葉月 さん プロフィール

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葉月さん: Once more
ハンドル名葉月 さん
ブログタイトルOnce more
ブログURLhttp://bonheur870.blog.fc2.com/
サイト紹介文CPつかつく*二次小説です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供51回 / 99日(平均3.6回/週) - 参加 2018/02/15 10:44

葉月 さんのブログ記事

  • その先へ 40
  • 「よぉ、司! 久しぶりだなぁ」「おぅ」「今回は急な担当者変更で申し訳ない。プロジェクトは俺が担当することになった。宜しく頼む」「あぁ。取り敢えず座れよ」10数年振りのあきらは、先ずは社会人としてのけじめか、若しくは、律儀な性格故か。頭を下げてから、促したソファーへと腰を下ろした。「司、前より随分と顔色良くなったんじゃねぇか? たまにパーティーで見掛けても、痩せてるし顔色も良くなかったから心配してたんだ [続きを読む]
  • その先へ 39
  • 高級外車が静かに滑り込むのを確認して、身を正す。ドアが開けられ、降りて来た人物が私との距離を縮めて来るのを待って頭を下げた。「牧野! やっと会えたなぁ。マジで嬉しいよ!」懐かしさが胸を撫でる。穏やかな声に導かれるように顔を上げれば、声に違(たが)わず表情も優しく、柔らかな雰囲気も当時と変わっていなかった。12年、いや、もう直ぐ13年になる長い年月を隔てても尚、あの頃の雰囲気を損なわないこの人は、加えて大 [続きを読む]
  • その先へ 38
  • 道明寺を真っ直ぐに見て、あの想い出の日々を口にした。「大切にしてくれたよ。そりゃさ、道明寺は俺様だし障害だらけの大変な恋愛だったけど……、」道明寺の揺れてた瞳が、その先を待つように私のものと合わせてくる。「凄く大事にしてくれたし、私が困ってる時はいつだって助けてくれた。そりゃもうしつこいくらいに」「しつこいって、ひでぇな」不満気に道明寺の眉間に皺が寄る。それを見て、クスッと笑みを落とす。「本当に何 [続きを読む]
  • その先へ 37
  • 自宅に帰りリビングの扉を開けるなり、驚愕の光景に目を見開いた。「なっ! どうして道明寺が居るのよ!」驚きのまま叫ぶ私に、「よぅ」「よぅ、じゃない!」笑顔の道明寺は、家のリビングにあるソファーに優雅に座っていて、私の驚きなんかちっとも気に掛けない。状況が読み込めず立ち竦んだままの私に、もう一人の呑気な声が間に入る。「姉ちゃん。俺が上がってもらったの。前に姉ちゃん送って貰った時は、お茶の一つも出せなか [続きを読む]
  • その先へ 36
  • 射し込む一筋の光に照らされ、瞼を開ける。…………良く寝た。まだ、はっきりと覚醒しなくても分かる。昨日までの気だるさが微塵も感じられないほど体は軽い。安眠へと導いてくれたのは、間違いなく小さな手だ。その小さな手の持ち主の姿は、当然もういない…………が、どうしてだ?「なんでおまえが居んだよ」隣にいる返事をしない相手に何度も瞬きをしてみる。暫く呆然としたあと、ベッドサイドにあるスマホを確認すれば、西田か [続きを読む]
  • Precious Love*番外編─再会*
  • こちらは短編【Precious Love】の番外編となっております。本編をお読みになってからお進み下さいませ。気付かなかった。背後に停まった車の気配も、その車のドアが開き、アルファルトを数回刻んだ足音も。すぎなハウスの前で止められなくなった自分の嗚咽が邪魔して、だから耳に何も入らなかった。肩を叩かれるまでは。「先輩?」肩に乗った桜子の手の重みに顔を上げる。桜子は『見て?』と言うように背後に目線を動かし後を追え [続きを読む]
  • 御礼・あとがき
  • こんにちは!いつも遊びに来て下さり、ありがとうございます。短編『Precious Love』無事に完結致しました。スタートから辛い展開にも関わらず、最後までお付き合い下さいました皆様に、心から感謝申し上げます。一体、どうなるのか?と、読み続ける中で心配になられた方もいたと思いますが、何とか最後はハッピーエンド!つくしと会えなくても、見えないところでは繋がっていたい。そんな司の一筋な気持ちが、すぎなを通して伝え [続きを読む]
  • Precious Love 4
  • 八年の年月が流れても、世間は何も変わらなかった。耳を塞ぎたくなるような事件も、芸能人のスキャンダルも、この世の中から消えずに繰り返される、変わらない社会の日常の一コマだとも言えるし、一年前に政権が変わっても、私達の日常の生活に影響はない。身の回りで変わったことと言えば、二年前に優紀さんが職場結婚したことと、優紀さんの代わりに私が先輩と一緒に暮らすようになったこと。普通のマンションに住むのにも慣れ、 [続きを読む]
  • Precious Love 3
  • 『桜子か?』「美作さん、おはようございます」先輩の家に泊まり、帰った翌日。帰宅して直ぐに、先輩を心配する美作さんからの電話が入る。昨夜の先輩の状況と、怪我をして病院に連れていったことを告げると、美作さんは『堪んねぇな』と重く沈んだ声を漏らした。「今朝は、少しでも腫れた目を隠そうと私がメイクをしたんですけど、完全には隠しきれなくて……」『そうか……。司も今頃、顔が腫れ上がってんだろうけどな』「道明寺 [続きを読む]
  • Precious Love 2
  • あれから直ぐに優紀さんに連絡を入れ、先輩と優紀さんが住むマンションへと来ていた。優紀さんと二人、息を潜めてソファーに座り、私達がいるリビングから繋がる一室のドアの向こうにと想いを馳せる。その部屋からは、何かが落ちる音や、何かを叩く音、何かが割れる音が響いていた。止めに入りはしなかった。我慢させる方が不健全に思えて……。やがてそれらの音は消え、先輩の慟哭だけが哀しく響く。立ち上がりそうになる優紀さん [続きを読む]
  • Precious Love 1
  • こちらのお話は4話完結の短編となります。あり得るのか疑問な設定含みですが、あくまで妄想、フィクションだと寛大にご理解頂ければ幸いです。「しかし、珍しいよな。司が俺達を呼び出すなんてよ」「だよなー。いつもなら俺達なんて邪魔者扱いなんじゃねーの?」「そうそう! 滋ちゃんとは遊んでもくれずに、すっかり放置だもんね!」「それは仕方ないですよ、滋さん!」今日は、NYから急遽一時帰国した道明寺さんの鶴の一声で、こ [続きを読む]
  • その先へ 35
  • 威嚇をしたきり、道明寺は動きもしない。「副社長?」声を掛けてみれば、その体は面白いほど大きくビクリと揺れた。まさか、私が来るとは思ってもみなかったのかもしれない。「寝てないなら食事にしよう?」「…………」「ね、副社長!」「…………」「副社長ってば! 起きてるんでしょ?」気不味いのか、声も出さなければ、さっきは跳ねた体も動きを見せない。あの思いも掛けない告白を受けてから、初めて顔を付き合わせるわけだ [続きを読む]
  • その先へ 34
  • 車が静かに流れる中、私は目を閉じたままでいた。長く真っ直ぐ続く道。車窓を見なくても、ここが道明寺邸の正門へと繋がる道だと分かる。色んな思いが胸を掠め、そして一つの記憶に固定する。瞼の裏に映るのは、遠い昔の止まない雨だ。呑み込まれそうな真っ暗な夜に、二人を遮断するかの如く叩きつける雨。その雨音に本音を隠して私が投げつけた言葉は、道明寺の胸を抉り、表情から色を奪った。あの日の道明寺の顔を、今でもはっき [続きを読む]
  • その先へ 33
  • 日曜日の夜。いつもより早い夕食を進と二人で摂り、入浴も済ませた。この後の時間の潰しかたは、もう仕入れてある。昼間に宛もなく街をブラつき、立ち寄った本屋で大量に買った小説の文庫本だ。時間を潰す目的で大人買いしてしまった。昨日は昨日で、夜になったらグッスリ眠れるようにと、無駄に掃除に明け暮れ、疲れるまで体を酷使した。そうでもしなければ、仕事のない休日は、あの日言われた道明寺の言葉へと意識を持って行かれ [続きを読む]
  • その先へ 32
  • 「副社長、今日はこれでコーヒー5杯目です。飲み過ぎなのでは?」「放っとけよ」「牧野さんが訊いたら、雷を落とされそうですね」牧野、って名に反応して西田を睨み上げても、どこ吹く風。嫌味なほどその表情は乱れない。「次はハーブティーをご用意させて頂きます。それと、夜のお酒は程々に。そして、此処が一番重要です。いい加減、本気で仕事に取り掛かって下さい。このままでは、一週間での帰国は無理です。これ以上、遅れる [続きを読む]
  • その先へ 31
  • あれからパーティーを直ぐに抜け出し、行きと同じ様に部屋で着替え直してから、食事に行くために、俺達はそそくさと車に乗り込んだ。「あー、お腹すいたぁ」車が走り出すと同時に、力尽きた様に頭を垂らした牧野が言う。必要以上に気が張ってたんだろう。漸く解放された今、ぐったりはしているが、その表情からは緊張の色が消えている。やっと通常の食欲も取り戻した様だし、飯を食わせて、いつもの元気な牧野に戻してやりたかった [続きを読む]
  • その先へ 30
  • きらびやかな会場に踏み込めば、視線が俺達に一斉に集まる。それはいつものことでムカつきもしないが、ある一定数、浅ましい奴等ってのが存在する。こっちからはバレバレなのに、然り気なさを装ったつもりでいるらしい、我先にと近付いて来る奴ら。こういう余裕のない者ほど能力は低く、今後の付き合いはないだろうと思わせる小物ばかりで、時間を割くのも無駄だ。近付いて来る人の気配に、俺の腕に絡まる牧野の手に力が込められる [続きを読む]
  • その先へ 29
  • 隣に座る牧野を見遣る。力を込めた手を組み合わせ俯く姿は、本気で憂鬱なんだと窺わせる。「大丈夫か?」「…………」今、俺達は、とあるパーティーに赴く車の中。この時期からやたらとあるパーティーの一つで、今夜はパートナー必須だ。主催者側との関係を鑑みれば、出席以外の選択肢はなく、だとしたらパートナーももれなく連行って訳で、当然、その役を担ってもらうのは、なかなか首を縦に振らなかった牧野だ。西田が根気よく駆 [続きを読む]
  • その先へ 28
  • ※ 今回のお話は、軽めではありますが、数行ほど大人的表現が含まれています。この手のものが苦手な方は、これより先へお進みになられませんよう、お気をつけ下さい。牧野と西田がこの部屋から出ていって、既に二時間近く。一体、何年がかりの誤解を受けていたんだと、必死の訂正に消費した気力の余力はない。静まり返る執務室に一人。そもそもよぉ……と、仕事も放棄で胸の内で不平を溢す。この俺が女関係で疑われるなんて、心外 [続きを読む]
  • その先へ 27
  • 道明寺と海ちゃんの想像だにしなかった驚愕の事実。その驚愕の余波は突然に私へと向けられた。「それから、これからはパートナーは牧野さんにお願い致しますので」「それは絶対嫌です」「ですが、このような問題が起きた以上、やはりこの先は信用出来る方にお願いする他ありません」道明寺の存在を置き去りに、執務室を後にしながらの私は、西田さんから執拗なまでに説得され続けている。でも、どうしてもパーティーだけは避けたか [続きを読む]
  • 私信となります
  • 本日は私信となります。更新に辺りコメントを頂きました皆様には、まだお返事を書かせて頂いてない中、先にこのような形を取らせて頂きますことを、先ずはお詫び致します。申し訳ございません。夜に改めて書かせて頂きたいと思っております。そして、引き続きですが、申し訳ございません。3月にコメントを下さり、私から返事がないままという、あってはならない状況にお心当たりの方がいらっしゃると思います。本当にすみません。 [続きを読む]
  • その先へ 26
  • 軌道修正したはずが、どうしてこうなる。ベラベラと細かいことまで喋る西田が憎らしい。俺に何か恨みでもあんのかよ! 尚も続けられる話にまた警戒しなくてはならなくなった俺は、腕を解きデスクを指先でコツコツ叩いて落ち着きをなくしていた。「パーティーとは別に、副社長を心配なさった社長が、お見合いを何度かセッティングなされることもあったのですが、その度に何かしらしでかしますので、ならばと、周りの女性を牽制する [続きを読む]
  • その先へ 25
  • 何が慰謝料だ。あの女に損させるようなことはしてないはずだ。寧ろ、見たくもないもん見せられ、裸で迫られた俺の方が請求しても良いくらいじゃねぇか。「払う義理も義務もねぇだろ」「えぇ。ですが、これだけに限らず、警戒まではせずとも、一応は気に掛けられてた方が宜しいかと」「裸で迫られた俺の方が被害者だけどな」「ですが、密室ですし、証言者も居りません。それすら、あのお方なら何を言い出すか、私も予測不能です」ど [続きを読む]
  • その先へ 24
  • 散々だった。牧野と食事をした翌日は、昨夜の寝酒のせいで体はだりぃし、寝不足だわで、牧野の朝一チェックから大騒ぎだ。…………俺のみだけど。「おはようございます! 副社長、昨夜はご馳走様でした。それに、すみません。運んでもらっちゃったみたいで」「おう」俺の頭はガンガンするのに、車から寝てた牧野は疲れ知らずなのか、朝から声は大きく、テンションもいつも通りだ。無表情よりは断然いいが……。あんなのは西田だけ [続きを読む]
  • その先へ 23
  • なんで俺は、おまえを忘れちまったんだろうな…………。大人しく眠る牧野を見ながらぼんやり考えてると、力の抜けている牧野が俺の方へと傾き、やがて、もたれ掛かかって来た。触れる右腕から伝わってくるのは、心地好い重みと柔らかな温もりで…………俺は瞬時に固まった。固まると同時に、忙しなく動く箇所があることに気付き、余計に体が強張る。何が起こってるんだと考えれば考えるほど、忙しなく動くのは、心臓だ。なんでこん [続きを読む]