rbsct さん プロフィール

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rbsctさん: NYでピアノ三昧
ハンドル名rbsct さん
ブログタイトルNYでピアノ三昧
ブログURLhttps://ameblo.jp/rbsct/
サイト紹介文アメリカ、ニューヨークで20年のブランクを経てピアノを再開した作者の音楽三昧する日々。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供40回 / 163日(平均1.7回/週) - 参加 2018/03/07 12:34

rbsct さんのブログ記事

  • 通る音と通らない音 -モーツアルトに必要な音-
  • 室内楽のキャンプで大どんでん返しをくらわされたモーツアルトのピアノトリオ。今はモーツアルトからの手痛いお仕置きは置いておいて・・・ このモーツアルトの最初のレッスンの時にM氏にこう言われました。「その通らない音ではモーツアルトは弾けないよ。」 通る音。通らない音。(彼は英語では"You need more sounds going through."と言いました)これは、音量の問題ではなく、カラーの問題でもなく、音の質の問題。どこまでも [続きを読む]
  • 音楽が晒しだす演奏者の内側
  • 今回の室内楽キャンプで室内楽を演奏しているときに、とてもショッキングな経験をしました。 若手ソロイストとして活躍中のスペイン人のバイオリニスト。彼の演奏はこれまでに何度か見ていて、その演奏も、その屈託のない人柄にも好感を持っていました。モーツアルトが大好きだという彼。子犬のような顔でぺちゃぺちゃとおしゃべりをする彼らしい、とてもボーカルでくるくると表情を変えるモーツアルト。バイオリンコンチェルトが [続きを読む]
  • モーツアルトからのおしおき -カーネギーの恐怖再び-
  • 二週間にわたる室内楽のキャンプも昨日で終わりました。キャンプの最後二日にわたって演奏会があったのですが、私は一日目にドボルジャークのDumkeyを弾いて、最終日のトリにモーツアルトのピアノトリオを弾きました。 とにかくドボルジャークの方が大変で、大苦しみをした今年のキャンプ。一緒にバイオリンを弾いてくれたソロイストとして活躍中の若いバイオリニストに苦しめられながらも、とにかく色々なことを学びました。色々 [続きを読む]
  • 体を動かして弾くこと
  • 今回の室内楽キャンプでは、ドボルジャークのDumkeyとモーツアルトのピアノトリオを弾くことになった私。いつも通りどちらも大変な苦労をしているわけですが、今日のモーツアルトの練習の時に、バイオリンパートを弾く講師の先生がチェロを弾く男の子(14歳)に言いました。 「貴方は大きな音を出したり、表現豊かに弾こうとするときに頭を動かすけれど、頭を動かしても音は大きくならないし、表現が豊かにはならないわよ。むし [続きを読む]
  • 音をハイライトする
  • ある音をハイライトする。ある旋律をハイライトする。ピアノを演奏していて、このスキルを求められないことはまずないはずなのに、なかなか習得しきれない「ハイライト」つまり、強調する、目立たせるというスキル。 バッハのように全体を通して複数の声部からなるような音楽はもちろんのこと、和音からなるメロディーなどの場合も強調する音を選んで、それを目立たせるように弾かなければならない。 今、恒例の夏の室内楽キャンプ [続きを読む]
  • 「音」と「音楽」
  • N氏こと西川悟平氏のレッスンを初めて受けた時に聴かされた彼の音に強烈な衝撃を受けてから、早5年。あれからずっとあの時の衝撃第2弾を追い求めて、色々な演奏会を聴いたり、音色を追及する奏法を研究する先生のレッスンを受けたりしてきました。けれど、音楽的には素晴らしいと思う演奏には出会いましたが、「音」に対してあれほどの衝撃を与えてくれる演奏は一つもありませんでした。 ああいう音がこの世に存在するということ [続きを読む]
  • 中身のある音
  • 今日もまたベートーベンのソナタOp.110の話。とにかくこのベートーベンのしかけた壮大な魔法の中で答えを探してぐるぐる回っている私です。 前回に引き続き、ダニエル・バレンボイムの話になりますが、彼のベートーベンのソナタのマスタークラスの映像を見ていて、心に残った言葉の一つに「Where is the substance? -中身はどこにいったんだい?」というものがあります。ここで彼の言う「中身」とは、「音の中身」のこと。バレン [続きを読む]
  • 手首の使い方
  • M氏は良く手首の使い方を話してくれますが、それは私が日本で子供の時に習ったものとは全く違います。先日書いた私のバイブルの著者、ジョセフ・レヴィンもその著書の中で、「手首は車のサスペンションに当たる部分」と言っています。そしてM氏も「とにかく手首を柔らかく使いなさい!」と言います。 手首が固定されずに柔らかく使えると、手を上下に動かして、音を抜いたり、逆に鍵盤の奥深くまで入っていくようなタッチをしたり [続きを読む]
  • ベートーベンのフーガ
  • ずーっとはまり続けているベートーベンの後期のピアノソナタOp.110。なかなか出口が見つからず、足踏み状態が続いています。このソナタ、何もかもが難しいのですが、特に難しいのが第3楽章に付けられたフーガの部分。この曲を勉強し始める前は、このフーガの前の嘆きの歌の部分ばかり考えていて、このフーガはいわゆる単なるフーガだと思っていましたが、それは大間違いでした。 まず、初めてこのフーガの部分を弾いたレッスンで [続きを読む]
  • 私のバイブル
  • 行き詰まってしまった時にいつも読み返すのは、レッスンの時にとったノート。レッスンの時にノートをとるのは、集中しなくなるので止めた方が良いと言われたこともあるのですが、言われたことを全部覚えていられる自信はなく、せっかく先生が言ってくださっていることを聞き漏らすのも勿体ないと思い、NYに来てから習った先生のレッスンではいつも簡単にノートをとってきました。そのノートもかなりの冊数に。。。面白いのが、N氏 [続きを読む]
  • 間違えないように弾くということ
  • 昨日、我が家の小さなバイオリン弾きがパフォーマンスを前にこう言いました。「間違えたらどうしよう。」曲が十分に仕上がっていなく、不安でいっぱいの彼。頭の中には「間違えたらどうしよう。」が渦巻いているのでした。 私も同じ。演奏会の前はいつも「間違えないように、音を外さないように、完璧に弾くこと」ばかりを考えてしまう。しかしそれは演奏会の前に考えなくてはいけないことではないと思う今日この頃。もちろん間違 [続きを読む]
  • 行き詰まった時
  • ここしばらく、色々な意味で行き詰まっている私。閉塞感いっぱいです。抱えている曲が皆難しく、やらなければならないこと皆難しく、何から手を付ければよいのかわからない状態。練習をしていてもつらいばかりで、ちっとも楽しくない。この行き詰まった状態というのは、良い演奏を聴いた後に起きることが多い気がします。自分のやっていることの未熟さを思い知らされて、知らず知らずのうちに力が入ってしまうのです。 行き詰まっ [続きを読む]
  • 完璧なレガート
  • ここのところ、レッスンのたびにM氏から「ここは完璧なレガートで弾かないといけないよ。」と言われます。例えば、ベートーベンの31番のソナタ。ありとあらゆる場所で「完璧なレガート」を求められる。特にフーガの部分は全ての声部において、その「完璧なレガート」を実現しなければならない。自分では自分の思うところの「完璧に近いレガート」を弾いているつもりでも、「もっとレガートで!」と言われてしまう。 そこで気が付い [続きを読む]
  • ピアノで”歌う”
  • 子供の時から良くピアノの先生に「そこはもっと歌って!」と言われましたが、このピアノで「歌う」ということは、いったいどういう風に説明をすればよいのだろうか?とこの頃良く考えます。 歌う=肉声で歌うように弾くということ。肉声で歌う場合、必ず息継ぎが必要だったり、色々なことに自然な制約がかかってきます。ところが、楽器で演奏する場合(特にピアノ場合)、この自然な制約を忘れて、機械仕掛けになりがち。これが吹 [続きを読む]
  • 譜面は紙でないといけないのか?
  • 先日、知り合いの弦楽奏者の人と話していて、「○○さんが、オケの練習にipadの譜面を持ってきた!現代曲でなくてベートーベンよ!もってのほかよ!!」と憤慨しているのを聞いて、ふーんと思った私。 昨今、特にソリストなどは練習の時にはipadを持ってくる人を良く見かけます。(ソロの場合は、本番の時には譜面は使わないので、ipadに入れた譜面を見ながら弾いている姿はあまり見かけませんが)実際、譜面は紙でなくてはいけな [続きを読む]
  • 初!生キーシン@カーネギーホール 4/27/2018
  • 一昨日、カーネギーの一番大きなホール、スターンホールにキーシンを観に行ってきました。私にとっての初めての生キーシンだったのですが、ソロではなくエマーソンカルテットとの室内楽のコンサートでした。・モーツアルト: ピアノカルテット g-minor・フォーレ:ピアノカルテット c-minor・ドヴォルジャーク:ピアノクインテット A-Majorの3曲。その中でもモーツアルトは去年の夏にフェスティバルで自分が弾いた曲だったの [続きを読む]
  • いくら稼ぐ?芸術の対価 -How much money do they make?-
  • 先日、我が家の殿下の通う学校の美術のクラスで、ゲストスピーカーとして話をしてきました。ピアノばっかり弾いているような私ですが、実は本職はアートに関わる仕事です。その側面から、私の仕事とその専門である版画について話をしてほしいとのこと。英語でこの手のことを受けるのは、なかなか骨が折れるので、どうしようかと思いましたが、私が社会に貢献できる数少ないことの一つだと思い、依頼をうけさせていただきました。 [続きを読む]
  • Schubert Impromptus Op.90 -シューベルト 4つの即興曲-
  • M氏のソロリサイタルから早くも2週間近くたちましたが、いまだに色々と感じ入ることがあり、とても新鮮な気持ちになると同時に、彼の音楽の深さに改めて尊敬の念を抱きます。 さて、M氏が弾いた曲の中にシューベルトの即興曲 D899がありました。シューベルトが晩年に書いた、4つのかたまりとしての即興曲。 第一印象は、「重い」。この4つの即興曲は、1曲ずつ聴くとそうは感じないのですが、4つまとめて弾くと、一気に重みが [続きを読む]
  • 譜面を読み込む
  • 現在取り組んでいるベートーベンの後期のソナタ、Op.110。とにかく超難しいです。今週久しぶりにのM氏とのレッスンで、とりあえず読んであるところは全部弾いてみてと言われて、よろよろと全部弾いてみましたが、まあ難しい。 M氏がピアノの周りをぐるぐると歩き始めたのですが、これは彼の本気スイッチが入った時の動作。強烈なダメ出しが始まる前には、いつもこのぐるぐる歩きがあります。そして今日のダメ出しは、3楽章の”嘆 [続きを読む]
  • 響きでつながる瞬間-Chopin Fantasy、ショパン 幻想曲-
  • M氏のリサイタルから数日が過ぎましたが、いまだに彼の音が耳の中で響いているような不思議な感じです。彼の演奏を聴いていて色々と感動することはありましたが、小さな音の美しさ、そして響きの美しさには改めて感動しました。素晴らしいミュージシャンです。 その響きの美しさを感じさせてくれたのは、ショパンのファンタジー、幻想曲。ショパンがただ一曲だけ残した、純粋な幻想曲。全体的にパワフルで男性的な大曲。それでいな [続きを読む]
  • Your Nocturne, Chopin Op.27-2 -君のノクターン-
  • M氏の今度のソロリサイタルの曲目の一つにあるショパンのノクターン、D-Flat Major。彼はこのノクターンのことを私に話す時にいつも「Your Nocturne、君のノクターン・・・」と言います。「君がこのノクターンを弾いたから、僕も恐怖心を消してこの曲に向かい合うことができたよ。」と嬉しそうに語るM氏。彼の言う「恐怖心」とは? 実は、このノクターンは私がM氏との初めてのレッスンに持って行った曲でした。私がこの曲を練習し [続きを読む]
  • 全ての動きをコントロールする
  • 今日もまたM氏のリサイタルのリハを見せてもらいました。同じプログラムで2回目のリハ。驚いたのが、たったの1週間でその演奏は大きく変わっていたこと。音楽自体が一層鮮明なものとなり、細部のこだわりも一層輝きを増していました。音色の幅、その感触の幅、フレージングのまとまり方、音楽の方向性、音楽の引力、そういう全てのことが、更なる次元へと弾き上げられていました。ただただ驚きました。たったの一週間で、ここま [続きを読む]
  • やっぱりモーツアルト
  • 我が家の小さなバイオリン奏者が参加しているオーケストラが、モーツアルトのバイオリンコンチェルトを演奏することになり、家でも譜読みなどを手伝わなければならず、私自身久しぶりにモーツアルトと対峙することになりました。 やっぱりモーツアルトは難しいです。一つ一つすべてのことが難しい。音楽は極めて薄く、それなのに、薄さは全く感じられない。隙も無駄も一切ない、究極の美。 昨今、アメリカのユースオーケストラでも [続きを読む]