miko-naga さん プロフィール

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miko-nagaさん: Be Clear
ハンドル名miko-naga さん
ブログタイトルBe Clear
ブログURLhttp://beclear2017.blog.fc2.com/
サイト紹介文恋愛小説中心。青春小説からアラサー女性の恋まで…2作品連載中。ゆっくり寛いでいってくださいね。
自由文「First Story-Haru-」
ずっと見てるだけでいいと思ってた。山本波留、高校三年の夏。そこから始まる?翠高校陸上部の6か月。

「Place」
何かが違う。ある日突然会社を辞めた綾乃。旅先で出会った青年、昴。2度と会うことはなかったはずなのに…。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供245回 / 266日(平均6.4回/週) - 参加 2017/09/26 21:16

miko-naga さんのブログ記事

  • 惑い -26-  見上げる(3)/Yoko
  • 会が開けば、いつもどおりのコンパの様相となる。真奈美は飲みすぎて泣き上戸になって、「先輩〜」とだれかれかまわず年上の人たちに抱きついている。橋倉くんは、どうも聖子に気があるらしい。さっきから席を隣に陣取って、一生懸命話し掛けていた。あたしは、幹事、ということで入り口の近くに席を取って忙しく立ち働いている。隣には佐野先輩がいて、ちょっと居心地が悪い。なんで、急にあんなこと言うんだろ。普通にしてろって [続きを読む]
  • 惑い -25-  見上げる(2)/Yoko
  • 大学を出て歩いて5分で駅に着いた。電車に揺られて、二つ目の駅で降りる。あたしたちの町に一番近い繁華街の真ん中に駅はある。会場まではここから歩いて10分くらいの居酒屋だ。あたしは先輩と肩を並べて歩きながら、今日のコンパに付いて打ち合わせをしていた。「会費が…4000円だろ、飲み放題付ける?」「うーん。どうでしょう。…うちの科、女の子が多いからそんなに飲まないし。いらないと思いますけど。」「そうだな。 [続きを読む]
  • 惑い -24-  見上げる(1)/Yoko
  • 「遥子、いいの?」昼休みの学食。隣でパスタをつついていたハルがいきなり言った。あたしは何のことかわけがわからずパンをくわえたまま「ふゎ」と腑抜けた声を上げた。「間抜けな顔。」ハルはぷっと笑ってそう言った。 「何よ。いきなりハルが変なこと言うからでしょ。」口に入っていたパンを飲み込んで、そう口を尖らせるとハルは急にまじめな顔になった。やだな。その表情を見た瞬間、何を言われるか、予想がついた。「教育実 [続きを読む]
  • 惑い -23-  辿る (4)/Shota
  • 3杯目の生を注文した後で、不意に笹原は話を変えた。 「お前、さっき悩み事があるって言ってたろ。」なんて言えばいいんだろう。説明するのが難しい。…それに笹原に言うべきことではないような気がした。「…はい。」遠慮がちに返事をすると、笹原は俺の方に体を向けた。「若い頃は、いろんなことで悩むもんだ。友達のこと、勉強のこと、それから恋愛のこと…。ま、どれかは良く分からんがな。」実習は、今日で終わり。2日後に [続きを読む]
  • 惑い -22-  辿る (3)/Shota
  • 「…お前見てると、俺の若いころ、思い出すな。」目の前のジョッキにはまだ半分ぐらいビールが残っている。白くなめらかな泡が大分薄くなって、蜂蜜色をした液体の中には小さな空気の粒がいくつもその中をゆっくりと昇って行った。「先生は、なんでこの道、選んだんですか?」俺は遠くを見ているような笹原に聞いてみたくなって、ぽつりと言った。笹原はこちらをふっと見ると、それから、ゆっくりと話はじめた。「そうだなあ…高校 [続きを読む]
  • 惑い -21-  辿る (2)/Shota
  • …非常に微妙な質問だった。吹っ切れたと言うには、まだアクションも起こしていない。でも、実習が始まったときみたいな悶々とした気分にはならなくなっていた。「何とも、言えません。」頭をかきながらそう言った。笹原はちら、とこちらを見た後自分のカップを持ち上げて口をつけた。湯気が口元から俺のほうへと流れてくる。「途中からは、なんだか気持ち切り替えられたみたいだからな、吹っ切れたのかと思ってたぞ。」「…微妙な [続きを読む]
  • 惑い -20-  辿る (1)/Shota
  • ばたばたとあわただしく最後の一週間は過ぎていった。笹原に何度もダメ出しを喰らいながら、何とか指導案を仕上げて俺は研究授業の日を迎えた。 実習は、今日で終わり。実習本番。とにかく、緊張した。それだけだった。授業をすることにはかなり慣れてきて、それなりにこなせるようにはなっていたが、それでも、笹原に言わせると「50点。」だった。…にやりと笑いながらではあったが。前の授業のチャイムが鳴り終わる少し前に、教 [続きを読む]
  • 惑い -19-   溶ける(4)/Shota
  • もうすっかり日の沈んだ帰り道。俺はさっき山本に言った自分の「夢」について考えている。高校時代に膨らんできた、俺の目標。榊原みたいに、才能があるわけじゃない。でも、走ることはあいつに負けないくらい好きだった。できれば走ることにずっと関わって生きていきたいと、今でも思ってる。俺は、笹原を尊敬している。緻密で、繊細だ。その外見からは想像もできないほど。選手一人一人に対してもあったかく見守りつつ、びしっと [続きを読む]
  • 惑い -18-   溶ける(3)/Shota
  • なんだか大島の元気な笑い声を聞いてると、心が軽くなった。…あの時は大島がいたからなんだかすっきりしたんだよな。仲のいい奴らにも話せなかったけど、なんか、大島には構えずに話すことができた。すっげえ、楽だったんだよな。3年も前のことをぼんやりと思い出していると、「カーン、カーン」と予鈴がなり始める。「いけねえ!」 俺は5時間目の授業の準備をしに、体育教官室へと急いで渡り廊下を走っていった。実習が始まっ [続きを読む]
  • 惑い -17-   溶ける(2)/Shota
  • 数日すると、大分人前に立つのも慣れてくる。週末には俺はちょっとは余裕を持って授業ができるようになっていた。いつのまにか残された期間はあと1週間。…ああ、もうあと一週間で終わっちゃうんだよなあ。最初は長いなあ、と思っていた実習ももう三分の二が終わる。昼食を食べ終えて、ゆっくりと渡り廊下を歩いていく。ふと、下の中庭を見ると、浩太と原が何かごちゃごちゃとやっていた。それが目に入った俺は足を止めた。緑翠の [続きを読む]
  • 惑い -16-   溶ける(1)/Shota
  • 「どうにかする」とは言ったものの、結局それからの一週間、やっぱり忙しくて俺は何もできずにいた。最初の一週間、授業は見ているだけでよかったのが、次の週には実際に授業をしないといけなくなる。初めて生徒を前にして、指示をしたり、模範演技をしたり…それだけで緊張の連続だった。当然のことながら笹原は容赦なかった。週末に寝る間も惜しんで作った指導案を、俺は月曜日にやっとの思いで提出した。笹原はそれを手にして、 [続きを読む]
  • 惑い -15-   巡る(4)/Shota
  • 1時過ぎにスタバに着いた。高校時代はこんな店なかったよな、と思いながら店のほうへと足を進める。山本は一番奥の席にいた。何となく物憂げな様子で外を見ている。…やっぱし、どう見たって、可愛い。それでも俺は高校の頃のように山本の姿に胸を弾ませることはなかった。俺が山本に振られて、榊原と山本が付き合いだして3年近くが経つ。俺自身のあの頃の淡くてまっすぐな想いは、もう過去のものになっていることにさっき、改め [続きを読む]
  • 惑い -14-   巡る(3)/Shota
  • 手に汗がじわっと広がる。…焦る。なんでこんなに緊張するんだ?自問自答してみる。でも、答えは出ない。「それで?」俺は平静を装った…それでも、ちょっと声が上ずっっているのがわかる。「…教えてくれなくてさ。あたり前っちゃあたり前だけど。…でも、遥子さんもなんか元気なくてさあ。とにかくあの二人、何かおかしいんだよね。吉田さん、何か知んない?…それ、聞きたくて。」 山本の元気のなさは大島が言ってた榊原のこと [続きを読む]
  • 惑い -13-   巡る(2)/Shota
  • 9月1日、俺の教育実習は始まった。 何の因果か山本の弟のクラスの担当になってしまった。…ま、担任が笹原だからなあ。浩太はにやにやしながら「吉田せんせえっ、よろしくお願いしまっス。」と最初のSHRの後、後ろから抱き付いてそう言った。相変わらず馴れ馴れしいヤツ。そうは思ったが、ま、憎めないんだよな。「…お前な、俺は教育実習で来てんだから、そんな馴れ馴れしくすんな。けじめつけろ、けじめ。」頭をぐっと右手で押 [続きを読む]
  • 惑い -12-   巡る(1)/Shota
  • 「それじゃ、3週間よろしくお願いします。」俺はそう言って体育教官室を出た。成人式以来、久しぶりに締めたネクタイはちょっと窮屈だった。「早いよなあ。お前が卒業して、もう3年かあ。」笹原は俺のネクタイ姿をしげしげと眺めながらそう言った。「もう、ネクタイ締めて、教育実習に来るんだもんなあ。俺も年を取るはずだよな。」そう言って笑った。 「先生、…まだ、3年ですよ。何言ってるんですか。」グラウンドの外では、 [続きを読む]
  • 惑い -11-   崩れる(4)/Yoko
  • え。どくん、と心臓が音を立てた。そんなこと知らない。聞いてないよ。そしたら、あと1ヶ月近くこっちにいるって言うことじゃ…。 あたしは、吉田の言葉を聞いて固まってしまった。口を真一文字に結んで、何も言わないあたしに吉田は少し困ったような顔をした。それから「とにかくさ、何で俺の連絡、シャットアウトしてるの。理由聞かせろよ。」ともう一度あたしに問いかけた。  「言いたくない。」即答した。自分でも思っていた [続きを読む]
  • 惑い -10-   崩れる(3)/Yoko
  • 吉田の眉根がきゅっと寄っている。明らかに不機嫌そうな、顔。なんで、と思った。でもここまで来て、逃げられない。仕方なく、ゆっくりと近づいていく。できればくるりと後ろを向いて走り去りたいくらいだった。吉田はあたしを見て少し怒ったような顔をしてた。じっとこっちを見たままだった。何にも知らないハルはニコニコしてる。「さっき、メールもらって。大学から帰るとこだ、って言ったら、今から来るからって。」あたしに向 [続きを読む]
  • 惑い -9-   崩れる(2)/Yoko
  • 逃げてるんだ。本当の気持ちを知ることから。そんなことは重々わかっていた。それでも、自分の気持ちをさらけ出すことは、きっとあいつにとって迷惑なことに違いないと思った。困った顔なんて見たくない。だから、何も言わない。会わない。そう一人で決めた。もう、夏休みも終わり。夏の陽射しは少し柔らかくなったようだ。見上げると重なった緑の葉の隙間から、光の束があたしに向かってまっすぐさしてきている。でも、射すような [続きを読む]
  • 惑い -8-   崩れる(1)/Yoko
  • ぽきん、とシャープペンの芯が折れる。「あ。」力を入れすぎているのだろうか。さっきからもう何度目だろう。ちっともレポートが進まない。もうあと数日で8月は終わってしまうのに。あの翌日、吉田はあたしを新大阪の駅まで送ってくれた。あたしたちはほとんど何も喋らなかった。ただ黙々と歩いていた。ホームまで着いて新幹線を待つ。それでも黙って突っ立っている。本当は、顔を見ることもできずに視線を新幹線の来る方向へと向 [続きを読む]
  • 惑い -7-   震える(4)/Yoko
  • 「散らかってる」という割には部屋はきちんと整頓されていた。ワンルーム、バス、トイレ付き。中に入ると、荷物を置いて吉田はエアコンをつけた。それからキッチンのほうへと入っていった。性格が、出てるなあ。部屋を見回しながらそう思っていると、「そこら辺、適当に座っといて。」と声がかかった。「おじゃまします…。」と独り言のようにつぶやき、リビングへと入る。小さな丸いテーブルに、緑色のクッション。小さめのテレビ [続きを読む]
  • 惑い -6-   震える(3)/Yoko
  • 「で、どうだったんだ?榊原。」いきなりの話題転換にあたしは面食らった。心の準備ができていなかった。何を、どう説明すればいいんだろう。わからなくて黙っていた。…さっきまで動いていた箸も止まった。ぴたり、と動きを止めたあたしを見て吉田が不思議そうな顔をした。 「どうした?」「…なんて言ったらいいのか、わからなくて。」正直にあたしは自分の気持ちを告げた。小さな声、だったけど。吉田も箸を止めた。それからち [続きを読む]
  • 惑い -5-   震える(2)/Yoko
  • 結局言われるとおりに新幹線の時間を確認して、吉田にメールを打った。”6時過ぎに着くから”  何か、変な感じだった。朝からは「関係ない」って言われたみたいで無性に腹が立った。もういいって思った。それでも、あたしが落ち込んでたときに声を聞いたら、…ほっとした。いつもの自分に少しだけ戻れた気がした。吉田とは高校3年のときに同じクラスになって、意気投合した。あたしが1年のときは陸上部のマネージャーをしてた [続きを読む]
  • 惑い -4-   震える(1)/Yoko
  • とぼとぼと駅に向かって歩く。あんなに息巻いて出てきたのが嘘のように、あたしは すごく重たいものを抱えていた。一生懸命歩いているつもりなのに、足が前に進まない。あんなに、二人とも大事に思ってるのに、どこですれ違っちゃったんだろう。頭をかきむしる榊原が目の前に甦ってくる。チクリ、と、胸が痛む。ハルには、言えない。言える訳ない。ハルのことで榊原が悩んでるだなんて。そんなことを言ったらハルはきっとまた考え [続きを読む]
  • 惑い -3-   揺れる(3)/Yoko
  • 「あ。榊原。」 ぽろり、とあたしの口からこぼれてきた声に目の前の彼女が反応する。 振り返る。表情がぱっとにこやかに変わる。急いで走り寄って行く。…やっぱり、この子か。榊原はゆっくりとこちらに近づいてきていた。気配に顔を上げ、彼女の姿を見て一瞬、足を止めた。表情はまだ分からない。榊原の横に走り寄った彼女は話しかける。あたしはさっき彼女と話していた場所に、そのまま立っている。二人の方を見ながら。榊原はゆ [続きを読む]
  • 惑い -2-   揺れる(2)/Yoko
  • 駅について時計を見ると、新幹線に乗り込むまで、あと20分ぐらいあった。あたしはふと思いついて携帯を取り出して電話をかけた。数回のコールの後に、目的の相手が出る。「もしもし?」「あ、何?大島?いきなりどうした?」吉田はあたしの突然の電話に素っ頓狂な声をあげた。数ヶ月に一回ぐらいは電話をしているけど、こんなに朝早くかけることはめったにない。多分、寝起きの声だ。「あ、あたし今から榊原に会いに行くんだけど [続きを読む]