な物を処分する [続きを読む]
  • 闇夜のカラス会議
  •  寝入りばな、美里はカラスの声で目をさました。 近くにある公園には木が生い茂っていて、カラスが巣を作っている。朝晩、呼び交わすように鳴く声は、普段から聞きなれていた。(こんな夜遅くにめずらしい。カラスって鳥目じゃないの?) 不思議に思って耳をすます。 自分ではよく覚えていないけれど、美里は幼いころ、カラスのことばを聞きわけていたそうだ。「あれは、オハヨウ、いまのは、サヨウナラ」 などと、得意そう [続きを読む]