toikimi さん プロフィール

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toikimiさん: かきがら掌編帖
ハンドル名toikimi さん
ブログタイトルかきがら掌編帖
ブログURLhttp://toikimi.hateblo.jp/
サイト紹介文数分で読み切れる短い物語です。ジャンルは和風ファンタジーとショートショート。読書・心理・生活雑記も。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供104回 / 365日(平均2.0回/週) - 参加 2017/07/25 13:38

toikimi さんのブログ記事

  • フライング・ブーケ(創作掌編)
  •  僕の大好きな人、みのりさんが、チャリティコンサートの招待券をくれた。 みのりさんは、主催者側のスタッフなので、一緒に客席に座れるわけではないけれど、コンサート終了後に、夕食の約束をとりつけることができた。 クラシックのコンサートだ。曲目は、チャイコフスキーの交響曲第6番『悲愴』。 数年前の残念な思い出が、脳裏をよぎる。 当時つきあいはじめたばかりの彼女に誘われて、僕はオペラを観に行った。「有 [続きを読む]
  • 音楽隊の音楽会②(陸自)
  • 少し前のことになりますが、9月1日に、すみだトリフォニー大ホールで開催された、『陸上自衛隊中央音楽隊 第155回定期演奏会』へ行ってきました。音楽隊のコンサートは、今年2月の海自に続き2回目です。最高峰の吹奏楽を無料で鑑賞できる演奏会なので、チケット当選の倍率は相当高いようです。申し込み方法は、それぞれの音楽隊ごとに、はがき、往復はがき、インターネットなどがありますが、今回は陸自のホームページか [続きを読む]
  • いつか…(創作掌編)〜最初で最後の弟子④〜
  • toikimi.hateblo.jp 銀ひげ師匠が『魔法使いネットワーク・ジャパン(MNJ)』の自然災害対策行動に参加しているあいだ、晶太は影武者たちと一緒に留守番していた。「灰一」と「紺二」は、師匠が影武者の魔法をかけた作務衣で、洗濯のため2日ごとに交替する。お互いの記憶は、チェンジした瞬間から引き継がれ、共有されているようだった。 影武者は、何もかも本人そっくりに見えるけれど、できないことが2つある。 ほかの [続きを読む]
  • しばらくスマホのない生活
  • 9月1日の午後、スマホが突然、ネットワークに接続できなくなりました。メールもLINEもつながりません。ネットワーク設定をやり直しても、再起動してみてもダメでした。予告らしきものは、ずいぶん前からありました。ブラウザでYahoo!天気のページを開くと、お使いの環境では、Yahoo! JAPANがご利用いただけなくなります。というようなお知らせが、ずっと出ていたのです。気になって調べてみたら、Yahoo! JAPANでは弊社ウェブ [続きを読む]
  • 月見ヶ池〜ハヤさんの昔語り〔第二幕〕?〜(創作掌編)
  •  在宅の仕事でアイデアに詰まり、気分転換を兼ねて散歩に出た。「いい月夜ですね」 といって、ハヤさんもついてくる。 中天にかかる月は明るく、私は額のあたりに、ひんやりと澄んだ光を感じながら歩いた。「なんとなく、頭が冴えてきたような気がする」「月には神秘的な力がありますからね。そういえば、僕が寸一だったころ──」 ハヤさんが、行者として生きていた前世の記憶を語り始める。   △ ▲ △ ▲ △ [続きを読む]
  • 37兆2千億個の味方『はたらく細胞』
  • 今年の夏は、アレルギー性の鼻炎に悩まされています。医者に診てもらっていないので原因は不明ですが、「猛暑アレルギー」かもしれません。久しぶりに薬局へ鼻炎薬を買いにいったら、抗ヒスタミン薬の中でも第2世代と呼ばれる、眠気や口の乾きが出にくいお薬が販売されていて、医療の日進月歩を感じました。とはいえ、朝起き抜けにくしゃみ、鼻水、鼻づまりが一気に起こるモーニングアタックはなかなか治まらず、日中でもアレ [続きを読む]
  • 断片をたどって(創作掌編)
  •  さっきまで騒がしさが嘘のように、静かになった。 私は、 ほっとして歩きつづける。不思議なくらい身も心も軽く、気分は上々だ。 このところ、何かと大変だったけれど、済んでしまえばどうということもない。結局また、取り越し苦労だっだのだろう。 今はただ、きらめくような幸福感に満たされている。 道の先に、何か落ちていた。 手のひらほどの大きさの、平たい断片だ。不定形としかいいようのない形で、表面には彩 [続きを読む]
  • ユングの臨死体験
  • 以前から臨死体験の話には興味を持っていましたが、両親が他界したことで、関心が深まったように思います。「死の受容のプロセス(否認〜怒り〜取引〜抑うつ〜受容)」で有名なエリザベス・キュブラー・ロス博士の本を読むうち、さらに広範囲に知りたくなり、たどりついたのが、立花 隆 著『臨死体験〈上・下〉』(文春文庫)でした。臨死体験〈上〉 (文春文庫)作者: 立花隆出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/03/01メディ [続きを読む]
  • 影武者(創作掌編)〜最初で最後の弟子③〜
  • 【連作掌編の第3話です】toikimi.hateblo.jp 銀ひげ師匠のところに、初めて、『魔法使いネットワーク・ジャパン(MNJ)』から、自然災害対策行動のお知らせが来た。 群れることを好まない魔法使いたちも、たまに集うのは歓迎するみたいだ。 師匠は感無量である。「これでやっと私も、一人前の魔法使いと認められたわけだ。やっぱり弟子を持てたからかなぁ。君に感謝するよ」「救助活動をするんですか?」 晶太がたずね [続きを読む]
  • 仲直りの怪談〜ハヤさんの昔語り〔第二幕〕〜(創作掌編)
  •  私は、慎重に準備を整えてから行動に移す性格だが、ハヤさんと暮らし始めたときは、全く違っていた。 必要最小限の日数で、追い立てられるように珈琲店の2階へ引っ越してきたのだ。 新婚家庭的な要素は皆無、奇妙な共同生活の開幕である。 いくら宿命の相手とはいえ、それまで別々に暮らしてきた人間同士が、いきなり生活を共にするわけだから、 多少の行き違いはやむを得ない。(人当たりのいい常識人だと思っていたが [続きを読む]
  • 伝聞怪談
  • 時節柄、そこかしこで怪談のブログ記事を目にしました。つい、検索もしました。怖がりの怪談好きなので、興味津々で拝読しては、夜中に思い出して戦慄しています。私自身は霊感が強くありませんが、職場に霊感体質の人がいて、たまに怖い話で盛り上がっています。霊を見たり聞いたり感じたりしても、淡々とやり過ごし、しかるべく距離を置いて社会生活を送っている方たちは、少なからずいらっしゃるようです。聞いたなかで、特 [続きを読む]
  • 自由研究(創作掌編)〜最初で最後の弟子②〜
  • 【前回の掌編の続きです】toikimi.hateblo.jp 晶太が銀ひげ師匠の弟子になり、魔法の修行を始めてから半年経った。 師匠の営む書道教室に通いつめ、基本の魔法「見えずの墨」を会得したときのことは忘れられない。 一意専心で磨り終えた墨に向かい、口伝えで教わった「ウタ」と呼ばれる呪文を唱えていると、突然、胸のなかに言葉が舞い落ちてきたのだった。 ひらがなで5文字の短い言葉。 それこそ、硯の海に溜まった墨 [続きを読む]
  • スギライト(杉石)
  • スギライト(杉石)は、癒しと浄化の力がとても強いパワーストーンとして有名です。ラリマー、チャロアイトと共に「世界三大ヒーリングストーン」というキャッチフレーズがついていますが、今のところはまだ、日本のみで通用している「世界三大」のようです。   私は、スギライトに『杖』のイメージを持っています。旅路を支えてくれ、辛いときにはすがることができ、時には身を守る盾にもなる。けれど杖は杖、歩くのも [続きを読む]
  • 最初で最後の弟子(創作掌編)
  •  晶太が通い始めた書道教室は、墨汁と筆ペンを使わない方針のせいか、あまり流行っていなかった。 学童クラスはさっぱりだが、成人クラスの継続的な「生徒さん」たちのおかげで成り立っているのだ、と師匠は言っている。 祝儀袋や不祝儀袋に書く名前くらいは上手に筆書きしたい、という動機で入門し、丁寧に磨った墨で自分の名前の字を練習していくうち、書道に心の安らぎを見出した人たちだ。教室へ来る前は、なかなか思いど [続きを読む]
  • 紫色を好きになった理由
  • 紫色が好きです。黄緑も好きで、紫とは同率1位くらいでしょうか。偶然なのか必然なのか、私が読者登録をさせていただいている方たちのうち、紫色好きを表明されているのは、ひとりやふたりではありません。 Emily (id:Emily-Ryu)さん のぞみュー (id:nozomyu)さん 雷理 (id:hentekomura)さん『3人』いらっしゃいます。(無断でカウントごめんなさい……)好きなものは、いつの間にか好きになっていたということが多いで [続きを読む]
  • 「薔薇は薔薇であり、薔薇であり、薔薇である」
  • A rose is a rose is a rose is a rose.薔薇は薔薇であり、薔薇であり、薔薇である。アメリカ合衆国の詩人ガートルード・スタイン(1874.2.3〜1946.7.27)の言葉です。ゲシュタルト療法の創設者フレデリック・パールズの弟子で、1985年に来日し指導・実践を行った故ポーラ・バトム博士が好きだった詩だと聞きました。。私がワークを受けたファシリテーターには、ポーラからゲシュタルト療法を学んだという方々がいて、「 [続きを読む]
  • 山里町の恵み(創作掌編)
  •  営業部長のお供で、クライアントと会食することになった。 本来なら、研究開発チームのリーダーが行くはずだったのに、突然のぎっくり腰で、若手の陽一にお鉢が回ってきたのだ。 連れて行かれたのは、本格的な日本料理の店で、道路から入り口までの間が、風情のある小道になっていた。完全個室のゆったりとした座敷で、仲居さんが付きっ切りで世話してくれる。陽一は、料理や飲み物が足りているかどうか気を配る必要もなく、 [続きを読む]
  • 『クリミナル・マインド』の格言
  • 『クリミナル・マインド FBI行動分析課』は、2005年秋に始まったアメリカのテレビドラマで、現在はシーズン13が米CBSネットワークで放送中とのことです。FBIの行動分析課(BAU)に所属するプロファイラーがチームを組み、シリアルキラーなどの特殊犯罪を捜査し、行動科学的に犯人像を分析して解決する、1話完結型のドラマ。事件現場を管轄する警察やFBI支局からの要請により、専用ジェット機で全米各地に飛ぶので、大都市から辺 [続きを読む]
  • ハヤさんの昔語り〔完〕〜再会〜(創作掌編)
  •  ハヤさんの店は珈琲の専門店なので、フードメニューに載っているのはトーストとゆで卵だけだった。 それでも、午後になると「本日の焼き菓子」なるものが現れ、私はよくコーヒーと一緒に注文している。 ある日、店に入ろうとして、その焼き菓子を納品している人物を目撃した。 席に落ち着き、コーヒーと日替わりの焼き菓子を頼んでから、「さっき、お菓子を届けにきていた人、きれいな女性だったけど、ひょっとして奥さま [続きを読む]
  • 漂流の「作法」
  • ニッポン人異国漂流記作者: 小林茂文出版社/メーカー: 小学館発売日: 1999/12メディア: ハードカバー購入: 1人 : 1回この商品を含むブログを見る以前、作家の吉村昭さんのエッセイで、『鎖国』していた日本には海洋文学がないと言われるが、それは違っている。江戸時代に漂流し帰還した者たちから聴取した、何作もの「漂流記」こそ、日本独自の海洋文学ではないか──。という内容の文章を読み「漂流記」の存在を [続きを読む]
  • ハヤさんの昔語り〔四〕〜かくし味〜
  •  行きつけの珈琲店で、店主のハヤさんと雑談をしているうち、話題が「おふくろの味」になった。「すいとん、という料理をご存知ですか?」「もちろん。子供のころ、よく母が作ってくれましたね。休みの日のお昼ごはんに食べることが多かったかな」 作るのを手伝ったこともある。煮立てたしょうゆ味のだし汁に、小麦粉と水を混ぜた生地をスプーンですくって落とす。小麦粉の団子は初め鍋底に沈み、火が通ると浮かび上がってきた [続きを読む]
  • 石の名前と言い伝え
  • 天然石、いわゆるパワーストーンに凝っていた時期があります。ネットショップでビーズ等を購入し、ブログや書籍で情報を集め、鉱物図鑑を愛読するなど、「石三昧」な日々を送っていました。記憶力の衰えを痛感するようになって久しいというのに、数年前に覚えた石の名前を未だに(それほど)忘れていません。好きなものは別腹といいますが、記憶のほうも同じなのでしょうか。好きな石はたくさんありますが、私にとって特別な石 [続きを読む]
  • 父が少年だった頃
  • 父が亡くなるひと月ほど前のことです。私は、布団に横たわる父のそばに居て、テレビでも見ていたのだと思います。どういうきっかけだったのか、父が思い出話を始めました。少年の頃、1人で自転車に乗って遠出した話でした。塩の効いたおにぎりと水筒を持ち、朝早く出発して、ずいぶん遠くまで行ってきたようです。ところが話の中心は、どこへ行って何をしたという「冒険」の方ではなく、帰り道の出来事でした。朝からの遠乗り [続きを読む]