rakugogakushi さん プロフィール

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rakugogakushiさん: 鑑賞歴50年オトコの「落語のすゝめ」
ハンドル名rakugogakushi さん
ブログタイトル鑑賞歴50年オトコの「落語のすゝめ」
ブログURLhttps://ameblo.jp/rakugogakushi/
サイト紹介文落語鑑賞歴50余年。聴けばきくほど奥深い落語の世界。子や孫達、若い世代にも落語の魅力を伝えたい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供35回 / 31日(平均7.9回/週) - 参加 2017/09/18 16:37

rakugogakushi さんのブログ記事

  • #35 隅田川と落語
  •  東京落語の舞台として吉原遊郭と並んでよく登場するのが隅田川流域である。地理を頭に入れて置いて鑑賞すると趣も増すであろうと、2007年の夏に、川に架かる橋を中心にして隅田川を探訪してみた。佃の渡しを振り出しに吾妻橋までの約6Kmを南から北へ(下流から上流へ)の行程であった。 【佃の渡し】かつては佃島へは渡し舟が出ており、この舟の転覆を題材にした「佃祭」はここを舞台にしている。現在は佃大橋(写真)が架かっ [続きを読む]
  • #34 知ったかぶりの代名詞 〜「酢豆腐」〜
  • このブログ開設の案内を出した友人から激励のメールを頂き、自作の川柳が一句添えられていた。「発酵と 腐敗の違い 述べてみよ」(くるみ餅 作 毎日新聞万能川柳)というものである。ハッとさせられ、詠み手の着眼点の素晴らしさに感心させられた一句であった。川柳と落語にはどこか共通するものを感じていて私も川柳が好きで、散歩の途次に時折捻っている。さて、この川柳から腐敗した豆腐が出て来る落語「酢豆腐(すどうふ) [続きを読む]
  • #33 欲しい物を手に入れる方法 〜「饅頭こわい」〜
  •  このブログを書いていることを母親から聞いた10歳になる孫が電話をくれて、「『饅頭こわい』をCDで聴いたよ。面白かったよ。トリックを見破ったから、今度お父さんに“僕、オモチャがこわい”と言うよ(おー、分かってるね!)。おじいちゃん、ブログ頑張ってね」と激励された。 「饅頭こわい(まんじゅうこわい)」は落語ファンならずとも一度は聞いたことのある噺で、暑い夏の夕べ、「冷たいビールが一杯こわいネ」などと [続きを読む]
  • #31 マクラ傑作集  「その3」
  • ★江戸時代の床屋は、天狗とか海老の絵を描いた看板を掲げて、「天狗床」とか「海老床」などと称していました。 「あの床屋の看板の海老の絵は見事だね。ピンピン跳ねて生きてるみたいだね」「いや、俺にはそうは見えないね。あの海老は死んでるよ」と言い合いになった二人の男、もう一人の男に意見を求めると、「どちらでもないね。あれは病人だ」と答える。「どうしてだい?」「だって床に就いて(付いて)いるもの」。 ★江戸 [続きを読む]
  • #30 毛せんを掛けたら生き返る? 〜「毛せん芝居」〜
  • ある山国の若い殿様が政治改革を打ち出し、そのキャンペーンのイベントとして領民に芝居を見せることにした。これは領民の希望によるものであり、殿様にとって芝居見物は初めての経験であった。出し物は強盗殺人事件を題材とした「文弥殺し」という歌舞伎の演目であった。幕が上がり、物語が進行して行く。“娘お菊が吉原へ身売りして大金を拵え、盲目の弟文弥に持たせ、京へ上らせて座頭の官位を取らせようとする。その旅の途中、 [続きを読む]
  • #29 男と女の体の違い 〜「疝気の虫」〜
  • 親の後を継いで仕方なく医者になった男が、眠たくなるのを我慢して医学書を読んでいる。ふと天井を見ると虫が一匹ぶら下がっている。捕まえてひねりつぶそうとすると、虫が「助けて下さい。私は人間に腰痛を惹き起こす“疝気の虫”です」と言う。「そうか疝気の原因は虫だったのか。助けてやるからどうやって腰痛を起こすのか教えてくれ」「へえ、私らは腰の辺りに住んでいまして、“吊る痛み”をチントトチンと言い“張る痛み”を [続きを読む]
  • #28 裕次郎が落語に登場? 〜「居残り佐平次」〜
  • 1957年に日活が「幕末太陽傳」という映画を製作・公開している。この映画は落語「居残り佐平次」をベースにしており、佐平次役はフランキー堺であった。他には女郎役に左幸子や南田洋子、高杉晋作になんとあの石原裕次郎が扮している。随所に落語の「品川心中」、「三枚起請」、「お見立て」が散りばめられており、落語の世界を幕末の志士たちが駆け抜けるという、落語ファン必見の映画である。 「居残り佐平次」はこんな噺である [続きを読む]
  • #27 サイコロの考案者は意外な人 〜「看板のピン」〜
  • サイコロと言えば博打を連想するが、その考案者は正反対にいる聖人であったと知ったのはサイコロ賭博をテーマにした落語「看板のピン」であった。  若い衆が集まって暇を持て余している。そこへ昔は遊び人でならした隠居がやってくる。「隠居さん、ちょうどいいところへ来てくれました。ちょっと手慰みに“ちょぼ一(壺の中に入っている一つのサイコロの目を当てる賭博)をやりてえんですが胴元を取る奴がいなくて困っているん [続きを読む]
  • #26 シリーズ噺 “東の旅”
  • #25で触れた上方のシリーズ噺“東の旅”について考察してみよう。 お伊勢参りは江戸時代から庶民の夢で、一生に一度はお参りしたい神宮であった。遠く江戸からも講を組んで多くの参拝人があったようで、地の利の良い上方では尚更のことであったろう。 大阪市に住む喜六と清八が伊勢参りをした後に京都へ回って見物をし、伏見から船で大阪へ帰るという道中を描いた一連のシリーズ噺で、全部で30ほどの噺があったが現在では10題 [続きを読む]
  • #25 三十石船の航跡 〜「三十石」〜
  • 上方落語に“東の旅シリーズ噺”というものがあり、伏見から大阪へ向かう三十石船の船中や船宿での様子を描写した滑稽噺「三十石」がその最終話となっている。 伊勢参りを終えた後京都見物をした喜六と清八が三十石船(写真上)に乗って大阪へ帰ろうと、伏見街道を下って船宿・寺田屋(写真下)に着くところから噺が始まる。以下演者によって重点の置き所が多少異なって個性が観られるが、“船宿の番頭が乗船者名簿を作成しようと [続きを読む]
  • #24 親はなくとも子は育つ 〜「茄子娘」〜
  • 「秋茄子は嫁に食わすな」という慣用句がある。秋茄子は美味しいところから姑の嫁いびりと解釈されているが、一方で、茄子には体を冷やす作用があるので子供を沢山産んで欲しい嫁の体を姑が気遣った言葉という、まったく正反対の解釈もあるようである。秋茄子に因んで「茄子娘」という一席を聴いてみよう。 東海道“戸塚の宿”に在るお寺の住職は戒律(邪淫戒)を守って独り身を通し、野菜作りに精を出していた。とりわけ茄子が大 [続きを読む]
  • #23 人使いの荒い隠居 〜化物使い〜
  • #22に続いて経営に役立つ落語「化物使い(ばけものつかい)」を聴いてみよう。この噺は演者によって様々に演出され、十人十色の感がある。従ってあらすじを書くのが難しいが、共通している基本的な骨格は次のようである。  人使いが荒いことで悪評の高い隠居の下で3年間辛抱して奉公してきた下男が暇乞いをする。隠居が今度、化け物が出るという屋敷を買ってそこへ引越すことになり、そんな怖い所で住む勇気はないというのがそ [続きを読む]
  • #22 落語は経営にも役立つ? 〜「三軒長屋」〜
  • ある著名な経営者が次のようなことを言われていたのを落語ファンとしてよく覚えている。「古典落語は経営の原点を思い起こさせてくれました。『三軒長屋』や『化け物使い』などを聴くと、昔も今も人の気持ちに変わりはないと教えられました。ともすれば経済合理性が優先される現代にあっても、人と人とのつながりが大切です。落語には経営のヒントが詰まっています」という趣旨の話であった。落語を聴けば誰でもヒントを得られると [続きを読む]
  • #21 マクラ傑作集  「その2」
  • ★源頼朝公の頭はずいぶん大きかったそうです。ある時、この頼朝公のしゃれこうべ(頭蓋骨)というものが売りに出たことがあります。客が「頼朝公のものにしては随分小さいねえ」と言うと、「へえ、これはご幼少の時のもので」。 ★触っただけで雑誌の名前を言い当てるという特技を持った、眼の見えない女マッサージ師がいた。一人の男性客が試してみると、「これは『サンデー毎日』」、「これは『週刊現代』」と、なるほどピタリ [続きを読む]
  • #20 正直者3人が繰り広げた噺 〜「井戸の茶碗」〜
  • 爽やかな秋空の下で、3人の正直者が繰り広げる爽やかな人情噺「井戸の茶碗」を鑑賞してみよう。  正直者で通っている屑屋の清兵衛さんが裏長屋を流していると、身なりは粗末だがどこか気品のある娘さんに呼び入れられる。そこは娘と二人暮らしをしている千代田という浪人者の住まいで、仏像を買って欲しいと言われる。屑屋は骨董に眼が利かないので断るが、暮らし向きがかなり困窮している様子に同情して買い取ることにする。  [続きを読む]
  • #19 放蕩息子を扱った傑作 〜「唐茄子屋」〜
  • 9月中旬頃からスーパーなどでハロウィン・グッズが置かれるようになった。置き場スペースが前年より拡がっているようで、アメリカのお祭りが遂に日本でも定着化していくのかの思いがしている。  上の写真は2011年頃、ニューヨークに住んでいた小学生の孫が体験した本家アメリカのハロウィンの様子である。大変楽しかったようであった。 ハロウィンと言えば“カボチャ”である。カボチャ(南瓜−ナンキン−とも言う)は江戸では [続きを読む]
  • #18 羽衣伝説をネタにした小品 〜「羽衣」〜
  • 2017年の「中秋の名月」は10月4日で、満月ではなく十三夜であるそうだ。「月々に 月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月」と古歌に詠われているのは「中秋の名月」のことで、一年で最も美しい月だと古来より言われている。さて、名月に因み、月→かぐや姫→天女という私なりの連想で「羽衣(はごろも)」という小品を採り上げた。別題「三保の松原」とも言う。 天女が風光明媚な“三保の松原(静岡県)”に舞い降り、羽衣を [続きを読む]
  • #17 落語世界のノーベル賞候補
  • 10月はノーベル賞の各賞が順次発表される月である。これまでに多くの日本人が受賞しているから日本人の関心は高いと思う。ノーベル賞はダイナマイトの発明で有名なアルフレッド・ノーベルの遺言により1901年に創設されたものである。自分が発明したダイナマイトが戦争に使われ、多くの人を死傷させたという悔恨から、築いた財で基金を創り、人類の幸福と世界平和のために貢献した人に賞金を贈るという趣旨であったと聞く。 受賞内 [続きを読む]
  • #16 聴き直すと面白味が増す噺 〜「転失気」〜
  • 一度目より二度目に聴いた方が面白いという不思議な落語「転失気(てんしき)」を紹介しよう。 あるお寺の和尚が体調を崩し医者に往診に来てもらう。一通り診た後「ところで、てん(・・)しき(・・)はおありか?」と医者が訊く。和尚には何のことだか分らなかったが、物知りでなければならない僧侶の手前訊くわけにもいかず「ありません」と答える。「それはいけませんな、お薬を調合しておきますから小僧さんに取りに来させて下さ [続きを読む]
  • #15 出来そうで出来ない噺 〜「愛宕山」〜
  • 落語に登場する常連の一人に幇間(ほうかん)が挙げられる。宴席で踊ったり歌ったりして座を賑やかにし、客をいい気分にさせる男芸者のことで、たい(・・)こ(・)もち(・・)とも言う。幇間が登場する噺は結構あり、「山号寺号」「幇間腹」「王子の幇間」「鰻の幇間」「富久」などが挙げられる。大抵の場合、ひどい目に遭わされるのが特徴で、落語ファミリーとして憎めない存在である。ここでは出来そうで出来ない噺「愛宕山(あた [続きを読む]
  • #14 歌舞伎に題材を採った噺 〜「四段目」〜
  • 落語のジャンルの一つに芝居噺というものがある。主に歌舞伎の演目に題材を採ったもので、芝居見物が庶民の娯楽の中心に在ったことを物語るものであろう。中でも「仮名手本忠臣蔵」を題材にしたものが多い。昔は多くの噺があったのであろうが、「淀五郎」、「中村仲蔵」、「紙屑屋」、「七段目」などが現代に伝わっている。ここでは芝居噺の代表と思われる「四段目」(上方では「蔵丁稚」と言う)を採り上げる。 とにかく芝居好き [続きを読む]
  • #13 ど、どういうことですか? 〜「代書」〜
  • 私は二代目桂枝雀の大ファンである。60年という短い生涯であったが落語界の隆盛に大きく貢献した一人だと評価している。 私が初めて枝雀を聞いたのは1990年頃のことで、出し物は「上燗屋」という短い滑稽噺であった。酒好きの男が屋台の亭主をからかいながら酒を飲むシーンを活写したもので、爆笑の連続であった。マンネリ化を感じて落語から遠ざかっていた私を再び呼び戻してくれた一席であった。枝雀落語の特徴はリアリティーと [続きを読む]
  • #12 愛嬌のある幽霊 〜「応挙の幽霊」〜
  • 夏には少しでも涼しさを感じてもらおうと、怪談噺がよく高座に掛けられた。冷房設備が完備されていなかった時代の、席亭(寄席を運営する人)の客への配慮であったのであろう。季節外れであるが、怪談噺を一つ鑑賞してみよう。 私は今、テレビ離れをしているが、「開運!なんでも鑑定団」はよく視ている。銀河万丈氏の良い声のナレーションによる解説が知識を拡げてくれるからである。この番組で、円山応挙の作品がよく鑑定に出さ [続きを読む]
  • #11 マクラ傑作集  「その1」
  • マクラとは噺の本題に入る前に話される部分のことを言い、次のような効果を狙ったものである。①笑いを取って場の雰囲気を和らげ、聴き手の集中を促す。時にはサゲの伏線を張ることもある。②持ち時間の調節 マクラの中から傑作を集めてみよう。今回は「その1」である。★酔っていないと言う人ほど酔っているものです。「俺は酔ってなんかいないよ。そこにある2本の徳利が3本に見える時が酔っていると言うんだよ」「徳利は1本 [続きを読む]