bbblues さん プロフィール

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bbbluesさん: 庵
ハンドル名bbblues さん
ブログタイトル
ブログURLhttps://bbblues1964.muragon.com/
サイト紹介文ノベログです 旅の紀行、小説の連載をしています
自由文日々思うことを紀行、小説に折り込み綴っています
「読む」ことが好きな方に
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供121回 / 73日(平均11.6回/週) - 参加 2017/09/10 14:00

bbblues さんのブログ記事

  • “Soul bar-IORI”  ヴォジョレ
  •  17:00 バーのオープンである。オープン一曲目のBGMは決めていた。理由はただ好きなだけである。“THE CRUSADERS” 1970年代に活躍したアメリカのジャズロックバンドで、都会的に洗練された音ではなく、アメリカ南部の泥臭さを持ち、根っこにはしっかりとブルースを感じる。このバンドは多く取り上げていくであろう。 Sprial - The Crusaders  店内は、チャームに出すガーリ [続きを読む]
  • “Soul bar-IORI”  開店準備
  •  街路樹が葉を落とし始め、もう間もなく冬が訪れようとしている。街にはクリスマスの飾り付けが始まり、寒さが増していくと共に感じる寂しさを、紛らわしてくれる。  繁華街から外れた路地裏に、一軒のバーをオープンさせる。ソウル・バー、魂のバーである。ちなみにSeoul、韓国のソウル特別市は関係ないので、、、キムチはない。後、看板が「居酒屋」なのだが、どうか、お気になさらず。  音楽を主体にしたバーで、中心 [続きを読む]
  • 「家族」 帰郷
  •  一行が東京に戻るとすでに日は落ちていた。昨夜見た星空は何処にも見えない。英子は雪子に三島までの乗車券と特急券、そしてタクシー代を渡し、 「私と敏也さんは、ここから別件で出かけますので、明日はしっかりと身体を休めてくださいね」  雪子と綾香、そして清流荘のメンバーは伊豆へ、英子と敏也は東北方面に向かうため新幹線に乗り込み別れて研修を終えることとなった。  次の休日前、雪子は 「今日、仕事が終ってか [続きを読む]
  • 「家族」 旅行 2
  •  翌朝、宿が指定する時間の朝食を待っていては行程に無理がある。予約の際に、何かしらの代替ができないか打診したが、対応できないとの返事であった。朝食はコンビニで買い込んで八ヶ岳を目指した。  八ヶ岳とは特定の峰を指した山の名前ではなく、いくつもの山が連なった連峰である。南北に別れ、併せて20km以上に及ぶ火山郡の総称で、目指したのは南八ヶ岳の主峰赤岳から横岳、硫黄岳の縦走である。  初めて登山をする [続きを読む]
  • 「家族」 旅行 1
  •    敏也が提案していた旅行が決まった。遊びではなく、あくまでも研修だ。子供が産まれたばかりの幸も、実家に子供を預け参加することになった。  早朝、三島から東京へ一旦出るのだが、向かった先は、新幹線ホームではなく、在来線だ。 「え〜新幹線じゃないんだ、もう、ケチっ」  綾香の文句にも敏也はニコニコと笑うだけだ。売店で飲料を買い込み列車に乗り込みだ。列車に乗る前は拗ねていた綾香も、ゆったり流れる車窓 [続きを読む]
  • 「家族」 決断 2
  •    サイクリングを終え、カフェに戻った二人に雪子と綾香が噛み付いてきた。 「もう、今日は休みでお天気いいから、みんなでサイクリング行こうって思ってたら、二人ともいないんだもん」 「ほんとよね〜あれ?、先生と英子さんの自転車ない!って」 「で、どうだった?デート」 「ええ、とっても楽しかったですよ〜」 「もう、いいな〜二人だけで。罰で、う〜ん、お寿司屋さん連れて行きなさい!先生はカッパ巻きしか食べ [続きを読む]
  • 「家族」 決断  1
  •    「綾香の作成してるホーム・ページがすごく好評で、また、見積もりの依頼が来てますよ。写真から何もかも一人で抱えてるんで、スタッフ募集かけましょうかね」 「うん、一度相談してみないといけないけど、そんなに無理して広げる必要もないんじゃないかな。綾香が出来る範囲で仕事をこなしていけばいいし」  敏也は英子から報告を受けているときに徐に切り出した。 「ところで明日の休日、英子さん予定は?」  翌日、 [続きを読む]
  • 「家族」 最後の舞台
  •  山岸のCDが発売され、順調にチャートを上げていくものの、あまりの変わり様に酷評されることもあった。時代の流れと共に多くのことが様変わりしていく中、音楽も姿、形を変えていく。ただ、山岸はこのCDで、リズムや、奇抜とも思える進行など形は変わったが、自分の音楽の本質は何も変わらないことをメッセージしていた。敏也にもそれが十分に理解できることであった。  そんな中、由香の唄った「星になったあなたへ」がテ [続きを読む]
  • 「家族」 友が残した宝 2
  •  伊豆に戻った敏也に一本の電話が入った。 「おい、敏也、ソーナイスに顔出したってな、オーナーから聞いたよ。で、写真も辞めちまって、お前どうせ暇してんだろ?ベース弾けよ、ベース。いねーんだよ、いいやつが」  大介と自分を世に出してくれた山岸であった。相変わらず人の都合など一切気にしない男だ。 「な、5日で済ませるからさ、録るの。アコースティックなんて辛気臭い楽器持ってくるなよ、エレクトリックで派手に [続きを読む]
  • 「家族」 友が残した宝 1
  •    敏也は料亭を後にして、大学を辞め音楽にのめり込んだ街、新宿に来ていた。まだ、箱バンドとして活動したライブ・パブはあるのだろうか、ふと気になり、吸い寄せられるように身体が向いていた。多くの店が様変わりしているが、ネオンの数は変わることがない。  “Jazz live So-Nice” ネオン官の一部が切れ、すべての文字が写し出されていないが、店は健在であった。  “Today's live Y [続きを読む]
  • 「家族」 カポクォーコ 2
  •  敏也は雪子をテストしたわけではないが、料理を食べ確信をしていた。 「イタリアンは気取らない家庭料理をベースにしたもので、食を通し絆を深める素晴らしいもの」  日本ではバブル期にイタリア・ブームが沸き起こった。高級ブランドが紹介される中で多くのイタリア料理店が開業し、イタ飯と呼ばれ若者達のトレンドとなっていた。ブームとは、文化までをも浸透させる時間は持っておらず、表面だけのもので、間違った認識もし [続きを読む]
  • 「家族」 カポクォーコ 1
  •  「おはようございます」  朝、チェックアウトの客を見送り、女将と坂崎夫婦がちゃりんこカフェを訪れた。雪子は買出しを綾香と英子に頼み、すでに仕込みに取り掛かっている。 「雪ちゃん、何でも指示してよね、今日は雪ちゃんが板長だから」 「あなた、板長って、おかしいでしょ。シェフって呼ばないと」 「幸さん、シェフはフランス語ですよ〜、今日はイタリアンですからね。あれ?でもイタリアンだと何て呼ぶんだろう」 [続きを読む]
  • 「家族」 展開 3
  •  雪子はカフェの営業を終えると、自主的に清流荘の厨房に足を運んでいた。洗い物を手伝いながら、坂崎の仕事を見て得ようとしている。坂崎からは、作り上げる料理はもちろん、一切の食材を無駄にせず、感謝の気持ちを忘れない姿勢にも学ぶことが多い。そして坂崎は、本質を見る大切さを雪子に説く。 「食材の高い、安いは市場の原理で、高いものが美味しいわけではないし、同じ食材でも季節によって味が変わってしまう。料理は食 [続きを読む]
  • 「家族」 展開 2
  •    清流荘のオープンを前に、綾香の作成するホーム・ページが完成した。サイクリング・コースは伊豆半島一周から、一泊二日、日帰りといくつものコースと、主だった観光地が綺麗な写真で紹介されている。  コース途中の休憩ポイント、トイレの情報はもちろん、サイクリスト歓迎を掲げる店も増え充実している。店主の笑顔に吸い込まれるよう、立ち寄りたくなる写真が掲載される。メインはちゃりんこカフェ、清流荘であるが、決 [続きを読む]
  • 「家族」 展開 1
  •    ちゃりんこカフェに無事に戻った綾香に、敏也はホーム・ページの更新を頼んでいた。 「清流荘の紹介を加えて、サイクリング・マップや観光案内を入れていきたいんだ。サイクリング・コースにはトイレや休憩ポイント、あと、危険箇所には迂回路があれば案内できるといいな。それから、コンビニ、飲食店に駐輪用のラックやポンプの設置をお願いして、協力店には、サイクリスト歓迎のお店として紹介していくんだ。写真をたくさ [続きを読む]
  • 「家族」 異変 4
  •    敏也は英子と共に東京にある料亭に足を運んでいた。以前よく通い、板長とは付き合いが長く信頼関係も出来ている。予約の際に個室ではなくカウンター席を頼んでた。  久しぶりに頂く板長の料理に自然と顔も綻びる。そして敏也は何の前触れもなく直球を投げ込んだ。 「板長、私に料理人をお貸し頂けないでしょうか。5年、いや3年で結構です」 細かな事情を話し終えると、 「坂崎っ!」 奥の厨房を覗き、板長が声をかけ [続きを読む]
  • 「家族」 異変 3
  •  綾香が姿を消してから一ヶ月あまり経っていた。綾香を思う気持ちに敏也も英子も変わることはない。特に英子は、夜一人になり涙することもある。  15時を回った頃、カフェに和服を着た女性と連れの男性の客がいる。ランチから滞在し数時間が経ち、これといった会話が弾んでいる様子もない。店内の客がこの二人となったとき、知明子に和服の女性が声を掛けてきた。 「すいません、私はこの先の温泉で旅館を営んでおりまして、 [続きを読む]
  • 「家族」 異変 2
  •    綾香は手始めに、雑誌の連載で秘境駅を訪ねる撮影を行っていた。山間に進むローカル線の旅は美しい景観が広がり、綾香も楽しんで撮影に挑んでいた。  初回から数回は写真の出来も素晴らしく、好評を得ていたのだが、回数を重ねるごとにクオリティは下がり、写真から伝わるものが消え失せている。英子は心配をし、多くの会話を持つが、綾香は以前とは打って変わり謙虚な姿勢を見せることはない。 「いったい何があったので [続きを読む]
  • 「家族」 異変 1
  •  綾香、知明子、敏也が伊豆に移り住み、そして雪子が東京から来ておよそ3年が過ぎ去った。  知明子はちゃりんこカフェの店長として、また、敏也の撮影を影からサポートし充実した日々を送っている。  雪子は料理の研究を怠ることなく、本格的なイタリア料理にも挑んでいる。 「マスター、私はパスタだけではなく、いろいろなイタリア料理をカフェで提供しないな。本格的なイタリアンを勉強してて、もっといろいろなことにチ [続きを読む]
  • 「家族」 雪子 3
  •    しばらくして車のライトがカフェを照らした。綾香と敏也が戻り、二人で外に出迎えると、 「あ、ゆきねーだ」 と綾香が車の窓を開け手を振り、車から飛び出すといきなり雪子に飛びついている。そして敏也は、 「や、雪ちゃん、いらっしゃい」 とだけ言葉を掛け、車の荷物を降ろし始めた。4人で中に入れ込むといきなり知明子が 「ちょっと、先生も綾香も臭いから、早くお風呂入ってきて」 と即し、敏也は綾香に背中を向 [続きを読む]
  • 「家族」 雪子 2
  •  雪子は決して裕福とまではいかないが、大手出版会社に勤め、趣味の自転車で遠方に出かけるぐらいのゆとりは十分にある。今までは奨学金の返済があり貯蓄に回すだけの余裕はないが、この先は可能だ。ただ、自分が求めているものは何かを考えたとき、簡単に答えなど出ることではないが、今の生活で得られる事ではないと感じている。  生きるとは、仕事とは、そのことをずっと思い仕事を続けていたのだ。今の彼は同じ会社に勤める [続きを読む]
  • 「家族」 雪子 1
  •  翌日、問題なく敏也は目を覚まし、開店の準備をすすめると、自転車で来た一人の女性が外で待ち、英子が中でお待ちくださいと声をかけている。 「いらっしゃい、今日は早いね。すぐコーヒー淹れるから少し待ってね。それにお一人?」 「はい、今日は一人なんです。昨夜から三島にいて、朝、飛んで来ちゃいました」  彼女は新潟の生まれで、幼い頃に地震で両親と死別し叔母の元で育ち、奨学金で大学を卒業し出版社に就職したと [続きを読む]
  • 「家族」 失態
  •  敏也の撮影はカフェの順調さとは反対に進捗は思わしくない。単に富士を写すだけなら多くの写真家が素晴らしい作品を残しているが、敏也は似たような作品を残すつもりはない。そして、今回の撮影では、綾香に自分の思う写真を撮るように指示をしており、綾香の目指す被写体をもとめ、山の奥深くまで足をすすめることもある。 「先生、少し遠めに富士山を狙ってみたいな、私。山頂の雪が名残惜しいような感じで」 「そうか、なら [続きを読む]
  • 「家族」 開店
  •  店がオープンし、店内は淹れ立てのコーヒーの香りであふれ、BGMには爽やかなピアノ曲が流れている。綾香が敏也の膨大なCDコレクションの中から選んでかけていた。  CDは飲食店のBGM向きに発売されたもので、すでに廃盤であるが、業種、時間帯に別けセットで発売されていたものだ。クラシック音楽がポップス調にアレンジされている。  演奏者も編曲者も大きくクレジットはされておらず、綾香は誰の演奏かは知らずに [続きを読む]
  • 「家族」 新たな地 3
  •  住居の片付けも終わり、敏也は綾香を連れ行動を開始した。まだ本格的に撮影に入るのではなく、下見で下界での撮影ポイントを探していく。気になる情景があれば、季節、時間、また、どんな天候であればより良い写真に仕上げることが出来るのか、事細かに記録し撮影の計画を立てていく。もちろんシャッターチャンスがあればその都度カメラに収めていく。そして早朝の情景を下見することもあり、住居に戻ることは少なく、麓の宿に滞 [続きを読む]