mai さん プロフィール

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maiさん: 懐古的日本文学
ハンドル名mai さん
ブログタイトル懐古的日本文学
ブログURLhttp://kaikotekinihonbungak.blog.fc2.com/
サイト紹介文主に近代以降(明治・大正・昭和)の日本文学、大衆小説の紹介や勝手な分析と感想とイラストを掲載。
自由文女性。近代(明治〜昭和)の歴史や風俗・生活に興味があり、関連の日本文学や大衆小説などの紹介や感想、勝手な分析を書いています。
文豪作品や、女流作家、プロレタリア文学、戦争文学を取り上げていきたいです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供10回 / 113日(平均0.6回/週) - 参加 2018/02/11 19:37

mai さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • ⑬-2「雪国」川端康成/1937年
  • 「雪国」川端康成②自然風景の描写による表象  最初読んだときはあまり気づかなかったのだが、物語中、何度も自然描写と島村・駒子の心情が呼応させられている。 二人が最初に出会ったときに見られる「もつれ合いながら飛んでいく蝶」p.28 追い詰められ、その姿を消されまいとあせっている「蜻蛉の群」=駒子 松風にゆれる鈴の音=駒子  最後、限られた時間しか会えない二人のこれまでの月日と、別れを予期させる「天の川」… [続きを読む]
  • ⑬-1「雪国」川端康成/1937年
  • 「雪国」川端康成 1937年(昭和12)〜すれ違う男女の逢瀬のはて〜 「この指が覚えていたんだ」とか「滑らかな唇は、彼女の体の魅力そっくり」等々官能的な表現にばかり目が行きがちになるが、人物の心情と風景描写などの細かく緻密な文章が素晴らしく、読みごたえがある。 一度では深いところまで理解できず何度も読んでしまう。〜あらすじ〜 東京に暮らす無為徒食の島村は、とある温泉町の「雪国」でのちに芸者となる駒子と出 [続きを読む]
  • ⑫「私の東京地図」佐多稲子/1949年
  • 「私の東京地図」佐多稲子 1949年(昭和24)〜東京の街と共に歩んできた「私」の人生地図〜 プロレタリア作家として、労働者の立場から社会を描いてきた彼女の自伝的小説。 終戦の翌年から連作として発表し始めた本作は、社会批判や主義主張があまり強くなく(ちょっとはあるが)、一人の市井の女性の物語として、気負わず読むことができる。〜あらすじ〜 終戦後、焼け野原の東京に立った「私」は、自分と東京の街の思い出を回想 [続きを読む]
  • ⑪「痴人の愛」 谷崎潤一郎/1924年
  • 「痴人の愛」 谷崎潤一郎 1924年(大正13) 〜自分が育てた女に振り回されていく男の苦悩と愉悦〜 自身の肉体を武器に、男性を意のままに操る女性像を描いた(当時の)衝撃作。 ヒロイン・ナオミはモガを象徴する女性として有名になり、ナオミのように自分の好きなように生きる女性を指す「ナオミズム」という造語まで生まれた。 しかし、この時代のモガ=貞操観念のない自由奔放な女だったのだろうか... 勝手なイメージだが、モ [続きを読む]
  • ⑩「藪の中」芥川龍之介/1922年
  • 「藪の中」芥川龍之介 1922年(大正11) 〜人間のエゴと矛盾をあぶり出す、永遠のミステリー〜  黒澤映画・羅生門の原作となった短編小説。  「真相は藪の中」という言葉まで生まれたほど、有名な名作。  全編、事件の関係者の供述による口述体で話を進める構成が、見事である。  湊かなえの「告白」など、今では珍しくなくなったが、日本文学の小説でこの形体を用いたのは、もしかしたら芥川が一番初めなのではないだろうか [続きを読む]
  • ⑨-4「三四郎」夏目漱石/1908年
  • 「三四郎」夏目漱石(つづき)⑤時代を見つめる漱石の視線 この小説では、度々、与次郎に代表される、新時代の学生たちの文芸活動と主張や、広田先生の目から見た社会に関する分析が描かれている。 これらは、三四郎と美禰子の恋と共に、物語の主要な柱となっており、本小説を教養小説たらしめている大きな要因となっていると思う。  明治知識人の代表である広田先生は、社会を俯瞰的に見つつ、うがったセリフを放つ。 <分析 [続きを読む]
  • ⑨-3「三四郎」夏目漱石/1908年
  • 「三四郎」夏目漱石 (つづき) ④三四郎と美禰子の切ないすれ違い   上京した青年が新しい仲間や女性と出会い、恋に落ちるという、ごくありふれた単純な筋なのに、こんなに面白く読ませるのは、ひとえに漱石の人間描写力の高さ故だろう。   美禰子の表情や台詞一つとっても、全てに意味が込められている。 そして、さまざまな解釈を加えられるところも、この作品の魅力だと思う。  無意識に心を通わせ合いながらも、結局すれ [続きを読む]
  • ⑨-2「三四郎」夏目漱石/1908年
  • 「三四郎」夏目漱石 1908年(明治8)①明治の青春(続き)・三四郎の性格 三四郎はベーコンの二十三頁を開いた。他の本でも読めそうにはない。ましてベーコンなどは無論読む気にならない。けれども三四郎は恭しく二十三頁を開いて、万遍なく頁全体を見廻していた。三四郎は二十三頁の前で、一応昨夜の御浚をする気である。P.13 三四郎は、口下手で、人と会う前に色々問答を想像したり、会った後でやり取りを後悔したりする、極 [続きを読む]
  • ⑨-1「三四郎」夏目漱石/1908年
  • 「三四郎」夏目漱石 1908年(明治41)〜新時代の学生・三四郎の青春と恋の苦悩〜 個人的に、明治の青春という感じがとても好きである。全体を通してどこか明るさが感じられ、現代と相通ずるものがある。同様の理由で「坂の上の雲」の前半部分も相当好きなのだが… 主人公が、夢と希望に満ちて上京、国と時代が活気に満ちていて東京はその中心地。見るものすべてが真新しく圧倒される感じ、新しい出会い、友情…この筋だけなら、 [続きを読む]
  • ⑧「途上」谷崎潤一郎/1920年
  • 「途上」谷崎潤一郎 1920年(大正9)〜徐々に暴かれていくある男の身の上〜 谷崎の探偵小説の傑作。彼自身が外国の探偵小説やミステリーに耽溺していただけあって、彼は実は探偵小説の名手でもあるのだ。しょっちゅうマゾっぽい小説ばかり書いているわけではない。 第三者が主人公を論理立てて追い詰めていく内容に、読んでいてぞくぞくする。〜あらすじ〜 ある日の夕方、会社を出た湯河は見知らぬ中年紳士に声を掛けられる。 [続きを読む]
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