ヒツジ さん プロフィール

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ヒツジさん: 小説「此の先」
ハンドル名ヒツジ さん
ブログタイトル小説「此の先」
ブログURLhttps://ameblo.jp/syousetukonosaki/
サイト紹介文聖書に基づいた小説です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供27回 / 97日(平均1.9回/週) - 参加 2017/09/07 11:12

ヒツジ さんのブログ記事

  • 《 26 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 26 》  「???? ???, ????(のりちゃん、おはよう)」 「???? ???(お、おはよう)」 「?? ?????? ??? ????? ????(ごきげんいかが? いいお天気ね)」 「??, ??? ????? ??? ????. ????? ?????? ??????? ????.(うん、とっても気分がいいよ。エホバ神に感謝しなきゃね。)(以下ずっ [続きを読む]
  • 《 25 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 25 》  「麗子さん、ご主人がエホバを愛することができるようになって本当に良かったわね。」 「えぇ、いまだに信じられない気持ちです。あの主人がすっかり人が変わったようになって。聖書の力をまざまざと見せていただきました。日本男児の典型だったでしょ。亭主関白で。 でも今はクリスチャンの夫になってくれました。家事を手伝ってくれるんですよ。キッチンで [続きを読む]
  • 《 24 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 24 》 「ところで、兄弟、すごく早くにライフラインが復旧しましたね。ガス、電気、水道、ガソリンが使えるようになったので、こうしてみんなに家が割り当てられて以前のように生活できるようになりました。」 「えぇ、実はね、大患難が始まる前から、統治体は世界中の長老たちに指示を与えていたんです。ハルマゲドン後のライフラインを早く復旧させる方法を整え [続きを読む]
  • 《 23 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 23 》 「こんにちは、お招きいただいてありがとうございます。」 中村兄弟姉妹が来てくれた。 「どうぞどうぞ。新しい家を与えていただいて、本当に感謝しています。」 ハルマゲドンの後、初めてのおもてなしに紗那絵は張り切っていた。 「素敵なお宅ですね。」  「えぇ、私一人だから、小さくて可愛い家を選んでいただきました。気に入ってるんですよ。こちら [続きを読む]
  • 《 22 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 22 》 2階の窓を開けると、下は海のようになって、そこに死体がごろごろと浮いていた。その間を黄色い救命ボートに乗っただれかが手を振っている。土居兄弟が叫んだ。 「中村兄弟ですか!」 「土居兄弟、ここにいらしたんですね。野村さんご無事で良かったです。奥さんも元気ですよぉ。」 敦は中村兄弟の顔がよく見えなかったけど、確かに中村兄弟の声だとわかっ [続きを読む]
  • 《 21 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 21 》  暗闇が続いている。朝なのか夜なのかわからなくなる。冬じゃなくて良かった。毛布にくるまってれば寒くない。「ふぅ」もそばにいてくれる。雷の音、豪雨の音、風の音におびえている。屋根に雹も落ちてきているようだ。 紗那絵はエジプトの十の災いを思い出していた。3番目まではイスラエルも災いを被った。昆虫、疫病、雹、闇、初子の死。サタンの世が滅ぼ [続きを読む]
  • 《 20 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 20 》  船に乗っているかのような長く大きな揺れだった。ガシャガシャと音を立てて物や食器が棚から落ちた。二人はテーブルの脚をつかんで床に伏せたままじっとしていた。 「すごかったですね。」 「どうやらおさまったようですね。」 二人がそろそろとテーブルの外に出てみると、かろうじて家は崩れなかったものの、家の中はめちゃめちゃだった。スリッパを履いて [続きを読む]
  • 《 19 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 19 》  妻の無事、兄弟たちの無事を祈り求めた後、目を開けると、急に暗くなったので、どうしたのかとリビングの掃き出し窓から空を見上げた。すると、黒い雲が太陽を覆っていた。その雲が目の形に変わり、敦を温かく見つめた。そして白い馬とおびただしいみ使いたちの軍団が雲から出てくるのが見えた。 敦は「もしかして…」と背中が緊張した、と同時にピンポンと [続きを読む]
  • 《 18 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 18 》  「エホバありがとうございます」と言いながら、紀夫は中村兄弟の顔を見てからずっと泣きじゃくっていた。子供のように声をあげて泣いた。何でこれほど泣いているのか自分でもわからなかった。エホバに対する感謝の涙か、中村兄弟に思いがけず早く会えたことで嬉しかったのか。とにかくしゃくりあげて大声で泣き続けた。  紀夫の側のドアも破られ外に出るこ [続きを読む]
  • 《 17 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 17 》  「みっちゃん、さっき車の中からふと空を見上げたらね。エホバの目が見えたから、車を止めてしばらく見てたんだ。」 「私もさっき見たわ。運動の時間でみんなで外にいる時に見えたの。みんな気が付いたのよ。どんな目だった?」 「黒い雲が目の形になって、それがとっても優しい目だったんだ。愛情あふれるお父さんの目だったよ。その目からイエスとみ使い [続きを読む]
  • 《 16 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 16 》  ハルマゲドンが始まり、紗那絵が祈り終え、歓喜の涙を流している時、ぐらっと来た。めまいかと思ったら、家全体が横に揺れていた。地震だ! 紗那絵は這って押し入れの中に逃げ込んだ。そしてそこに置いてあったヘルメットをかぶった。 いまだかつて経験したことのない揺れだった。そしてバリバリガッシャンとすごい音がして家が崩れ落ちた。家が崩れてもま [続きを読む]
  • 《 15 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 15 》「みっちゃん、中村兄弟が処刑されたって聞いたけど、みんな大丈夫?」「えぇ、みんな落ち着いているわ。想定内だわ。そりゃびっくりしたけど。でも動揺しないようにみんなでエホバの聖霊を祈り求めたのよ。 あのね、ノリちゃん、巡回監督って知ってる?」「会ったことないけど、パウロのように旅行してる兄弟だろ。会衆を周って強めている人って聞いてるけど。 [続きを読む]
  • 《 14 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 14 》 敦は自分が鼻歌を歌っているのに気がついて驚いた。麗子が刑務所に拘留されているというのになぁ。それでも毎日聖書を学び、集会にも行って、麗子を涙するほどに喜ばせていることが嬉しかった。今朝は、聖書研究をし、その後中村兄弟と藤崎さんと一緒に昼食をとる予定だ。そのために早起きをしてカレーを仕込んでいた。 自分が料理を作るなんていつ以来だろ [続きを読む]
  • 《 13 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 13 》 「あら、でもご主人、麗子さんがエホバの証人をやめないほうがよろしいの? やめて戻ってきてもらいたいのじゃありませんの?」  「えぇ、はい、麗子を応援しています。もうわたしは滅ぼされても構わないですが、麗子だけでも生き残って復活してくるわたしの親を迎えてくれればと思っています。」 「そうなんですか。まぁ驚きました。信仰がおありなんで [続きを読む]
  • 《 12 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 12 》 「…食事なんかどうされているんですか。」 「集会で食材の配分があるんですよ。エホバの証人が野菜を作ってる人はそれを持ってきます。親族に買い物を頼める人は、お金を出して、たくさんの食材を買ってきてもらいます。  ウチは買い物を頼める人がいないのでお金を持って行って、買える人に使ってもらいます。もうほとんど貯金はなくなりました。どうせ持 [続きを読む]
  • 《 11 》
  •   ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 11 》 警察から会社に電話がかかってきた。麗子が逮捕されたと言う。敦はこういう日がやってくることを覚悟していたものの、動揺を隠しきれなかった。会社にもばれてしまったではないか。解雇されてしまうのか…麗子を守ることもできなくなるぞ。どうしたらいいんだ、俺は。そんなことを考えながら、タクシーに乗って警察に行った。 伝道中に逮捕されたらしい。こう [続きを読む]
  • 《 10 》
  • ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 10 》 敦はコーヒーを半分飲んで、再び麗子の手紙に目を落とした。 「そして聖書によると、まもなくハルマゲドンという神の大いなる戦争が始まります。これは、エホバ神に従わない人すべてが滅ぼされる徹底的な戦争です。人間に勝ち目はありません。 ハルマゲドンの後、この地球は神の王国の支配下に置かれ、全地が楽園に変化します。そこでは病気も死もありません。 [続きを読む]
  • 《 9 》
  • ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 9 》 夫の敦が変化したのはあの時からだ…、と麗子は思い出していた。 敦は2度目の就職活動をして、採用されたのだが、仕事に行く前日、これにサインしておいてくれ、と一枚の紙をテーブルに置いた。あの「私も私の家族もエホバの証人ではありません。」の紙である。敦の署名捺印がされていた。 麗子の答えは決まっていたが、それをどう夫に伝えようか悩んだ。エホバ [続きを読む]
  • 《 8 》
  • ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 8 》 「次のニュースです。このカードをご覧ください。NOJWと記されています。『私はエホバの証人ではありません』という意味のNOJWです。〇月〇日以降このカードを提示しなければ買い物することはできなくなります。このカードは自治会を通してすべての人々に無料で配布されます。役場や支所、コンビニやスーパーにも置いていますので、欲しい方はお申し出ください。  [続きを読む]
  • 《 7 》
  • ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 7 》 「ついにやったわ。大患難が始まったのよ。」と心底嬉しそうに言う美智子の顔をまじまじと見ながら、紀夫は言った。 「みっちゃん、仲間が処刑されているんだから、そんなに嬉しそうにするのはまずいんじゃない。」 「あぁ、そうかもしれないわね…。 わたしは聖書を知ってまだ4年でしょ。バプテスマを受けてからまだ2年しか経ってないわ。 でもエホバの証人 [続きを読む]
  • 《 6 》
  • ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 6 》 帰宅した紀夫の様子が変だ。夕食の時も浮かない顔をして、他事を考え込んでいるようで、今話していることにも「えっ?なんだっけ?」と聞き返すことが多かった。どうやら会社から通達があったようだ。 仲間から聞いていた。エホバの証人は解雇されることになったらしい。エホバの証人が次々と逮捕されている。もっと厳しくしないと彼らはやめない。いつまでも宗 [続きを読む]
  • 《 5 》
  • ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈 《 5 》 「困ったなぁ。会社首になるかもしれない。参ったなぁ。」 紀夫は頭を抱えている。 紀夫は妻のためにエホバの証人の日曜日の集会に定期的に出席するようになっていた。熱心にクリスチャンの活動を続けている美智子のたってのお願いだからだ。紀夫は美智子を愛していた。とても良い妻だと感心している。俺は幸せ者だ、と口では言わないけれど、心で噛み締めてい [続きを読む]
  • 小説「此の先」
  •   トップはいつもこのページです。索引からどうぞ小説をお読みくださいませ。小説「此の先」《 1 》《 2 》《 3 》《 4 》《 5 》《 6 》《 7 》《 8 》《 9 》《 10 》《 11 》《 12 》《 13 》《 14 》《 15 》《 16 》《 17 》《 18 》《 19 》《 20 》《 21 》《 22 》《 23 》《 24 》《 25 》《 26 》 聖書に基づく小説です。聖書を読みながら想像を膨らまして物語を書いています。「小説」というのが恥ずかし [続きを読む]
  • 《 4 》
  • ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈《 4 》 「あなたの気持ちはわかるわ。でも大患難前とは私たちがしている奉仕は違ってきているの。以前は、良いたよりが宣べ伝えられていたわね。一人でも救いたいと救援活動が行なわれていたでしょ。エホバの羊を集めることが目的だったの。でも大患難が始まってからは、エホバの裁きとその理由を宣べ伝えているのよ。ノアの箱船の戸を閉じられたのはエホバでしょ。それと [続きを読む]
  • 《 3 》
  • ▲▽▲▽▲ 小説「此の先」 ▲▽▲▽▲草薙 沙理奈《 3 》  「あの坊さん処刑されたんだってさ。」 「え? だれ?」 「ほら、どこのお坊さんだったっけ? 寺の檀家が亡くなって、頼まれてもいないのにお経を上げに行ったお坊さんがいただろう? すぐに警察に逮捕されてさ。その坊さんが処刑される日、気の毒に思った別のお坊さんが、警察の前でお経を唱えていたって話聞いただろ。その人がすぐに捕まって、処刑された [続きを読む]