真宮寺八雲 さん プロフィール

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真宮寺八雲さん: 戦国の世は御伽草子の如く
ハンドル名真宮寺八雲 さん
ブログタイトル戦国の世は御伽草子の如く
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/s_yakumo
サイト紹介文信長の野望オンライン10年ぶりの帰参者です。世界の事柄を題材に小説風に綴ります。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供178回 / 117日(平均10.6回/週) - 参加 2017/09/27 12:17

真宮寺八雲 さんのブログ記事

  • 蛇王の封印 九
  • 《昔の話》太古より、蛇は人々の間で、水の神、不死の象徴などと祀られてきたという。その昔、三河地において、神格を得た二匹の蛇がいた。それぞれ、いずれ蛇神、蛇王と呼ばれる存在となるが、その頃はまだ若き相貌の者たちであった。互いを友と認め、切磋琢磨し合い、更なる高みを目指し、修行の日々を送っていた。ある日、一人が山の中で美しい人間の娘と出会う。山歩きの途中で足を挫き、困っていたところを助けてやった。見目 [続きを読む]
  • 蛇王の封印 八
  • 《蛇王と蛇神》姫巫女の言葉を受けて、狩衣の男が初めて口を開く。「随分と無礼な娘だな。この蛇神が偽物と申すのか?」姫巫女は、それに答えずに、側の将監に向かい何かを囁いた。一瞬、驚いた表情を見せる将監であったが、「将監、どうか姫を信じてたも?」「少し驚いただけです。姫巫女様、もちろん信じますよ」そう言って微笑んだ。将監は、ゆっくりと歩き出し、男の前に立つと、「…失礼いたす」一瞬で腰の刀を抜き、男の胴を [続きを読む]
  • 蛇王の封印 七
  • 《白岩の蛇神》「違います、姫様。ポンポンポポン♪ではなく、ポンポンポポン?です。もう…まったく変わってらっしゃいませんね」桔梗の呆れたような声に、ふくれっ面の姫巫女がボソッと呟いた。「…なにも、こんな時に稽古などしなくとも…」「何かおっしゃいました?」「いや?何でもないのじゃ?」尾張と三河は隣同士。那古野の鍛冶屋から聞いた情報によると、三河に蛇王を封じた僧の末裔がいるらしい。三河の都市、岡崎までの [続きを読む]
  • 蛇王の封印 六
  • 《供物》「は、はいぃ!申し訳ありませんでした!!」和泉の前で頭を地面に擦り付けている男。昨日、稲葉山の道場にて、和泉たちを襲ってきた男である。「私、鍛冶屋の桐生無二斎と申します。蛇王に取り憑かれたところを、貴方様に貰っていただいて嬉しいです。助けていただきありがとうございます!」ひどく勝手なことを言う男だ。「ふざけんなよ!こっちだっていらねえんだよ、返すから仲良くやってくれ」「え〜?!そんなぁ…そ [続きを読む]
  • 蛇王の封印 五
  • 《覚円》姫巫女のしゃくりあげる声。それ以外、沈黙に包まれた部屋。それを破ったのは、意外にも普段は寡黙な将監であった。「…姫巫女さま、失礼いたします」そう言って、将監は姫巫女の片方の頬を摘んだ。ギュッと。結構、強めに。突然のことに、姫巫女は振り払うことも忘れ、涙目で抗議する。「ひ、ひらひ、ひょうえん、はひふるほりゃ?」『い、いたい、将監、何するのじゃ』か?「ふふっ、この場にアイツがいたら、きっとこう [続きを読む]
  • 蛇王の封印 四
  • 《閉じられた門》姫巫女の語る内容、それは二人に衝撃を与えた。沈痛な面持ちで…桔梗に寄り添われて…姫巫女は語るも辛い話を続ける。「和泉の言う通り、あの者の魔力のせいなのか、桔梗と対話することができなんだ。姫は急いで、ここに向かって走ったのじゃが…」「通れない?!なぜじゃ?」肩で息をしながら、姫巫女は関所を守る兵に詰め寄る。二人いた兵のうち、年配の者が、その理由を話す。「斎藤、織田の間で、合戦が行われ [続きを読む]
  • 蛇王の封印 参
  • 《依り代》「和泉!和泉!!」姫巫女は名を叫びながら、和泉の側に駆け寄る。腹から背中に突き抜けた刀剣。しかし、不思議なことに、全く血が流れる様子がない。が、目の前の出来事に気が動転している姫巫女には、それに気がつくゆとりはなかった。「…く、ぐぁっ?!」顔をしかめて、苦しむ和泉。膝をおり、屈み込んだところへ、姫巫女は肩に手を当て、また呼びかける。「しっかりするのじゃ、和泉!」その時、信じられないことが [続きを読む]
  • 蛇王の封印 弐
  • 《発端》日が落ちてから、だいぶ経つ。わずかな灯りだけが揺れる一室で、桔梗は眠り続ける姫巫女の側に座っていた。静かな寝息をたて眠っている彼女。あどけない寝顔は、あの春日山で、ともに過ごしてきた時と同じ。だが、微笑ましく眺めていたあの頃と違い、今はただ、不安な思いにかられながら、じっとその様子を伺っている。運ばれた薬座にて、姫巫女の治療が行われたが、調べたところ、特に目立った外傷はなく、衣の血痕は獣の [続きを読む]
  • 幕間 創作現場
  • ☆御伽草子創作について小話風に。お気軽にどうぞ♪「うあー、これは気持ちいい」ヒンヤリとした感触を目に感じながら、どこから出るのか、不思議な声が出た。私の顔には目隠しのような、四角い湿布がはられ、嗅いでいると気分が落ち着く、とても良い香りが広がっている。目の疲れをとるために、特別に作ってもらった軟膏と湿布だ。作ってくれたのは、「でしょ?そのまま、触らないでいるのよ。しっかり休めないとダメ」と、横にな [続きを読む]
  • 蛇王の封印 壱
  • 《蘇る鼓動》その日、桔梗はいつもよりも早く目が覚めた。日が昇り始めた那古野の町。澄んだ空気の中、ゆっくりと歩き始める、今日という一日。射し込む朝日に目を細めながら、桔梗の顔に自然と笑顔が浮かぶ。やっと、お会いできる。修行の一環として、そして、彼女自身もそれを望むだろうと、あえて時間をかけた那古野までの旅路。後悔したわけではないが、早く、あの笑顔を見たいと思いは募った。今日、姫巫女が和泉とともに到着 [続きを読む]
  • 特別な価値 結
  • 《越中へ》「…あ、あれ?」思わず溢れる涙、私は慌ててそれを拭った。その様子を見て、色葉は、ふふっと笑う。「八雲のことだから、そんなことじゃないかと思ったわ。…無理しないのよ。心の傷は我慢するほど深くなるもの」何という方だ。私は観念して、色葉に言葉を紡ぐ。「あの人のしたこと、もちろん許せるものではありませんでした。しかし、それ以上に、そんな状況を作り出していた、油断していた自分に腹が立ちました。大切 [続きを読む]
  • 特別な価値 九
  • 《色葉の治療》なんだ?なんなのだ?!この男の気迫は!才蔵は懐剣を構えたまま、ジリジリと間合いを伺う。何か手があるわけではない。必要最低限の事をするしかない状況、ただそれだけである。逃げる、か。その考えが浮かんだ瞬間、八雲がそれを見越したかのように、不用意に見える一歩を踏み出す。しまった!才蔵がそう思った時には、時すでに遅し。術士の隙と身体が判断して、才蔵は反射的な攻撃にでる。正面から八雲の首元めが [続きを読む]
  • 特別な価値 八
  • 《八雲》「やりました!八雲様」三人が笑顔で、私の元へと駆けてきた。結界の中で、私は立ち上がる。「さすがですね。三人とも、お見事でした」そんな私の言葉に、かえでも、もみじも、いずみも笑顔で頷く。「あ、八雲様。今、あの者に結界を解かせますから、少々お待ちくださいね」「でも、かえで。あの様子で、話せるのか?アイツ」背後に倒れる、骸になりかけの忍び、才蔵をもみじは指差して言った。その時、いずみがクスクスと [続きを読む]
  • 特別な価値 七
  • 《いずみの決断》「ねぇ、まだやるのですか?」どう見ても疲労困憊の才蔵に、かえでが呆れて声をかける。「やらいでか!今度こそ目にもの見せてくれるから…」最初の声こそ、威勢のいい才蔵だったが、いずみに平伏すると、「お嬢さん、お願いですから、詠唱を待ってください。この通りです」驚くいずみに、そう懇願した。もう、必死である。いずみは一瞬キョトンとした表情を浮かべるが、「いいよ、おじちゃん。唱え終わるまで、待 [続きを読む]
  • 特別な価値 六
  • 《げっ歯類》かえで、もみじ、いずみの三人が、互いの手を合わせて喜び合っている中、「…ぶはぁ!はぁ、はぁ!」飛び跳ねるような動きで、才蔵が立ち上がった。肩で息をしながら、今度は咳き込んでいる。いつのまにか、忍者に戻ったようだ。「あれ?死んだかと思ったら、あいつ生きてたね?」「当たり前でしょう?私がそんな失敗するわけないじゃない」「かえでお姉ちゃん、すごーい!」「すごくなーい!!」そんな、才蔵の怒鳴り [続きを読む]
  • 特別な価値 伍
  • 《抜け忍の頼み》「八雲さま、大丈夫?」いずみが結界に近づいて、心配そうな顔で、私に声をかけた。「大丈夫ですよ、いずみ。ちょっと、耳を…結界に触れないようにね」恐る恐る顔を寄せた彼女に、ある事を伝える。それを聞いた いずみはパァっと明るい表情に変わり、「じゃあ、頑張ってくるね!」と、かえで達の方へと駆けて行った。「で?!どうやって勝負するの?さっさと言いなさい!」手にした刀剣をクルリと回しながら、怒 [続きを読む]
  • 特別な価値 四
  • 《かえで、もみじ、いずみ》とぅおぅ!!と、微妙な掛け声とともに、才蔵は高台から飛び降りた。「…抜け忍って。そんな大っぴらに名乗っていいのですか?」呆れる私に、才蔵は胸を張って答える。「オレは一匹狼。群れるのは性に合わんのだ」「いや、この前はしっかり盗賊の仲間になってましたよね?」「あれは、オレの仮の姿だ。本来のオレは、一人羽ばたく鷹の如し!」フラフラ、フラフラと…狼か鷹か、どちらかにしてもらいたい [続きを読む]
  • 特別な価値 参
  • 《三輪山》三輪山(みわやま)奈良盆地の南東に位置する、なだらかな円錐型の山だ。その雄大な佇まいに、人々からははるか昔より「神宿る山」言われ、山そのものが御神体として崇められてきた。そのため、神官や僧侶以外は足を踏み入れられない、禁足の山とされたという。古代より、人々の心の拠り所であった三輪山。その昔、戦いに敗れ、故郷を去らねばならない額田王(ぬかたのおほきみ)が読んだ歌にもある。『三輪山を しかも [続きを読む]
  • 特別な価値 弐
  • 《奪われた目録》私の目の前で、深々と平伏しながら、家臣団目付役どのが言う。いや、叫ぶ、と表現しても良いほどの悲痛な声だった。「八雲様、誠に申し訳ございません!!」横に並んで、かえで、もみじ、いずみの三人が座り、同じく悲しげな表情で俯いている。いずみに至っては、未だにポロポロと涙を流し、先ほどと同じように色葉に拭いてもらっていた。お世話をかけます。私の隣に座る雪音も心配そうにそれをみている。ご心配を [続きを読む]
  • 特別な価値 壱
  • 《桜花への客人》「八雲さま!」桜花の城門をくぐった私を最初に迎えてくれたのは、家臣のいずみだった。側にはお供犬のあずき、そして猫のだいずの姿も見える。この三人は特に仲が良い。今日も一緒に遊んでいたのだろう、と思う。「おかえりなさい!八雲さま。お仕事、うまくできたの?」そう言いながら、近づいて来た いずみに、「ええ。後ろの方々のおかげでね」私はそう言って、一緒にいた色葉、雪音の二人に目を向けた。私の [続きを読む]
  • 評定依頼 一つ屋の鬼婆 結
  • 《新たな旅へ 後編》夕暮れ近づく、とある村の畑にて。「お菊ちゃん、それくらいでいいよ。ありがとうね、助かったよ」中年の女性に声をかけられて、少女はニッコリと笑った。「はぁい。じゃあ、また明日来るね」「うん。そのカゴの野菜は持っていっておくれ。汁物にして食べるといいよ」指差す先には、中身がいっぱいに詰まったカゴが置かれていた。「いいの?こんなにたくさん」「うん。お菊ちゃん、具合良くなってから、そんな [続きを読む]
  • 評定依頼 一つ屋の鬼婆 結
  • 《新たな旅へ 中編》「ここ、と…これで最後ですね」各所から剥がしてきた、お札の数を確認する。「ひの、ふの、み…あれ?一枚足りない?まずいですね、どこに…」廊下で一人、こめかみを指で掻きながら、もう一度思い出す。その時、「八雲!やーくーもー!!」超大声で私を呼ぶ声が聞こえる。あれでは、ここ、村長殿の家にいる全ての者が聞こえているに違いない。パタパタと足音が聞こえてきた。「あ、いたいた。八雲、あの子が [続きを読む]
  • 評定依頼 一つ屋の鬼婆 結
  • 《新たな旅へ 前編》常世の闘いの後。鬼の身体は、だんだんと小さくなったかと思うとまるでチリのように散っていった。そして、あとには、一人の女性の姿。先刻、瘴気に呑まれた精霊である。横たわる彼女の身体は、どこも傷だらけで衣服も血や泥にまみれていた。先に駆け出したのは色葉だった。そばに跪くと、彼女の上体を抱き起す。「精霊さま、しっかりしてください!」色葉の声に、精霊はうっすらと目を開けた。「…ありがとう [続きを読む]
  • 評定依頼 一つ屋の鬼婆 十二」
  • 《決着の時》「声は聞こえていたでござるからな。お名前は存じてござるよ。はじめまして、色葉殿。拙者、虎空と申す、忍びにござる」笑顔で差し出す虎空殿の手を、色葉は呆気にとられた表情で握り返す。「はあ、どうも、はじめまして…」「俺は陸奥和泉だ。よろしくな」和泉殿は鉄砲を肩にかけると、ニカっと笑いながら自己紹介をする。「はい、よろしくお願いします」こちらにも、同様の反応をする色葉。まあ、無理もありませんね [続きを読む]
  • 評定依頼 一つ屋の鬼婆 十一
  • 《助太刀》鬼婆は、金縛りにすくむ雪音の正面に立つと、コォォォォ…その大きな口を開き、すごい勢いで周りの空気を吸い込んでいく。雪音の髪も、それに引かれるように、前へと流れていった。これは…まずい!先にくる攻撃に気づいた雪音は、何とか逃れようと、身体をよじるが、金縛りを解くにはいたらない。間も無く吸引が止まり、準備動作を終えた鬼婆から青白い光が浮かび上がった。次の瞬間、ゴオオオオオォォォ!!凄まじい冷 [続きを読む]