ねぷた絵(弘前・津軽)の話 川村 岩山 さん プロフィール

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ねぷた絵(弘前・津軽)の話            川村 岩山さん: ねぷた絵(弘前・津軽)の話            川村 岩山
ハンドル名ねぷた絵(弘前・津軽)の話 川村 岩山 さん
ブログタイトルねぷた絵(弘前・津軽)の話 川村 岩山
ブログURLhttp://blog.livedoor.jp/ganzan_kawamura/
サイト紹介文弘前ねぷた絵の第一人者として活躍した長谷川達温師のねぷた絵技術等の伝承を目的としたサイトです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供83回 / 185日(平均3.1回/週) - 参加 2017/10/24 06:15

ねぷた絵(弘前・津軽)の話 川村 岩山 さんのブログ記事

  • 弘前ねぷた絵156 見送り絵の題材 清道禅尼
  •  今回は、滝沢馬琴作で蹄斎北馬(ていさいほくば)挿絵の石言遺響(せきげんいきょう)から清道禅尼(せいどうぜんに)です。  この絵の下書きは、NHK大河ドラマで元禄太平記(主役で江戸幕府老中の柳沢吉保(やなぎさわよしやす)を石坂浩二、赤穂藩国家老の大石内蔵助を江守徹、その妻りくを岡田茉莉子の忠臣蔵)が放映された昭和50年(1975年)の秋に先生から頂いたものです。 この年先生は、袖絵に四十七士の討ち入りの [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵155 ねぷた絵と津軽デジタル風土記
  • 縁は異なものです。先ごろ、長谷川流ねぷた塾「玄龍庵」事務局の高松塁さん(弘前市銀座街高松写真館代表、銀座街ねぷた愛好会代表)の紹介で弘前大学に行ってきました。要約すると、現在弘前大学等が取組んでいる「津軽デジタル風土記」というプロジェクトがあって、日本の古典文学(読本など)と津軽のねぷた絵とを関連づけられるものがないか調べたいとの話しでした。 メンバーは、弘前大学人文社会科学部教授の渡辺麻里子先生 [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵154 見送り絵の題材 梅川
  • 今回は、近松門左衛門の浄瑠璃「冥途(めいど)の飛脚」から梅川(うめがわ)です。 浄瑠璃「冥途の飛脚」、歌舞伎では「恋飛脚大和往来」に登場する梅川と忠兵衛は、大阪に実在した恋人同士です。 この話は、飛脚問屋の忠兵衛が遊女梅川と恋仲になり、梅川を身請けするために、預かっていた300両の公金に手をつけ、駆け落ちしたものの二人共捕らえられるという実際に起きた事件がモデルです。 絵の話しです。冥途の飛脚  梅 [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵153 見送り絵の題材 祝融夫人
  • 三国志から祝融夫人(しゅくゆうふじん)です。彼女は、架空の人物で南蛮の王「猛獲(もうかく)」の妻の設定で登場します。前話で紹介した九天玄女が中国神話の戦術と兵法の神でしたが、同じ中国神話の火の神「祝融神」の末裔(まつえい)として書かれています。祝融夫人は、水滸伝の一丈青扈三娘のように剣が得意ですが、剣は剣でも投げつける方(飛剣)を得意としています。 三国志 祝融夫人この絵は先生が襖に描いたもので、ギ [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵153 見送り絵の題材 祝融夫人
  • 三国志から祝融夫人(しゅくゆうふじん)です。彼女は、架空の人物で南蛮の王「猛獲(もうかく)」の妻の設定で登場します。前話で紹介した九天玄女が中国神話の戦術と兵法の神でしたが、同じ中国神話の火の神「祝融神」の末裔(まつえい)として書かれています。祝融夫人は、水滸伝の一丈青扈三娘のように剣が得意ですが、剣は剣でも投げつける方(飛剣)を得意としています。 三国志 祝融夫人この絵は先生が襖に描いたもので、ギ [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵152 見送り絵の題材 九天玄女
  • 今回は水滸伝から女神の登場です。 九天玄女(きゅうてんげんにょ)は、戦術と兵法を司る中国神話の女神であり、鍾馗と同様に道教の神(女仙)として現在も信仰を集めています。水滸伝への登場回数は多くありませんが、梁山泊、特に宋江(そうこう・梁山泊の頭)の守護神として登場します。 道教では、旧暦の2月15日を誕生日としてお祝いしています。因みに玄女とは「黒い女」の意味です。水滸伝  九天玄女 見送り絵としては [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵151 孫策&孫権
  • 今回は三国志から孫策(そんさく)と孫権(そんけん)です。共に孫堅(そんけん)を父にもち、長男は孫策、次男が孫権、妹に劉備の夫人だった孫夫人がいます。孫策は父同様に激しい気性の持ち主で、順当に勢力を拡大しましたが、刺客に襲撃された際に負った傷が原因となって26歳の若さで亡くなりました。亡くなる際孫権に後を託し、孫権はその期待通り呉を建国し、初代皇帝になりました。呉の孫策、大史慈と戦う図大史慈(たいし [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵150 一枚の写真
  • 今回で150話となりました。きりがいいので、昔話です。長谷川達温師と門下これは先般、「長谷川流ねぷた塾玄龍庵」に持ちこまれた写真です。昭和51年頃、新聞社の求めに応じ先生の描いたねぷた鏡絵に彩色しているところです。種あかしすると、色付けしているようにポーズをとっているだけで、本当は何もしていません。写真の解説です。私以外は自分のねぷた制作の手を休め、他から集まったばかりなので皆靴下やスラックスをは [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵149 見送り絵の題材 賤機
  • 今回は、星月夜顕晦録(ほしづきよけんかいろく)から源実朝の局松島付侍女の賤機(しづはた)です。これはフィクションで6編からなる鎌倉時代初期の頃を題材とした読み物です。作者は、高井蘭山(たかいらんざん)、旗本の用人または与力か諸説ありますが、れっきとした武士の読本(よみほん)作者です。挿絵は、これまた武士、元御家人(お目見え以下、与力の配下)で浮世絵師の蹄斎北馬(ていさいほくば)です。彼も葛飾北斎門 [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵148 見送り絵の題材 貂蝉
  • 理屈っぽい話題が続いたので、今回は中国古代四大美人の一人、三国志後漢の「貂蝉(ちょうせん)」を話題にします。中国古代四大美人の残り三人は、時代別に春秋時代の西施(せいし)、前漢の王昭君(おうしょうくん)、唐時代の楊貴妃(ようきひ)です。楊貴妃は、クレオパトラ、小野小町(日本でのみ)と共に世界三大美人にもランクインしています。 三国志  貂蝉貂蝉は、幼い頃市場で売られていましたが王允(おういん・後漢 [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵147 見送り絵の題材 伏姫
  • 今回は、南総里見八犬伝の伏姫(ふせひめ)です。「伏姫」とは、人偏に犬と書いて「人にして犬に従う」という意味です。南総里見八犬伝 伏姫 南総里見八犬伝は椿説弓張月と同じ滝沢馬琴が書いた勧善懲悪・因果応報の大長編読み物です。弓張月も長編ですが八犬伝はさらに上をいく長編で、全部で98巻106冊と刊行し終るまで30年近くかかりました。私は、子供用の文学全集で読んだ程度なので、その正確な長さは実感していませ [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵146 見送り絵の題材 白縫姫と怨霊6
  • 白縫姫と怨霊の最終話です。道真の怨霊は、自分に害をなした人に対する復讐的要素が大きく、おおよそ100年で落ち着きをみせました。今は学問の神様として全国に祀られているせいか怨霊的話は信じがたいものがありますが、道真も人を疑わないジェントルマンとして現役を過ごしたので、裏切られて切れたのだと思います。白縫姫さて本題です。道真が亡くなった後が大変でした。天変地変が連続しておこり、反道真派の要人達が次々に [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵145 見送り絵の題材 白縫姫と怨霊5
  • 今回は三大怨霊の最後「菅原道真(すがわらみちざね)」の話です。 菅原道真は誰でも知っている学問の神様「天神様」です。何故怨霊になったのか、順を追っていきます。道真は、11歳で漢詩を作り、遣唐使廃止を上申するなど、当時日本の押しも押されもされないナンバーワンの秀才でした。才を生かし18歳で文章生になり、正六位下・下野権少掾(しもつけ ごんのしょうじょう)でデビューし、その後は順調に出世し右大臣、さら [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵144 見送り絵の題材 白縫姫と怨霊4
  • 白縫姫 先生のねぷたから、袖絵は元寇(弘安の役)  撮影は私です。141話の下絵を基に少し髪飾りを豪華にしたバージョンです。このねぷたは当時流行りの布に絵を描き、蛍光灯の照明でした。白熱球に比べとにかく明るいので一世を風靡しました。 さて、前回は椿説弓張月に関連した、崇徳天皇の怨霊について書きましたが、今回は引き続き三大怨霊の二人目「平将門」についてです。将門は何故怨霊になったのか作家高橋源一郎氏 [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵143 見送り絵の題材 白縫姫と怨霊3
  • 崇徳上皇の怨霊の続き(史実)です。自身で書いた写経を破り戻され、怒髪天を衝くほど怒り狂った崇徳上皇ですが、客観的に見ると後白河法王は陰湿で鳥羽上皇は人が良すぎたと言うのが個人的感想です。それだけに精神的にズタズタにされた上皇の怨念はすさまじいものがあり、生きながら大天狗に変貌したとの言い伝えが残るほどでした。このことを滝沢馬琴が弓張月に取りあげたので、前話の錦絵のように描かれました。上皇の憤死後、 [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵142 見送り絵の題材 白縫姫と怨霊2 
  • 白縫姫の夫為朝は崇徳上皇に仕え、保元の乱では崇徳上皇方に参加し強弓を使って戦いましたが、破れて伊豆大島に流されました(史実)。この物語(椿説弓張月)では為朝が危機になると崇徳上皇の怨霊(おんりょう)が救いに現れます。 為朝誉十傑(ためともほまれのじっけつ)錦絵 歌川国芳 (東京都立図書館)「白縫姫」(画像右中央)が讃岐に流罪となり、魔道に落ちて天狗となった「崇徳院」(大天狗・画像左上)に会う場面 こ [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵141 見送り絵の題材 白逢姫と怨霊
  • 白逢姫(しらぬいひめ)は、江戸末期の大作家滝沢(曲亭)馬琴の代表作で、葛飾北斎挿絵の読み物「椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)」に登場する鎮西八郎源為朝(ちんぜいはちろうみなもとのためとも)の妻です。鎮西八郎源為朝正室 白逢姫何回か描きましたが、難しい絵です。白逢姫は、阿曾忠國の娘で、腰元にまで長刀を習わせていたほど勇ましく武術を好みました。一方夫の為朝は、父の源為義(みなもとのためよし)の次男で共 [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵140 見送り絵の題材 幽霊2
  • 前回に引続き幽霊の話です。幽霊の見送り絵も骸骨やサディスティックに女性を描いた袖絵との組み合わせが普通になりましたが、個人的にはもう少し怖い感じに仕上げてもらいたいと見ていていつも思います。 さて、今回は三種類のねぷた絵の幽霊を紹介します。三国志 呉 諸葛恪(しょかつかく)の侍婢(じひ)霊罪のない自分の侍婢(身の回りを世話する身分の低い召使的な女性)をカッとなって切り殺したため、諸葛恪の妻に現れた [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵139 見送り絵の題材 幽霊
  • 今回から、幽霊を取り上げます。前も書きましたが話を進める前に言葉を少し分類整理しておきます。「お化け」はある物体が変異擬人化したもので、「本来あるべき姿や生るべき姿から、大きく外れて違って変化したもの(ウィキペディア)」です。「幽霊」は人の魂が成仏できずにこの世に現れ形として見せたもの、と私自身は定義して描いています。これに対し「怨霊」とは、「自分が受けた仕打ちに恨みを持ち、たたりをしたりする、死 [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵138 見送り絵の題材 八百屋お七 
  • 今回は井原西鶴「好色五人女」から題材をとった八百屋お七です。 お七は、江戸本郷駒込の八百屋の娘で、江戸の大火で知り合い情を通じた寺小姓に、また火事になれば会う事ができると思い込み放火して捕まり、火刑になってしまったという幼い悲恋の話です。このことを井原西鶴が浮世草子「好色五人女」に書いたので、歌舞伎や浄瑠璃で脚色上演され人気となりました。西鶴はこの他にも好色五人男、好色一代男などを書いた江戸中期の [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵137 見送り絵の題材 十二単
  • 126話大姫で書いた長谷川先生の十二単(じゅうにひとえ)の見送り絵です。鏡絵ではなく、裏側の見送り全体を使った十二単の女性を描いたものです。 絵の周りに仮名文字をロー書し薄墨を全体に塗って、紫・朱・赤の各色を主体に、模様もあっさりさせ軽く見えるように仕上げています。画面左側の朱色の中にある青で色付けした模様は先生得意の花模様です。このねぷた見送り絵は、袖絵も雲も蔦も何もなく表裏共「鏡絵」のようでし [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵136 石田三成と津軽4
  • 標題の話も今回が最後です。 私の小さな会社から徒歩1〜2分の弘前市笹森町に、旧弘前東照宮本殿があります。夏は歩いて出勤するので、よく旧本殿の前を通ります。 この弘前東照宮(御神体は東照大権現徳川家康)は、二代藩主信枚に嫁いだ家康の養女満天姫が、時の権力者の天海大僧正の勧めもあって弘前城内に建立し、その後現位置に移設されたもので今は国指定重要文化財として本殿のみが残っています。この東照宮のおかげで国替 [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵135 石田三成と津軽3
  • 木村重成の妻「青柳」からとんでもない方に話がいっています。ついでなので、もう少し話しを続けます。 私の家は、代々下級の津軽藩士(幕藩体制は強い封建制度・身分制度で保たれていたので上中下ははっきりしていました)でしたが、江戸中期から幕末にかけて、三成子孫の杉山家と濃い血縁関係にありました。このブログの最初で書きましたが、私を先生に弟子入りさせてくれた祖母(明治30年生れ・実家の菩提寺は杉山一族と同じ [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵134 石田三成と津軽2
  • 話が全く関係のない方に進みましたが、今回は関ケ原の戦い後の津軽藩の話です。 話が前後しますが、長谷川流のねぷた袖絵の題材では、木村重成が奮戦した大阪夏の陣の15年前、1600年に行われた関ケ原の戦いは描くことがありません。先生も似たようなことを話していました。その理由はこの時代まで遡ります。関ケ原の戦いは、言わずと知れた日本史上最大の合戦で東西併せて15万人が覇権を争ったもので、正二位徳川内大臣家 [続きを読む]
  • 弘前ねぷた絵133 石田三成と津軽
  • 今回から数話続けて、石田三成と津軽の話です。最初は、本番のねぷた見送りに登場したこともある、木村長門守重成の妻「青柳(あおやなぎ)」を話題にします。夫の木村長門守重成は、大阪冬・夏の陣で大坂方として奮戦した、若くイケメン武士で有名です。彼は、頭も良く胆力もあって、正四位上長門守と若くして官位も高く豊臣秀頼お気に入りの重臣でした。豊臣は、腹心の忠実な部下を大阪周辺に配置してしまうクセと言うか悪しき慣 [続きを読む]