rhotta さん プロフィール

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rhottaさん: hellog〜英語史ブログ
ハンドル名rhotta さん
ブログタイトルhellog〜英語史ブログ
ブログURLhttp://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/
サイト紹介文堀田隆一による英語史(英語の歴史)の毎日更新ブログ。英語学・言語学一般の話題も扱っています。
自由文このブログの書き手は堀田隆一です。まずは,アクセス・ランキングのトップ500記事 (http://user.keio.ac.jp/~rhotta/cgi-bin/frequently_accessed_articles.cgi) あるいは全記事の標題の一覧 (http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/hellog_archive.html) をご覧下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供364回 / 365日(平均7.0回/週) - 参加 2017/07/26 15:45

rhotta さんのブログ記事

  • #3518. 条件節と疑問文の近さ
  •  昨日の記事「#3517. if を使わずに V + S とする条件節」 ([2018-12-13-1]) で,V + S の条件節(動詞は典型的に接続法)の発達について取りあげた.現代英語で最も普通に V + S の語順をとるのは疑問文である.とすると,条件節と疑問文の間に何らかの接点があるのかないのかという疑問が湧くだろう.これについて考えてみよう. 条件節と疑問文は,確かに近い関係にある.まず,間接疑問を導く接続詞に if が用いられること [続きを読む]
  • #3517. if を使わずに V + S とする条件節
  •  現代英語には,条件節を表わすのに if を用いずに,主語と動詞の倒置で代用する構文がある.例文を挙げよう. ・ Were I to take over my father's business, I would make a drastic reform. ・ Had World War II ended two years earlier, how many lives would have been saved! ・ Should anything happen to him, call me at once. 現代英語では,were, should, had で始まるものに限定されてお... [続きを読む]
  • #3516. 仮定法祈願と may 祈願の同居
  •  昨日の記事「#3515. 現代英語の祈願文,2種」 ([2018-12-11-1]) でみたように,現代英語の祈願構文には,仮定法を利用するものと may を用いるものの2種が存在する.歴史的には前者のほうが古いが,いずれも文語的で定型的という特徴を有しており,同じ文脈でともに生じることもある.たとえば,May they get home safely, Heaven help us! のような事例がある.ほかに両祈願構文の同居している例が,細江 (159fn) に挙げられ [続きを読む]
  • #3515. 現代英語の祈願文,2種
  •  細江 (158--59) によれば,現代英語には,現在または未来の「ひたすらな願い」を表わす祈願法 (optative) の形式として,2種が認められる.1つは仮定法(歴史的な接続法 (subjunctive))を用いる方法(以下の (a)),もう1つは語頭に may を立てて「主語+動詞」を続ける方法である(以下の (b)).それぞれを示そう.(a) 通常主語を文頭に立て,叙想法現在の動詞を述語とする.ただし,この際強勢のため形容詞・副詞などを先 [続きを読む]
  • #3514. 言語における「祈願」の諸相
  •  言語学で「祈願」といえば,英語では optative という用語があてがわれており,様々に論じられる.祈願とはまずもって1つの発話行為である.また,the optative mood と言われるように,法 (mood) の1つでもある.さらに,ギリシア語などの言語では祈願法を表わす特別な動詞の屈折形式があり,その形式を指して optative と言われることもある.日常用語に近い広い解釈をとれば,I hope/wish/would like . . . . など希望・願 [続きを読む]
  • #3513. come と some の綴字の問題
  •  標題の2つの高頻度語の綴字には,末尾に一見不要と思われる e が付されている.なぜ e があるのかというと,なかなか難しい問題である.歴史的にも共時的にも が表わしてきた母音は短母音であり,"magic " の出る幕はなかったはずだ(cf. 「#1289. magic 」 ([2012-11-06-1])). 類例として one, none, done も挙げられそうだが,「#1297. does, done の母音」 ([2012-11-14-1]) でみたように,こちらは歴史的に長母音をも [続きを読む]
  • #3512. 認識動詞の種類と頻度の通時的変化
  •  秋元 (162) より「中英語から現代英語における認識動詞の種類と頻度」の表を掲げよう.表中 (p) は "personal",(i) は "impersonal" の用法を示す.なお,この表は「各時代で扱われた動詞を頻度順におおざっぱに示したもの」とのことである.14th15th16th17th18th19th20thknowesupposeknowknowthinkthinkthinkwitentrustthinkthinkbelievesupposeknowthinke (p)trowtrowfind supposeknowsuppose sem... [続きを読む]
  • #3511. 20世紀からの各言語学派を軸上にプロットする
  •  ソシュールに始まる20世紀の言語学は,その後数十年で様々な展開を示してきた.展開の仕方はヨーロッパとアメリカとでかなり異なるものの,体系・形式重視の学派と用法重視の学派の対立の歴史とらえるとわかりやすい.当然ながらその中間に位置づけられる折衷的な学派も現われてきて,20世紀から21世紀にかけて多彩な言語学が花咲くことになった.以下,高橋・西原 (pp. 4--5) にしたがって示そう. まず20世紀のヨーロッパの [続きを読む]
  • #3510. 接頭辞 en- をもつ動詞は品詞転換の仲間?
  •  接頭辞 en- をもつ動詞について「#1877. 動詞を作る接頭辞 en- と接尾辞 -en」 ([2014-06-17-1]) で取り上げた.今回は,この接頭辞について形態理論の観点から迫りたい. 形態論では「右側主要部規則」 (right-hand head rule: RHR) という原則が一般的にみられ,それによると,形態的に複雑な語の主要部は右側の要素であるとされる.別の言い方をすれば,右側の要素が,語全体の品詞を決定するということでもある.たとえば [続きを読む]
  • #3509. 韻律音韻論からみたアクセント移動
  •  現代英語で fifteen は /f?f?ti?n/ のように第2音節にアクセントが落ちるが,fifteen boys となると /?f?fti?n ?b??z/ のように boys に最も強いアクセントが置かれる一方,fifteen においては第2音節よりも第1音節のほうが相対的に強くなる.これは,第1アクセントであれ第2アクセントであれ,2つのアクセントが隣接音節に連続して現われるのを避けるために,アクセント位... [続きを読む]
  • #3508. ソシュールの対立概念,3種
  •  構造主義言語学の父というべきソシュール (Ferdinand de Saussure; 1857--1913) は,言語(研究)に関する様々な対立概念を提示した.その中でもとりわけ重要な3種の対立について,表の形でまとめておきたい(高橋・西原の pp. 3--4 より).(1) ラング (langue) とパロール (parole) の対立ラングパロル体系的 (systematic)非体系的 (not systematic)同質的 (homogeneous)異質的 (heterogeneous)規則支配的 (rule-governed)非 [続きを読む]
  • #3507. NURSE Merger
  •  herd, heard, stir, word, nurse, myrrh などの の綴字をもつ単語において,対応する音はいずれも /??(r)/ となる.発音と綴字の関係が「1対多」となり英語学習においては厄介な現象なのだが,これは近代英語期に生じた NURSE Merger (中舌化 (centralisation) とも)という音変化の結果である.初期近代英語期までは,これらの語はおよそ綴字に示される通りの母音をもっており,発音上互いに区別されていた.ところが,後 [続きを読む]
  • #3506. ラテン語系接尾辞と本来語接尾辞の音素配列論的対立
  •  ラテン語系接尾辞には母音で始まるものが多く,本来語接尾辞には子音で始まるものが多い.輿石 (113--14) を読むまで,この事実には気づかなかった.この差異の背景には,各言語の形態論的な特徴と,それと関連する音素配列論上の事情があるようだ.PE のラテン語系の接頭辞には母音で始まるものが圧倒的に多いが,これはラテン語系の形態素構造制約・音素配列論に従っていた借用語から,派生語の語幹を保つことを優先して,滲 [続きを読む]
  • #3505. THOUGHT-NORTH-FORCE Merger
  •  標記の3語に代表される各々の lexical set は,初期近代英語では互いに異なる母音(と r 音の連鎖)をもっていた.これらが,近代英語期中にイングランド南部などの方言で /??/ 音へと融合 (merger) した(ケルト系,西インド諸島,アメリカ発音などでは融合していない).融合に至るまでにいくつかの音変化が関与しており,発展の経緯は意外と複雑である.Gramley (190) より,各段階の音変化を示そう. THOUGHTNORTHFORCEE [続きを読む]
  • #3504. 助動詞の NICE features
  •  be, do, have などの1次助動詞はもとより may, must, can, will, shall, ought (to), need, dare, used to などの法助動詞も含めたすべての助動詞には,共通する4つの統語・形態・音韻的特徴がある.頭文字をとって NICE features と称される.Coates (1983: 4) を参照している Gramley (186) より引用しよう.N direct Negation (should > shouldn't)I Inversion in questions (I will > Will I?)C Code... [続きを読む]
  • #3503. Gramley の英語史用語集
  •  Gramley (364--91) の英語史概説書の巻末に用語解説の "Glossary" が付いている.用語の見出しのみを抜き出したものだが簡易「英語史用語集」として使えそうなので,列挙しておく.アルファベット順でしめて400用語.Gramley の英語史は社会言語学な視点からの記述なので,その方面の用語が豊富である.テキストファイルでのアクセスはこちらからどうぞ.abductionablautaccentaccommodationacrolectacronymadjectiveadstratea [続きを読む]
  • #3502. pronoun exchange
  •  人称代名詞について,文法的に目的格が求められるところで主格の形態が用いられたり,その逆が起こったりするケースを pronoun exchange と呼ぶ.最も有名なのは「#301. 誤用とされる英語の語法 Top 10」 ([2010-02-22-1]) でトップに輝いた between you and I である.前置詞に支配される位置なので1人称代名詞には目的格の me が適格だが,前置詞から少々離れているということもあり,ついつい I といってしまう類いの「誤用 [続きを読む]
  • #3501. 1552年と1662年の祈祷書の文法比較
  •  1549年,Thomas Crammer の編纂した The Book of Common Prayer (祈祷書)が世に出た.1552年には,その改訂版が出されている.この祈祷書の引用元となっているのは1539年の the Great Bible である.一方,およそ1世紀後,王政復古期の1662年に,別版の祈祷書が出版された.現在も一般に用いられているこちらの新版は,1611年の the King James Bible に基づいており,言語的にはむしろ保守的である.つまり,1552年版と1662 [続きを読む]
  • #3500. 世界史資料集の「古代文字の解読」
  •  高校の世界史資料集『タペストリー』を眺めていたら,世界の言語と文字についての情報がまとまった見開きページ (pp. 52--53) を見つけた.日本の教科書や資料集は非常によくできており,感心することが多いが,p. 53 の「古代文字の解読」なども実によく整理されている.以下に再現しよう.古代文字解読者解読年解読資料・関連事項神聖文字(ヒエログリフ)シャンポリオン(仏)1822ロゼッタストーン楔形文字グローテフェント [続きを読む]
  • #3499. "Standard English" と "General English"
  •  昨日の記事「#3498. hybrid Englishes」 ([2018-11-24-1]) で触れたが,"Standard English" と "General English" という2つの用語を区別すると便利なケースがあるように思われる.両者は必ずしも明確に区別できるわけではないが,概念としては対立するものと理解しておきたい.Gramley (129) は,初期近代英語期のロンドンで展開した英語の標準化 (standardisation) や共通化 (koinéisation) の動きと関連して,この2 [続きを読む]
  • #3498. hybrid Englishes
  •  現在,世界中で現地化した○○英語が用いられており,これらは総称して "Englishes" と呼ばれている.Franglais, Singlish, Taglish などの名前で知られているものも多く,"nativized Englishes" あるいは "hybrid Englishes" とも言われる.しかし,"nativized Englishes" と "hybrid Englishes" という2つの呼称の間には,微妙なニュアンスの違いがある.Gramley (360) は ... [続きを読む]
  • #3497. 『イギリス史10講』の年表
  •  この数週間のうちに「#3478. 『図説イギリスの歴史』の年表」 ([2018-11-04-1]),「#3479. 『図説 イギリスの王室』の年表」 ([2018-11-05-1]),「#3487. 『物語 イギリスの歴史(上下巻)』の年表」 ([2018-11-13-1]) などイギリス史年表をいくつか掲げてきたが,ついでにもう1つ近藤和彦(著)『イギリス史10講』の年表を提示しよう(以下,pp. 2, 18, 42, 72, 114, 148, 176, 200, 248, 284 より).このイギリス史概説は [続きを読む]
  • #3496. Highland Clearances と Scottish Gaelic の禁止
  •  スコットランド高地や島嶼部では,ケルト系の言語である Scottish Gaelic が現在も行なわれている(系統については「#774. ケルト語の分布」 ([2011-06-10-1]) を参照).Ethnologue の Scottish Gaelic によると,2011年の統計で57,400人ほどの話者がいるという.話者人口がわずかなのは Irish や Breton などの他のケルト系諸語とも比較され,絶対数としていえば「赤信号」であることは間違いない.スコットランドでは教育や [続きを読む]
  • #3495. Jespersen による滲出の例
  •  「#3480. 膠着と滲出」 ([2018-11-14-1]) で,burger の「滲出」の例をみた.「滲出」を形態論上の問題として論じた Jespersen (384) は,次のように定義している.By secretion I understand the phenomenon that one integral portion of a word comes to acquire a grammatical signification which it had not at first, and is then felt as something added to the word i... [続きを読む]
  • #3494. 英語史における書き言葉と話言葉の標準化を視覚化
  •  英語の書き言葉の標準化を荒っぽくグラフ化すると,「#3237. 標準化サイクル」 ([2018-03-08-1]) で示したようなものになる.今回は「#3458. 標準口語英語の確立」 ([2018-10-15-1]) に基づいて,英語の話し言葉の標準化にも注意を払いながら,両メディアにおける標準化を視覚化してみた.要は前のグラフの改訂増補版.[Standardisation Cycle of English, Vers. 2] この図では,話し言葉の標準化の様相を点線で示してある. [続きを読む]