奥津軽玉之助 さん プロフィール

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奥津軽玉之助さん: あなたの人生、逆転させます!スピ“笑説”『巣鴨地…
ハンドル名奥津軽玉之助 さん
ブログタイトルあなたの人生、逆転させます!スピ“笑説”『巣鴨地…
ブログURLhttps://ameblo.jp/kspi1/
サイト紹介文人生に翻弄される人々と、人生逆転を請け負う怪しい会社のハッピーな物語。巣鴨地蔵通りへいらっしゃい!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供98回 / 101日(平均6.8回/週) - 参加 2017/11/13 14:09

奥津軽玉之助 さんのブログ記事

  • あたしはヨギーニ 第24話 ああ、そりゃわかんないはずだよ
  • どのようにして、みんな事業を再興することができたのか。資金は?あたしと岩谷は、まず岡野おじいちゃんに照準を合わせた。岡野おじいちゃんの所の八百清も、1940年頃に一度廃業している。そして、1976年に再興した。1976年と言えば、岡野おじいちゃんが30歳前後。もし、おじいちゃん本人じゃなくても、おじいちゃんのお父様が関わっていることはまず間違いない。絶対に何か知っている。あたしたちは、早朝、谷中に向かい、ラジオ [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第23話 30歳の約束
  • 駅から10分ほど。細い路地を入った先にある木造2階建ての一軒家。かなり、キテる。あたしの住むアパートも築35年の強者だが、ここもまたなかなかのものだ。いっちゃん先生の家。ガタつくドアノブをがちゃりと引き開ける。鍵は基本開けっ放しだ。ヨガの生徒さんがよく突然訪ねてくるから。いつでも勝手にお入りください、ということだ。出掛ける時と夜中はもちろん鍵をかける。そりゃそうだ、でなかったら物騒で仕方ない。いっちゃ [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第22話 ねえ、ジャカランダって知ってる?
  • 安嶋の事務所を出て、駅まで岩谷とゆっくり歩いた。あたしは、駅反対側のいっちゃん先生の家に行く。夕方少しあった風がすっかり収まり、雲のない澄み渡る夜空に、ガラス細工のような半月がくっきりと姿を浮かべていた。 あたしは下を向き、交互に現れる自分のつま先を、しばらくぼんやり眺めた。「――はじめて聞いたよ、背中のこと」「人に言うようなことじゃないからね」「たまに、って、どのくらい?」「うーん、そん時による [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第21話 岩谷ノート
  • 全員顔を寄せ合うように、岩谷のノートを覗き込んだ。ごちゃごちゃと整理されていない字が書き殴ってある。三浦商店、1968、1975とか、吉田精肉店、1955、1976とか、その他たくさんの汚い字がページいっぱいに躍っていた。「みなさんは、これ見てもわかんないですよね。こういうの整理するっていうか、そういうのがどうも苦手で――」と、そこまで言うと、岩谷が突然、背中を押さえ、顔をしかめて前に屈み込んだ。「うう……、いた [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第20話 子供心にも変だなと思いました
  • 四十七士子孫たちの証言が次々になされていった。鳥町の反対尋問も空しく、彼らの先祖の悲惨な過去が浮き彫りにされ、印象づけられるばかりだった。一家離散、子どものイジメ、職場でのイジメ、村八分、縁談の破談、取引先からの嫌がらせ、就職内定取り消し。しかし、これは氷山のほんの一角に過ぎないと、つけ加えられた。 特に、今日最後の証人の話は、強い印象を残した。四十七士の子孫であることを理由に銀行融資を断られたと [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第19話 では開廷します
  • 公正というものは、時に冷酷だ。天秤ばかりに10グラムと11グラムの重りをそれぞれの皿に乗せる。どんなに祈ろうが、泣き叫ぼうが、こっちの方が重いんですと主張しようが、何があろうと天秤は11グラムの方に傾く。そこに感情は一切存在しない。重さというただ一つの基準によって、それが決する。法のもとでは、法という基準によって、それが下される。だからこそ公正なのだ。たとえそれが、ある者にとってどれだけ厳しいものであろ [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第18話 やるしかない
  • 裁判所から正式の訴状が届いた。安嶋が言っていた『訴状を裁判所が受理しない可能性』へのかすかな望みは、あっけなく散った。訴訟の成立だ。落胆しなかったと言えば嘘になるが、すでに覚悟していたこと、ああ、やっぱりね、という程度のものだった。鳥町先生総指揮のもと、あたしたちは本格的に裁判の準備へと入って行った。鳥町の予測では、おそらく3回から、多くて5回程度の審理、期間は2か月から3か月で結審されるだろう、とい [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第17話 あたしの人生はこれで終わるのか
  • 岡野おじいちゃんとの話を終え、あたしたちは、一言も話さず安嶋の事務所に戻った。「あなた方は、息子たちの本当の狙いを知らない――」この言葉から始まった岡野おじいちゃんの話は、あたしを一瞬にして奈落の底へと引きずり込んだ。本当の狙い――。それは、裁判を起こすことそのものにあったのだ。世間の注目を集めること。そのためには、大きな花火の方がいい。忠臣蔵赤穂浪士47人が吉良に対し訴えを起こす。全国47都道府県に [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第16話 まさか!
  • 「でも、代表者に、堀部安太郎と名前があります!」思わずあたしは食ってかかるように言った。「私にも分かりません。この訴えを起こした時、堀部安太郎はすでにこの世にいないんですよ」「でも、話を聴けた人の中にも『堀部さんに任せていますので』っていう人もいました」岩谷が言った。「それは、亡くなられたことを知らないか、外部の人間にはそのように通しているか、のどちらかでしょう」あたしたちは、わけが分からなくなっ [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第14話 お金は宇宙にざくざくある
  • 何度かしか来てないのに、ここはなんだかとても気持ちが落ち着く。安嶋はいつも温かく迎えてくれる。たまたまあたしは遭遇していないが、安嶋の人柄なのだろう、ここにはいつも人が集まるらしい。相談事を抱えて来たり、ただおしゃべりやお茶をしに来たり。いっちゃん先生もその一人だ。あ、いっちゃん先生は安嶋の小学校からの同級生だって言ってたから、みんなとはまたちょっと違うのかな。今回の件で、いっちゃん先生は言ってく [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第12話 ここであなた方とお話するのは……
  • 「はあ、はあ、はあ、はあ。ごめんごめん!」「ちゃんとしてよ!」「はい。すいませんでした」校庭には、50人近くの人たちが集まり、それぞれ小さな塊をつくって話に花を咲かせている。 大笑いするグループ、ひそひそ話すグループ、フラダンスらしき踊りをするグループ、さまざま。ほとんどが、60代、70代。中には若い人もいたりする。若いといっても、40代だろうか。この中に、あたしたちが入って行ったら目を引くだろう。さて、 [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第11話 ククク、貴様が悪いのだ
  • ソファの端でいつもの“おやじ座り”をしているブッチに話しかける。「ねえ、ブッチぃ、プリンス様があたしのペルセウス様なのかなあ。教えてください」「ニャッ」「やったー、ほんとオーっ?」「ニャアアー」「なんだア、どっちなのよー」ブッチがあたしの顔をじーっと見る。「あたしの将来がかかった大事な質問なんだからね。頼むわよ、ちゃんと。いい? あ、そうだ」あたしは、台所の“ブッチ棚”から小袋を取ってきた。それを [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第10話 ちょっと引っかかってることがありまして
  • 不服ながらも、とりあえず、あたしはチビタンクを巣鴨に連れて行った。二人に眉をひそめられるのではないかと、あたしは大いに懸念したが、意外にも、そんなことはなく、チビも存外しっかりした受け答えをするなどし、安嶋にも気に入られた感もあったりして、あたしが蚊帳の外といった具合になるほどに、三人で話を盛り上げていた。ここに来てから、ものの30分もしないうちに、安嶋からは「恵(けい)ちゃん」、今西からは「恵介く [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第9話 すごくうれしい時の決まりポーズですよ
  • あたしは、いったん家に帰り、急いでジムに向かった。今日は6時から中級クラスレッスン。ジムに着いてすぐ、あたしは更衣室から自動販売機の並ぶドリンクコーナーへつながる通路でおかあさんに電話をした。ここはいつも人がいない。もし裁判になったらどうなるかということ、これから先のこと、安嶋さんのこと、あれやこれや。 「――だいたいそんな感じ。もしもし? もしもし? 聞いてる?」おかあさんはしばらく黙った。当面の [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第8話 この書状、何か気づきませんか?
  • プリンスは、書状の最後のページをくるっと安嶋の方に回し、一箇所を指差した。「ここです」「ん? 四十七士。これがなにか?」「名前がズラッと書かれてますよね。みなさん、何か気づきませんか?」あたし、安嶋、今西、いっちゃん先生の四人は、体を乗り出し、書状を睨んだ。「うーん、なんだろう」「わかりません。そもそも四十七士って言われても、名前とか、知りませんから。堀部安兵衛ぐらいはわかりますけど」今西が言った [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第7話 勝ち目は薄いと思います
  • あたしは、怒りを抑えられなかった。 「おかあさん! どういうことっ! あたしが吉良の当主だなんてっ!」「ひいひいおじいちゃんがねえ――」「あたし、こんなこと、ひとっことも聞いてないよっ!」「ああ、お父さんがねえ、ちいちゃんには言わないでおく、って」「なーんでえーっ!?」「知らないわよ。その方がいいって思ったんでしょ」「――まあ、いい。ここまではおかあさんも知ってること」「うん」「でもね」「でも、な [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第6話 おかあさんっ! どういうことっ!
  • 「暇だねえー。こないだのアレ、やるか」テーブルに足を投げ出し、天井を見上げていた安嶋が言った。「わんちゃん、ですか?」今西がパソコンから顔を上げて言った。「うん」「やりますか」「どう思う?」 「何もないよりはマシかと」 「だよね」「じゃ、電話しときますね」「よろしく」わんちゃんの飼い主探しのお仕事。巣鴨のイメルダ夫人の異名を持つゴージャズでっぷりオババ、丸田夫人からの依頼。10匹飼っているレトリバーの [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第5話 ちいちゃん、一つだけお願いしてもいい?
  • 希望していた有名どころのジムやヨガスタジオが全部不採用となり、仕方なくというか、このジムなら自転車でも通えるからと、面接を受け、2か月前、やっと採用に漕ぎつけた。 でも、ちょっと事情があって自転車はすぐには買えなかった。中古で買った冷蔵庫が先週、まだ1年しか使ってないのに突然ぶっ壊れてしまい、やっぱり中古はねー、保証もないし、ということで、新品を買ったばかり。4年使っていた掃除機が、ガガガーッととんで [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第4話 あなたの秘密を教えてあげるわね
  • 生まれてはじめての経験――。あたしは大きく息をふっと吐いて、その雑居ビルに入った。 エレベーターは奥まった所にあった。 掠れて薄くなっ た行先階ボタン。4階。 ドアが開くと、真正面には枯れかけた観葉植物が置かれ、窓のないしんとした廊下が右に伸びている。三つ並ぶ扉のうちの一つが開け放たれており、薄暗い部屋が見える。 その横に、ビルの下にあった物とほぼ同じ、それよりも少しだけ小ぶりの看板が置かれていた。内側 [続きを読む]
  • あたしはヨギーニ 第3話 書道家だと? ウソぬかせ!
  • さっそく運ばれてきたグラスワインで、軽く乾杯をした。一口飲み、「ああーっ」と、あたしたちは声を揃えた。お酒って、なんで、ああー、って、声が出ちゃうんだろ。 体の奥深い所から湧き上ってくる。うまいからだ。それ以外に、ない。ぶどうジュースでは、絶対にこうはならない。どんなにおいしいぶどうジュースだったとしても。途切れることを知らない紗枝ちゃんの話に、うんうんと頷いているうちに、ほどなく、評判だというワ [続きを読む]