秀春 さん プロフィール

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秀春さん: Hideの本とエッセイと絵と詩などのブログ
ハンドル名秀春 さん
ブログタイトルHideの本とエッセイと絵と詩などのブログ
ブログURLhttps://hide7639.muragon.com/
サイト紹介文おすすめ本を中心にエッセイ、絵、詩などを掲載したいと思っています。
自由文おすすめ本やエッセイ、絵、詩などを載せたいと思っています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供76回 / 174日(平均3.1回/週) - 参加 2018/01/26 22:58

秀春 さんのブログ記事

  • 「玉勝間」本居宣長 岩波文庫
  • 宣長が「古事記伝」を執筆する際、研究余録として書かれた随筆集です。内容は国学を中心として、諸事万般に渡るもので、宣長の興味教養や思考の幅がじつに広く、また深いものであったことを窺わせます。書中、尚古主義とは正反対の思考や弁証法的な論法をきれいに叙した文章などが見えます。また、孔子という人物はけっして傷付けずに、論語に文句を言っている箇所などは宣長の人物をあざやかに浮かび上がらせる秀抜な章です。徒然 [続きを読む]
  • エッセイ きれぎれ草 6
  • 美しく貴重な感情には、礼儀の衣が欠かせない。       〇 形式は、法則というよりも礼儀に近い。       〇 俳句の五七五形式、季語は礼儀そのものと言える。    〇 読書は、レコード針とレコード盤の関係に似ている。 早く読み過ぎても、遅く読み過ぎても何も分からない。       〇 自然は人間に放心を許したが、社会というものは人間を放心させまいとする。        [続きを読む]
  • エッセイ きれぎれ草 5
  • 福井の方の年始行事に、弓打ち講というものがあるそうで、的に矢を放ち、その年の吉凶を占うものだそうだが、これは的に矢が当たらないときの方が、吉で、却って的に矢が当たってしまっては、凶事が起こるとされているそうである。  批評ということと、重ね合わせてかんがえてみるのだが、あまりにも的確で、息を飲むほど的をついている批評というものは、なにかしら不安で、すこし不気味な感じさえ与えるもので、的を外し [続きを読む]
  • 「銀河鉄道の夜」宮沢賢治 新潮文庫
  • 賢治は謎めいた詩人です。賢治の作品にはまぶしい光が散乱している感がありますが、その光がいったいどこから来ているのかまったくの謎です。また、初期の詩集「春と修羅」に見られるように、自我意識のにごりと格闘せざるを得なかった典型的な近代人であるにもかかわらず、どの近代人にも到達できなかった、いわば、底光りのするような透明感を持っています。これは「銀河鉄道の夜」の大きな特徴ですが、賢治がいったいどのような [続きを読む]
  • 「作家の態度」福田恆存 中公文庫
  • 小林秀雄は福田恆存<つねあり>の人物を評して「良心を持った鳥のような人だ」と言っています。ボードレールは滅びゆく貴族階級を範にして自分の生き方にダンディズムを取り入れましたが、福田は日本人的な直感で、これからの時代は俗物的な視点が欠かせないとスノッビズムを創作態度の中に取り入れました。この書は、近代日本文学の問題点を独自の視点から掘り下げたものですが、独創的な卓見に満ち、未だにこれを越える批評は出 [続きを読む]
  • エッセイ きれぎれ草 4
  • 2018年サッカーW杯  日本対ポーランド戦での、日本へのブーイング試合。 あれこそ、本来の、古風な意味合いでの「やまとだましい」「やまとごころ」を持った日本侍選手たちの試合なのである。  「武士道」とは、だから、定義するのが、まったく困難な、じつに含蓄に富んだ言葉なので、一種の精神主義とは、一線を画するものなのである。      〇 ある空想<短詩型文学>  心に響く俳句や短歌をよむとこんな空想 [続きを読む]
  • 「老人と海」ヘミングウェイ 新潮文庫
  • アメリカの作家ヘミングウェイの代表作です。メキシコの海で何日にもわたる格闘の末、小さな釣り船に乗った主人公の老人は巨大なカジキマグロを釣り上げますが、その獲物はサメに襲われて骨だけにされてしまいます。人間の不屈の営みとその報われない空しさを描き、世界から共感を得た名作です。ヘミングウェイはノーベル文学賞を受賞しましたが、最期にライフル銃を口にくわえ自殺しました。何よりもハードボイルドと明快な生き方 [続きを読む]
  • 「私の幸福論」福田恆存 ちくま文庫
  • 福田恆存は現代の作家です。演劇、翻訳、評論など多岐に渡って活躍しました。シェイクスピアの翻訳でもよく知られています。この書はわたしにとっては忘れられない本で、浪人時代の精神的な支柱になったということもあり、このおすすめ本の中に入れました。現実は確かに不平等である。だが、不平等だからと言って不平ばかり言っていても仕方があるまい。与えられた環境をそのまま是とし、そこから歩き出すべきであろうという著者の [続きを読む]
  • 「犬だって散歩する」丸谷才一 講談社文庫
  • 日本の現代作家丸谷才一の軽めのエッセーです。これはわたしの好みも入りますが、この人の文章は小説よりも、こうしたエッセーのように軽妙なものの方が、生き生きとした精彩が感じられるように思えてなりません。たいへん博学な人で、博識を元にした知的遊戯の達人と言っていいかもしれません。それでいて、ペダンチックな臭いは少しも感じさせない人で、知識がこの人の中で充分に熟れているからでしょう。この書は、その丸谷才一 [続きを読む]
  • 「代表的日本人」内村鑑三 岩波文庫
  • 原文はとても立派な英文で書かれているそうです。本書は、岩波文庫の新訳ではなく鈴木俊郎の旧訳の方を選びます。旧訳の方が、内村の意図するところをよく伝えていると思えたからです。西郷隆盛をはじめとして中江藤樹、二宮尊徳、上杉鷹山、日蓮上人らの短いけれど、じつに精彩に富んだ評伝集です。誰も内村が書いたように、これらの日本の傑物たちを書けた人はいませんでした。これは内村鑑三自身が代表的日本人だったからに他な [続きを読む]
  • エッセイ 邪教 <現代日本の観念的宗教>
  • 麻原の死刑が執行されたが、オーム真理教という宗教団体をここで一度、大掴みにしておきたい。 あまりにも観念的にでっち上げられた宗教というものの正体を曝しておくことも、必要かと感じるからである。 相手が、筋金入りの邪教であるので、こちらもそのあまりにも観念的な信教の在り方を掴むのに、大掛かりな観念の飛躍を試みなければならない。 例は、キリスト教が良いように思える。イエス・キリストはそのまま見れば、死刑 [続きを読む]
  • エッセイ きれぎれ草 3
  • 歎異抄 たましいの奥底に墨で大書されたような文言。 これはどんな人間のたましいにも応ずる。 善人だろうが悪人だろうが。 「たとへ、法然聖人にすかされまいらせて、念仏して地獄に堕ちたりとも」 「すかされ」という俗語が、肉体的に痛切と言っていいくらいの血の匂いがする。 なんという奥深さだろうか。 親鸞の手振りや口調まで伝わってくるようだ。 親鸞にはもう一つ美しい言葉がある。 「弥陀の本願はひとへに親鸞 [続きを読む]
  • 「ナイン・ストーリーズ」サリンジャー 新潮文庫
  • サリンジャーはユダヤ人の作家です。日本の禅文化の影響を色濃く受けた人で、巻頭言には白隠の「両手で打って鳴る音を片手で聞け」という禅の公案が掲げられています。サリンジャーは初めから、日本の禅文化に興味を持っていたわけではなく、アメリカで起こった、金持ちの家に生まれ、どこから見ても幸福そうだった青年の自殺という不可解な事件を追っていくうちに、それがサリンジャーにとっての公案のような働きをしたようです。 [続きを読む]
  • エッセイ きれぎれ草 2
  • 自我形成 自我を形成するとは、周囲から自分が切り取られることである。自我は切り取られた傷口に沿って自分を形成していくものである 寒天からナイフで小さな立方体を切り取る。 要点は、その立方体の小片にではなく、切り取られたという、そのことにある。 そうして、再び周囲と新しい関係を築くこと。自我形成とは、その営々たる繰り返し作業に他ならない。      〇 虚子俳話録 「私は人には、鬼のようにも仏のよう [続きを読む]
  • エッセイ きれぎれ草 1
  • 問題 世の中の問題というものは、それがそのまま解決されることは、稀な事態である。通常はそれを問題とする必要がもうなくなったから、自然とその問題が解消されるという形をとるものである。われわれが、日頃頭の中で思い煩っている問題にしても同じことが言える。 ○ 内村鑑三 明治期以来、もっとも霊性的な人間といっていいのではないか。彼の書いた文章には、直に聖霊の存在を感じさせるものがある。 ○ ニーチェ 神は [続きを読む]
  • エッセイ 理念と原理
  • ※ほぼ、3カ月ほど中断しておりました。これからは、ぼちぼちUPしていきたいと思っています。 理念というものは原理的に扱われると、自分や他人を傷つけずには置かない両刃の剣となる。この理念というものは、キリスト教を代表とする、唯一神を奉ずる西洋諸国の宗教からもたらされた観念であるという認識は、まず、必要だろうと思う。 ところで、原理とは、数学的、物理学的な公式であり、とりのけを許さないと [続きを読む]
  • 「うひ山ぶみ」本居宣長 岩波文庫
  • 宣長が、大著「古事記伝」を落成した年に書いた初学者のための手引き書です。宣長はここで、暇がないからといって、年を取っているからといって、また、才能がないからといって学問をしないのは、とても残念なことだ。学問は、暇がある人より、ない人の方が却って進むものだし、年を取っていても学問するのになんの差し支えもない。才不才は天賦のことで、そういうことを気に掛けてはいけないと実に懇切丁寧に説いていきます。そう [続きを読む]
  • 「檸檬 <れもん>」梶井基次郎 新潮文庫
  • 梶井は宮沢賢治と比肩する童話的感性の持ち主だったと言っていいのですが、イマージュの鋭角的な強烈さでは賢治を上回っているように見えます。そうして、それが円満な童話的世界を破る裂け目となります。レモンの鮮烈な味と引き締まった造形美に爆発を見、美しい桜の木の下には動物たちの屍体が埋まっているのだと見る幻視力には、童話に安住することの難しい、都会的で苛立たしい、神経的に性急な血のさわぎが感じられるようです [続きを読む]
  • 「中国古典選 ー易ー」本田済 朝日選書
  • 中国の儒教教典五経の筆頭に位置する古典です。中国は不思議なお国柄と言っていいでしょう。「易」は占いの書物ですが、それを聖典として、しかも五経の最初に掲げているのですから。孔子は五十歳になって、はじめて「易」の本当の価値が分かり、これから人生の危機を回避することができるようになるだろうと言っています。おもしろいことに、コペルニクス的転回で有名な西洋の科学者コペルニクスもやはり五十歳で占いを用い、孔子 [続きを読む]
  • 「パルムの僧院」スタンダール 新潮文庫&【お詫び】
  • ※ブログだけは更新していますが、忙しくて、なかなか、みなさんのブログを訪問できな  いでいます。どうぞ、ご容赦のほどを。 当時、見掛けだけ大げさでロマンチックな小説が持てはやされていましたが、スタンダールはそうした小説を憎み、一見平板にさえ見えるような文章を用い、本当のロマンチシズム溢れる小説を書くことに成功しました。スタンダールは、この小説を自分の膝に親類の少女を座らせて、その少女 [続きを読む]
  • 「恋愛論」スタンダール 新潮文庫
  • スタンダールは時代を越えてはじめて、その本当の価値が分かると言われるほどの普遍精神の持ち主でした。ただ、フランス人は非常に計算好きな国民性を持っていて、スタンダールもこの恋愛論の中で、恋愛を様々なタイプに分析、分類し、これ以外の恋愛というものは有り得ないということを言っています。有り得ないかどうかはともかく、国民性の為せる業のように思えます。スタンダールは、恋愛を大きくウェルテル的な恋愛とドン・ジ [続きを読む]
  • 「親和力」ゲーテ 岩波文庫
  • 親和力は化学用語です。ある物質と他のある物質とが互いに強く引き付け合う化学反応を指します。ゲーテはここで、どうしても互いに引き合って止まない人間同士の恋に例えました。一人は妻のある中年の男、もう一人は、その男を思慕する若い女性です。道ならぬ恋に悩む女性は、ついに絶食して自ら命を絶ちます。男も同じ方法で命を絶ちます。作中、ゲーテは二人の気高い死に敬意を払って書いています。自分が理念というものに従って [続きを読む]
  • 「詩と真実」ゲーテ 岩波文庫
  • ゲーテの幼少青年期の伝記です。占星術にも決して偏見を持たなかったゲーテは、自身のホロスコープを巻頭に掲げています。「ファウスト」に出てくるノストラダムスといい、ゲーテの実に広い教養の幅を思わせます。また、それらに溺れてしまうような人間でも無論ありません。世界精神と呼ばれるほどの人物の伝記です。われわれも、決してその厳めしい言葉に溺れずに読み進んで行く必要があるのでしょう。不断の人格涵養の糧となる教 [続きを読む]