kurieita さん プロフィール

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kurieitaさん: 栗栄太恋愛小説部(仮)
ハンドル名kurieita さん
ブログタイトル栗栄太恋愛小説部(仮)
ブログURLhttp://kurieitasyousetu.blog.fc2.com/
サイト紹介文優しく楽しく時々切ない、気軽に読めて癒される恋愛小説。全てハッピーエンド。現代、ファンタジー。
自由文10〜30代、女・男主人公。書き溜めた完結作を順次アップ中。現在、20代地味女子主人公『避けたい恋』ほぼ毎日更新中です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供38回 / 109日(平均2.4回/週) - 参加 2018/03/06 11:30

kurieita さんのブログ記事

  • 美しい兄と後宮入りしました 37
  • 「な、に?」引き攣った顔でジョエに尋ねると、ベッドの隣をポンポンされた。ジョエとの間に人一人分の間を開けて座ると、頭を小突かれた。「色気づいてんじゃねえよ。襲うぞ」「はあ?」ジョエが私の非難を無視して続けた。「アレも昔からよくうなされてたぞ。お前が夢でうなされてんのは初めて見たけどな」「え?」ジョエを見上げると頬を掴まれた。「お前の悪夢はお前だけのもんじゃねえ。アレにとっても悪夢なんだよ。何度イリ [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 36
  • シバに言われたことを反省して、無言のまま今日も兄さん用の単語集を作った。これを渡す時、嫌でも言葉を交わすことになる。私の様子が気になったのか、午後もゴロゴロと部屋にいるジョエにも勉強させよう。書き終わった紙を本から外して立ち上がる。ソファに座る兄さんの前に回ると、一瞬だけ驚いた顔をした後笑顔を見せた。「はい」紙を差し出す。兄さんがそれをまた、この期に及んで指先で取った。涙が出そうになる。私が昨日か [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 35
  • 「はい」昨日昼寝して作成をサボってしまった兄さんの単語集を、二日分差し出した。ソファにもたれる兄さんからは見え辛い窓辺の椅子に座って、一言もしゃべらず書きあげたものだ。「ありがとう」にっこりと冷たく微笑む兄さんが、いつものように指先で紙を摘まんで私の手から引き抜いた。シバにも言われたように、やはり悲しいのと同時に腹立ちも感じる。「兄さんって、」「何?ジュジュ」私から離れるためにあからさまにソファの [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 34
  • 「シバ様は大丈夫だと言われました」ウィゴが剣の鍛錬を始めたので、隣に座ったシバに伝えた。「ね?言ったでしょ?で、ジュジュちゃんの悩みって?」シバは嬉しそうだったが、こちらは複雑だった。「でも、シバ様が何をご存じなのかが分からないので、こちらの話はとてもし難いです」「あれ、そう?」「はい」シバがこちらを見ている気配がして窺うと、何かを考える様な表情をしていた。「私が知っているのは、君の姫様が、私の知 [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 33
  • 「お昼ご飯でーす」寝不足に加えさっき泣いたことで一層ぼんやりする頭を何とか動かし、カートを押して部屋に入った。「ジュジュ?」呼ばれてソファにいる兄さんを見ると、薄い笑顔に怪訝な色が浮かんでいた。「何?」何もないだろう。泣いて腫れた目を見て言っているに違いない。私から拒絶の空気を感じたのか、兄さんが笑んだまま口を噤んだ。さっさと食事をテーブルに準備する。兄さんが椅子に腰を降ろすのを待って、食べ始めた [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 32
  • 「何だお前、元気ないなあ」本を眺めていると、ウィゴに覗きこまれた。我に返り、全く読めていなかった本から顔を上げた。「びっくりした」呟く私に、ウィゴの反対側に腰掛けたシバが頬杖をついたまま笑いかけた。「悩み事かい?お兄さんが相談に乗ろうか?」2組の優しい茶色の目に挟まれ、テーブルに突っ伏して溜息を吐く。「相談したいのはやまやまなんですけれど、生憎人に話せる悩みではありませんので」テーブルに頬を付けた [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 31
  • 「どこ行ってたの?」ジョエを見上げると何でもない様に言われた。「あ?稽古付けて貰って来た」そう言われれば汗臭い。色が濃くて分かりにくい服だったが、よく見ると汗で濡れていた。「知り合いがいるの?」まさかなと思いながら尋ねると、馬鹿にした様に笑われた。「城にか?いる訳ねえだろ。風呂場で顔合わせた強そうなおっさんに頼んでたんだよ。ああ、あれも知り合いか」「本当にどこにいても自由ね。それで全裸で力比べなん [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 30
  • 兄さんから離れたいのもあって、食器を戻した後ジョエに頼んで図書館に来ていた。まだ、ここまで一人で迷わず来られるとは思えなかったからだ。「やあこんにちは。姫様はもう読んでしまわれたの?」お兄さんが会釈した私を見つけて声をかけてくれた。「はい。また借りさせて貰います」「俺、兵舎に顔だして来るから読まずに選べよ。読むなら、借りる本を選び終わってからにしろ、分かったか?」しつこく念を押すジョエに嫌な顔をす [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 29
  • ジョエに文字を教えるのは難航した。少しは読めると言った割に、習ったことを何も憶えていなかった。本当に人に教えてもらったことがあるのかが疑わしいほどだ。基本的な事を自分で勉強していた兄さんの方が、随分先を行っていた。そしてウィゴは、私達と比べることが申し訳なくなるほど賢かった。勉強嫌いが聞いて呆れる。10歳近く年上の私より難解な文章を理解して、私の知らないことを沢山知っていた。「凄いですね、ウィゴ様 [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 28
  • せめて何か食いながらやりたいと、ジョエが厨房に軽食を取りに行った。その間に、兄さん用に歴史の本から簡単な単語を拾い、持参していたノートに書き出した。「勉強道具、持って来てたんだね。ジュジュ」兄さんがテーブルに向かう私をソファから眺めている様だった。視線は手元に落としたままで答える。「当然よ。家が人手に渡るのに残して来られる訳ないじゃない」「そう。本は読んでたみたいだけど、勉強なんて嫌いなんだと思っ [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 27
  • 「毎日勉強の相手ねえ。良いんじゃない?賢くなれそうだし」兄さんに報告すると、いつもの笑顔でそう言われた。相変わらず突き放されている様に感じられて嫌な気分だ。兄さんは今日も昼食を半分ほど残していた。朝はある程度食べているが、夕食は昼よりもっと食べない。何を考えているのだろうか。好き嫌いの問題ならそう厨房に伝える様私に言えば良いのだ。性別や身元を偽っていても一応姫様なのだから。小食なのかなとも思ったが [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 26
  • 「何やら難しそうな本を読んでるね?勉強したいのならウィゴ様の授業のさらいに付き合わない?ここでウィゴ様と毎日勉強してくれると助かるんだけどなあ」シバの申し出に驚いた。「それは有難いお話ですけど、内容が一般向けではないのならお断りします。面倒事は避けたいので」「お前本当に無礼だな。面倒って何なんだよ」シバが笑った。「当然だよ。君を危険にさらすつもりはないよ、ウィゴ様に恨まれるし。それに君には物足りな [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 25
  • 「毎日同じようなことを言ってるのになあ。どうして私の言うことは素直に聞けないんですか?」呆れたシバの声が背後から降って来た。慌てて振り返ったウィゴが赤い顔で怒鳴る。「お前!盗み聞ぎしてたのか!?最低だぞ!」シバが悪びれず笑う。「聞かれて困るような話じゃなかったでしょう?ジュジュちゃん、ついでに机上の勉強の方のやる気も出させてくれない?脱走癖が酷いんだよ」「そうなんですか?」ウィゴを見ると、不貞腐れ [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 24
  • 「凄い顔してるね」昼前とは言われたがいつ来るとも知れぬ二人を待つために、掃除と洗濯物運びを急いで済ませて東屋で本を読んでいた。声に顔を上げるとシバが私を見下ろしていた。「なんでそんなに目が腫れてるんだ?」ウィゴが昨日と同じように私の隣に腰を下ろした。「ウィゴ様。何でって泣いたからに決まってるでしょう?両目を同時に虫に刺される人間は少ないですよ?」呆れた様に言うシバをウィゴが睨む。「お気になさらず」 [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 23
  • 「まだ早えぞ。起きるのか?」私の自室ドアの近くにある自分のベッドに仰向けに寝転んでいたジョエが、部屋から出て来た私を見上げた。「うん」まだ外は暗かったが、寝られそうにないので身支度を済ませて本を手に居間に出て来たのだ。予想に反してソファには兄さんが座っていた。目が合い、思わず先ほどの苦しさがよみがえり立ち止まってしまう。兄さんがいつもの様に薄く笑み、私から視線を逸らした。兄さんがここにいるのなら自 [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 22
  • 「お帰りジュジュ。楽しかったかい?」部屋に戻った私に、兄さんがソファから尋ねた。「うん。明日も遊ぶ」「王子と友達か。お前いきなり出世したな」ジョエが自分のベッドに寝転がっていた。「ジョエ。あれ臭かったんだからね。もう汚れ物溜めないでよ」そう言うとジョエが悪びれずに笑った。「悪い悪い」「もう。王子なんてあれを頭からかぶってえずいてたわよ。可愛そうに」ジョエが馬鹿笑いをする。「すげえな俺」溜息を吐いて [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 21
  • 「でも、王子は不自由なんだ」自分に言い聞かせるような口調に首を傾げた。「ご自分で不自由だと感じられるならそうなんでしょうけど。ああ、誰かウィゴ様にそう言った人がいたんですね?」俯いたままだったが、否定しないのでそうだったのだろう。「大人げない事をする人がいますねえ。その人がどう思おうとウィゴ様には関係ないのに。その人に言われなければそんな事まだ思われなかったでしょう?不自由だなんて考えるのは大人に [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 20
  • 少年の方を向くと、一度合った目が慌てて逸らされた。「俺は別にお前と遊びたかった訳じゃないぞ。シバが勝手に」そう言うので、一応申し出てみた。「では戻ってもよろしいですか?」「駄目だ」睨まれた。「そうですか。残念です。ではお話されますか?座ってもよろしいでしょうか?」ベンチを指すと、ウィゴがふくれっ面で頷いた。サラサラのやわらかな茶色の髪が揺れて、スッキリした顔立ちが一層可愛らしくうつった。ウィゴが先 [続きを読む]
  • 避けたい恋 39(最終話)
  • 「関君は手の届かない人だと勝手に思ってて、期待も何もなくて。ドラマの中の人を好きみたいな感じのものだと思ってたの。潤一さんのことは、きちんと好きだったんだけど、あの日あのカフェで、関君のあの顔を見てからもうどうあがいても駄目で。潤一さんを裏切った上に、関君のことをまた好きになりたくなかった。ううん。もう既に好きだったんだろうけど、それ以上好きになりたくなくて、会えば会うほど、そうなるのは分かりきっ [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 19
  • 変なことになっちゃったな。子供に同情して行くことにしちゃったけど、付き合えば面倒なのは分かり切っている。兄さんに相談したいけど、行くって言っちゃったしなあ。相談と言うより怒られるために報告するようなものだな。臭い洗濯物は、恐縮する私から豪快に笑うお姉さんによってあっさり奪い取られた。厨房のおばさんの娘かも知れない。本当にここは良い人ばかりだ。部屋に戻ると、兄さんが食器の乗ったトレイをテーブルに移し [続きを読む]
  • 避けたい恋 38
  • 「親父と座ってたのってどのベンチ?瀬名さんがいつも座ってるここ?」関君に尋ねられて頷く。そこは避けたいのかなと思ったが、予想に反して関君はそのベンチにどっかりと腰を下ろした。怪訝に思う私に気付いたのか、関君が口角を上げた。優しいあの笑みではなくて、ちょっと意地悪な、ちょっといたずらな感じの笑みだ。「ここに座るたびに、ずっと親父のことを思い出されると嫌だから。俺との思い出の方が強烈になったら、そっち [続きを読む]
  • 避けたい恋 37
  • 店を走り出て、自分の分の食事代を払い損ねたことに気付いた。明日平岡さんに渡そう。駅に向かって歩きながら頬を拭うと、ちょっとだけ涙に濡れていた。何の涙だろう。関君が私の気持ちに気付いてくれていて嬉しい?違う。どう考えても嬉しいって気分じゃない。自分で関君に伝えられなかったことが情けない?関君が私の気持ちを知っているのに、そう言ってくれなくて腹が立ってる?それとも、新谷さんが送ると言ってくれていた時に [続きを読む]
  • 避けたい恋 36
  • 「彼氏とは別れたのよね?」「はい」平岡さんに確認されたので答えた。ようやく喋れた気がする。「なるほどな、既に彼氏が居たんなら仕方なかったよな。ごめんよ、瀬名さん、なんだか勝手に彼氏はいないんだと思ってたよ」佐伯さんに謝られて首を振った。「いいえ」詳しく話す必要もないだろうと佐伯さんの謝罪に対してだけ答えると、勘の良い平岡さんにもう一度確認された。「その頃から彼氏がいたの?」わずかだったが、はいとは [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 18
  • 「大丈夫ですか?臭いですよね、これ」激臭を放つジョエの服の下から、茶色の目が覗いた。目の前で昨日の軍装の男が笑っているので分かり切っていたが、やはり昨日の子供だった。茶色の目が瞬く。「あ!お前昨日の!臭いぞこれ!今度は俺にゴミをかけたのか?無礼者め!」可愛い顔をしているのに、本当に可愛くない子供だ。まあ、子供らしい態度が可愛いと言えなくもない、微妙な年頃だ。楽しそうに近付いてきていた男の顔を見上げ [続きを読む]
  • 美しい兄と後宮入りしました 17
  • 次の朝はきちんと起きることが出来た。浴室側のドアの向こうから聞こえる水音で、兄さんが湯を使っていることが分かった。服の準備でもしてあげようかと思うが、本当の世話係でない分、兄さんの部屋に許可なく入ることさえ躊躇われる。普通の兄妹でも、この年になったらお互いの部屋に入るのに許可は要るわよね。自分たちの仲が悪いせいではないと、信じたい。自分の支度を済ませると、兄さんの手伝いは諦めて居間に出た。はたきを [続きを読む]