秀春 さん プロフィール

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秀春さん: Hideの本とエッセイと絵と詩などのブログ
ハンドル名秀春 さん
ブログタイトルHideの本とエッセイと絵と詩などのブログ
ブログURLhttps://hide7639.muragon.com/
サイト紹介文おすすめ本を中心にエッセイ、絵、詩などを掲載したいと思っています。
自由文おすすめ本やエッセイ、絵、詩などを載せたいと思っています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供213回 / 320日(平均4.7回/週) - 参加 2018/01/26 22:58

秀春 さんのブログ記事

  • 「日本文学史早わかり」丸谷才一 講談社文庫
  • この本は、受験に役立つ本ではありません。日本文学の脊髄を作り上げてきた文学を和歌に見、その歴史伝統について論じた本です。著者の着眼は正鵠を射ていると言っていいでしょう。著者の丸谷才一は、いままで、だれも気がつかなかったことに気がつくのが得意な人で、この本もそうした著者ならではの眼光が光っています。一読して、日本文学の急所の在りどころを明らかにしてみせます。丸谷ならではの独創性に富んだ日本文学史です [続きを読む]
  • 現代詩 蝶蝶
  • モンシロ蝶は日向を好む アゲハ蝶は日陰を好む モンシロかわいい アゲハはきれい モンシロ浮薄 アゲハは玲瓏 モンシロパタパタ アゲハはヒラリ そこへミツバチやって来た ここは見知らぬ人の庭 [続きを読む]
  • 「対談集 九つの問答」司馬遼太郎 朝日文芸文庫
  • 司馬遼太郎が、各界の人物たちと文化、国家について縦横に語った対談集です。巻頭の井筒俊彦との対談が選者には、一番おもしろく読めましたが、それぞれに知的刺激に溢れた対談群です。司馬は国民的に人気のある作家ですが、その司馬の等身大の姿が見えてくる得難い書物です。司馬遼太郎は、単に人気があるだけの作家ではなく、晩年は、一個の憂国の士でもありました。他に「中国を考える」「歴史を考える」もお薦めの対談集です。 [続きを読む]
  • Hideの俳句・短歌 5
  • すごいような夕焼け空の下人間たちのたましいに動物たちのたましいが忍び込んだ 月澄んで猫になりたい夜だった 批判めくしわぶき残し人去りぬ ひび割れし心にしみる風のありぬ 猿鉄条に病んで夜長し 壊れても目鼻ありけりピカソかな <無季> [続きを読む]
  • 「横しぐれ」丸谷才一 講談社学芸文庫
  • 歌人種田山頭火を描いたフィクションです。わたしの好みからいくと丸谷の中でもっともよい小説ではないかと思われます。「横しぐれ」という一語を文学史的に繙いていって、旅先で偶然出会った山頭火に「なるほど、これで十分なわけですな」と言わせます。「横時雨」はこの一語で成立している「うた」で、古来から歌の師匠たちはこの言葉を和歌に使ってはならぬと教えてきたといいます。そうして、山頭火の流浪の人生を思い、禁忌に [続きを読む]
  • 「未成年」ドストエフスキー 岩波文庫
  • ドストエフスキーの心理観察眼が縦横無尽に極限まで達したかと見える小説です。一人の未成年に語らせるという形を取り、「悪霊」の直後に書かれ、「カラマーゾフの兄弟」への踏み台となったこの小説は、ドストエフスキーの最も得意とした複雑怪奇な心理世界を余すところなく書き尽くしているようです。小説の最後に「現代の小説を書きたいと願う人間は、推察することです。そして、誤つことです。」という心理世界の極北に立つと思 [続きを読む]
  • 「賭博者」ドストエフスキー 新潮文庫
  • ドストエフスキーは自身を省みて「私はあらゆことにおいて限度を踏み越える人間だった」と述懐しています。ルーレットにはまると、靴下まで賭けてしまうというところにまで行くほどでした。この作品はドストエフスキーが口述したことを筆記し、即製されたものです。借金を返すためのやむを得ない事情からでした。賭博者というものは金が目当てでギャンブルをするものではないということを、これほどよく分からせてくれる小説は他に [続きを読む]
  • エッセイ 武士道 <西郷隆盛における>
  • 武士道というものは、歴史的に見て、とても発展性のある思想である。これは格別なことといって良く、世界的に見ても稀な思想と言ってようである。 思想というものは、深くそれを考察するとき、原点に戻るのが本来の筋である。キリスト教でもイスラーム教でも仏教でも儒教でもその原理は変わらない。言わば、最初にすべてが所与されているものなのである。 日本で最初の征夷大将軍は坂上田村麻呂である。この人は、出自の確かな武 [続きを読む]
  • エッセイ 聖徳太子考
  • 現在、歴史家の間で、聖徳太子のことが取り沙汰されている。聖徳太子という人は居なかったという説が有力なのだそうである。 居なかったかどうかは、ともかく。ここで至極当たり前なことを指摘しておきたい。人間の心というものは、あるものをないとして考えるというときには、とても活発によく働くものである。だが、元々無いものをあるものとして考えるときには、非常な困難を強いられるもので、これは、人間にとっては、ほとん [続きを読む]
  • 「樹影譚」丸谷才一 文春文庫
  • 丸谷才一は先年亡くなりましたが、現代小説家として、通好みの小説ファンが多かった人です。「小説家としては学問があり過ぎ、学者としては想像力があり過ぎる」と言われたほど博識な小説家でした。この小説はまだ女を知らない青年と可憐な生娘との初体験がテーマです。うぶ同士の若い男女の交渉はよく書かれていて、微笑ましくすら感じられます。フレッシュな性愛を描いた小説です。 [続きを読む]
  • Hideの俳句・短歌 4
  • 夏座敷縁側降りる猫の子や耳をそばだて秋の音をきく 夜の秋窓より風のまたぎ来る 月天心とんがりおりぬピラミッド ランボーという男あり秋の夜 くったりと女ねむるやキリギリス しばらくは月を見ていし無人駅 永遠という観念の秋は深み [続きを読む]
  • Hideの俳句・短歌 3
  • 日なた日陰小春日和の散歩道 眺め入る空には秋や信号待ち 部屋を出でずこころ散らかる日曜日 <無季> 寒風にひとり吹かれて帰り道 雷鳴やひとり過ごせる部屋に風 レクイエム聴くよしもがなかの日にはモーツァルトは死にたりければ 聴くも良し聞かずともよしレクイエムモーツァルトは生きたりければ [続きを読む]
  • エッセイ 病院というところ
  • ルソーの「エミール」にはこんなことが書かれている。「病院は病気を治すところではなく、病気をつくるところである」と。 現代医学の発達は目覚ましいから、現代では一概に、このルソーの言葉通りという訳にはいかないかもしれないが、未だに、ある真理を内包している言葉である。 わたしと同じくらいの年代の人は、およそ必ずと言っていいほど、歯に銀歯か金歯が一本以上あるはずである。これは学校指定保険医の名目でやって来 [続きを読む]
  • 「地下室の手記」ドストエフスキー 新潮文庫
  • 小型爆弾と言ってよい本です。「罪と罰」の直前に書かれました。ドストエフスキーは人物としてはとても意地が悪く、付き合う人々を困らせずにはいない厄介な人である上に、至極純良な心を持っているというじつに複雑な心の持ち主でした。「ぼくは病んだ人間だ。意地の悪い人間だ。」という出だしで始まるこの小説は、そのドストエフスキーの露悪的な面が存分に発揮されたロシア風の私小説と言っていいものです。ニーチェはこの小説 [続きを読む]
  • エッセイ 現代人にとっての「信」
  • ※この記事には、禁忌に属する事柄が少し含まれています。苦手な方はお読みにならない  でください。 人間の深奥にある「信」の心は、神や仏などの絶対的な存在におくべきであろう。 これは昔から変わらない事柄である。 横道に逸れるが、日本では無宗教を標榜して、平気な顔をしている人がいるが、これは日本独自の特殊な事情による。私見では、これは儒教の影響が大きい。仏教などの宗教で説く天国や地獄をないものとする考 [続きを読む]
  • 「読書について」小林秀雄 新潮社
  • 小林初期の数ページほどの短文です。初期の小林らしい江戸っ子気質が窺える威勢のいい啖呵を切ったような短い文章ですが、わたしは若い頃この短文を読み、どれほど勇気づけられ励まされたか知れません。この短文は最後にこう締め括られています。「良書は、どのような良書であれ、たった一つのことしか語っていはしない。君は君自身になり給えと。君に何が欠けていようか。」手元に本がないため、記憶の中の不手際な引用ですが、こ [続きを読む]
  • 「地中海の感興」ポール・ヴァレリー 平凡社ライブラリー
  • ヴァレリーは、ベルクソンやアランと並ぶ同時代の哲学者で、詩人でもあり批評家でもありました。明晰な純粋意識を徹底して実験して見せた『テスト氏』は、数学的な意識研究報告書といっていいものです。『ドガ・ダンス・デッサン』では親交のあった画家ドガの言葉をモチーフに、批評文のあらゆる可能性が試され、深遠な哲学、明晰な批評、また、底抜けの冗談まで盛り込まれています。この「地中海の感興」はヴァレリーに近づくもっ [続きを読む]