奥津軽玉之助 さん プロフィール

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奥津軽玉之助さん: あなたの人生、逆転させます!ちょっとスピリチュアル
ハンドル名奥津軽玉之助 さん
ブログタイトルあなたの人生、逆転させます!ちょっとスピリチュアル
ブログURLhttps://ameblo.jp/kspi1/
サイト紹介文ただいまお届け中のお話は、『神様のオシゴト』。おかしな神様と人間の絆を描いた物語でございます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供218回 / 223日(平均6.8回/週) - 参加 2017/11/13 14:09

奥津軽玉之助 さんのブログ記事

  • 神様のオシゴト 第41話 天のブラックリスト
  • 「できねえもんは、できねえ、って言ってんだろっ。いいかげんにしろっ」ラヒムが怒鳴った。耳をつんざくような声だった。ラヒムがこんなに怒ったのを見るのは初めてだった。ぼくがしつこく言ったからだ。しおりさんを何とかしてくれ、と。あの後、しおりさんの体に腫瘍が見つかった。悪性か良性かは、次の検査結果待ちだ。また検査……。だから、なんとしても“良性”にしろ、と迫ったのだ。ぼくを助けに来たんだろ、だったらこれ [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第40話 ぼくたちは友だち
  • しおりさんのことが気になっていた。昨日、貫太くんに電話をかけ、それとなく探りを入れたのだが、はっきりしたことは何も分からなかった。ということは特に問題はない、とも思えるのだが、どうにも頭から離れなかった。夜、早い時間にエメラルドに行ってみることにした。しおりさんの仕事がはじまる前に会ってみようと思ったのだ。来週の仕事の日まで待てなかった。歌舞伎町一番街を歩く。夜七時。まだしらふの街は、早歩きの人が [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第39話 いじめ?
  • タクヤが助手席からぼくの顔を覗き込んで言った。「沙也加ちゃん、いじめとかに遭ってないっすよね?」「ええーっ。ど、どうしてっ。なんで、そんな――」ぼくはタクヤの顔を見、喘ぐように言った。次の瞬間、突然、タクヤが前方の信号機を指さし、大声を上げた。「赤っす!」ぼくは慌ててブレーキを踏み込んだ。タイヤが軋み、つんのめるように車は止まった。「人、轢くとこっすよ!」横断歩道のおばさんが、すごい勢いでこっちを [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第38話 おいしかった、楽しかった
  • タクヤは、いっぱい食べた。というか食べさせた。「もう、無理っす。これ以上入りません」と、タクヤは体をのけ反らせて顔をしかめた。お腹をぐいと押してやった。「あああーっ、出ちゃいますよっ」と、口を手で押さえて叫んだ。ぼくたちは大笑いした。最初、遠慮をしていたタクヤだったが、あっちゃんが冗談を言い、沙也加が巻くのを手伝ってやり、そのうちだんだんと打ち解けた。沙也加がどでかい巻きを作って、無理やり食べさせ [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第37話 喜びは伝染する
  • 今日ぼくは朝からワクワクしっぱなしだ。 タクヤの修業先に行く。仕事っぷりを見に行くのだ。タクヤに会うのは、本当に久しぶり。タクヤが今いる会社は、ぼくがそうじ会社を立ち上げる前、勉強させてもらった会社だ。社長に事情を話して相談したら、快く受け入れてくれたのだ。今日の仕事は、世田谷の大きなケーキ屋さんらしい。地下が厨房、一階が売り場、二階がカフェになっている有名な店だそうだ。今日が月一回の休業日。 昼前 [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第36話 女神トゥラン
  • ぼくとラヒムは、傾きはじめた陽を額に受け、河川敷の土手に並んで座っていた。ぼくのお気に入りの場所だ。目を眩しげにしばたかせながらラヒムが言った。「よかったじゃないか。どうだ、お姫様を悪党どもから取り戻した気分は」「べつに、ぼくの姫君じゃないからね」「いや、わからんぞ。どうする? あんな美しい子に、『好きなんです』なんて言われちゃったら」 どうする、どうする、うりゃ、うりゃ。 ニヤニヤしながら、肘で [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第35話 満天の星空に
  • 視界を塞いだ白ジャージの影が、「しっ」と指を唇に当て、「逃げてっ」と、声を押し殺して言った。「い、伊東さんっ」「早くっ」そう言って、彼女はぼくと入れ替わるように階段を駆け下りた。ぼくは走り出した。 背中で、ゴトゴトゴトと音がした。 暴れる息を押さえつけながら、ぼくは平静を装い、そうじ道具を車に積み込む作業をすすめた。途中、何度も事務所の方に目をやった。異変はないか。ぼくは後悔していた。どうしてあんな [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第34話 怖いもの見たさ
  • ニ時間ほど前にそうじを終え、電気を消した事務室に明かりがついていた。ノックをする。 返事がない。 もう一度ノックをしてから、扉に手をかける。三十センチほど開け、顔だけ突っ込む。誰もいない様子。ぐるりと見渡すと、いつもの殺風景な景色が、しんと佇んでいた。「すいませーん」一応、声をかけてみる。少し待ったが、返答はなかった。ぼくは、何か後ろめたいことでもするかのように、誰かが来ないか、いったん廊下の左右を [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第33話 悪い想像
  • ぼくは、ドキドキしなら車を玄関前につけた。 良からぬ想像が頭を駆け巡る。いっせいに人が飛び出してきて、ぼくの頭に黒い布を被せる。ガムテープで体中を固定され、どこかに連れ去られる。声も出ない、暴れることもできない。無言で“仕事”をすすめる白ジャージの男たち。椅子に座らされたかと思うと、首筋にひんやりとした鋭利な物が触れる。 男の低いくぐもった声が言う。(おとなしくしてろ)ぼくは、体がブルッとした。エン [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第32話 神様ができること、できないこと
  • 「あー、便秘だ、便秘だ、便秘だ。もう一週間出ておらん。イライラする。出そうになるのだが、出ぬ。お肌の調子もねえ、なんだか」「うるさいっ」「おっ、どした。ずいぶん機嫌がよくないな」「便秘ごときで大騒ぎすんなっ」「おおー、怖っ。あー、わかった。おまえもか。くっくっくっ、おまえも便秘か。何日出ておらん?」「そんなこと言ってないっ」 ぼくは、ラヒムの顔をキッと睨んだ。「違うの」無視した。「ああ。なるほど。 [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第31話 看護婦のひそひそ話
  • 昼ごはんを済ませ、ホームページの更新をしていた。携帯が鳴った。貫太くんだ。 ぼくたちは、思いのほか気があった。 貫太くんは、電話もよくかけて来、学校のこと、しおりさん――ママの名前である――のこと、その他いろんなことを話してくれた。 もうすっかり友だちだった。 いつからかぼくは、貫太くんからの電話を楽しみに待つようになっていた。 今日もいつものように少しわくわくして電話に出た。「もしもーし」「おじさん [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第30話 おとなの価値基準
  • クラブ・エメラルド、二度目の仕事。あの男の子は、やはり今日もいた。スケッチブックのようなものに突っ伏すようにして何やら夢中に書いているようだった。絵かな。ぼくがそうじ道具を抱えて入っていくと、男の子は、それをさっと背中に隠した。そして、にっこりと笑った。ぼくも返した。「ぼく、ここにいて大丈夫?」「もちろん」何を書いてたの? と聞こうかと思ったが、やめておいた。なんとなく。別のことを聞いた。 このあ [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第29話 自分の人生は、自分が決めるもの
  • 「そんなの嘘っ。嘘に決まってるっ」伊東さんはむきになってぼくに食ってかかった。「そんなことあるわけないっ」ぼくは、わざとゆっくりと言った。「ほんとなんだ」「そんな話、誰から聞いたのっ」伊東さんはさらに強い口調で言った。神様からだよ、なんて言えない。「それは言えないんだ。でも、確かな情報だよ」「わかった。週刊文潮ね。あの記者でしょ。ニタニタしたヒゲ男。よくその辺うろうろしてるから」『ソワカ』を悪質宗 [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第28話 天女様
  • ほぼ時間通りに着いたのだが、教祖様の説法が長引いているとかで、少し待つよう言われた。 どうせお金を巻き上げるためのイカサマ説法じゃないか。 もちろん彼らは、教祖様の説法という言い方はしなかったが。ドアを跳ね開けた車の荷台に腰かけ、ぼくはぼんやりと時間を待った。しばらくすると、玄関がざわつきはじめた。終わったらしい。やがて、玄関は人でいっぱいになった。いつものように無言で出てくる人々に、ぼくはなんとな [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第27話 神様、ビッグな男にかぶれる
  • 新興宗教。カネ。洗脳。やり切れない気持ちを胸に抱えながら、ぼくは五反田に向かう準備をしていた。みんな、あんなイカサマ野郎に騙されて。駐車場に車を取りに行くと、出入口の前に、真っ黒のフェラーリが停まった。ブロロン。ラヒムだな。今度はフェラーリか。大丈夫なのか、そんなことばっかりして。車から降りると、ラヒムは両腕を鷲のように広げ、鼻をつんと上に向けて、なにやらポーズを取った。スリムな黒い革のパンツに、 [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第26話 ママはチャイナドレス
  • クラブ・エメラルド。今日が初仕事。ここの仕事は、朝早くから始まる。歌舞伎町一番街。日本中で、夜、もっともにぎやかな街の一つ。今は、しんと静まり返った朝を迎えている。行き交う人のいない道のまん中で雀が地面を突つく。びっしり建ち並ぶ雑居ビルと、その隙間を埋め尽くす色とりどりの看板の間から見える狭い空がやたらと青い。 酔い潰れたサラリーマンが、地べたに体を丸めて寝ている。 人相の悪い開襟シャツ男の腕に、絡 [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第25話 すべてはカネのため
  • 車に乗り込むと、さっそくラヒムが話し出した。桜田通りを軽快に走った。道はすいていた。天気予報で、夜おそくから雨と言っていた。じっとりとした風が、少しだけ開けた窓から音を立てて入ってきていた。「ってことだ。わかったか」と、ラヒムが話を一段落させた。「じゃ、つまり、そういうこと?」「そうだ」「新興宗教……」「かなりカネに汚いみたいだな。ただし、犯罪みたいなことはやってない。ま、それが救い、ってとこかな [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第24話 きもだめし
  • ここは建物が古いし、何だかむかしの学校みたいだから、夜はすごく怖い。突然、誰かの「キャーッ」などという叫び声が聞こえて来そうな、そんな雰囲気だ。明かりが漏れているのは、少し先の部屋だった。床が、ギシッ、と音を立てた。そおっと足を置く。また、ギシッ、と鳴った。ぼくは、そのままの姿勢で止まった。その時、背後に白いものが、さっと横切ったように感じた。首だけで振り返った。暗闇に目を凝らす。鼓動が耳の奥に響 [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第23話 鍵だらけの部屋
  • 今日は五反田のヨガスタジオ『ソワカ』の初仕事だ。事務室に到着の旨を伝えに行った。初日の今日は、まず事務室から始めるよう言い使った。車に戻り、むかしの学校の昇降口みたいな玄関に、そうじ道具を運び入れていると、生徒さんたちがぞろぞろと出てきた。みな、一様に無口だ。木の下駄箱から、靴を出し、上履きみたいな白いシューズをしまっていく。ていねいに。ぼくと目が合うと、みな、にっこりと微笑みかけてくる。けど、特 [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第22話 神様の力を改めて知る
  • (やつが念を送り終わったぞ。最後にキエーッなんてすんごい奇声を発してた)と、ラヒムが言った。すると、爪を磨いていた福顔が、顔を上げ、部屋の中をぐるぐる見渡した。首を傾げ、怪訝そうな顔をした。福顔が、ぼくをじーっと見た。「と、文句の一つも言いたいところなんですが」言いながら、福顔がゆるく微笑んだ。「もし、ほんとにタクヤがそれを望むなら、好きにさせてやりたいと思ってます」意外な言葉に、ぼくは一瞬なにが [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第21話 神を信じろ
  • いいのか悪いのかわからないが、ヤクザ事務所の仕事もだいぶ慣れてきた。金チェーンも、サル顔も、スキンヘッドも、黄色サングラスも、意外に気を使ってくれたりする。軽い冗談ぐらい言えるようになった。少しゆるい雰囲気の中で、そうじ道具を運び入れていると、奥のボス部屋から、タクヤが出てきて、ぼくを手招いた。タクヤの顔が少し蒼いように見えた。タクヤといっしょに、部屋に入ると、福顔がいつものように、笑って迎えて向 [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第20話 神様はチョコが好き
  • 「ラヒムはどう思う」「そういうのは、俺はよくわからん。ヨガスタジオ、って言ってるなら、そうなんだろ」「ちょっと調べてよ」「やだ。めんどくさい。自分でやれ」「なんでだよ、会社を興せ、手伝ってやる、って言ったじゃんか」「だから手伝ってるではないか。仕事も紹介したし」「はい、これ、住所」「やだ、って言ってるだろ。忙しいんだよ。他からも依頼がいっぱい来てんだ」「頼むよ」「だめ」「ふんっ。そうですか、そうで [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第19話 らしからぬヨガスタジオ
  • 新しい仕事が決まるかもしれない。うちのホームページを見て問い合わせをしてきた。これから打ち合わせだ。場所は、五反田。ヨガスタジオだって。今どきじゃん。電話をくれた女性もなんだかとても感じがよかった。落ち着いた声の感じから、勝手に女優さんを当てはめてイメージしたりした。ちょっとドキドキ。朝から早めに洗濯をし、そうじ機をかけ、余裕を持って部屋を出た。自転車置き場に行くと、その隣にある駐車場に、シルバー [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第18話 ヤンキーに強い神様
  • 白いポンチョ姿の神様たちが、うじゃうじゃいるお仕事紹介所のカフェラウンジで、ラヒムと親友のずんぐりが顔を突き合わせている。「っていうわけなんだよ」「なるほど。で、そのタクヤってやつを俺に見ろ、と」「どうだ?」「うーん。手伝ってやりたいんだが、今、ほんと手いっぱいなんだよなー」「そこをなんとかよ」ずんぐりが、また「うーん」と唸った。すると、そこに、腰までありそうな長髪を後ろで束ねた逆三角顔の男が、に [続きを読む]
  • 神様のオシゴト 第17話 神様、頼みがあんだけど
  • ぼくは若者が荷台に腰かけられるように、荷物を少し寄せた。「座りなよ」「サンキュー。でも、俺ァ、いいわ」そう言って、若者はヤンキー座りをした。「この方が落ち着く」ハハ、とぼくは軽く笑った。ぼくも地面にあぐらをかいた。若者のさっきの問いに答えた。「奥さんと娘が一人いる。奥さん、怖いけどね」 ははは……。「ほんとお。いいなあ」「まあ、幸せなんだろうな、と思うよ」「おっさんじゃねえよ、俺がいいなあって言っ [続きを読む]