飴羊羹 さん プロフィール

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飴羊羹さん: 思考のかけら
ハンドル名飴羊羹 さん
ブログタイトル思考のかけら
ブログURLhttp://ame-youkan.hatenablog.com/
サイト紹介文日々頭に浮かんだことを、徒然に雑然と書いていきます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供84回 / 141日(平均4.2回/週) - 参加 2017/10/04 22:12

飴羊羹 さんのブログ記事

  • 老師との対話「種蒔き④」
  • 老師いやはや、ありがとう。君からこんなに長い演説を聞けるとは思っていなかったから、少し驚いてしまったよ。しかし君としては、私を驚かしてやろう、というよりは、早いところ自分の考えを言い切ってしまって、出来る限り速やかにこの場を後にしたいと思っての演説だったのではないかね?若者見透かされていたようですね。実のところはそうです。いつもならば駅の改札を過ぎている時間になってきましたからね。老師君が急 [続きを読む]
  • 強風と少年
  • とても風の強い日のことです。ある心優しい少年が一人で街を歩いていました。歩道の脇には、強風に倒された自転車が沢山地べたに寝そべっていました。周りには沢山の人が歩いていたのですが、誰一人として自転車を起こそうとはしません。少年は不思議に思いました。学校の先生が、「困っている人がいたら、通り過ぎたりせずに優しく手を差し伸べましょう」と言っていたことを思い出したからです。きっと目の前で倒れている自転車達 [続きを読む]
  • 女たちのバレンタイン
  • 明美の働く部署は、男性2人に女性3人の、合計5人で構成されている。その女性のうちの1人が、ここでは係長を務めている。もう1人の女性は、明美より2年先輩の、智子である。そして明美は、去年の春に入社したばかりの新入社員である。2月14日のことである。明美は自慢の手作りチョコを職場に持参してきた。といってもわざわざ職場の人間のためだけに気合を入れて用意したものではなく、彼氏用の本命チョコを作ったときについでに作 [続きを読む]
  • 老師との対話「種蒔き③」
  • 若者はい、まだあります。抜け落ちていた第二の点は、その種が蒔かれる土地の種類への言及です。先程は種の種類について触れましたが、それら多種多様な種と同様に、種を受け取る土地もまた多種多様であるということです。一口に土地と言いましても、それらは温暖な気候や寒冷な気候、また空気の薄い高所であったり湿地帯のような低所であったり、実に様々な環境の元に置かれているわけです。そしてこれらの環境が異なれば、そこ [続きを読む]
  • 老師との対話「種蒔き②」
  • 老師どんな重大な点を見落としていただろう?若者それを取り上げる前に確認しておきたいのですが、種蒔き人によって蒔かれる種というのは、まさしく教育者が施す知恵のようなものと考えて間違いないでしょうか?老師もちろん私もそのように考えているよ。蒔かれる種によって、つまり与えられる知恵によって、教育を受ける者は自身を成長させる。若者ありがとうございます。それでは、私が思う見落としのまず一つ目は、蒔かれ [続きを読む]
  • 老師との対話「種蒔き①」
  • 老師おはよう。こんな朝早くに呼び起こして申し訳ないと思っているんだが、取り急ぎどうしても君の意見を聞きたくなったのだ。今すぐでなければ、私の考えが頭からするりと逃げ出してしまいそうなのだ。若者おはようございます。珍しいこともあるものですね、いつもなら僕の方から老師さまをお呼び出しするところなのですが。これから出勤なので、できれば手短にお願いしますね。老師年甲斐もなくはしゃいですまないが、では早 [続きを読む]
  • 老師との対話「砂つぶ」
  • 若者老師さま、私には悩みがあるのです。老師何でも話してくれたまえ。年寄りの一番の楽しみは、若い人の話し相手になることなのだから。若者ありがとうございます。最近特に思うことがあるのです。それは、私は結局何者にもなれないのではないか、ということです。老師若い人なら必ず持つ悩みだよ。特に君のような若い男ならばね。若者私は今、会社に雇用されています。いわゆるサラリーマンというやつで、日本人の大多数 [続きを読む]
  • マンホール
  • よく雨が降った日の翌日のホームルームで、太郎の在籍する3年2組の担任教師である南は、いつも生徒に見せる和やかな笑顔を浮かべながら全員に向かって話した。「昨日はすごい大雨でした。土砂降りで洪水のような日は、マンホールが開いてしまうこともあります。あんなところに入ったら、皆さんではきっともう出てこれません。くれぐれも日頃からマンホールには近づかないようにしてください。今日のホームルームはこれで終わりです [続きを読む]
  • 初詣
  • 年が明けて頭に浮かぶ共通の大行事としては、初詣がまず挙げられる。日頃は信心深くない大多数の日本人も、この時期は皆で示し合わせたかのように神を信じるか、信じているような気になる。よしんば全く神を信じていなくとも、初詣という行為自体に意味を見出す人もいる。大行列に並ぶこともいとわず、むしろ親族や友人と待機時間を楽しむことを望むかのように神社へ向かう。並んでいる間に新年への期待を胸いっぱいに思い描き、そ [続きを読む]
  • 年の瀬の街並み
  • 急ぐ車。普段の通勤時間に見られるような飛ばし方ではない。嫌々ながら走っているわけではない。向かう先に早く着きたいという、喜ばしい期待感にあふれている。窓越しに見える車内の顔も、優しくほころんでいるようだ。郵便局。年内に郵便窓口に駆け込む人々。手に持つのは年賀状だけではない。あの大きな包みには何が入っている?その笑顔は誰のために?大切な人に何かを送っているのだろう。この施設を最も有効に活用している [続きを読む]
  • 昔話 井戸を掘る男
  • 「おばあちゃん、何かお話して。」こっちへおいで。昔話を聞かせてあげようね。昔あるところに、二つの井戸を持つ村があったんだ。どちらの井戸も村長さんのものでね、それぞれが二人の息子達に一つずつ管理されていたんだ。兄も弟も村人達に慕われて、どちらが次の村長になるかと皆が話題にしていたもんさ。兄の方は熱血漢で気配りができてね、誰とでもすぐ打ち解けられる明るい性格が皆の人気だった。まさに男の中の男という [続きを読む]
  • しらない人にもあいさつしよう そしてそのままさよならしよう
  • 小学校の校区の一画には、「しらない人にもあいさつしよう」という立て看板が置かれていることがある。どんな人とも挨拶をして、地域の人々との繋がりを大切にしようというわけである。物怖じせずにコミュニケーションを取れる子供を町ぐるみで育てたいのである。この立て看板から少し歩くと、今度は別の一画に、「しらない人にはついていかない!」という看板も立てられていたりする。本当かどうかは知らないが、最近は怪しい大 [続きを読む]
  • サンタさんの職質
  • こんなところで何を?「見ればわかるでしょう、子供たちにプレゼントを配ってるんですよ。」お仕事は何を?「今はしてませんよ。どうでもいいでしょうそんなこと。」ご家族の方は?「一人ですよ。それ以上は聞かないでください。」この辺りに住んでおられるのですか?「ええそうですよ。近所の名もなきおじさんですよ。」その服装は?「だから見ればわかるでしょう。サンタさんの服ですよ。こういうのを売ってる店があるん [続きを読む]
  • 糸電話
  • ボタンを押せばすぐにつながるあの人とさえすぐに話せる最後の一桁がいつも押せない怯えて一からやり直す頭の中では何度も話したあとは口に出すだけ簡単なこと通じると思えば辛くなるいっそ無理ならどれだけ楽か私の糸はほんとにあるのかほんとに誰かとつながっているのか見えれば容易く断ち切るものを見えないからこそすがりつくあんたが代わりにかけてくれここを一回押すだけさなんなら代わりに話しておくれあんたが好きに話 [続きを読む]
  • 自然に反する言葉
  • 先日訪れた美術館で、中学生の団体が先生達に引きつられて鑑賞に来ていた。どの子も課題となる感想レポートを手に持ちながら、限られた時間内でのクリアを目指していた。横に解説が書かれている大きめの作品は取っ掛かりやすいらしく、多くの子が集まって課題を埋めていた。友達と相談しながら、というより友達の書いている感想をチラチラ見ながら書いている子もいた。それとは対照的に、一人で絵を見て歩き、気にいる絵の前でじ [続きを読む]
  • 油売りの女
  • 今月はずっと油を売っているのですが、全く売れません。油はなかなか売れないものだと聞いてはいましたが、こんなに見向きもされないなんて思っていませんでした。あのおばさんはこうなることを知っていて、私に油売りを勧めてきたんだと思います。売る物が被るのは、この辺りでは喧嘩の元なのです。喧嘩になる前に別の物を売るようにするか、もしくは相手に別の物を売らせるように持ちかけるか、ここではみんなそんなことばかり考 [続きを読む]
  • ピンクのチラシ
  • マンションなどの集合住宅のポストの脇にはゴミ箱が置かれていることが多い。日々頼みもしないのに勝手に入れられる不要なチラシはこちらにどうぞ、というわけである。捨てられるチラシは大体いつも決まっていて、住宅販売のチラシやピザ屋のチラシ、ネット通信契約のチラシなどが多い。誰もが真面目に見向きもせず、見慣れた色合いを確認しただけでゴミ箱に突っ込んでしまう。時々ポストの中に、ピンクのチラシが入れられてい [続きを読む]
  • 近所の銭湯
  • 近所に老夫婦が営む昔ながらの銭湯があり、週一回はお世話になっている。玄関は開けっ放しで、外から男湯と女湯の入り口が見える。入り口の仕切りは曇りガラスになっているのだが、気合いを入れて目を凝らせば、男女どちらの脱衣場も透けてしまいそうなほどにガードの甘いガラスである。老夫婦が番台を交代でしており、その番台は男女の脱衣場のちょうど境目にある。つまりここに座れば、どちらの着替えシーンもバッチリ確認できる [続きを読む]
  • 誕生日おめでとう
  • おめでとう。君はまた一つ歳をとったね。僕も昨日よりまた一つ歳をとったよ。君は一年に一度だけ歳を数える。僕は毎日歳を数える。お互い同じ時間を生きてきたけど、僕の方が君より365倍も歳上なんだな。君は去年も同じ月と同じ日に誕生日を迎えたんだったね。一年を何度も繰り返してるんだな。何月何日って数えながら、次に来る誕生日を待ってるんだ。僕は君のような数え方をしない。毎日を誕生日として数えてるからね。 [続きを読む]
  • 恋と愛
  • 未だ枯れえぬ想いの樹誰が水やり誰が陽をやる愛と呼ぶのは重すぎる恋と呼ぶのは軽すぎる愛は真心恋は下心いつでも心は日の目を見ない誰にも教えを請うことなく誰にも教えを説くことなく春は過ぎ去り夏が行く秋は遠のき冬が来る1年2年3年4年待てど暮らせど未だ実らずすずめは喜び歌うのかそれとも悲しみ叫ぶのか風の便りが聞こえない昔の歌ならいつも聞こえる死ぬまで待っていられるか生きて会わずにいられるか [続きを読む]
  • さよならとこんにちは
  • 一つの時代が終わりを告げて 新たな時代が私を導く遠く忘れた思い出が いつでも私の心を捕える誰とも知らぬ人の背中に 恋の記憶を探し求める昨日と同じ今日を生き 今日とは違う明日を願う皆と同じ方を向き 誰とも違う道を行く一人で生きていけるさと 強がる嘆きを誰が聞く私に会ってくれますか 古びた私を見てくれますか私はあの頃幸せでした あなたは今でも幸せですかあなたと私の行く道は どこかで通じてるのですか [続きを読む]
  • 好きな人との日直当番
  • ふと中学生の頃を思い出す。私の学校では毎日、日直当番というものがあった。授業の開始時に号令をかけたり、休み時間の間に黒板を掃除したり、クラスの一日を日誌にまとめたりするのが主な仕事だった。この当番はいつも男女ペアとなるように、それぞれが名前の五十音順で日々交代していくという形式だった。その日の仕事で手抜かりが見つかると、翌日も同じペアで当番にあたらなければならないというペナルティも存在した。私は [続きを読む]
  • バナナはおやつに入りますか?
  • 遠足の前日、元気のいい男の子が「先生、バナナはおやつに入りますかー?」と尋ねるという、誰もが知っているワンシーンがある。私としてはバナナもおやつに入れて問題ないと考えているが、ここではその可否は問題にせず、そもそも何故バナナをおやつに入れようと思うのか、その理由について考えることにしよう。おやつとバナナの共通点を見出すのが手っ取り早そうである。思いつくままに書いてみよう。甘さおやつは大抵甘い [続きを読む]
  • 老師との対話「政治家と裏金」④(終)
  • 若者「こんにちは、老師さま。さあ、話の続きをお願いします。」老師「僕もそろそろこの話を終えたいと思っているよ。さて、例の通り昨日の話を思い出させてくれたまえ。」若者「はい。国民を益するために高級料亭が必要であるならば、政治家がそのような場所で雑談をしようと仕方のないことではないか、というところで終わりました。」老師「ありがとう。話を進めるために、とりあえずは納得してくれたまえ。」若者「やってみます [続きを読む]
  • テレホンショッピング「つまらない本」
  • みなさん、お元気ですかー!アイデアテレホンショッピングの時間でーす!今日もとっておきの商品をご紹介しますよー!今日はですね、一日に最低5冊の本を読まないと気が済まないという、本多さんに来ていただいております!本多さん、今日はよろしくお願いします!「こちらこそお、よろしくお願いしますう。」ところで本多さん、毎日そんなに本を読まれていると、やはりつまらない本に出会うことも多いんじゃないでしょうか? [続きを読む]