rhotta さん プロフィール

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rhottaさん: hellog〜英語史ブログ
ハンドル名rhotta さん
ブログタイトルhellog〜英語史ブログ
ブログURLhttp://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/
サイト紹介文堀田隆一による英語史(英語の歴史)の毎日更新ブログ。英語学・言語学一般の話題も扱っています。
自由文このブログの書き手は堀田隆一です。まずは,アクセス・ランキングのトップ500記事 (http://user.keio.ac.jp/~rhotta/cgi-bin/frequently_accessed_articles.cgi) あるいは全記事の標題の一覧 (http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/hellog_archive.html) をご覧下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供365回 / 365日(平均7.0回/週) - 参加 2017/07/26 15:45

rhotta さんのブログ記事

  • #3399. 綴字の類似度計算機
  •  この2日間の記事「#3397. 後期中英語期の through のワースト綴字」 ([2018-08-15-1]),「#3398. 中英語期の such のワースト綴字」 ([2018-08-16-1]) で,異綴字間の類似性を計算するスクリプトを利用して,through と such の様々な綴字を比較した.このスクリプトは,ある程度使い勝手があるかもしれないと思い,より汎用的な形で CGI を組んでみた. ところが,スクリプトの内部的な仕様の関係でサーバ上で動かないという [続きを読む]
  • #3398. 中英語期の such のワースト綴字
  •  昨日の記事「#3397. 後期中英語期の through のワースト綴字」 ([2018-08-15-1]) に引き続き,今回は such の異綴字について.「#2520. 後期中英語の134種類の "such" の異綴字」 ([2016-03-21-1]),「#2521. 初期中英語の113種類の "such" の異綴字」 ([2016-03-22-1]) で見たように,私の調べた限り,中英語全体では such を表記する異綴字が212種類ほど確認される.そのうちの208種について,昨日と同じ方法で現代標準綴字 [続きを読む]
  • #3397. 後期中英語期の through のワースト綴字
  •  「#53. 後期中英語期の through の綴りは515通り」 ([2009-06-20-1]),「#54. through 異綴りベスト10(ワースト10?)」 ([2009-06-21-1]) で紹介したように,後期中英語の through の綴字は,著しくヴァリエーションが豊富である.そこではのべ515通りの綴字を集めたが,ハイフン(語の一部であるもの),イタリック体(省略符号などを展開したもの),上付き文字,大文字小文字の違いの有無を無視すれば,444通りとなる.こ [続きを読む]
  • #3395. 20世紀初頭に設立された英語アカデミーもどき
  •  イギリスでは,1712年に Jonathan Swift (1667--1745) の提案した Academy 創設の試みが頓挫したのち,公的に言語を統制しようとする動きは目立たなくなった.しかし,18,19,20世紀,そして現在に至るまで,統制とは言わずとも何らかの意味で言語を管理しようとする欲求が完全に消えたわけではない.言語について保守的・純粋主義的な人々は常に一定数存在したし,小規模あるいは私的なレベルで統制のために声を上げることは [続きを読む]
  • #3394. 歴代イングランド君主と配偶者の一覧
  •  「#2547. 歴代イングランド君主と統治年代の一覧」 ([2016-04-17-1]) でも似たような一覧を示したが,ウィリアム1世以降について,より詳しい「国王及び王妃(婿)一覧表」を森 (626--31) に見つけたので掲げておきたい.王妃(婿)の情報まで含まれているのが便利かつ興味深い.王及び王妃(婿)生年結婚在位没年王妃(婿)の出身●ノルマン王家ウィリアム1世1027?1050?1066--10871087   マティルダ・オブ・フランダース10 [続きを読む]
  • #3892. 同義語と類義語
  •  標題の2つの用語は言語学ではいずれもよく使われるが,はたして同じものなのか,それとも異なるのか.語の意味にまつわる話題であり,案外難しい問題である.実用上は,厳密に定義を与えないままに,両用語を「適当に、常識的に」使用し(分け)ているものと思われる.実際,英語の synonym は「同義語」にも「類義語」にも相当するのだ. 一般的には,語義が完全に一致する「完全同義語」 (absolute synonym) のペアは(ほと [続きを読む]
  • #3891. Johnson にも悩ましかった i/j, u/v の「四つ文字」問題
  •  「#3049. 近代英語期でもアルファベットはまだ26文字ではなかった?」 ([2017-09-01-1]) で紹介したように,1755年に影響力のある辞書を世に送った Samuel Johnson (1709--84) は,アルファベットの文字数は理屈の上で26文字としながらも,実際の辞書の配列においては i/j, u/v の各々を一緒くたにする伝統に従った.I, V の見出しのもとに,それぞれ次のような説明書きがある.Crystal の抜粋版より引用する.Iis in English [続きを読む]
  • #3890. 日本語の i-mutation というべき母音交替
  •  日本語の動詞には「活用」と呼ばれるものがあるが,名詞にもそれに相当するものがある.「風」は単独では「かぜ」と発音されるが,「風上」などの複合語では「かざかみ」となる.この「かぜ」と「かざ」は,それぞれ独立形と非独立形,あるいは露出形と被覆形と呼ばれる.同じ関係は,「船」(ふね)と「船乗り」(ふなのり),「雨」(あめ)と「雨ごもり」(あまごもり),「木」(き)と「木陰」(こかげ),「月」(つき) [続きを読む]
  • #3889. 沖森卓也『日本語史大全』の目次
  •  目次シリーズの一環として,昨年出版された包括的な日本語史概説書,沖森卓也(著)『日本語史大全』を取り上げたい.文庫でありながら教科書的という印象で,記述は淡々としている.時代別に章立てされているが,各章の内部では分野別の記述がなされており,各章の該当節を拾っていけば,分野ごとの縦の流れも押さえられるように構成されている.したがって,目次を追っていくだけで日本語史の全体像が理解できる仕組みとなっ [続きを読む]
  • #3888. 単語:語彙 = 一人:世界
  •  前日の「#3381. 講座「歴史から学ぶ英単語の語源」」 ([2018-07-30-1]) の講座では,イントロとして英語語彙史について概説した.そのときに各単語を一人の人間にたとえ,語彙を人間の集まる世界にたとえた.その心は,次のようなものだ. 一人ひとりの人間は,たままた2018年の今日という日に生きて暮らしている.それぞれに個性があり,ユニークな人生があり,ルーツがある.このような人々が偶然に集まって,70億人以上か [続きを読む]
  • #3887. なぜ英語音韻史には母音変化が多いのか?
  •  昨日の記事「#3886. 英語史上の主要な子音変化」 ([2018-08-04-1]) で言及した別の記事「#1402. 英語が千年間,母音を強化し子音を弱化してきた理由」 ([2013-02-27-1]) と関連して,なぜ英語音韻史において母音変化は著しく,子音変化は目立たないのかという問題について考えてみたい. Ritt (224) はこの傾向を "rhythmic isochrony" と "fixed lexical stress on major class lexical items" の2点に帰している.つまり, [続きを読む]
  • #3886. 英語史上の主要な子音変化
  •  英語史では一般に,母音(特に長母音)の変化は数多く生じてきたものの,子音の変化は比較的まれだったといわれる(cf. 「#1402. 英語が千年間,母音を強化し子音を弱化してきた理由」 ([2013-02-27-1])).この母音と子音の傾向の対照性については,英語の韻律 (prosody) が大きく関わっているといわれる.確かに子音の変化には目立ったものが見当たらないが,その中でもあえてメジャーなものを挙げるとすれば,Minkova and S [続きを読む]
  • #3885. 中英語に弱強移行した動詞
  •  動詞の「強弱移行」の過程は,英語の形態論の歴史においてメジャーな話題である.これについて,「#178. 動詞の規則活用化の略歴」 ([2009-10-22-1]) ,「#527. 不規則変化動詞の規則化の速度は頻度指標の2乗に反比例する?」 ([2010-10-06-1]) ,「#528. 次に規則化する動詞は wed !?」 ([2010-10-07-1]),「#764. 現代英語動詞活用の3つの分類法」 ([2011-05-31-1]),「#1287. 動詞の強弱移行と頻度」 ([2012-11-04-1]) など [続きを読む]
  • #3884. 現代世界の代表者としての印欧語族
  •  「#1949. 語族ごとの言語数と話者数」 ([2014-08-28-1]) や「#398. 印欧語族は世界人口の半分近くを占める」 ([2010-05-30-1]) で紹介したように,印欧語族 (indo-european) の現代世界における影響力は他の追随を許さない. 現存する最古の文献は Hittite 語のそれであり,4000年ほども遡る.2000年ほど前からは古代ギリシア語,ラテン語,サンスクリット語の文献も多く伝わり,それ以降になると,さらに多くの言語で記され [続きを読む]
  • #3383. to 不定詞と原形不定詞の揺れの歴史
  •  「#2502. なぜ不定詞には to 不定詞 と原形不定詞の2種類があるのか?」 ([2016-03-03-1]) で述べたように,to 不定詞 と原形不定詞は,互いに起源は異なるものの,歴史の過程でほぼ同じ機能を共有するようになり,しばしば競合と揺れを示してきた.なぜある統語環境では一方が要求され,別の環境では他方が要求されるのか.通時的にも共時的にも研究されており,ある程度の傾向は見出せるものの,絶対的な規則を見つけ出すこ [続きを読む]
  • #3381. 講座「歴史から学ぶ英単語の語源」
  •  先日7月21日(土)に,朝日カルチャーセンター新宿教室の講座「歴史から学ぶ英単語の語源」を開きました.熱心にご参加いただき,ありがとうございました.講座で用いたスライド資料をこちらに置いておきます. 今回の狙いは以下の3点でした. ・ 英語の歴史をたどりながら英語語彙の発展を概説し ・ 単語における発音・綴字・意味の変化の一般的なパターンについて述べ ・ 語源辞典や英語辞典の語源欄を読み解く方法を示 [続きを読む]
  • #3380. 大母音推移は複数の音韻変化の集合体か? (2)
  •  昨日の記事 ([2018-07-28-1]) に引き続き,大母音推移 (gvs) の話題.Minkova and Stockwell は,GVS と称されている現象は1つの音韻過程ではなく,3つの部分からなる複合的なプロセスとみている.Minkova and Stockwell (34) による改訂版 GVS の図は以下の通り(服部,p. 60 の図を参照し,見やすくするために少々改変を加えた).[GVS by Minkova and Stockwell] Minkova and Stockwell は,上二段 (Upper Half) の太い実 [続きを読む]
  • #3379. 大母音推移は複数の音韻変化の集合体か? (1)
  •  大母音推移 (gvs) が英語音韻史上,最大の謎と称されるのは,連鎖的な推移であるとは想定されているものの,母音四辺形のどこから始まったかについて意見が分かれているためである.上昇や2重母音化の過程がどこから始まり,次にどこで生じたのかが分からなければ,push chain も drag chain も論じにくい.近年では「大母音推移」は1つの連鎖的な推移とみなすことはできず,複数の変化の集合体にすぎないという立場を取る論者 [続きを読む]
  • #3378. 音声的偏りを生み出す4要因
  •  音変化には,古今東西の言語でよく見られるタイプのものと,そうでないものとがある.例えば [p] が摩擦音化する事例は,グリムの法則 (grimms_law) でも生じているし ([p] → [f]),太古日本語でも起こったとされるが([p] → [?]),逆向きの例はまず観察されないといってよい.このような意味で,音変化には非対称性があり,それは音声的偏り (phonetic bias) とも呼ばれる.音声的偏りは,産出と知覚の観点からの4つの要 [続きを読む]
  • #3377. 音韻変化の原因2種と結果3種
  •  服部 (48) は,音韻変化 (phonological change) の原因として大きく2種を区別している. (1) 言語内的動機づけによるもの (endogenous or internal motivations): 主として音声学的・音韻論的な要因 (2) 言語外的動機づけによるもの (exogenous or external motivations): 他言語・他方言との接触,社会的・文化的状況などの社会言語学的な要因 きわめて理解しやすい分類である.しかし,従来 (2) の言語外的要因が軽視され [続きを読む]
  • #3376. 帝国主義の申し子としての英語文献学
  •  標題は「#3020. 帝国主義の申し子としての比較言語学 (1)」 ([2017-08-03-1]),「#3021. 帝国主義の申し子としての比較言語学 (2)」 ([2017-08-04-1]) と関連させての話題.19世紀における英語文献学や英語史という分野の発達は,大英帝国の発展と二人三脚で進んでいたという事実が指摘されてきた.児馬 (43) が同趣旨のことを次のように説明している. 19世紀ヨーロッパのナショナリズムを形成するのに中心的だったのが Oxfo [続きを読む]
  • #3375. 「語彙層累重の法則」
  •  「#3373. 「示準語彙」」 ([2018-07-22-1]),「#3374. 「示相語彙」」 ([2018-07-23-1]) に引き続き,地質学の概念を歴史言語学に応用してみるシリーズの第3弾.今回は,「地層累重の法則」をもじって「語彙層累重の法則」を考えてみたい. 「地層累重の法則」 (law of superposition) とは,『世界大百科事典第2版』によれば,次の通りである.W. スミスによって始められた層位学の二つの基本法則の一つで,もし一連の岩石が [続きを読む]
  • #3374. 「示相語彙」
  •  昨日の記事「#3373. 「示準語彙」」 ([2018-07-22-1]) に引き続き,地質学の概念を歴史言語学に応用できるかどうか,もう1つの事例で考えてみる.地層の年代推定に資する示準化石とは別に,示相化石 (facies fossile) という種類の化石がある.これは時代推定ではなく環境推定に資する種類の化石のことで,例えばサンゴ化石は,かつてその地が温暖で透明な浅海域であったことを伝える.では,これを言語に応用して「示相語彙」 [続きを読む]