はな to つき さん プロフィール

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はな to つきさん: はな to つき
ハンドル名はな to つき さん
ブログタイトルはな to つき
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/hanazono7
サイト紹介文花鳥風月
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供55回 / 23日(平均16.7回/週) - 参加 2017/11/21 00:56

はな to つき さんのブログ記事

  • 世界旅行の世界(36)
  • 「ねえ、先生?」「ん?なあに?」「ベネチアの地下はどうなっているの?」「ベネチアの地下?」「そう、地下。だって、どうやってもこの街は、水に浮いているように思えるの。地面の上につくられていないような気がするの」「そういうことか。たしかに、水の上の街だよね」「やっぱり、そうなの?」「そうだね。厳密にいうと、潟の上の街だね」「かた?」「そう、干潟の『潟』」「その『潟』か」「ラグーナというのだけれど、その [続きを読む]
  • 月夜舟 二十二夜
  • 今宵は、飛ばずに跳ねる愛くるしい鳥たちの輪の中で、小さな足踏みをしています。どこまでも鳥と思わせない体格も、海の中では豹変します。平和な大陸の、平和な鳥たちと一緒に、お月さまとお話します。お月さま、唯一の価値観。どうして、それほどまでに、自らの価値観を正当化できるのかな。これっぽっちも、間違っているところはないと思っているのかな。価値観が異なっても、それを尊重することの方が、大切な気がするな。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(35)
  • 「ねえ、先生?透明の赤だよ?きれい」「どおれ?」「ほら、あそこ」水路の道を女の子と先生はゆらりと行きます。目抜き通りのカナルグランデを脇に入った道。網の目のように、か細い小道が縫っています。3階建の家々に挟まれるように、少し暗がりの小道が流れています。小さな町と町が、可愛らしい橋でつながりをもっています。「ベネチアングラスだね」「ベネチアングラス?」「そう、赤だけではないけれど、やっぱり一番きれい [続きを読む]
  • 月夜舟 二十一夜
  • 今宵は、赤道直下のサバンナを見下ろす、氷雪に覆われた山頂にそっと立っています。どこまでもひらけた野生の王国と雄々しい大陸最高峰。地球の息吹と生き物たちの寝息が聞こえてきそうな贅沢な時に感謝して、お月さまとお話します。お月さま、不安のない人など、きっといないよね。だから、一緒にいるのかな。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(34)
  • 「あ、時代に淘汰されるって、分かった気がする」山小屋の食事を頬張る女の子は、寄り道から、突然、本筋に戻って来たようです。いったい、何がフックになったのでしょう。何かがつながるときは、突然なものです。自分でも説明のできない連携が瞬時に成立します。そうして女の子は、感覚的に言葉の意味をとらえます。「分かったかい?」「たぶん、こういうことじゃない?ある時代には馴染んでいる流れとか響きが、別の時代では馴染 [続きを読む]
  • 月夜舟 二十夜
  • 今宵は、漆黒の天蓋の下、果てなく未完の大聖堂が迎えてくれています。どこまでも重さを感じさせない不思議な外観は、命の宿りを思わせます。今にも動き出しそうな巨大な塔に守られながら、お月さまとお話します。お月さま、自分の命は、自分のもの。けれど、自分の生は愛しい人のもの。だから、死も愛しい人のもののような気がしたよ。寂しさが居座るのは、残された者の方だからね。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(33)
  • 「ねえ先生、お腹空かない?」「そうだね、すっかり話に夢中になっていたね」「うん、夢中になってお話していたら、ずいぶん山を登って来てた」「本当だ。さっきまでの街が、もうあんなに小さくなっているね」ふたりのお腹が空くのも無理はありません。振り返ることもせずに、前だけを向いて歩いていたふたり。足元の緑、少し先の山、突き抜ける青空、そこに浮かぶ同じ形の雲たち。わずかに視界を上に向けて、ちょっとした登山を楽 [続きを読む]
  • 月夜舟 十九夜
  • 今宵は、白壁と円錐の屋根たちが、温もりを感じさせる街頭で浮かび上がっています。どこまでも絵本の中のとんがり屋根に思えて、遠近感が曖昧になります。おとぎの国の石畳をゆっくり歩きながら、お月さまとお話します。お月さま、人には、それぞれ壁があるよね。小学生には小学生の。30歳には30歳の。50代には50代の。そこに、優劣、大小、軽重はないよね。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(32)
  • 「それは、つまり?」「それはつまり、耳触りがよくないから、かな」女の子の仮定、言葉の消えていく理由の想像。それを溢れさせる先生の短い促し。ふたりの言葉の世界は、いつものように潤っていきます。「むずかしいから使い勝手が悪い。使い勝手が悪いから、使われる頻度が低くなる。そうしていつしか使われなくなって、消滅していく。そうではなくて、けっしてむずかしい言い回しでなかったとしても、耳触りがよくないから使わ [続きを読む]
  • 月夜舟 十八夜
  • 今宵は、草原の上のボタンスイッチのようなゲルが、ひっそりと照らされています。どこまでも吹き抜けていく乾いた匂いの風を追いかけて、宵闇へと飛び立てそうです。天球の要におおきく寝そべりながら、お月さまとお話します。お月さま、どんなことにも、きれいに即答する人。なんだか信用するのが、怖い気がするな。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(31)
  • 先生のオープンな質問を予想していた女の子。そうとも知らず、得意満面で三日天下に成り下がってしまった先生。ヤマが当たった女の子の回答は、どのようなものなのでしょう。悔しがりながらも、その答えを、独特な感性から繰り出される答えを、先生は楽しみにしています。「でもね先生、反射的に問題は予想できたのだけれど、その答えは、やっぱりむずかしい」「よかった。少しだけ、救われたよ」王様のはずの先生は、わずかに天下 [続きを読む]
  • 月夜舟 十七夜
  • 今宵は、言葉を失ってしまうほどに圧倒される一枚岩の頂に、腰をおろしています。どこまでも単体で存在する質量と褐色の天然物に、絶対性が覆っています。ウルルの言霊で神聖な気持ちを運ばれながら、お月さまとお話します。お月さま、変わらずにいること。変えずにおくこと。大切なことがあるよね。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(30)
  • 「それはね、そうして生まれてきた言葉が、脈々と生き続けていること」「なるほど、生み出した人に頼まれたわけでもないのに、ずうっと生き続けているということだね?」女の子の関心は、先生の一歩先を行っていたようです。生まれたことではなくて、生き続けてきたことに、興味が湧いたようです。「そう。仕事や義務で受け継がれるものはたくさんあるかもしれないけど、言葉はそういうものではないでしょう?」「そうだね。誰にも [続きを読む]
  • 今宵は、タロットで。(10)
  • 【質問】「40代未婚女性なのですが、この先結婚をすることができるかを見てもらえたらと思い、メールさせていただきました。特に積極的に出会いを求めて婚活らしきものはしていないのですが、いつか結婚はしてみたいなと思っています。かれこれ10年ほどお付き合いしている人はいません。周りの方々にも紹介をしてもらうような働きかけもしていません。少々恥ずかしくて、言い出せないというのが正直なところです。このような私 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(29)
  • 「先生、ベランダの柵に、赤いお花がびっしり並んでる」「え、どこどこ?」「ほら、あそこ」女の子は、上り坂の途中にある三角屋根の白い三階建てのお家を指さします。一面を緑に覆われた山々が、ぐるりと囲む小さな町。ここでなら、すべての少女たちが、赤とピンクと黄色の三色のワンピースを着込んでいても違和感がありません。「ハイジの世界だ」「実際の風景が、これほどまでに、あのままの世界だとは」女の子と先生は、見事に [続きを読む]
  • 月夜舟 十六夜
  • 今宵は、宝石と称えられる、王女の名を持つ湖が迎えてくれています。どこまでも温雅な揺らぎは、夜空の下でも鏡の湖水を伝えてきます。この上ないほどに水と緑を演出する、お月さまとお話します。お月さま、「でも・・・」「だって・・・」使わないようにしてみようかな。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(28)
  • 「先生は、きっと設計士になるよ?」「設計士?」「そう、お家を設計するようになると思う。先生、そういうことするの好き?」「う・・・ん、どうだろう。一度も考えたことがなかった」「そうなの?図面を書いたりしたことは?」「ううん、一度もないよ」「そうなんだ?」「どうして、設計士だって思ったの?」「あのね、昨夜、また先生が夢に出て来たの」「前に教えてくれた、声が大人になっていたわたし?」「そう。将来の先生」 [続きを読む]
  • 月夜舟 十五夜
  • 今宵は、深い山に隠された、主のいない空中都市を見渡しています。どこまでも讃嘆したくなる建築技術は、その地を追われた無念さを際立たせます。いつまでも主の帰りを待ちつづける神殿に跪き、お月さまとお話します。お月さま、才能と弱点は、諸刃の剣かもね。気をつけないといけないね。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(27)
  • 「ウォークインクローゼットは、どこがいいかな?」「寝室から入っていけるといいよね?」「そうだね。そうすれば、客間からは一番離れているところにもなるしね」「うん、クローゼットはプライベートな空間だから、そうしたい」「では、寝室とバスルームの間のここにしよう」「そうしたら、ベッドルームの右側の壁の方にも少し伸ばして、鍵カッコの形にしよう?」「なるほど、そうすると上の辺と右の辺に分けられて、上をあなたの [続きを読む]
  • 月夜舟 十四夜
  • 今宵は、黄金の丘陵を覆う、遥かなるぶどう畑を泳いでいます。どこまでも眠り続ける葡萄酒は、喉の渇きを挑発します。宇宙のどこかで生まれたばかりの星と、生まれたての美酒に乾杯をして、お月さまとお話します。お月さま、第一印象で、人を判断できるという人。どんな超能力者より。どんな占い師より。すごいよね。神業の洞察力。だけど、それができる人、本当にいるのかな。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(26)
  • 「きっとね、分かったつもりになりたくないのだと思う」「分かったつもり?」「そう、分かったつもり。家族でも友だちでも、気心の知れた相手には、このくらいは言わなくても分かるでしょう、伝わっているでしょう、という気持ちになったりするでしょう?」「うん、いっぱいある気がする」「もちろん、そういう以心伝心みたいなことができるから、家族や友だちなのだろうけれど、それはどこか信頼というものにすり替える手段のよう [続きを読む]
  • 月夜舟 十三夜
  • 今宵は、熱帯雨林と無尽蔵な生命体の母なる大河の上を漕いでいます。どこまでも桁外れな流域は、どれだけの命を育んで河口へ向かうのでしょう。形容しがたいほどの危険を背にして、お月さまとお話します。お月さま、なくなってから気づくことがあるよね。だから、離れずに気づくことが大切だよね。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(25)
  • 「この、何かに置き換える、何かにたとえて考えるというのも、先生から教わったことだよ?」「そんなこと教えたっけ?」「うん。実体験で、いつも教えてくれている。『こうやって、考えるんだよ?』という教え方ではなくて、あくまでも気づかせてくれるような教え方」「そうか。まったくそんなこと意識していなかったよ」「分かってる。先生がそれを自然にやっていること、私、分かってる」「やっぱりそれは、るみちゃんの感性だね [続きを読む]
  • 月夜舟 十二夜
  • 今宵は、深緑の衣をまとった高みと、水中の地平線まで見通せる青が織りなす楽園を満喫しています。どこまでも穏やかな島の音が、画家の愛した夜気に溶けています。やさしい白の浅瀬を銀色に照らす、お月さまとお話します。お月さま、感情の前では、理も知も、ただのお飾りだよね。 [続きを読む]
  • 世界旅行の世界(24)
  • オープンのバギーが風を切っています。エーゲ海に囲まれたサントリーニ島。いくつかの街が段々に点在している島を、女の子を乗せたバギーを先生が走らせています。「あ、ロバだ」「ほんとうだ。あれがタクシーなんだね?」「そうだね。ロバのタクシーなんだね」「これだけ急な坂だから、ロバも大変だろうね?」「うん、ロバ、しんどそうだよ」「心なしか、下を向いている気がしないかい?」「たしかに、下向いてる」「でもあれは、 [続きを読む]