Kouki.H さん プロフィール

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Kouki.Hさん: lapis lazuli
ハンドル名Kouki.H さん
ブログタイトルlapis lazuli
ブログURLhttp://blog.livedoor.jp/kouki_higa/
サイト紹介文『運命の人』基本毎日更新。完結長編・短編あり。R18多数.。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供519回 / 262日(平均13.9回/週) - 参加 2018/03/31 18:40

Kouki.H さんのブログ記事

  • ねがいごと(密やかに君は。番外編)
  •  「うわっ、こりゃ綺麗だな!」俺は思わず感嘆の声を上げる。もう年の瀬も押し迫った12月。こちらで生活し始めて4ヶ月になろうとしている。東京の邸宅を離れ、自分を取り戻すため祖父の家に身を寄せることになった康煕に付いてきた俺は、近くのワンルーム・マンションに住んでいる。とはいうものの、俺は殆ど康煕の祖父の家に入り浸っているのだが。それはひとえに、精神的にボロボロになった康煕を一番側で見守ってやりたいか [続きを読む]
  • コレクション(炎と水 番外編)
  •  「・・・やっと会えたな」 「ずいぶん長くかかったじゃないか・・・あまり遅いから謀反で殺されたんじゃないかと思っていたよ・・・」俺の目前に立つのは、氷の微笑を浮かべた水の王者。皮肉めいたその言葉も、音楽のような声で紡がれると、まるで一種の媚薬のようにさえ感じる。その姿は、俺の体の下で喘いでいたあの時よりも一段と美しく、そして威厳さえある。 「残念だったな。俺はお前を再び手に入れるまで死にはしない」そう、俺 [続きを読む]
  • クリスマス・マーケット(運命の人 番外編)
  •  「いきなりドイツのクリスマスマーケットで待ち合わせなんてビックリした・・・」 「だから調整できるように、1ヶ月前にチケット送っただろう?」 「・・・日はどうやって決めたの?」 「ホテルってクリスマスから年始までは忙しいだろう? でも、多分この辺りだったら休みが取れやすいかなと思って」琉惺は優しく笑って僕を見つめる。全てを包み込むような眼差しは、ずっと変わらない。遠く離れていても、琉惺は僕を見守り続けて [続きを読む]
  • 運命の人57
  •  「・・・死ぬなんて・・・俺の前で軽々しく言うな・・・」怒りを孕んだ羅刹の声に、真理子のみならず康煕も背筋が凍るような恐ろしさを感じる。しかし、真理子は涙を流しながら訴えた。 「軽々しく言ったつもりはありませんっ! ここに来る前に・・・死のうとしました・・・でも・・・最後に・・・あなたに望みをかけました・・・」 「何だと?」羅刹は床に膝をつくと、真理子の両腕を掴んだ。 「おい、あのクソ親父に何故相談しない? あいつほどの [続きを読む]
  • イラスト 運命の人57
  • <運命の人57> 「あんた、死にたいのか? それとも生きて自由になりたいのか?」羅刹の表情はいつのまにか、先刻とは違って優しいものに変わっている。真理子はそんな羅刹の目を真っ直ぐに見つめた。 「・・・生きて・・・自由になりたい・・・」それを確認した羅刹は顎に手をやり、康煕を見て、口元に笑みを浮かべた。 「・・・お前が自由にしてやれよ・・・・・・お前の抱えている問題も同時に解決できるように・・・」康煕はそれを聞いて、ゴ [続きを読む]
  • 運命の人56
  •   「いらっしゃ・・・ああ、お帰り」羅刹の食堂の格子戸を開けた康煕に、聞き慣れた羅刹の威勢の良い声が響く。店の中は相変らず常連客で賑わっている。 「・・・ただいま・・・」妙な不自然さをもって康煕はそう答え、店の中に入る。続いて西園寺真理子も入ってきた。羅刹は驚いた表情を浮かべる。 「・・・まさかお前が女性を連れてくるとは思わなかった。夕飯、まだなのか?」ごく自然な口調で羅刹は問う。康煕は真理子を振り返った。真 [続きを読む]
  • 運命の人55
  •  康煕は、父・康一とレストランを出て、再び2人で車に乗り込んだ。 「・・・もう家に帰りなさい」静かな口調で康一が言うが、康煕は首を横に振る。 「・・・1人でゆっくり考えたいんだ・・・3日間」 「そうか」康一はそれ以上、康煕を引き留めることはなく、康煕の希望した駅の近くで彼を下ろし、そのままタクシーは走り出した。このまま商店街の方に歩けば、羅刹の食堂がある。でも、少し夜風に当たって頭の中を整理したくて康煕は [続きを読む]
  • イラスト 運命の人55
  • <運命の人55>   たとえ理不尽であろうと権力者には従わなければいけないなんて・・・そんなのは間違っている!康煕は強くそう思う。でも、恐らく殆どの社会人は、多かれ少なかれ、そういう理不尽さの中で生きているのだろう。自分は甘いのか? 自分はまだ子どもだから、そう思ってしまうのか? 康煕は自分自身に問いかける。でも、康煕自身は何も答えることができない。ふと、康煕は左手の指輪に触れる。   ・・・琉惺なら・・ [続きを読む]
  • 運命の人54
  •  その日は就業終了早々、父には会わずにさっさと帰ってしまおうと目論んでいた康煕だったが、西園寺からの電話が気に掛かって仕方が無かった。   近いうちに、君は私に会うことになると思うよ・・・最後に西園寺が言ったあの言葉の意味は一体何なのか。それを知るためには、父と話すしかない。仕方なく、康煕は仕事が終わると、父のいる支配人室をノックした。返事を聞いて中に入ると、父もちょうど帰り支度をしているところだっ [続きを読む]
  • 運命の人53
  •  翌朝、康煕は羅刹が準備してくれた純和風の朝食を食べて、『竜宮』に出勤した。従業員の更衣室に入ると、夜勤明けの早雲がちょうど帰る支度をしているところで、康煕を見て驚いて歩み寄った。 「康煕、お前、昨夜大変だったみたいだな」 「・・・知ってるの?」 「ああ。母さんから電話が掛かってきたよ。康煕がそっちへ行ってないかって。昨夜は何処にいたんだ?」 「・・・ビジネスホテルに泊まった」康煕は、羅刹に迷惑がかから [続きを読む]
  • イラスト 運命の人52
  • <運命の人52> 「そりゃ断って正解だな。お前、危険回避能力が身についてきたじゃねぇか」羅刹はそう言うと、その瞳の奥に怒りを思わせる光を揺らして言葉を継いだ。 「・・・娘婿の話は口実だよ。娘なんて、政治家としての人脈を作る最高の道具じゃねぇか。それを一流とはいえ、ホテルの御曹司程度に嫁がせるわけはねぇよ。要は、お前が欲しいのさ。狙いは最初から、お前だ」小説はこちら・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [続きを読む]
  • 運命の人52
  •  「・・・西園寺・・・要介・・・」目を見開いて、言葉を発することができない康煕の様子を見て、羅刹は口元に笑みを浮かべる。 「・・・タイムリー過ぎてビックリだろ?」 「・・・羅刹さん・・・でも・・・苗字が玄武さんっていうんじゃ・・・」 「あ、それはお袋の旧姓。戸籍上は西園寺だ。あいつ、姉貴が自殺した段階でお袋と離婚したんだよ。家族で自殺者なんかがいたら政治家として汚点なんだってよ・・・お袋は姉貴の遺骨と俺を連れて実家に戻って・ [続きを読む]
  • イラスト 運命の人51
  • <運命の人51> 「・・・いいかげんにしてください・・・」ぽつりと康煕は言った。康一も葉子も、康煕のそんな言葉に驚く。嘗て康煕がこのような物言いを両親にしたことはなかったからだ。 「・・・康煕・・・お前・・・」 「もういいかげんにしてくれ!」康煕はソファから立ち上がって、声を荒げた。 「僕は一体何なんだ!? 『竜宮』のための道具なのか!? こんなことを強要されるなら、僕は『竜宮』の跡は継がない!!」小説はこちら [続きを読む]
  • 運命の人51
  •  その日は、早雲が夜勤で、竜宮邸には康煕と両親と家政婦さんがいるだけだった。その家政婦さんも夕食後のお茶の用意を済ませると帰って行ったので、リビングには久しぶりに親子3人が残っていた。康煕はお茶を飲み終わり、立ち上がろうとしたが、それを父・康一が引き留めた。 「康煕、ちょっと話がある。座りなさい」 「・・・・・・」康煕は先日の西園寺との会話の中で、康煕が嵌めている指輪について父が偽りを言って以来、父と話 [続きを読む]
  • イラスト 運命の人50
  • <運命の人50>そんな中を1人で歩きながらも、康煕が一緒にいたら何と言うだろう、きっと自然の作り出す美を素直に賞賛することだろうと想像し、小さく微笑う。康煕に会いたい。康煕の声を聴きたい。康煕の肌に触れたい。その欲望は2年間、離れていたときよりもずっと強い。小説はこちら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・▼よろしければポチッとよろしくお願いします♪にほんブログ村BLイラストランキング [続きを読む]
  • 運命の人50
  •  サンフランシスコのサンタクララ   年中温暖な気候で日差しはきついが風は冷たいのでとても快適な街だ。琉惺は、この街のビルの1フロアを借りて「KONO」の拠点と定めた。周囲には世界に名だたるIT企業の本社が建ち並ぶ。日本から連れてきたスタッフの他に、現地でも3人の技術者とアルバイトを数名雇った。そして、会社の近くに自宅としてアパートを借り、そこで寝起きをしていた。元々、知らない世界に飛び込んでいくことは [続きを読む]
  • イラスト 運命の人49
  • <運命の人49>羅刹の言葉に、久しぶりに声を立てて笑いながら、康煕は夜空を見上げた。東京の夜空では星はあまり見えない。でも、見えないというだけで、そこに星は存在する。心でしか見えない星をきっと琉惺もサンフランシスコで見ていることだろう。夜空を見上げる康煕の横顔を羅刹は黙って見つめる。   琉惺・・・お前の頼みをちゃんと聞いてやってるぜ・・・小説はこちら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [続きを読む]
  • 運命の人49
  •  「・・・なかなか良い場所だな・・・夜風が気持ちいいや」厨房に戻った康煕は、ちょうど殆どの片付けが終わった羅刹を誘って、ホテルの屋上に上がった。もうすぐ夏になると、ここではプールサイドバーが催されるのだが、今はまだ準備中であり、他には誰もいない。まだ調理服を着たままの羅刹が欄干にもたれ、康煕を振り返る。 「お前、ちょっと大人っぽくなったな。外見だけかも知れねぇけど」 「・・・前髪を上げただけだよ。中身はあ [続きを読む]
  • 運命の人48
  •  祝賀会が終わった後、康煕は、早雲をはじめコンシェルジュやフロントスタッフと共にエントランスに並び、帰って行く客を見送っていた。結局、パーティの料理が出尽くすまで、康煕は光川と共にレストランの厨房にいて、手際の良い羅刹の調理風景を眺めていた。ここがアウェイであるにも関わらず、羅刹はシェフさながらに的確に指示を出し、他の調理人たちを動かしていく。そして、最後の仕上げは、必ず自分の舌で確認をしていた。 [続きを読む]
  • イラスト 運命の人47
  • <運命の人47>康煕はその声の主に、吸い寄せられるように目を向けた。そこに立ち、シェフさながらに指示を出している人物は   。 「・・・羅刹さん・・・」その声に羅刹は僅かに顔を康煕に向けて、ニッと笑った。 「・・・お前は手伝うなよ。かえって手間がかかるからな」 「ど、どうして・・・羅刹さんがここに・・・?」 「ああ、そういう質問は後で。料理は温度が命なんだからな」食堂をきりもりしているときと全く同じ口調で羅刹は [続きを読む]
  • 運命の人47
  •  その日、ホテル『竜宮』では、地元の代議士の結婚祝賀会が催された。若手ナンバー1という呼び声の高い代議士のために、政界の重鎮たちも次々と訪れ、ホテル全体物々しく警備されていた。尤も、『竜宮』では、こういう催しや警備体制はよくあることなので、康煕をはじめ従業員たちも、それほど緊張はしていない。高級そうな外車が次々とエントランスに止まり、SPを引き連れた政治家がホテルの中に入ってくる。総支配人であり、康 [続きを読む]
  • イラスト 運命の人46
  • <運命の人46>1人になった康煕は、じっと己の指輪を見つめた。あの夜から、もう2週間になる。琉惺はもうアメリカに渡ったのだろうか。今頃、仕事に没頭しているのだろうか。無理して体調を崩していないのだろうか。康煕は、琉惺とこういう関係になる以前は、何でも自分の中に溜め込む性格だった。嫌な事や悩み事があっても、誰にも相談せず、何日もかかって自分が良いと思う方に進んできた。今回も、本当に自分に大人としての [続きを読む]
  • 運命の人46
  •  「・・・竜宮くんって・・・少し大人っぽくなったわね」康煕と同じフロントに勤務している三田絵里花がふとそう言った。 「・・・髪型を少し変えたからじゃないですか? まだまだ解らないことだらけですよ」康煕は柔らかい微笑を浮かべてそう答える。前髪を少なくして後ろと横に流すようにしたのだ。最初はムースの匂いに慣れなかったのだが、今ではもう匂いにも慣れ、けっこう板に付いてきた。 「いや、そういうのではなくて・・・落ち着 [続きを読む]
  • 運命の人45
  •  レストランを出た後、そのままタクシーに乗ってしまうのも何となく寂しくて、2人はそのままホテルの近くの海岸沿いを歩いた。行くあてはない。あるとしたら別れだけだ。 「・・・いつ・・・アメリカに行くんだ?」黙ったままの窮屈さから逃れるように、康煕が尋ねた。 「・・・できるだけ早い方がいいかも知れないね・・・」静かに琉惺は答える。平日の夜ということもあって、周辺にはあまり人の姿は見られないが、所々で肩を寄せ合ってい [続きを読む]
  • イラスト 運命の人45
  • <運命の人45> 「・・・嫌だ・・・琉惺の涙は・・・」 「・・・君にしか・・・見せない・・・」 「それでも・・・嫌だ・・・・・・琉惺が・・・悲しむのは・・・」 「・・・君も・・・涙声・・・」琉惺はそっと康煕の顔を上げさせて、琉惺と同じように涙を流している康煕の顔を優しく見つめる。 「・・・君も・・・僕以外の誰かの前で・・・涙を見せないで・・・僕が独占したいから・・・」 「・・・うん・・・」2人はそのまま、そっと口付けた。それは優しいキスだった。きっと、深いキ [続きを読む]