真宮寺八雲 さん プロフィール

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真宮寺八雲さん: 信おん御伽草子(名称変更しました)
ハンドル名真宮寺八雲 さん
ブログタイトル信おん御伽草子(名称変更しました)
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/s_yakumo
サイト紹介文信ONの世界を舞台にオリジナルの小説を書いております。楽しんでいただけると幸いです^_^
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供293回 / 365日(平均5.6回/週) - 参加 2017/09/27 12:17

真宮寺八雲 さんのブログ記事

  • 幕間 安土麦酒祭り 後編
  • 《安土麦酒祭り 後編》「ちょっと、雷斧さんっ!なんで姫ちゃんに飲ませたのよ!大変なことになるでしょ?!」雷斧の襟首を掴んで、前後に揺さぶりながら真希が怒鳴る。真希や雷斧の親しい友人であり、ともに冒険に出かける仲間の一人。『神霊姫巫女』という名の、巫女の少女だ。少し口調が変わっており、どことなく偉そ…コホン…いや、気品があるような無いよな、とにかく変わった娘なのである。そんな彼女だが、極端に酒に弱く [続きを読む]
  • 幕間 安土麦酒祭り 前編
  • 《安土麦酒祭り 前編》「ふぅ、すっかり遅くなっちゃったわね」ため息一つつきながら、真希は安土への門をくぐった。日はすっかり傾き、その一部を山の陰に隠し、それに次いで空の色も、茜色から深い紺色へと変わろうとしている。姉君から頼み事という名の命令を受けて、真希は『あるもの』の収集へと出かけていた。腰に下げた袋が、歩く拍子にチャリっと小さな音を立てている。中に入っているのは、様々な種類の『宝玉』それも、 [続きを読む]
  • 槌打つ響き 五 「盗まれたもの」
  • 《盗まれたもの》貫兵衞を助けてくれ。弟子の男は、たしかにそう言った。鍛冶屋にしては、随分と線の細い弟子の男。伏し目がちの、その表情は悲壮感に溢れ、なで肩の肩を、更にガックリと落としている。助けを求める理由が、当然、皆目見当もつかないので、「助けるって…一体どういうことだ?」当然、和泉は弟子に、そう尋ねた。町に戻る足を止めて、和泉が弟子の口から聞いた話は、次の通りである。「師匠の貫兵衞は、鉄砲を作ら [続きを読む]
  • 槌打つ響き 参 「受注不可」
  • 《受注不可》聞いた話によると、この辺のはずだがなぁ…小谷の門をくぐり街道へ。その後、山の中へと続く小道を和泉は歩いていた。そう険しくない、なだらかな坂道だが、額には汗が浮かび、少し息も切れる。「…はぁ、はぁ。…それ見たことか、と言われちまうな」和泉は立ち止まって、そう独言る。胸に手を当てて、ゆっくりと呼吸を整えた。何度も言うようだが、和泉や姫巫女たちが、この小谷に滞在している理由は、和泉と将監の、 [続きを読む]
  • 槌打つ響き 参 「噂の鍛冶屋」
  • 《噂の鍛冶屋》前回の『再会』に合わせ、こちらの場所、こちらの方々にも、『再会』が訪れていた。「…何でお前がここにいるんだよ?」しかめっ面の和泉。あまり嬉しい再会ではない…のだろうか?そんな和泉の様子を完全に無視して、上機嫌で声をかけてくるのは、この男である。「おおおおお?!『もつにこみ』さんじゃないですかぁ!」「誰が『もつ煮込み』だよ?!陸奥和泉だ、む、つ、い、ず、み!!」「ああ、それそれ!そうだ [続きを読む]
  • 槌打つ響き 弐 「再会」
  • 《再会》宿屋を飛び出した姫巫女。和泉を追うべく、鍛冶場の方へ足を向ける。向けようとした。したのだが…「…鍛冶場はどこじゃろ?」そう。慣れない街の中。何処に何の施設があるかなど、姫巫女が知る由もないのだ。「和泉ならば、匂いだけで鍛冶場に向かっていそうじゃが、そうもいかぬものな」犬じゃねぇよ!という文句が大声で聞こえてきそうだが…キョロキョロと辺りを見回し、詳しそうな者を探す。幸い宿場は、門前からほど [続きを読む]
  • 槌打つ響き 壱 「安静に」
  • 《安静に》ここは近江の国は小谷。穏やかな風が流れるこの国は、近畿圏から東国への通りが良く、商売の為、生産の為と、多くの人々が行き交う場所である。また、この場所は日本一の鍛治大国としても知られ、各地から職人が腕を磨くために、やって来るのだとか。そんなところに、越後の鍛冶屋、陸奥和泉が来ているわけだが、本来なら帰郷途中の宿泊場。一晩休んだ後に、すぐさま隣の越前を目指す予定であった。そうならずに、数日の [続きを読む]
  • 幕間 友と語らう
  • 《友と語らう》この『御伽草子』ですが、信オンの世界が舞台、は、もちろんのこと、お話の題材も、ゲームの中から頂戴してます。お供のあずきたちの事だったり、家臣団の皆さんだったり。これからも描き続けるにあたって、私の夢、そうですね…言うなれば、八雲の野望wは『絵巻を小説で制覇』世界に点在する様々な依頼を題材として、各お話を書いております。流れとしては、まず一回依頼などをプレイしてみる。その際に、セリフな [続きを読む]
  • 幕間 四季を巡りて
  • 《四季を巡りて》などと、格好つけた副題がついておりますが…一年、この御伽草子を続けられたこと、一年、素敵な皆様と過ごせたこと、一年、楽しく戦国の世界を旅したこと、それを思い返して、浮かんだ言葉が、こちらでございます。幕間として、どんな事を書こうかと悩みましたが、最初の頃から、今までを振り返ってみようかと思いまして。もしも、お時間がありましたら、お付き合い頂けますと幸いです。このブログを立ち上げた経 [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 結 「虎狩り」
  • 《虎狩り》まるで、正反対。先ほどまで、闘気に溢れていた、屋敷の庭先では、「だ、だめ!離しちゃだめよ?!翔太!」「大丈夫だよ。離さないし、大人しい馬だから」カッポ、カッポと蹄の音軽やかに、一頭の馬が、ゆっくりと歩いていた。背に乗るのは、不安と楽しさが入り混じった、いや、実に子供らしく嬉しそうな表情の理夢。その横を歩きながら、手綱を手に馬を誘導する翔太。時折、理夢の方を見上げては、これまた素敵な笑顔を [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 十四 「上泉 信綱」
  • 《上泉 信綱》屋敷の軒先から、理夢と翔太は裸足で庭へ降り立つ。急いで、彼らの元へ行き、その誤解を解かなくては…はやる気持ちが足へと伝わり小走りに、そして駆け足で、その場へと向かう。とある建物の陰から飛び出し、眼前に広がる戦いの光景。「翠銀っ!!」理夢の叫びが届くよりも速く、虎空と翠銀の間合いは無くなった。振り下ろす虎空の小太刀は、翠銀の身体を肩口から袈裟斬りに。突き出された、翠銀の鋭い爪は、虎空の [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 十三 「刹那の輝き」
  • 《刹那の輝き》屋敷の廊下を、小さな足音が二人分。少し急いだ様子で響いている。一人は浮かない表情の少年。もう一人は…いや、もう一人も、同じような表情で、少年を先導し歩いていく。私の声が聞こえていないなんて、まるで、『あの時』と一緒じゃない…思い出したくない光景が頭に浮かび、理夢はギュッと、拳を固く握りしめた。「…くっ!」突き出される掌底を、翠銀は身を翻し、紙一重で避けた。速い…!わざと、そのように回 [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 十二 「正しい合言葉」
  • 《正しい合言葉》りちうむ屋敷の門前に、一人の男が訪れる。腰に二刀を差しているところから、おそらくは侍。着ているものに派手さはないが、その材質、つくりは相当上質なものと分かる。伸びた背筋に乱れぬ歩調。目ぶかに傘を被り、その顔を伺い知ることはできない。男は軽く辺りを見回した後、パンパン!と、二回手を打った。すると、どこからともなく、一羽の鳥が現れた。そう、ご想像の通り、例のあの鳥である。「ホウモンシャ [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 十一 「勘違い」
  • 《勘違い》目の前に現れた影。銀色の輝き眩しい烏天狗、翠銀は、音もなく地へ降り立った。その元へ、先刻まで虎空たちと戦闘を繰り広げていた、大熊が近づいていく。そして、まるで子犬のように、その身体を翠銀に擦り付けた。「…いい子ね。ここは任せて、あなたは行きなさい」翠銀は、その頭を優しく撫でて耳元で囁く。それを聞いた大熊は、重い足音を響かせながら、何処かへと走り去っていった。そんなやりとりを、虎空は戦闘の [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 拾 「翠銀」
  • 《翠銀》それは、手元に残った最後の一矢だった。残りの矢は、崩壊した納屋の下敷きとなってしまっている。瓦礫の山、その側に座り込んでいる由美は、一旦、その弓を下ろした。「…い、つっ!」右足首に激しい痛みが走り、由美は思わず、顔をしかめる。なんとか、屋根や柱に潰されずにすんだ由美だったが、回避の際、何かが足を打ち付けたのだろう。恐らく、骨にも影響している。その怪我により、由美は立ち上がること叶わず、それ [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 九 「連携への一射」
  • 《連携への一射》明るく照らされた室内を、翔太は、不思議そうに見回す。部屋のつくりは、普通の家屋と同じであるが、なんだろう?どことなく落ち着かない。! そうだ…「ねぇ、理夢。どうして、この部屋はこんなに明るいんだ?」正面に座っている少女、理夢は、ああ、と頷いた後に、部屋の隅にある行灯を指差して答える。「あれのおかげよ。蝋燭ではなく、電気の光が灯っているの」「でん、き?」「うん。簡単にいうと雷の力ね」 [続きを読む]
  • 番外 質問箱への回答
  • 《質問箱への回答》物語の途中ですが、一旦、こちらのページをはさみます。通常、外来語などの表記を規制している御伽草子ですが、今回はそちらを解除します。これは、筆者としての真宮寺八雲より、お話しさせて頂こうという我儘でございます。何卒、ご容赦のほどを…先日、ツイッター連動の質問箱に、『御伽草子はどんな理由で始めたのか?いつ頃、何年前から始めているのか?』という、大変嬉しいご質問をいただきました。あの質 [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 八 「満身創痍」
  • 《満身創痍》大きく破られた納屋の壁。支えを失った屋根のあちこちから、木の軋む音が聞こえてくる。「一体…?!」そちらに目を向けた虎空の言葉が止まる。舞い散る埃と木屑が煙る中、壁にあけられた大穴の向こう側に、何か巨大なものが立っていた。「…グォオオ…」低い唸り声を上げるそれは、黒い毛皮をもつ大熊。荒い息を吐きながら、不思議な、赤い眼光を輝かせている。まだ、こちらの場所を把握していないのか、大熊は仁王立 [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 七 「からくり」
  • 《からくり》虎空たちが、前橋の町で出会った少年。彼は、大泉龍童の暴言に触発され、単身で危険と噂の廃屋敷へとやって来た。この屋敷から、探検をして来たという、証を手に入れるために。硬く閉ざされた門を迂回し、壁に空いた小さな穴から中に侵入する。そして…そこは、薄暗い部屋の中。少年はそこで身体を横たえていた。瞳を閉じて、静かに寝息をたてている。部屋に窓などはなく、外からの光は一切入ってこない。畳に置かれた [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 六 「シンニュウシャ コクウ」
  • 《シンニュ…以下略》信じられない…は言い過ぎか。何せ鬼や妖怪が闊歩する戦国世界である。言葉を喋る鳥の一羽や百羽、目の前に現れたとて、ちょっと驚くぐらい…なのだろうか?仕切り直そう。そう…『思いがけない』状況に、虎空たちは言葉を失う。近くの木の枝に止まった小鳥は、軽く首をかしげるような仕草を見せた後に、再び言葉を発する。『サイシュウツウコク、アイコトバヲノベヨ』抑揚のない不気味な声。その中に、『アイ [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 伍 「敵の姿」
  • 《敵の姿》残念ながら、どうやら少し遅かったようである。虎空と由美は、道の脇に繋がれた馬の姿を見つけて、心の中でため息をついた。彼らの想いとは裏腹に、のんびりと草を食む馬。この馬が少年が乗ってきたものであることは、間違いないだろう。優しい黒い瞳が、虎空たちを静かに見つめていた。そして、その後方。まず目につくのは、古く朽ちかけた大きな門。そして、横に伸びていく、汚れた白壁の塀だ。『りちうむ屋敷』という [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 四 「噂話」
  • 《噂話》その屋敷がいつ頃からあるか。詳細を知る者は誰もいない。上野という土地には、グルリと円を描くように街道が通っており、前橋の町もまた、その街道沿いに存在する。その南から枝分かれした街道は武蔵へ。北の分岐の先は越後。そして、西の先は真田庄へと繋がっている。そんな円状の街道。前橋の反対側、つまりは西の方向に、地元の人間が近づかない、怪しい屋敷があるという。街道から、更に西に伸びる一本の道。人が通ら [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 参 「後悔」
  • 《後悔》場面転換に便利な一文。『一方その頃』今回は、それを二回ほど使ってみようか。では、早速…一方その頃。虎空、由美の暮らす拠点の町では、一人の薬師が病に臥せっていた。…などと書くと、病状はひどく重いように聞こえるが、「ったく、ただの腹痛だろう?」 横に座る陰陽師のタケルが呆れたように言う。「意地汚く食べ過ぎるからだよ。…ほれ、水」 湯呑みに入れられた水を差し出すと、臥せってる薬師こと、ミコトが上体 [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 弐 「前橋」
  • 《前橋》前橋の神社にて行われた神事は、『神矢奉納の儀』と呼ばれ、清められた矢を神々に納めることで、民や町の平安を願うものだと言う。的に目掛けて矢を放ち、その成功具合によって吉兆を占うのだが、この的が曲者で、通常よりもかなり遠くのもの、あるいは小さなものなどが用意されている。そうなると、ご想像の通り、人々の運勢を握るのは、射手となる神主や巫女の腕次第。自然とその射手依頼は、実力確かな流派に殺到するこ [続きを読む]
  • 剣聖との腕くらべ 壱 「兄からの手紙」
  • 《兄からの手紙》上野と書いて、『こうずけ』真田庄、武蔵、越後に繋がる山あいの土地で、かの上杉謙信が治める国である。「のんびりとした、いい町にござるなぁ」やって来た感想として、穏やかな表情をした虎空が一人つぶやくほど。そんな『いい町」の名前は『前橋』上野の、ほぼ中心に位置する、この町に、虎空は、ある用事のために来ている。その用事とは…タンッ!!的に突き刺さる矢の音が響くと、同時に大きな歓声が沸き起こ [続きを読む]